'98.6北欧旅行記

98.6.15(月)第6日目

オスロ→リレハンメル→ロム→ゲイランゲル 《ノルウェー》泊


ダレスニッパ展望台よりゲイランゲルフィヨルドを望む

 
 この日から2泊3日のフィヨルドの旅。当ツアーの目玉である。行き先の地名を見ても、ガイドブックにも乗っていないような地ばかり。さらに、ひたすらバスでの移動なので、バス旅行を十分に楽しもうと、ノルウェーの地図をあらかじめ日本で手に入れておいた。さらに、インターネット上から、フィヨルド周辺の地図をプリントアウトしておいた。これらの地図は、フィヨルド観光では、非常に役にたった。地図と道路標識を見比べながら、次にはどんな景色が見えるか、とか、何という町があるのか、など、騒ぎながらの旅となった。(もっとも、騒いでいたのは私たち二人だけだったが)
 オスロ市街を朝9時前に出発。ヨーロッパ道6号(E6)を北上する。まずは、ミョーサ湖のほとりのサービスエリアで休憩である。サービスエリアといっても、日本のものとは違い、隣や裏には、普通の民家が続いている。ポストがまとめて置かれているところを見ると、郵便屋さんは各家をまわらず、まとめて郵便物を配布するらしい。冬季対策なのかもしれないが。

 バスはずっとミョーサ湖沿いに北上。途中ハーマルという町を過ぎ、ミョーサ湖のはずれの町、リレハンメルに到着。オスロから約2時間の距離である。
 リレハンメルといえば、長野オリンピックの前の冬季オリンピックが行われた町である。町自体は小さく、赤い屋根の民家がフィヨルド沿いにかたまって建っている。しかし、町のあちこちにはオリンピック施設が残っている。この建物は、リレハンメルオリンピックで有名だった、ハーマルのスケート場。カマボコではなく、バイキング船をかたどったのだそうである。(船をひっくり返したイメージ)
 

 オスロからリレハンメルの町まで、ところどころ鉄道と交差する。リレハンメルオリンピックに合わせて、リレハンメルまでの鉄道は整備し直されたそうだ。鉄道はE6に沿って、トロンハイム経由で、北極圏に近いボードーまで通っている。私たちのバスがE6を外れるまで、つかず離れずの距離で線路や駅を何度も目にした。

 

 オッタの町でバスはE6号を外れ西方へ進路を変える。E6を外れたとたん、家々の数はぐっと少なくなる。
 そして氷河をいだいて山頂がまっしろな山が近づいてくる。流れる川の水量も増え、色も氷河の鉱物の含まれたエメラルドグリーンに近い色になる。
 ずっとフィヨルドも続いていたが、それまでは「なだらかな丘」という感じ。しかし徐々に険しさを増してくるようだ。いよいよ、フィヨルド地方が近づいているのだ。
 


スターブ教会

 
 

 ここはロムの町。オスロから約300キロの距離にある。小さな小さな町だが、この町にはめずらしい物が残されている。スターブ教会だ。スターブ教会というのは、木造の支柱式教会で、蛇の鱗のようなこけら板で屋根が覆われ、棟木の上には、龍の頭がつけらている。バイキング船を思わせる教会である。黄土色の木造建築は大変美しい。かつてスターブ教会はノルウェー各地に1000棟以上もあったそうだが、現存しているのは31棟のみ。このロムの町に入る少し手前にも、やや小さいがスターブ教会があった。
 またロムの町には、古い民家がいくつもあった。昔ながらの民家には「鐘」がつけられている。農作業に出ている家人に食事を知らせるための物だそうだ。(写真は小さくて鐘には見えないが、煙突のようなものが、その鐘、である)

 

 ロムの町を離れ、バスはさらに西方へ進む。高度も徐々に高くなり、まわりの景色も雪が多くなる。川もところどころ凍っている。まるで北極圏にでもきたような気分だ。
 ここはGrotli(読めない)というところ。といっても、町ではなく、ただ1軒、小さなホテルが建っているだけである。Grotliというのはホテルの名前だった。このとおり、夏でも雪がいっぱい残っている(万年雪)ので、オリンピック複合の荻原選手が訓練に来たそうで、ホテルロビーに写真が飾られていた。
 バスはこのような雪景色の中を進み、途中、ダレスニッパ展望台へ寄った。
 この展望台はゲイランゲルフィヨルドを見下ろせる、とても眺望のよい展望台だが、非常に急な細い道を上って行くため、天候がよくないとのぼれない。4日に3日はのぼれない、とのことだが、この日は「今年一番のよい天気」というほどすばらしい天気だったので、めでたく展望台へ行くことができた。

 ダレスニッパからの眺めは、本当に素晴らしかった。あまりに素晴らしい景色を見ると、呼吸がとまりそうなぐらい感動するが、まさしくここは、そういう場所だった。
 万年雪を頂にいだいた切り立った山々。その山が氷に削られてできたフィヨルド。はるか下に見えるのは、ゲイランゲルフィヨルドの最も深いところである。
 フィヨルド沿いのわずかな平地には、豆粒のような家がぽつんぽつんと建ち、その間を糸のように細い道が通っている。
 ダレスニッパ展望台から見下ろしたゲイランゲルフィヨルドは、今回の旅行で忘れられない景色となった。
 

 本日の宿泊地は、このゲイランゲルフィヨルドの最も深いところにある、ゲイランゲル。はるか下に見下ろしたところめざして、バスは急勾配を降りて行く。
 ここはかなり下ったところ。もう一度フィヨルドを上からながめた。

岩にへばりつくように建てられた小屋
 
羊があちこちに放牧されている
 

 ホテルはゲイランゲルフィヨルドの真ん前。ホテルの窓から、フィヨルドに飛び込めるような距離である。ホテルの前で、フィヨルドに落ちる太陽を見た。時刻は21時45分。しかし日没後もちっとも明るさはかわらない。日没後10分ぐらいの明るさが延々と続く。
 今回の旅行で、このゲイランゲルが一番北緯が高い。というわけで、真夜中でも本当に明るいのかどうか確かめるために、午前1時過ぎに目覚し時計をかけて、明るさを確認した。
 結果。少しは暗くなっていて、町には電灯がついていたが、やはり日没後の薄明るい状態であった。
 「ああ、これが白夜なんだ」実感した私だった。
 



 
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