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ヴァスラフ
中央公論社 Oct. 1998 (在庫切れ・入手困難)
Cover design: 鈴木一誌・廣田清子
Cover photo of Nijinsky from Biblioteque National de France, Paris |
コンピュータ・ネットワークが存在する架空のロシア帝政末期。革命や戦争、ネットワークへのハッキングの危機にさらされているロシア帝国は、帝国のコンピュータ工学の水準の高さを国の内外に知らしめるため、ネットワーク上にヴァーチャル・リアリティのキャラクターを作ることとなった。仮想空間につながったゴーグルを装着することにより、人はあたかもそこに本当に人間がいて、現実と区別がつかないほどリアルにその存在を感じ取ることが出来る、という。開発を任された主任研究員は独断で、そのキャラクターをバレエ・ダンサー〈ヴァスラフ〉として製作していた。さらに、モーション・キャプチャー・システムを使って、現実のダンサーたちと〈ヴァスラフ〉を映像の中で共演させることを計画している。帝国官僚にその独断を非難されながらも、彼は帝室マリインスキー劇場の支配人やダンサーたちと話をつけ、ヴァスラフを帝室劇場の一員としてサイバー・スペース公演を始める。団員にも観客にも、〈ヴァスラフ〉が実在しないことは知らされていない(公演は現実のニジンスキーの演目をなぞって進む)。
〈ヴァスラフ〉は人気を博し、共演者や観客たち、ことに振付師フォーキンは〈ヴァスラフ〉に異常なまでに魅了されてゆく。そしてまた〈ヴァスラフ〉、ネットワーク上のあちこちに勝手に出没し、研究員たちにも止めることができなくなりつつあった。それどころか研究員たちも日増しに現実と仮想空間の区別がつかなくなり、精神的に変調をきたしてしまう。責任を感じたプログラマは、〈ヴァスラフ〉と唯一交流を持つことのできるハッカー〈オデット〉との接触を試みるが……
かつて第二回青山円形劇場脚本コンクールで、大賞と目されながらも「上演不可」の烙印を押されて佳作に甘んじた「エレヴァシオン」を根本的に見直し、ゼロから書き直したレーゼドラマ。今回は上演可能かも? |
(梗概作成・K.I.&高野)
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架空の王国
中央公論社 Oct. 1997 (在庫切れ・入手ほぼ不可)
Cover design: 鈴木一誌・廣田清子
Cover illustration from Biblioteque National de France, Paris |

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20世紀末。モナコ同様にフランスの保護下にある小王国ボーヴァルは、陰謀と学問、そして特殊な王位継承法で大国間を泳いで生き残ってきた国だった。瑠花は古文書学のトゥーリエ教授に師事するため、ボーヴァルの学問の聖地とも言うべきサンルイ大学に試験を受けに来る。が、彼女が大学に受験手続のためにやってきたまさにその時、トゥーリエ教授は大学図書館の聖母像の前で、謎のラテン語を叫びながら心臓発作で亡くなってしまう。トゥーリエの後任として瑠花の入学資格を審査することになったのは、この国の王太子として十日後に聖別式を控えた青年、ルメイエールだった。が、瑠花の試験課題としてトゥーリエが残した封筒には、試験問題は入っておらず、中にあったのは「ゼッカーソン文書二十八番」と呼ばれる、ボーヴァルの特殊な王位継承法の鍵となる古文書だったのだ。
トゥーリエは果たして自然死だったのか、殺害されたのか。王太子はその犯人なのか。トゥーリエは何故、重要な古文書を瑠花に託したのか?何くれとなく瑠花の面倒を見てくれる貴族デュムーラン、英国のゴシップ記者、王太子の婚約者、本来の王位継承者であったはずの王女クロード、そして国王……留学だけを目的としてやってきたはずの瑠花だが、好むと好まざるとに関わらず、国際的陰謀と歴史に秘められた秘密に巻き込まれてゆく。
歴史学を志した著者が、歴史への愛と憧れをこめて描く「歴史学ミステリー」。珍しくロマンス指向であるのも特徴。 |
(梗概作成・Basil)
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カント・アンジェリコ
講談社 Aug. 1996 (在庫切れ・現在入手不可)
Cover photo: イリーナ・イオネスコ
Design: 辰巳四郎
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| 171×年、ヨーロッパ中に教皇庁によって敷設された電話網が張り巡らされたヨーロッパ。元システィーな礼拝堂付きカストラート(去勢歌手)、ミケーレ・サンガルロの歌を聴いた者たちが変死するという事件が起こる。ミケーレの後見人であった枢機卿もその一人だ。ミケーレは教皇庁を出奔してパリに渡り、派手な電飾の舞台で活躍してスターの座を獲得する。事件の真相を追う教皇使節オルランドは、旧友のイングランド人旅行作家レスリー卿──元は彼自身も電話技師であった──とともに調査を進める。ミケーレの目的は何なのか、そして事の真相は……? 亡国の王女ウラニア、ミケーレの才能に嫉妬する大カストラート、ルチフェッロ、そして、電話網を縦横無尽にハッキングするハッカー〈大天使〉、ドイツ帝国の刺客グレムザー、オルランドを誘惑する貴族夫人……電飾に満ち溢れた王立歌劇場や歓楽街、美術コレクション、ハッカーやジャンク屋がたむろする地下世界が同居するルーヴル宮で、決戦とも言うべきバロック・パンク・オペラの幕が上がる! |
(梗概作成・P)
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