直接の受身……能動文の目的語を受身文の主語とする。
間接の受身……能動文中にない要素を外から持ってきて受身文の主語とする。
というように簡単にはいかない……
| 「〜を」(直接目的語)を主語とする | 「〜に」(間接目的語)を主語とする <下段>間接目的語の持ち主を主語とする |
「〜の」(直接目的語の持ち主)を主語とする | |||
| 「〜を」を引き継ぐ | 「〜を」を引き継ぐ | 「〜を」を引き継ぐ | |||
| @ 太郎が先生に叱られる。 ←先生が太郎を叱る。 |
A 太郎は犬にとびつかれた。 ←犬が太郎にとびついた。 |
B 太郎は子どもに石を投げられた ←子どもが太郎に石を投げた。 |
C 太郎はスリに財布をとられた。 ←スリが太郎の財布を取った。 太郎は乗客に足を踏まれた。 ←乗客が太郎の足を踏んだ。 |
D 太郎は雨に降られた。 ←雨が降った。 太郎は若い男に電車の席に座られた。 ←若い男が電車の席に座った。 |
E 太郎は建築会社に大きなビルを建てられた。 ←建築会社が大きなビルを建てた。 |
| 太郎は犬に肩にとびつかれた。 ←犬が太郎の肩にとびついた。 |
太郎は子どもに頭に石を投げられた。 ←子どもが太郎の頭に石を投げた。 | ||||
英語では能動文の目的語(a stone)を主語にした受身文だけが成り立つ。
A stone was threwn to Taro by a child. ← A child threw a stone to Taro.
* Taro was threwn a stone by a child. という英文は成り立たない。
これは日本人が間違いやすい英文の例である。それは日本語では
「太郎は子どもに石を投げられた」と言えるからである。
ただし、授与動詞(give など)の場合はこの限りではない。
John gave Mary the roses. に対して
→ The roses were given to Mary by John. という受身文も
→ Mary was given the roses by John. という受身文も成り立つ。
イタリア語では後者(間接目的語を主語とする受身文)は成り立たない。
「太郎が花子を弘に紹介した」という文から次の3つの
受身文が得られる。これらはどこに分類されるだろうか。
(i) 花子は太郎に[よって]弘に 紹介された。
(ii) 弘は 太郎に[よって]花子を紹介された。
(iii)次郎は(先に)太郎に[によって]花子を弘に紹介された。
(i)は「花子」(直接目的語)を主語とする受身文だから @。
(ii)は「弘」(間接目的語)を主語とする受身文で「〜を」を引き継いでいるから B。
(iii)は「次郎」を外から持ってきて主語とした受身文で「〜を」を引き継いでいるから E である。