両面アンチラバーへの挑戦

 卓球メールジャーナル第237号(2009年6月23日配信)
 ●両面アンチラバーへの挑戦(101) 田中大也
 「やる気満タンで試合場内に」


 「よう、田中。今日はやけに早いじゃないか」。大会当日。人もまばらな体育館前で、D君に声をかけられた私は、思わず身体をびくりとさせてしまいました。それもそのはず、体育館が開くには、まだ20分もあるのです。

 「気合いのせいか、やけに早く目が覚めちゃってよ」と、D君は語っています。実のところ、私もそうでした。やけに早く目が覚めたのにもかかわらず、まったく眠くないばかりか、筋肉痛もまるでありません。球を打ってみないと絶好調かどうかは判断できませんが、少なくとも、身体の具合はかなりいい感じになっています。

 「おお、お前ら。早いじゃないか」。そうこうしているうちに、Z君とリーダーの先輩が車で登場。他のメンバーや、応援の人たちも一緒です。目の下にクマができていたり、顔色が悪かったりする人は一人もいません。特に、Z君の眼には清々しい光が宿っており、気合いと自信のほどがうかがえます。

 「うん。なんだか目が冴えちゃってさ。Z君も、ずいぶんと調子がいい感じじゃない」と言う私に対して、「いや、どうだろう。まあ、実際に打ってみないと」。謙虚な受け答えをするZ君ですが、調子が悪いのではなく、コンディションの良さに身を委ねた結果、足元をすくわれることを警戒しているような印象を受けます。淡々としてはいますが、勝つという明確な目的意識があってこそのことだと言えるかもしれません。

 ドアが開くと同時に、私たちは、一人の遅刻もなく、全員で、体育館に入っていきました。多くの人が入り混じる喧騒も、今日に限って言えば、妙に心地よく感じられます。

 いい結果が出せるかもしれないと、私は直感しました。もっとも、自分がトーナメントで最強の選手でもない限り、結果は組み合わせにも大きく左右されてしまうのですが…。

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