卓球メールジャーナル第234号(2008年3月4日配信) ●両面アンチラバーへの挑戦(98) 田中大也
「カットマンZ君が好調」シングルス初勝利をあげた大会が終わって、しばらく間が空いたある休日。次の大会を目標においての練習が再始動しました。全員が予選を突破した後とあって、参加率は高く、士気も十分です。もしこの調子でいけば、次の大会でもいい結果が残せるかもしれません。
チームを率いる先輩によると、「今度の大会は個人戦だ。シングルスに絞って出場するから、ダブルスの連携なんかは練習しなくてもいいぞ」とのこと。確かに、限られた練習時間を活かし切るというのなら、シングルスに絞ってメニューを組んだ方が効率的です。もっとも、仮にダブルスの試合があったとしても、多くのメンバーが予選を突破できるのではないかと思わせるほどに、その日の練習は活気づいていました。
そんな中、ひと際いい動きをしていたのが、カットマンのZ君です。元々、トレーニングに余念がないタイプで、体力ではメンバーの中でも一、二を争う選手ですが、その日は特に、キレのいい動きをみせていました。どこかが特別に今までと変わっているということはないのですが、全体的にミスが少ないような気もします。そして、ゲーム練習で勝利したZ君は、見ていた私に声をかけてきました。
「おおい、田中。せっかくだから試合しようぜ。カットマンとやれる機会も、あんまりないだろ」。他にやりたいこともなかった私は、二つ返事で誘いに応じ、サービス権を手にしました。狙いは、バックサイドの浅いところ。懐が深いカットマンを前に出し、攻略していこうという作戦です。
実際に、低く、それでいてスピードもそこそこある、いいサービスが出せました。普段のZ君相手なら、サービスポイントを取れるか、そうでなくても完璧に近い形で攻めていけるコースです。しかし、私の目論見は大きく外れ、それどころか、私のフォアサイドに強打で返されてしまい、ノータッチで抜かれてしまう結果になってしまいました。
「くそっ、何がいけなかったんだ」
私は、ぼやきながらも、気を取り直し、サービスを打つ体勢に入りました。しかし、どういうわけか、Z君に勝てる気が沸いてきません。
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