両面アンチラバーへの挑戦

 卓球メールジャーナル第235号(2009年4月8日配信)
 ●両面アンチラバーへの挑戦(99) 田中大也
 「Z君が化けた?」

 Z君とのゲーム練習で、私のサービスが再び強打されてしまいました。「ぬうう、またノータッチかよ。なあ、コースは甘くないよな?」。うっかりサービスの出来を対戦相手に聞いてしまった私ですが、「いや、特にそんなことはないと思うけど」と淡々と答えるZ君。

 それにしても、2球連続ノータッチで抜かれるというのは、あまり芳しくない話です。サービスが特に悪いという感触ではないのですが、何がまずいのでしょうか。

 「ほら、田中。今度はレシーブだぞ。ノータッチで抜かれんなよな」。周囲から、容赦のない突っ込みが飛んできます。しかし、Z君はあくまで淡々と、試合を進めていきます。そして、形勢も最初から大きな変化はなく、つまり、ずっと押されたままの状態で試合が進んでいきました。後半になると、サービスを強打されてノータッチで決められてしまうなどということなくなってきましたが、とにかく、守備が堅いのです。Z君は、コーナーに強打を決めても、きっちりカットで返球して、こちらが対処に手間取っているうちに体勢を立て直し、強打で一気に反撃という、攻守のバランスの取れた戦略で、私を圧倒してきます。球際の処理も丁寧で、アンチラバーと相対した際の、打ち辛さなど、微塵も感じさせません。結局私は、自分の凡ミスなどの影響もあって、まったくいいところなく敗北してしまいました。

 「すごいな、Z君。一体どうしちゃったんだ!?」。私は、悔しさもあったものの、何よりも衝撃的だったのは、Z君の好調ぶりです。いや、単に調子がいいだけでは、あれほど攻守を安定させることはできません。だとすると、彼の実力が劇的に向上した、もっと言えば「化けた」ということになるのでしょうか。チームを率いる先輩も、信頼の眼差しをZ君に送っているようでした。

 次の大会も、チーム的な視野でみるなら、どうやらかなり期待がもてそうです。また私も、Z君と練習を積めば、試合に向けて、いい調整ができるかもしれません。



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