卓球メールジャーナル第185号(2006年9月6日配信)

 ●誰にもわかる強くなるコツ(44) 吉田和人
 「カットマンと対戦したときのクレアンガ選手の特徴」

 前回、2003年の世界卓球選手権個人戦パリ大会において、クレアンガ選手(ギリシャ)がサムソノフ選手(ベラルーシ)と対戦したときのプレーの特徴についての分析例をご紹介しました。その特徴とは、「クレアンガ選手のレシーブおよび3球目がドライブの場合は、ドライブ以外の場合よりも得点率が高い傾向がある」ということです。
前回ページ参照<http://homepage3.nifty.com/takkyu-information/kotsu43.html>

 クレアンガ選手は、2003年の世界卓球選手権個人戦パリ大会において、陳衛星選手(オーストリア)、朱世赫選手(韓国)という2人のカットマンとも対戦しています。そこで、クレアンガ選手のプレーは、カットマンと対戦したときにでも、同様の傾向があるのか調べてみました。

対象は、接戦となった以下の2ゲームです。

1.対陳衛星選手(オーストリア):男子シングルス準々決勝、ゲームカウント2-0で迎えた第3ゲーム。このゲームの結果は、クレアンガ(11-8)陳。

2.対朱世赫選手(韓国):男子シングルス準決勝、ゲームカウント1-3で迎えた第4ゲーム。このゲームの結果は、クレアンガ(10-12)朱。

世界卓球選手権個人戦パリ大会の陳衛星戦、及び朱世赫戦における、
クレアンガ選手のレシーブ及び3球目での打法の内訳

対陳衛星

対朱世赫
ドライブ

11(7)

11(5)
ストップ

6(3)

1(0)
ツッツキ

1(0)

8(3)
フリック

0

0
ドライブで打球しようとしたものの、台にツーバウンドしてドライブできなかったケース(「打法」には分類できず)

0

0

数字は、それぞれの打法が用いられたラリー数を示す。()内の数字は、
それぞれの打法で得点したラリー数を示す。

 まず、上の表をご覧ください。例えば、クレアンガ選手は、いずれのゲームでも、レシーブ及び3球目において11本ドライブで打球しており、陳選手とのゲームでは7得点、朱選手とのゲームでは5得点していたことがわかります。

 次に、レシーブ及び3球目がドライブのときと、ドライブ以外のときとの違いをみるために、円グラフを示しました。これをみると、どちらのゲームにおいても、クレアンガ選手のレシーブ及び3球目がドライブの場合(円グラフ上側)の方が、ドライブ以外の場合(円グラフ下側)よりも得点率が高いという傾向があることがわかります。

 クレアンガ選手の試合では、攻撃型選手との対戦のときだけでなく、カットマンとの対戦のときにおいても、同様の傾向がみられたのです。この分析後、私はクレアンガ選手の試合を生で観戦する機会が何度かありましたが、多くのゲームにおいて、この傾向が感じられました。

 一見、すべてが完璧にみえる一流選手でさえ、このような傾向が表れることがあるのです。次回は、孔令輝選手(中国)とシュラガー選手(オーストリア)の試合についてみていきましょう。



卓球メールジャーナル】に戻る
トップページに戻る

アクセスカウンター