「卓球ステップアップ術 発想を変えてみませんか?」で伝えたいコト

 スタッフ一同が渾身の力を込めて制作にあったこの本は、なぜ、発行されたのでしょうか?このことについては、NPO法人卓球交流会代表であり、編著者である吉田が本書の「まえがき」で次のように述べています。

「発想が変わればステップアップできる(「まえがき」より)」

 卓球をはじめとするさまざまなスポーツにおいて、「正解が一つだけではない」ということの理解は、とても重要です。学校の算数のように、決まった正解を求めることとは、基本的に頭の使い方が異なるわけです。

 「野球の投手として、スピードでは勝つことができないチームメートに、コントロールで勝ってエースになった」「卓球選手として、粘ることが苦手だったので、台の近くで素早い対応を心がけたら、勝てるようになった」などという発想の転換でむずかしい局面を乗り切った経験をもつ人は、「スポーツでの正解は一つではない」ことをよく理解しています。しかし、こうした経験をもつ人は少数で、大半の人は「正解は一つ」と考えているようです。

 発想が重要となるのは、他人との競争のときばかりではもちろんありません。「どのようにやる気を出すか」「どうすれば楽しめるか」などに関しても、発想の転換で乗り切れることはたくさんあります。

 それではいったい、スポーツにおける新しい発想は、どのようなときに、どうやって生まれるのでしょうか?

 従来の考え方、やり方ではうまくいかない問題に直面したとき、誰もが困惑します。このときこそ、新しい発想が生まれるチャンスです。しかし実際には、何をどうすればいいかがわからず、時間とともにその問題を忘れてしまいやすいものです。

 このようなケースでは、その問題に対する頭の使い方を具体的にイメージできる事例や、考え方の整理の仕方に出会うことが有効となります。

 そこで私たちNPO法人卓球交流会は、無料メールマガジン「卓球メールジャーナル」を発行し、4名の執筆者が各々の専門分野(スポーツバイオメカニクス、スポーツ心理学、スポーツ生理学および臨床心理学)から、卓球に関する新しい発想の事例や、考え方の整理の仕方を紹介してきました。

 それらは、「読むだけで発想が変わり、ステップアップできる」というコンセプトによるものです。これまで、卓球に関する発想の重要性が高いにもかかわらず、そうした情報がこれまで少なかったことなどから、これらの連載は現在、大きな反響を得るにいたりました。

 本書は、こうしたコンセプトにより掲載された「誰にもわかる強くなるコツ」「心が変わる、卓球が変わる」「快適卓球生活 心のお手入れ」の3連載を加筆・修正し、新たに「卓球交流会の発想 卓球だからできること」を加えたものです。

 本書の第1章から第3章では、図やイラストを加え、文章を大幅に書き改めて、卓球メールジャーナルの3連載をさらにわかりやすくまとめ直しました。
 これらの章はすべて、ある人がたまたまうまくいった事例を引き合いに出して、「あなたにもできる」とするものではなく、科学的な視点に基づき、できるだけ多くの人が悩みの解消に利用できるものとしました。繰り返しになりますが、卓球における正解は決して一つだけではありません。「強くなる」「やる気を生む」「心が元気になる」ための、自分に合った答えを探すヒントにしていただければと思っています。

 新たに書き下ろした第4章では、生涯スポーツ社会の実現に向けて、卓球の特性を生かした「卓球だからできる」社会的活動事例を紹介しました。この章は、卓球を通した明るく活力のある社会作りを目指すNPO法人卓球交流会の発想をまとめたものです。「卓球を通した社会貢献」を推進するための発想として、お役立ていただければと考えています。

 本書で紹介した新たな発想はきっと、選手、指導者、愛好者、あるいはチームマネージャーなど、さまざまな人の卓球のステップアップにつながるに違いありません。

 あなたの卓球は、発想の転換で大きく変わるはずです。

2004年3月吉日 吉田和人



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