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タナカ不動産 有限会社
愛知県春日井市八田町2丁目44番地の14
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<<<相続の手引き・資産運用の手引き>>>
●法定相続人について ●相続税とは ●自宅を利用しての対策
●法定相続分について ●相続税がかかる財産 ●大規模の宅地を利用しての対策
●遺産分割協議について ●相続財産の評価 ●その他の対策
●遺言について ●相続税の計算 .
●相続放棄・限定承認 ●相続税額の控除 .

●法定相続人について

誰が相続人となるのか
法定相続人は民法の規定により確定していきます。民法では配偶者及び被相続人との血縁の深い者を優先的に法定相続人とするように規定しています。
具体的には一定の法則があり以下のように確定していきます。

妻または夫(=配偶者)  常に法定相続人となります

第1順位 子         配偶者とともに常に法定相続人となります
第2順位 父母       被相続人にがいなかった場合に配偶者とともに法定相続人となります。
第3順位 兄弟姉妹    被相続人に父母もいなかった場合に配偶者とともに法定相続人となります。

例1
被相続人に妻(=配偶者)がおり、父母がいる場合
配偶者は常に法定相続人となります。父母がいるので法定相続人となりません。

例2
被相続人にはいるがはおらず、がいる場合
配偶者は常に法定相続人となります。被相続人にがいなかった場合なのでの父母が法定相続人になります。なお、父母がいるので法定相続人となりません。

例3
被相続人にはいるがはおらず、父母がいないががいる場合
配偶者は常に法定相続人となりますので法定相続人です。は被相続人に父母もいない場合なので法定相続人です。

例4
被相続人にはおらず、がいる場合
被相続人にいなかった場合なのでが法定相続人です。がいるので法定相続人となりません。

少し特殊なケース
被相続人に子はいるが養子である場合
養子は子と同じように扱われますので常に法定相続人になります。

被相続人の妻が妊娠中である場合
民法では妻が妊娠中である場合に、生まれてくる子の権利を保護するために胎児を既に生まれた子と同じように扱っています。よって常に法定相続人になります。

代襲相続(孫、甥の場合)について
被相続人に子がいたが被相続人より先に亡くなっていた場合、その子の子(つまり孫)が相続人となります。これを代襲相続といい、孫を代襲相続人といいます。孫が代襲相続人の場合は子と同じように扱われますので常に法定相続人となります。
また、兄弟姉妹が法定相続人であったが被相続人より先に亡くなっていた場合にも、その兄弟姉妹の子(つまり甥)が代襲相続人となります。甥は兄弟姉妹と同じように扱われますので被相続人に子も父母もいなかった場合には配偶者とともに法定相続人となります。


法定相続人としての資格を失う場合
民法は法定相続人となる者を決めていますが、その資格を失う場合も決めています。その制度には欠格、廃除の2つがあります。
欠格
相続の争いに関して被相続人を殺そうとしたり、遺言書を偽造したというような、社会的に相続人としてふさわしくない行動をとった場合には自動的に相続人としての資格を失うことになります。これを欠格といいます。
廃除
相続欠格ほど犯罪性はないものの、被相続人が虐待や侮辱を受けたりした場合には、被相続人が生前に、あるいは遺言で家庭裁判所に申し立てることにより相続人としての資格を失わせることができます。これを廃除といいます。



 ●法定相続分について

法定相続人が誰であるかを確定することはできました。次は、それぞれの法定相続人が、どれくらいの割合で相続することができるかを確定していきます。
この割合のことを法定相続分といいます。法定相続分も法定相続人と同じように民法の規定により以下のとおりに確定していきます。

配偶者と子が法定相続人であった場合
それぞれ2分の1ずつの割合になります。子が何人いても配偶者は2分の1の割合になります。子は残り2分の1を人数分で均等に割ることになります。
例えば子が2人と配偶者が法定相続人であった場合、配偶者は2分の1、子はそれぞれ4分の1の割合になります。

子が養子である場合
養子は実の子と同じ扱いになります。
上の例で、子の一人が養子である場合、それぞれ4分の1の割合になります

被相続人に配偶者と血のつながりがない子がいる場合
例えば被相続人と愛人との間に子がいたような場合です。
他の子の2分の1の割合になります。
上の例で、子の一人が配偶者と血のつながりがない場合、配偶者と血のつながりのある子は6分の2、配偶者と血のつながりのない子は6分の1の割合になります。

配偶者と父母が法定相続人であった場合
配偶者が3分の2の割合になります。父母は残り3分の1を人数分で均等に割ることになります。
例えば父母と配偶者が法定相続人であった場合、配偶者は3分の2、父母はそれぞれ6分の1の割合になります。

配偶者と兄弟姉妹が法定相続人であった場合
配偶者が4分の3の割合になります。兄弟姉妹は残り4分の1を人数分で均等に割ることになります。
例えば兄と妹と配偶者が法定相続人であった場合、配偶者は4分の3、兄と妹はそれぞれ8分の1の割合になります。
 
配偶者がいない場合(子のみ、あるいは父母のみ、または兄弟姉妹が法定相続人であった場合)

それぞれの場合において法定相続人の人数分で均等に割ることになります。
例えば妻がおらず子3人が法定相続人であった場合、それぞれ3分の1の割合になります。



 ●遺産分割協議について

相続財産はそのまま法定相続人に法定相続分の割合で分配してもかまいませんが、法律は法定相続分の割合で分配されることを強制しているわけではなく法定相続人同士の話し合いによって自由に相続財産を分配することもできます。
実際の相続の手続きにおいても法定相続人が遺産分割協議を行い、その協議で定められた割合で相続財産を分配することが一般であると思われます。
相続財産は遺産分割協議で自由に分配することができますが、その遺産分割の協議を行うためにはいくつかのルールがあります。
このルールに従って遺産分割協議を進めなければ協議自体が無効になってしまう場合もありますので注意が必要になります。
遺産分割協議書作成の基本的なルール
遺産分割協議の原則は必ず法定相続人全員が協議に参加することです。
協議開始の呼びかけは法定相続人の誰であってもかまいませんが、法定相続人全員が協議に参加しなかった場合には行われた協議自体が無効になりますので注意しましょう。
しかし、必ず本人が協議に参加しなければならないということではなく、代理人を立てることも可能ですし、書類を郵送することで協議を行うことも可能です。
その他、以下のような注意すべき事項があります。



 ●遺言について

相続の手続きにおいて最も優先されるのは亡くなられた人(被相続人といいます)の意思です。その意思を具体的に表現したものが遺言ということになります。
相続財産の分配はこれまで解説してきたように法定相続人の間で基本的に自由に行われることになりますが、遺言があった場合には遺留分(項を改めて解説させていただきます。)を侵害する内容のものでない限り、まず遺言の内容が実行され、その後に法定相続人で残りの財産を分配することになります。



 ●相続放棄 ・限定承認

相続財産には家や預貯金などのプラスの財産だけでなく住宅ローンや借金などのマイナスの財産も含まれることになります。
マイナスの財産がプラスの財産を超えてしまっている場合には相続人は自分で作っていない借金を相続したことで返済していかなければならなくなりますので、とても酷な結果になってしまいます。
そこで認められるのが相続放棄・限定承認です。
相続放棄・限定承認の手続きは原則として相続人が相続の発生を知ってから3ヶ月以内にしなくてはなりませんので、相続財産の調査お相続財産の評価が終了して相続放棄・限定承認の手続きが必要だと判断した場合には、すぐに手続きを始めましょう。
相続放棄・限定承認のそれぞれの制度について解説していきます。

相続放棄
相続放棄とは、プラスの相続財産もマイナスの相続財産もすべて放棄し、一切の財産を相続しないという手続きです。
マイナスの財産がプラスの財産をはるかに超えてしまったときは相続放棄の手続きを選択すべきでしょう。なお、相続放棄の手続きを行いますと、相続放棄を取り消すことはできなくなりますので慎重に判断しましょう。
もし、相続財産の調査および相続財産の評価に時間がかかるようであれば家庭裁判所に3ヶ月の期間の延長を請求することができます。

限定承認
限定承認とは、相続で得た資産の範囲内で借金を返済するという条件付で相続するという手続きです。プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いのか精算してみないとわからないという場合には有効な手続きになります。
結局、借金の方が多かったというような場合でも相続人は借金を返済していく必要がありませんので相続人にとってのメリットが多いと思われますが、限定承認は非常に手間と時間がかかりますし、その中の手続きの1つである財産目録の調製はおそらく専門家に依頼することになりますので、かえって費用がかかってしまうこともありますので、相続放棄と同じく慎重に判断しなければなりません。また、限定承認は法定相続人が複数いる場合には、必ず全員で手続をしなければならないことにも注意しましょう。



●相続税とは

相続税とはどのような税金なのでしょうか?
税金は人が生活を営む上でお金を得た場合とお金を使った場合に課税されることになります。
身近な例を考えてみると、給料をもらった場合に課税される所得税と、何か買い物をした場合に課税される消費税があります。
このように、税金は所得と消費にかかってくることになりますので、お金を使わずにこつこつ貯金をしていても税金は課税されません。
相続税は所得税と同じ性質の税金で所得に対して課税されることになり、人が死亡することが原因で、その財産を譲り受ける相続人に対して課税される税金ということになります。
また、相続税は不労所得(働くことなく得た所得)に対する税金として扱われますので最高50%の高い税率となることもあります。



 ●相続税がかかる財産

被相続人の財産を相続財産といいます。相続財産には被相続人の一切の財産、すなわち不動産や預貯金などのプラスの財産から住宅ローンや借金などのマイナスの財産まで含みます。その一方で、会社の社長としての地位や保証人というような身分は相続の対象になりません。これら被相続人の財産のうち、どこまでが相続税の課税対象としての相続財産となり、どこまでが相続税の課税対象としての相続財産とならないのかを明らかにしていきます。
以下に相続財産となるものを列挙します。
      
プラスの財産
不動産     土地と建物です。法務局で登記簿謄本を取得して確認しましょう。
動産      自動車、機械、美術品など
債権      売掛金や貸付金など
現金・預貯金  通帳の名義などで確認できます。
株式      被相続人名義のものです。
生命保険金、死亡退職金 被相続人を受取人としているものに限ります。

マイナスの財産
債務      住宅ローン、借金などです。

                      
以上の財産の他に、一般的に判断しにくい財産についてそれぞれ解説していきます。
 
会社(法人)

被相続人が会社を経営していたというような場合です。会社(法人)は相続財産にはなりません。会社は株主(あるいは出資者)によって所有されているものなので、被相続人が株式(あるいは出資持分)を所有していたのであれば、株式や出資持分は相続財産なので、そちらを相続することにより会社を相続することと同じような効果があることになります。

身元保証
被相続人が友人の就職の保証人となっていたというような場合です。身元保証は相続財産ではなりませんので相続人は保証人となりません。しかし、具体的に発生した債務、友人が横領していた事が発覚し500万円の損害賠償請求を受けていた場合などは500万円の債務を相続しなければなりません。

連帯保証
被相続人が友人の借金の連帯保証人となっていたような場合です。債務額がはっきりしているか責任額が決められている場合だと相続財産となり、連帯保証債務を相続しなければなりません。

被相続人が借家住まいであった場合
借家人としての地位を相続することができます。

被相続人が土地を借りていた場合
被相続人が土地を借りて建物を建てて住んでいた(この場合の被相続人を借地権者といいます。)というような場合です。
この場合は借地権者としての地位を相続することができます。


みなし相続財産
ここまでの調査で、なにが相続財産となるかの認識をすることができました。
ここで認識した相続財産は本当の意味での被相続人の財産でありますが、相続税の手続きにおいては被相続人の財産でないにも関わらず、相続財産として相続税の課税の対象となる財産があります。これをみなし相続財産といいます。
具体的には以下のとおりになります。

被相続人が死亡する前の3年間で贈与された財産
被相続人が死亡する直前に相続人に財産を贈与して相続税を節税しようとする行為を防止するための規定になります。
その節税行為を防ぐために、被相続人が死亡する3年以内に贈与された財産は相続財産(みなし相続財産)として扱われ、相続税の課税の対象になります。

生命保険金
被相続人が受取人である場合の保険金は被相続人の財産になりますので、当然通常の相続財産になります。
しかし、被相続人が死亡する直前に相続人を受取人に変更して相続税を節税しようとする行為を防止するための規定になります。
その節税行為を防ぐために、受取人が誰であっても被相続人が掛けていた生命保険は相続財産(みなし相続財産)として扱われ、相続税の課税の対象になります。

死亡退職金
被相続人が受取人である場合の死亡退職金は被相続人の財産になりますので、当然通常の相続財産になります。
しかし、被相続人が個人事業などを営んでいた場合に、被相続人が死亡する直前に相続人を受取人に変更して相続税を節税しようとする行為を防止するための規定になります。
その節税行為を防ぐために、受取人が誰であっても被相続人の死亡退職金は相続財産(みなし相続財産)として扱われ、相続税の課税の対象になります。

弔慰金
もともと弔慰金は非課税なのですが、非課税であることを利用して多額の弔慰金、葬儀料などが支払われたような節税の行為を防止するための規定です。
その節税行為を防ぐために、相続人に対して支払われた多額の弔慰金、葬儀料などは相続財産(みなし相続財産)として扱われ、相続税の課税の対象になります。

以上がみなし相続財産となるものです。



 ●相続財産の評価

相続税がかかる財産が何であるかわかりました。次にその財産の評価をしていくことにしましょう。
今回のホームページのテーマである相続税の節税対策をする場合、まず相続する財産が金銭で見積もるとどれくらいの額であるかを把握しないと話しになりません。
相続税も相続財産を金銭に見積もり、その相続財産の総額に対して課税されることになるからです。
相続税が課税される際の評価方法は法律で決められており、原則としては相続財産を時価で評価していくことになります。
では、その評価の方法を具体的に見ていきましょう。

** 1 不動産 **
土地と家屋、それぞれ別の方法で評価することになります。
土地について
土地については「路線価」によって評価されます。「路線価」とは、その土地が面している道路に設けられた基準価格で、その基準価格に相続する土地の平米数を掛けることにより相続する土地の価格を決めていくことになります。
この路線価から求められた土地の価格は、その土地が更地であった場合の価格ということになります。
よって、更地の状態で相続する場合には路線価から算出した価格が評価額ということになります。
路線価については税務署で調べることができますので直接問い合わせてみましょう。
なお、土地の利用方法によっては路線価から一定の額が除かれることになります。
具体的には以下のとおりになります。

土地を他人に貸している場合(貸宅地)
たとえば被相続人がAさんに土地を貸し付け、Aさんはその土地の上に家を建てて住んでいたような場合です。
このような土地を貸宅地といい、自分の土地でありながら自由に使えないため、評価額も低くなります。土地を利用する権利を借地権といいますが、更地の状態で評価した額から借地権の部分(借地権割合)を控除することになります。
借地権割合は地域によって異なりますが、一般的に更地価格の60〜70パーセントが借地権の割合になりますので、残りの30〜40パーセントが土地の評価額ということになります。なお、正確な数字は税務署に直接問い合わせましょう。

土地の上にアパートやマンションを建てて貸している場合(貸家建付地)
このような土地を貸家建付地といい、この場合も自分の土地でありながら自由に使えないため、評価額も低くなります。更地の状態で評価した額から借地権の価格及び家を利用する権利(借家権といいます)の価格を控除することになります。借地権割合及び借家権割合は地域によって異なりますが、一般的に更地価格の60〜70パーセントが借地権の割合になりますので、残りの30〜40パーセントが土地の評価額ということになります。なお、正確な数字は税務署に直接問い合わせましょう。

土地を事業、居住、あるいは貸付に利用している場合(小規模宅地)
被相続人が生前なんらかの形で土地を利用していた場合に、一定の範囲の面積について土地の評価が減額されることになります。
上で述べた貸宅地や貸家建付地の場合なら、さらに減額されることになります。
具体的には次の場合に減額されます。

1.被相続人が事業に利用していて、相続人が事業を継続する場合 
400平方メートル以下の部分 → 20パーセントに減額
例えば父の死亡とともにサラリーマンの息子が会社をやめ、家業を継いだというような場合を考えてみましょう。
600平方メートルの土地であった場合(更地の評価 6,000万円)
200平方メートル分(2,000万円)+400平方メートル分(20パーセントに減額で800万円)= 2,800万円の評価となります。

2.被相続人が居住に利用していて、相続人が居住を継続する場合
240平米以下の部分 → 20パーセントに減額
例えば夫と同居していた妻が夫の死亡した後も家を相続し、そのまま住み続けるというような場合
480平方メートルの土地であった場合(更地の評価 4800万円)
240平方メートル分(2,400万円)+240平方メートル(20パーセントに減額で480万円)= 2,880万円
  ただし、配偶者以外の場合では被相続人が死亡する直前まで同居しており、かつ死亡から相続税の申告時まで引き続きその建物に住んでいる場合など、いくつかの規定を満たしている必要があります。

3.事業または居住に利用していて、相続人が事業または居住を継続しない場合
200平方メートル以下の部分 → 50パーセントに減額
  例えば駐車場やマンションが建っている土地を相続する場合です。
400平方メートルの土地であった場合(更地の評価 8,000万円)
200平方メートル分(4,000万円)+200平方メートル分(50パーセントに減額2,000万円)= 6,000万円

建物について
固定資産税の評価額をもとに計算します。毎年4月頃に送られてくる納税通知書に記載されています。建築費用の70パーセント(木造は60パーセント)程度が目安になります。
お手元に納税通知書がない場合は市町村役場で固定資産税評価証明の交付を受けることができます。

** 2 株式 **
株式の場合、その種類によって評価の方法が違ってきます。大きく分けると上場株式と取引相場のない株式の2通りになります。

上場株式の場合
東京証券取引所などに上場されている株式は、原則として次の金額のうち、もっとも低い金額を評価額とします。
@被相続人が亡くなった日の終値
A被相続人が亡くなった日の属する月の終値の平均額
B被相続人が亡くなった日の属する月の前月の終値の平均額
C被相続人が亡くなった日の属する月の前々月の終値の平均額

取引相場のない株式の場合
上場株式以外の株式を取引相場のない株式といいます。この株式については次の評価方法があります。
@類似業種比準方式
評価する会社と類似している上場会社の業種別の配当金、利益、純資産額を元に計算する方法です。
A純資産価格方式
会社財産を相続税評価額により計算し、仮に清算をしたとした場合の純資産価格で評価する方法です。

** 3 預貯金 **
そのままの額で評価されます。

** 4 その他 **
不動産、株式、預貯金の他に、被相続人に金銭に見積もることができる財産すべて相続税の課税対象になります。例えば、絵画や骨董品などになります。
これらの財産はすべて時価で評価されることになります。

** 5 みなし相続財産 **
みなし相続財産は先ほど解説したとおり生命保険金、死亡退職金など被相続人の死亡により発生する権利と被相続人が死亡する前3年間に贈与した財産です。
これらのみなし相続財産は被相続人本来の財産ではないので一定の額が常に控除されることにも注意しましょう。
それぞれについて解説していくことにします。

被相続人の死亡により発生する権利
@生命保険金
被相続人が掛けていて相続人が生命保険金を受け取った場合にはみなし相続財産とされ相続税の課税対象となります。
しかし、相続人が受け取っている場合には受け取った額から一定の金額が必ず控除されることになります。
具体的な控除額は以下とおりです。

生命保険金の非課税額から 500万円 × 法定相続人の数を控除
例えば、被相続人の妻と息子と娘の3人が法定相続人で、生命保険金受取額が5,000万円であった場合課税対象になる額は3,500万円(500万円×3人=1,500万円を控除)となります。

A死亡退職金
被相続人の死亡により法定相続人が死亡退職金を受け取った場合にはみなし相続財産とされ、相続税の課税対象となります。
しかし、相続人が受け取っている場合には受け取った額から一定の金額が必ず控除されることになります。
具体的な控除額は以下とおりです。

死亡退職金の非課税額から 500万円 × 法定相続人の数を控除

例えば、被相続人の妻と息子と娘の3人が法定相続人で、死亡退職金受取額が5,000万円であった場合、課税対象になる額は3,500万円(500万円×3人=1,500万円を控除)となります。

B 弔慰金など
弔慰金・花輪代・葬儀料は原則として相続税はかかりません。
ただ、常識に照らし合わせてあまりに大きな額であった場合には相続税が課税されることになります。
次の額を超えて弔慰金などを受け取った場合、その超えた金額は相続財産として扱われることになります。

業務上の死亡の場合には、死亡時の給与の3年分を超える部分
業務上以外の死亡の場合には、死亡時の給与の6ヶ月分を超える部分



 ●相続税の計算

相続財産の把握と評価ができたら、実際に相続が起こった場合にどれくらいの相続税がかかってくるのかを計算することができます。
では、具体的に解説していきます。

@まず、ここまでの調査の結果から算出した相続財産の価格の総額から債務の総額を差し引いた額を出します。
この額に、やはりここまでの調査の結果から算出した、みなし相続財産を加えた額が相続税の課税価格となります。

A上で算出した相続の課税価格から基礎控除額を差し引いて課税遺産総額を計算します。(基礎控除額 = 5,000万円 + 1,000万円 × 法定相続人の数)
 課税遺産総額課税価格から基礎控除額を引いた額になります。

B課税遺産総額に法定相続人それぞれの法定相続分をかけて、それぞれの法定相続財産を出します。
 例えば、法定相続人が妻と息子と娘の3人の場合

 課税遺産総額 × 2分の1(妻)  = 妻の法定相続財産
 課税遺産総額 × 4分の1(息子) = 息子の法定相続財産
 課税遺産総額 × 4分の1(娘)  = 娘の法定相続財産

 以上のようになります。

C上で算出した、それぞれの法定相続財産に税率をかければ、それぞれの相続税額が算出できます。それらをすべて加算すれば相続税の総額を求めることができます。
 なお、税率は取得額によって変わりますので、※税率および控除額の表を参考にしてください。

 さて、Bの例をそのまま使用すると、

 妻 の法定相続財産 × 税率 − 控除額 = 税額(い)
 息子の法定相続財産 × 税率 − 控除額 = 税額(ろ)
 娘 の法定相続財産 × 税率 − 控除額 = 税額(は)
 
※税率及ぶ控除額

法定相続分に応じた取得額
税率
控除額
1000万円以下 10% 0万円
3,000万円以下 15% 50万円

5,000万円以下

20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
3億円以下 40% 1,700万円
3億円超 50% 4,700万円

    
税額(い)+ 税額(ろ) 税額(は)= 相続税の総額



 ●相続税額の控除

ここまでで、法定相続人が全員でどのくらいの相続税を納税しなければならないかの大まかな目安が立ったことだと思います。
しかし、ここまでで算出した相続税の税額からさらに控除できる場合があります。
この控除は実際の相続税の納付においても利用できますのでぜひ活用してみてください。
以下に解説していくことにしましょう。

@ 配偶者の税額軽減
被相続人の配偶者が相続によって財産を取得した場合には配偶者の相続税額が控除されます。これは相続税の税額控除の中でも最も優遇される措置になります。
まず、配偶者が法定相続分で相続する場合には相続税は一切かかりません。
また、配偶者が法定相続分を超えて相続したとしても相続財産が1億6千万円以下である場合には相続税がかからないことになります。

A 贈与税額控除
相続人が、被相続人が死亡する前3年間の間に被相続人から贈与を受けた財産はみなし相続財産として相続財産に加えられて課税対象になってしまいます。
贈与税を支払ったあとに、みなし財産として相続税が課税されることになると2度課税されることになりますので、贈与があった際に支払った贈与税額は相続税額から控除することができます。

B 未成年者控除
相続人が未成年者である場合には6万円に相続人が20歳に達するまでの年数を乗じた額を相続税額から控除することができます。

C 障害者控除
相続人が精神・身体に障害ある者(一般障害者)の場合には6万円に、精神・身体に重度の障害ある者(特別障害者)の場合には12万円に相続人が70歳に達するまでの年数を乗じた額を相続税額から控除することができます。

D 相次相続控除
10年以内に2回以上の相続が発生した場合には前回相続が発生した際に支払った相続税に一定の割合を乗じた額が今回の相続税額から控除されることになります。




 ●自宅を利用しての対策

この方法は自宅を持っていれば誰もが適用されるものですので相続税対策とはいえませんが、相続税の減税ということで載せておきました。
都市部に自宅があり、その自宅が相続財産の大半を占めてしまっている場合には自宅に対して多額の相続税がかかることになり、相続税を納付するために売却しなければならなった場合には相続人にとって酷な結果になってしまいます。
そこで認められるのが小規模宅地の特例です。なお、小規模宅地の特例については相続税の知識のページで細かい説明をさせていただいておりますので、ぜひそちらを見ていただき参考にしていただきたいと思います。
この条件を満たしてこの特例の適用を受けることができれば相続税の申告の際に最大80%、最低でも50%の相続税の減額を受けることが可能になります。
ただ、相続税の申告の際に特例の適用を受ける旨の記載をしないと特例の適用を受けることができなくなりますので注意しましょう。



 ●大規模の宅地を利用しての対策

土地を所有しているが、空き地のままの状態であるというような場合には土地を賃貸する、あるいはアパートやマンションなどを建てて賃貸した場合には、前者は貸宅地として、後者は貸家建付地として土地の評価を減少させることができますので節税対策になります。
また、賃貸収入にもなりますので納税資金の対策としても有効な方法になります。
この場合にどちらの対策を講じるべきでしょうか?
それぞれのメリットとデメリットについて解説させていただきます。

土地を他人に賃貸する場合(貸宅地)
貸宅地について

メリット
@、更地価格の60〜70パーセントが借地権の評価割合になりますので、残りの30〜40パーセントが土地の評価額ということになります。
A、維持費や建築費などが貸家建付地と異なりかかりません。
 
デメリット
@、借主が借地権を持つことになります。借地権は非常に強い効力をもっていますので、土地の売却や賃貸契約などの解除が難しくなります。

土地の上にアパートやマンションを建てる場合(貸家建付地)
貸家建付地について

メリット
@、更地価格の60〜70パーセントが借地権の評価割合になりますので、残りの30〜40パーセントが土地の評価額ということになります。また、建築した建物の価格も評価額の70パーセント程度になります。
A、借主に借地権が発生しませんので貸宅地に比べると、土地の処分に手間がかかりません。
B、建築した建物の一室を居住用にすれば小規模宅地として更に評価額を減じることができますので二重の節税対策になります。
C、建築のための資金として借り入れをした場合、債務として相続財産から差し引くことができます。

デメリット
@、立地条件が悪いと入居者が集まらない
A、借入金やその利子の返済などを考慮しておかないと相続税対策どころではなくなります。



 ●その他の対策

@、不動産を購入する
現金よりも不動産の方が相続税評価額は安くなります。家屋の場合だと相続税評価額は固定資産税の評価額と同じですがこの価格は取引価格の70%程度が一般的です。土地の場合も多くは路線価が一般的ですが、この場合も取引価格の80%程度ですので、節税対策としては現金よりも不動産で資産を持っているほうが有効といえます。

A、等価交換を利用する対策
貸家建付地を利用する対策についてのデメリットにもあるように、貸家建付地を利用する対策は高額な借入金の返済のリスクという面から敬遠されがちです。
そのような場合に利用できるのがこの方法です。
この方法は土地の所有者が土地を出し、デベロッパー(開発業者)は建物の建築費を負担し、マンションやビルを建築します。その後、土地の一部と建物の一部を等価になるように交換し合い、土地については共有持分、建物については個々の部屋で所有する方法です。
借入金が発生しないという点で有利ですし、また、次の条件を満たせば所得税がかかりません。

1、中層耐火共同住宅の買い替えであること
2、特定民間再開発事業の買い替えであること
3、特定事業用資産の買い替えであること

このように等価交換方式は都市部に土地を所有している人にとっては有利ですが、資産価値のある土地を手放すことやデベロッパー主導の開発になってしまうというデメリットもあります。 
  
B、借地人に底地を買い取ってもらう場合
古くから土地を持っている地主などの場合、他人に土地を貸して地代を収入としていることが多くあります。このような場合だと借地人の権利が強く売却などの有効活用ができないことや古くから土地を貸しているため地代が安いままで納税が困難という問題があります。
そういった場合には底地を借地人に買い取ってもらうという方法があります。
借地権の割合が7割ということであれば、地主の分である3割の価格で土地を借主人に買ってもらい、相続税の納税資金とすることができます。
この方法も等価交換を利用する対策と同じように資産価値のある土地を手放すことや借主と直接交渉しなくてはならないというデメリットがあります。


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