太陽

(プレイステーション2、アドベンチャー)

章立て形式のアドベンチャーで、主人公が走り回って情報収集→謎を解く→話が進んで次の章へ、という流れです。

ぶっちゃけた話、ゲームそのものの完成度は、いまいちです。

謎解き部分は、取って付けたような感がありますし(無い方がゲームとして面白いのでは?という程度のレベルです)、ストーリーは、密かに前作があるそうでして、そちらをやっていないと意味不明ですし、それを差し引いても、後半だれ気味ですし・・・。

でもいいんです。

ゲームシステムがショボかろうが、ストーリーが全く意味不明だろうが、このゲームの魅力は、そんな些細な(?)ことで損なわれたりはしません。

このゲームの魅力は、独特の雰囲気にあります。

南国の楽園を思わせる美しいリゾート地、理不尽で独特な住人たち。

洒落た現代アート風の映像、映画っぽいカメラワーク、クセのある音声。

B級の駄洒落のようでいて、カフカの不条理を連想させるような、低俗と文学が融合したような台詞回し。

これらにより醸し出される、芸術といっても過言ではない雰囲気、それこそが、このゲームの魅力です。

プレイヤーは、主人公となって、その独特の雰囲気を持つ空間を走り回ります・・・。

ただそれだけでいいんです。それだけで十分、他のゲームと一線を画すぐらいの楽しさがあります。

ゲーム自体は、お使い的な、どうでもいい謎解きが多く、ひたすら走り回る羽目になります。

が、スーツ姿でアタッシュケースを持って走り回る主人公の姿はどこかユーモラスで、アート風で美しいCGの南国リゾート風の風景、心地よいBGMと相まって、

「謎なんかどうでもいいから、この空間の中を、ずっとのんびりと走っていたい・・・」

そんな気持ちにさせてくれます。

実際私自身、クリアした後も尚、ただゲーム内の空間を走るためだけに、何度もこのゲームを起動しました。

ただ、繰り返しになりますが、ストーリーは最後まで意味不明です。

ゲーム自体の出来もあまり良くないので、この雰囲気を好きになれない方にとっては、このゲームはつまらないものだと思います。

そんな、賛否両論激しそうなゲームではありますが、ゲーム好きを自負する方は、是非一度必見(敢えて「プレイ」ではなく「見る」)の作品だと思います。

ゲームでアート空間を具現した、現時点で唯一のゲームだと思いますので・・・。

参考情報

メーカー:ビクター インタラクティヴ

難易度:はっきり言って簡単ですが、ひたすら走り回ります。人によってはたるいかも。

プレイ時間:20時間もあれば余裕。難易度は低いです。

攻略本:公式ガイドブックがあります。ゲーム自体は簡単なので攻略には必要ありませんが、欲しくなること請け合い。品薄気味なので、見かけたら迷わず購入しましょう。

入手環境:ベスト版で出ました。定価3800円。

知名度:そこそこあるんではないかと。ファミ通でも評価高かったし。


▼前のページへ

▼トップページへ