Report 2. ラテンアメリカ乳製品事情  
・・アルゼンチン・チリ・・


1. ブエノスアイレス(アルゼンチン)



1) 地球の裏側
日本から地球の中心を通って反対側に地面を掘り抜くと、アルゼンチンのラプラタ川河口の沖に出る。地理的に云えば「最も日本から遠い国」となる。

2) 南米の「パリ」
整然と区画され、札幌を大きく歴史のある街にしたようなところ。「南米のパリ」と呼ばれるにふさわしい素敵な街である。
かつて「世界3大劇場」に数えられたコロン劇場や、今なお利用されている木造の地下鉄が歴史を物語る。

3) 畜産国アルゼンチン
広大な平原「パンパ」では畜産が盛んに行われている。食事は肉料理が中心で日本人から見ると「とてつもない」ほどの量である。特に乳製品を多く食べるようには思えなかった。昼食・夕食にたっぷりと時間をかけて楽しむが、夜更かしのために朝食は簡単に済ませるのが常とか。
 
ブエノスアイレス市内の雑貨店にて乳製品を探した。種類はあまり多くなかったが、日本で販売されているようなゲーブルトップ(テトラパック社)入りドリンクヨーグルトを見つけた。

● Yogur Batido (500 g )
脂肪・コレステロールなしをうたい文句としてある。かなり粘度があり、人工甘味料の味を感じた。大食漢の国でもダイエットを気にしはじめた、ということか。


 原料表示:脱脂乳 発酵乳 脱脂濃縮乳 キサンタンガム ゼラチン 香料 カルミン色素 アスパルテーム アセスルファム-K Vitamin A&D


 栄養表示:脂肪0.05% 炭水化物5.0% たんぱく質4.00% Vitamin A 160UI/100 g Vitamin D 5UI/100 g  アスパルテーム 0.016% アセスルファム-K 0.016%

2. パタゴニア地方(アルゼンチン南部)

南極に近いこの地方は、強い風と氷河のつくった独特の風土を持つ。牧畜が主要産業であるが、生鮮食料品に乏しく、ほとんどは他の地方から運んでくる。

右の写真はアンデス山脈に近い氷河観光の街、カラファテの食料品店の乳製品関係の棚。チルド製品はわずかのチーズを除けばないに等しい。LLの乳製品が常温棚に並んでいる。これらとは別にチルド乳製品の流通ルートがあるかどうかは不明であった。

日常の食事においてコーヒー・紅茶にミルクを入れるが、それらに用いるミルクがどういったものかも確認できなかった。




3.  サンチアゴ (チリ)

1) 農水産業に恵まれた国

チリは南北に長い国土であるため、灼熱の乾燥地帯から極地の氷河地形まで様々な気候を持つ。従って亜熱帯から寒帯まで様々な農産物を収穫することができる。


同時に、長い海岸線を持つことから漁業も盛んである。首都サンチアゴの中央市場では、実に多数の農水産物を目にすることができる。

2) 名物「チリモヤアイスクリーム」

サンチアゴはブエノスアイレスと同様に美しい町並みである。石畳の道路の両側には街路樹が生い茂り、カフェーがテーブルを並べている。

この街の名物は特産の果物「チリモヤ」のアイスクリーム。街角ではアイスクリーム屋のワゴンを見かける(上写真左側に2台ある)。


● Chirimoya Naranja Hayskrim

ワゴンのアイスは日本でもおなじみの木製のバー付きのタイプ(写真右)。65cc入りで植物油脂を使用しているが、脂肪分を含めた栄養表示はない。さっぱりとしてシャーベットに近い風味だった。


その他、店舗を構えたアイスクリーム屋もあり、チリモヤの他、様々な種類のアイスをコーンに盛って食べさせてくれる。

空港のスタンドにはチリモヤのジュースがあった。

● SOPROLE Yoghurt Chirimoya

チリモヤ入りフルーツヨーグルト。ゼラチンを使用しているが原材料の詳細は不明。
 175 g  プラスチックカップ入り

栄養表示:カロリー 107kcal
蛋白質 3.9 g
炭水化物 17.0 g
ミネラル1.0 g
脂質2.6 g
(いずれも100 g あたり)




What is Chirimoya?
・・・チリモヤってなあに?

Cherimoya, custard apple(英)

学名:Annona cherimola Mill
(バンレイシ科バンレイシ属)

語源:ペルーの現地語で”冷たい乳房”
別名:アイスクリームの木
 (スペインのアンダルシア)
カスタードアップル
 (アメリカ・オーストラリア)

原産地:エクアドル・ペルーのアンデス中腹、亜熱帯気候原産


・高さ4〜7mの落葉小高木
・果実は縦経10〜15cmの集合果。果皮はうろこ状でコルク質。熟すと暗緑色から黒色に近い色になる。
・主に11月〜6月に輸入される。日本の一部でも最近ビニールハウスで試作されるようになった。


・果肉はミルク色でカスタードのように柔らかい。上品な香り・微かな酸味・舌にとろける甘さを持つ。
・冷やせばそのままアイス クリームのような風味となるため、「アイスクリームの木」と云われる。


1) チリモヤの栄養成分
カスタードのような柔らかな果肉には、甘味はもとより、カルシウム・植物性タンパク・ナイアシンなど、栄養やミネラ ル・ビタミン類を豊富に含むため、ストレスの多い現代社会での生活をサポートすることが期待される。


2) 日本での消費状況

日本でも一部の百貨店などで入手できる。ミルクと非常に相性がいいため、アイスクリーム・ヨーグルトに用いると良い。食品原料用としては、冷凍ピューレの形で試験的に輸入されている。

国産のチリモヤの栽培も行われている。生産者より通信販売の形で入手できるが、全体の流通状況の把握、原料用として入手可能かの検討は今後の課題である。

 




References

・Food's Food 食材図典 小学館
・わかやまTropics HomePage
http://www.wakayamanet.or.jp/cherimoya/
・CDFA(California Depertment of Food and Agriculture) Plant Indutry HomePage (Fig.1)
http://www.cdfa.ca.gov/plant/agidaid/page2.htm
・Indiana Center for New Crop&Plant Products of Purdue Univ. HomePage (Fig.2)
http://www.hort.purdue.edu/newcrop/Crops/Cherimoya
・California Rare Fruit Growers,Inc. HomePage
http://www.crfg.org/pubs/ff/cherimoya.html


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