スリランカの発酵乳「カード」

スリランカでは市場に行くと、素焼きの容器に入った「カード」と呼ばれる発酵乳が売られています。

カードは"Curd"なのでシンハラ語(スリランカの公用語の一つ)ではなく英語。チーズ製造時に固まった乳を指す用語と同じです。インド在住のチベット人も"Yoghurt"は通じなかったが"Curd"といったらわかってくれました。インド亜大陸ではこちらの方が通りがいいのかも知れません。

直径20cm位の容器で25Rs(スリランカルピー)。瓶入りの炭酸飲料が20Rsでしたから、日本の貨幣感覚で云うと\150位でしょうか。白いポリの容器に入ったもの(写真上中央)もあります。

カードは本来水牛の乳で作ります。従って、水牛が沢山いるスリランカ南部が本場だそうです。こちらのカードは木綿豆腐のようにしっかりした組織ですが、他の地方では牛乳を混ぜたりしてできる軟らかめのカードもあるとか。ただし、それはあくまでも紛い物のようです。

東南アジア一般に云えることですが、日本のように牛乳があまり店頭で流通しておらず、更に、水牛の乳は入手できる場所が限られるので、カードは各家庭でなく専門の店で作るようです。実際、街にはカードの看板を掲げる店があり、市場へトラックに積んで売りに来る光景も見かけました(写真下:左手奥のトラック。右手前ではカードを机に並べて売っている)。

写真下は古都Kandyで見かけた「ミルクバー」。カフェテリヤ方式で飲み物と軽食を提供するような店舗形態のようで、特にミルク専門の店ではないようです。


実際に食べてみた「カード」の風味ですが、懸念されたランシッド臭(脂肪が分解して遊離脂肪酸が生じることで起きる。乳の取り扱いがきちんと出来ないと発生)はありません。また、酵母臭もなく、くせがない味でした。一昔前の日本のヨーグルトのように酸味が強く、スリランカの人は椰子の実から作ったシロップをたっぷりかけて食べます。

「カード」は素焼きの容器に水牛の乳を入れ、常温で1日くらい放置すると出来上がるとのこと。この容器を繰り返し使用するのか、種菌を用いるのか、詳しい製造方法を聞き出すことは出来ませんでした。
1週間程度は常温でも日持ちするらしいのですが、強い酸味があることを考えると納得行くような気もします。しかし、雑菌に負けない強い繁殖力を持った野生型の乳酸菌なのかも知れません。バクテリオシン生産菌など、未知の生物資源が発見できると面白いですね。

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