バイオガス技術(様々な有機物を発酵分解させて、ガスや液体肥料を生産する技術)を取り入れた農業があります。
バイオガス発酵槽
バイオガスとは、有機物が空気のない状態で発酵分解したときに発生する数種類のガスの集まりである。沼などでブクブクと湧いている泡も、おならも、バイオガスだ。主成分は、メタンガス(62%)と二酸化炭素(36%)である。
有蓄複合の有機農場からは、家畜の糞尿をはじめ、家族のし尿、残飯などの有機物がたくさん出る。バイオガス技術は、このような有機物を発酵槽で発酵・分解させて家庭用・動力用燃料と液肥を生産する、エネルギーと肥料の地域自給技術である。
バイオガス施設は、有機物の投入口、排出口、発酵槽の三つの部位からなる発酵装置と、一時的に液肥を溜めておく貯留槽、ガスの圧力を一定にするガス貯留槽などを併設したものである。98年11月現在、日本では二十基のバイオガス施設が使われているという。
投入する有機物は、鶏舎(平飼養鶏500羽)からの鶏糞の一部、豆腐屋からのおから、家庭のし尿など。ワラや草以外の有機物は、ほとんど利用できる。一日当たり約40リットルを、週4〜5回に分けて投入する。なお、バイオガスには硫化水素が約0.03%混じっている。この硫化水素は、金属を腐食させたり、燃焼後は有毒の亜硝酸ガスになるので、除去しなければならない。
投入口
排出口
冷蔵庫
発電機
料理
上の絵は、我が家の現在と未来を示している。中央にバイオガスの発酵槽があり、左側の投入口から糞尿などを投入する。ガスは、発酵槽の上部からガス管を伝わっていく。夏場はガスの発生量が多くなるので、、ビール専用の冷蔵庫(常時ろうそくの炎のような火が燃えていて、冷蔵庫裏のパイプを熱している。アンモニアが気化して再び液化する際に奪う熱によって冷却する)を稼動させている。このビールの味は格別だ。液肥は、元肥や追肥で野菜つくりに使い、水稲の液肥にも利用している。
将来は、メタン菌と相性のよいクロレラや光合成細菌の増殖にも使いたい。また、ガスによる発電ができれば、電灯にも使える。ガス灯を誘蛾灯にして、虫が池に落ちれば、池の魚のえさにもなる。
バイオガス技術は、し尿や糞尿を微生物と太陽の力で自給エネルギーと液肥に変える夢を実現させた。液肥で育った野菜や米を人間が利用し、余り物は家畜のえさとし、その糞尿が再びバイオガス発酵槽に入れられる。バイオガスを採り入れた循環のある農場つくりをさらに進めていきたい。