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いわやす 流しそうめん店



味は二の次

 食事の時、楽しいと感じる事は非常に重要である。


 誰かと食事をする時、私は味はあまり重要では無いと思っている。不味いレベルの物は勘弁して欲しいが、普通に食べれるものが出てくれば、それで良い。
 それよりも大事なのは、楽しい食事が出来るかという事だと思うのである。

 例えば、店に少々変わったものがあったり、たどり着くまでが珍道中だったり、「知る人ぞ知る」のような逸話がある店だったりすると、食事の時にそれをネタに盛り上る事ができる。その結果、楽しい食事となるので、私はアヤしいネタがある店が好きなのである。


 そのような観点からすると、先日、友人K氏と共に行った「いわやす 流しそうめん店」は非常に良い店であったと言える。なにしろ、店から出る時、私と友人は腹を抱えて笑っていたからである。


道のり

いわやすの駐車場
 「いわやす 流しそうめん店」は栃木県下都賀郡国分寺町と都賀町、栃木市の境目近辺にある。小山壬生線(県道18号)と栃木二宮線(県道44号)の交差点から1kmほど北上し、少々寂しい感じになった近辺の道の東側に、目指す店の広い駐車場がある

 クルマから降りると、市境によくある「栃木市」という看板が駐車場の中にあるのが目に入ってきた。その横には「車は外車も白線内に止めて下さい」という、これまた少々妙な看板がある。

 「何故、栃木市の看板が?」「『外車も』が後から書かれているぞ!?」と、のっけからジャブをくらった感じであった。



注文しよう

店の入口。水着のおねーさん達が沢山いる(笑)
 駐車場の奥にある植物のトンネルのような所を通って行くと、店の入り口が見えてくる。入口付近に何故かビールのキャンペーンガールの等身大の看板が沢山並べてあり、頭の中は"?"で満たされてしまう。

 店員さんに案内され、奥のテーブルについたのだが、ここの店のテーブルは全て流しそうめん専用テーブルとなっている。
 テーブルの真ん中にタライのようなものが据え付けてあり、その形はしゃぶしゃぶの鍋のでかいバージョンといえば想像つくだろうか? タライの底の3箇所から水が出るようになっており、店員さんが水がちょろちょろ出る程度に蛇口を調節していた。

 「ご注文は?」と聞かれたのだが、メニューが見当たらないので、周囲の人が食べていたのを見て「そうめん2人前と、鳥の唐揚げ」と注文する(そうめん一人前\500, 唐揚げ二人前\1,000)。

 そうめんを待っている間に周囲を見回していたのだが、この店は壁が無く、大きな東屋のような感じである。周囲の林からの風が心地よく、すぐ横に鯉が泳いでいる池もある。自然が満喫できるのは良いのだが、あまりにも開放的なので、友人K氏と
「雨の日はどうするんだろう」
「店、やらないんじゃないか?」
「風が強くてもダメだよな」
「カメハメハ大王? (笑)」
などという会話を交わしていたのである。



流しそうめん

そうめん遊泳中
 そうこうしているうちに、店員さんがザルにそうめんを入れてやってきた。「ザルを置いて行くのかなぁ」と思いきや、店員さんはおもむろにザルの中身を全部タライに入れ、テーブルの横についてある蛇口を捻っていった。すると、流れるプールを泳ぐ人達のように、勢い良くそうめんが流れ出したのである。

 そうめんを一塊ずつ入れていき、それを箸で掬うのだろうと予想していた為、そうめんがプール(?)を所狭しと泳いでいる様を見て私は少々ぼーぜんとしてしまった。


 とは言いつつも、そうめんを眺めていても始まらないので食べることにする。汁の入ったお椀を片手に、そうめんの流れに箸を入れたのだが…思いの外、大量にそうめんが捕獲出来てしまう。最初の一杯はあふれんばかりのそうめんであった。

 何度もそうめんを掬っているうちに、適量だけ掬うコツが分かってくる。なんだかヨーヨー釣りでもやっている気分になってきて、妙に楽しい。つけ汁は、かつおだしと、みそ味の2種類あってなかなかイケているのだが、私は掬うことに熱中しており、味など二の次になってしまっていた。



カメハメハ大王?

 端的に言って、「美味しいものを食べに行こう」というつもりで「いわやす 流しそうめん店」に行くのは間違っているだろう。そうめんもつけ汁も凄く美味しいわけでは無く、むしろ普通の範囲に入ると思う。

 しかし、「楽しい食事をしたい」と思い、少々大人げない仲間と一緒に行くならば、かなり良い店だと思うのである。


 ところで、食べ終わった後にレジに並んでいたところ、前にいたおばちゃんが「ここは何時から何時までやっているの?」と聞いていた。すると店員さんは「まぁ〜、暗くなったら休みですねぇ」「あと、まだ梅雨が開けてないですからねぇ」と答えたのである。

 はっきり明言はしなかったものの、どうやら雨が降ると休み、暗くなったら閉店のようである。

 これを聞いた私と友人K氏は、お金を払った後、
「やっぱり、カメハメハ大王だ〜」
「すげ〜店だ〜」
「今日、食べれたのはラッキーだったかも」
「また来たいなぁ」
などと大笑いしながら、「いわやす 流しそうめん店」を後にしたのである。
〒328-0003 栃木県栃木市大光寺町1281
0282-27-1313

(2004/06/18 19:29 JST)


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