| 山岡 | 「では、我々が推薦する究極のエコカーを見ていただこう。ダイハツ・エッセ・エコだ(注1)」 |
| 副部長 | 「えぇ !? ハイブリッドカーや、バイオ燃料車で無いの?」 |
| 社主 | 「山岡、正気か!?」 |
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| 山岡 | 「確かにハイブリッドカーは燃費が良い。しかし、車体製造時のエネルギーが大きい(注2)。特に高性能な電池は問題だ」 |
| 栗田 | 「電池のリサイクルも始まっていますが(注3)、本格的なリサイクルは今からのようです」 |
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| 山岡 | 「また、エコカーの効果を出すには、世界各国に普及させる必要がある」 |
| 栗田 | 「ハイブリッドカーの製造・整備には高い技術が必要なのです」 |
| 山岡 | 「一部の人だけが環境に優しくても仕方が無い。本当のエコカーとは、全ての人が乗れる車でなければいけない」 |
| 部長 | 「なるほど。では、バイオ燃料はどうだ? 」 |
| 山岡 | 「バイオ燃料はコスト的に難しい。トウモロコシを原料とすると、食料問題を引き起こす危険も大きい」 |
| 副部長 | 「そういえば、バイオ燃料のせいで、オレンジジュースの値段が上がったというニュースがあったぞ(注4)」 |
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| 山岡 | 「そう考えると、どこの国でも製造・整備が出来、車体製造時のエネルギーが普通で、燃費も良いエッセが一番のエコカーになる」 |
| 栗田 | 「また、環境の為には、ある程度の不自由は受け入れなければいけません。そのアピールも考えて、小さいエッセにしました」 |
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| 審査員 | 「エコカーと言うとハイブリッドやバイオ燃料などの新しい技術だけに注目し勝ちだが、そのデメリットも考える必要があるのだな」 |
| 京極 | 「イメージだけのエコでは無く、実践的なエコや !!」 |
| 社主 | 「ニヤリ。今回は勝てそうだな」 |
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| 雄山 | 「ふぁっはっは。士郎よ、お前は本当のエコを分かっていない」 |
| 山岡 | 「なにっ。俺の考えが間違っているというのか !」 |
| 雄山 | 「間違っているなどとは言っていない。相変わらずお前の目は節穴だと言っているんだ」 |
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| 山岡 | 「くそっ。ケチばかりつけやがって。どうせ口だけなんだ」 |
| 栗田 | 「でも、あそこまで言うからには、何かあるんだわ。私たちが見落とした何かが…」 |
| 雄山 | 「では、至高のエコカーを見ていただこう。これだ」 |
| 審査員 | 「これは…? 古い型のワゴンRでは? これがエコカーになるんでしょうか?」 |
| 雄山 | 「いかにも。別にワゴンRに限定しなくても良い。中古車であれば」 |
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| 栗田 | 「あっ !」 |
| 山岡 | 「 !!! くそっ、そういうことか !」 |
| 唐山 | 「なんじゃ? あれがエコカーと言えるのか?」 |
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| 雄山 | 「エコを実践する方法には3つある。3つのR、すなわち Reuse・Reduce・Recycleだ」 |
| 副部長 | 「そういえばCMでも流れていたなぁ〜」 |
| 雄山 | 「この3つの方法のうち、一番効果が高いのが Reuse、つまり繰り返し使うことだ」 |
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| 雄山 | 「車体製造時には大量のCO2を排出する。車の寿命で考えると、1/4〜1/5は車体製造時に排出される」 |
| 局長 | 「そんなに多いとは…。今まで走行時のCO2の事しか考えていなかったぞ」 |
| 雄山 | 「1/4というのはあくまでも最近の車での話だ。一昔前の車ではリサイクル率が低いので、更に高い」 |
| 部長 | 「そうだったのか…」 |
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| 雄山 | 「多少燃費が悪くとも製造時のCO2排出を考えると、寿命が尽きるまで使うのが、一番のエコロジーなのだ」 |
| 山岡 | 「… !!!」 |
| 雄山 | 「中古車の中には、まだ使えものが沢山ある。これを有効に使わずにいるのは、エコの本質が分かっていない証拠だ」 |
| 山岡 | 「くっ !」 |
| 社主 | 「何だか雲行きが怪しくなってきたぞ」 |
| 審査員 | 「そうなると、現在の車社会自体が環境に厳しいという事になりますな」 |
| 局長 | 「車を買うだけで環境に厳しいのだからな…」 |
| 雄山 | 「さよう。環境負荷を本格的に減らすには、移動のハイブリッド化が必要なのだ」 |
| 審査員 | 「移動のハイブリッド化?」 |
| 副部長 | 「聞いたことないよ」 |
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| 雄山 | 「ハイブリッド車は、モーターとエンジンを適切に切り替えることにより、効率を良くしている」 |
| 雄山 | 「同様に、人が移動する時、車、電車、バス、自転車、徒歩を適切に切り替えて効率を良くするのだ」 |
| 唐山 | 「なるほど。車だけではダメということじゃな」 |
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| 副部長 | 「でも、車はず〜っと座っていられるから楽なんだよ。車じゃ無いと、ウチの奥さんが嫌がるんだよ〜」 |
| 雄山 | 「そういう自分勝手な考えが、環境に負荷をかけるのだ」 |
| 副部長 | 「…すいません…」 |
| 雄山 | 「だが、現状では面倒と思う者がいるのも仕方ない。インフラが整っていないのだからな」 |
| 部長 | 「特に地方では車に頼るしか無い。どうにかする必要があるな」 |
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| 雄山 | 「最終的には、中心街では車を使わないような都市づくりが必要となるだろう」 |
| 審査員 | 「なんと!? 車を使わないなんて出来るのか ? 」 |
| 雄山 | 「実際、ヨーロッパの幾つかの都市では実現している(注5)。日本でも似たような事は出来るはずだ」 |
| 京極 | 「それはワシも知らんかったな」 |
| 部長 | 「ヨーロッパと言えば、車社会の発祥の地。そこで、こんな変革が起こっているとは…」 |
| 雄山 | 「環境に配慮するなら、そこまでする必要がある。エコカーに乗るだけでは不十分なのだ」 |
| 山岡 | 「うぅ…」 |
| 審査員 | 「…では、そろそろ、結論を出したいと思います」 |
| 審査員 | 「至高側の提案は、『物を大切にする』というエコの根本を示したものでした」 |
| 審査員 | 「これは車だけでは無く、全ての事に言える事です」 |
| 審査員 | 「環境に良いと言われる商品を買うだけでは無く、誰もがちょっとした知恵や努力でエコを実践できる事を我々は教えられました」 |
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| 局長 | 「山岡ーーー!!!」 |
| 帝都 | 「やったぞ ! 今回も至高の勝ちだ !! 」 |
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| 審査員 | 「しかし。新車を買う満足感を保ちつつ、現実的なエコロジーな車を提案した究極側の提案も捨てがたい 」 |
| 審査員 | 「よって、今回の対決は引き分けとします」 |
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| 栗田 | 「今回の件で、環境に優しくするなら、エコカーに乗るだけでは駄目という事が分かりました」 |
| 局長 | 「そうだな。ヨーロッパで出来ているんだから、日本でも出来るはずだ」 |
| 副部長 | 「そうだ!! 私は明日から、自転車通勤しちゃうぞ〜」 |
| 部長 | 「海原さんの受け売りだとしても、本当のエコを皆に知ってもらう為、東西新聞文化部として記事にして行きます」 |
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| 山岡 | 「けっ。みんなであんな奴のいう事を真に受けやがって。」 |
| 栗田 | 「山岡さん。ひがまないの」 |
| 山岡 | 「ふん」 |
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| 社主 | 「山岡ー ! なんとか引き分けたから良かったものの、危なかったじゃないか」 |
| 局長 | 「そうだ ! 次こそ圧勝しなければ、お前はクビだ〜」 |
| 山岡 | 「社主、そんなに怒ってばかりいると、ますます温暖化が進みますよ」 |
| 社主 | 「ええぃ、お前のような役立たずを抹殺する事が、一番のエコロジーだ〜」 |
| 山岡 | 「ぐぇぇぇ〜」 |