地下水を質と量の両面で保全し、飲料水源として位置付けることが求められています。そのための条例をまず、自分の住んでいるまちに作り、広域で地下水を保全する呼びかけをする必要があるのではないでしょうか。
| ダムはムダ―――すでにアメリカでは、新規のダム計画は1か所もなく、古くなったダムの撤去がはじまっています。20世紀の最後の10年には、水の供給と発電、洪水調節に貢献してきたダムの生態系への悪影響などがクローズアップされ、ダムの検証が進みました。そして、アメリカ経済が大規模な水源開発を支えられなくなったことや、ダム建設は自然破壊の代償が大きく環境保護を求める国民の支持を得られなくなったこと、新しい治水技術が進んだことなどから、ダム建設の時代の終焉を宣言しました。 |
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日本では、2001年2月20日、田中康夫長野県知事は「脱ダム宣言」を行って、ダム本体の着工間近かな下諏訪ダムの中止と本体未着工の7つのダムの原則中止を宣言しました。計画地でのダム反対運動はあるものの、未だ400〜500ヶ所のダム計画がある日本では画期的なことです。掛け声ばかりの公共事業の見直しでは、ダム計画の中止・廃止は期待できませんが、ダムに対する考え方が日本でもこの10年で大きく変わってきたこと、長野から発信された「脱ダム」の呼びかけに応える市民の活動が広がっています。 |
人口の集中する首都圏の水需要に着目し、首都圏のダム計画を見直そうという市民と議員の会も発足して、水供給を受ける側からの脱ダムが目指されています。東京を例にとって水需要を見てみましょう。これまで、東京では人口集中による都市用水の需要が増加し続けるため、それに見合うダム建設がなければ将来の水需要が充足できないと考えられてきましたが、実際に都市用水が増加したのは1990年頃までのことでした。そして、水道用水にいたっては、1971年頃から横ばいの状態が続き、最近10年は1日の平均の給水量も最大給水量も漸減しているのが現実です。実際、東京では水の需要と実績を比べてみるとすでに100万トンも水が余っている状態であることがわかります。渇水時には湖底があわになったダム湖がマスコミ報道され、渇水への不安を煽りますが、実際の渇水時におけるダムの役割は大きいものではなく、渇水字の川の流れを維持しているのは主に森林の力です。 |
| 群馬県の利根川水系吾妻川をせき止め、川原湯温泉郷を沈める八ッ場(やんば)ダム計画は、1947年のカスリーン台風による大洪水の被害を想定し、利根川中・下流部の洪水被害の軽減と、東京・埼玉・千葉・茨城・群馬の1都4県に合わせて日量122万トンの都市用水の供給を目的として計画されています。しかし、計画発表から50年経った現在でも、未だダムの本体工事には至っていません。 |
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八ッ場ダムの事業費は総額2100億円とされてきましたが、ダム建設のほかに周辺整備等の関連事業も含めると約5000億円近くに膨張すると予想されています。巨額の事業費は国税と各都県の地方税、各受水予定者の水道料金で賄われるもので、私たちは税金や水道料金という形で巨額の事業費の負担を強いられることになります。また、さらに問題なのは、八ッ場ダムが完成すれば東京都の多摩地域や千葉県の印旛地域で水道水源として使われている地下水が放棄され、河川水に転換される恐れがあることです。現に、千葉県の佐倉市では河川水への転換を明言しています。
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地域に地下水を守る運動をひろげ、首都圏で水供給を受ける側からダムの必要性について議論し、計画の見直しをもとめましょう。それにはまず、私たちが東京から、首都圏から、「脱ダム」を宣言しましょう!
また、現地を訪れ、かけがいのない貴重な自然と情緒あふれる風情のある温泉地のくらしに触れ八ッ場計画を体感しましょう。身近な自治体への働きかけも重要です。そして、ダム計画に翻弄されてきた、予定地の方々のダム計画中止後の生活再建を進めるための法律制定にむけて一歩踏み出しませんか。 |
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■おまけ−国際淡水年
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今年は国連の「国際淡水年」です。3月には京都・滋賀・大阪の会場を舞台に、世界各地から水問題に取り組む市民や国連機関、各国閣僚、NGO、企業、研究者など約8000人が集まる「第3回世界水フォーラム」が開催されます。
国連の報告では、世界人口のうち約11億人が安全な水を利用できず、毎日約6000人の子どもたちが安全ではない水や劣悪な衛生環境による病気で亡くなっているといいます。表面の約7割が水で覆われ「水の惑星」といわれる地球ですが、利用できる淡水のほとんどは氷河や地下水であり、わずか2.5%にすぎません。そして、比較的容易な河川や湖沼の水は、地球全体の水のわずか0.01%という、奇跡的な存在です。
実際に、深刻な水不足、汚染、洪水、水をめぐる紛争など世界の水事情は危機的な状況にあり、水は21世紀に生きる人類の運命を左右する大問題、「21世紀は水の時代」といわれるゆえんです。日本の水問題は、都市・工業化による河川・湖沼・地下水などの水質汚染や水循環の断絶です。21世紀の持続可能な社会を実現するために、健全な水循環を取りもどす行動が求められています。
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