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市民の声を議会に届ける
開発の危機にさらされる里山を保全したい  稲城・生活者ネットワーク

 新宿駅から京王線で約30分、電車がよみうりランド駅に近づくと、左手に広大な緑の丘が見えてきます。隣接する稲城駅の先まで広がるこの丘陵地一帯は「南山」と呼ばれ、オオタカやトウキョウサンショウウオなどの希少生物も多数棲息する自然の宝庫です。

 都心からわずか25kmの場所に残されたこの貴重な里山が、いま開発の危機にさらされています。約90haにも及ぶ雑木林を伐採して宅地等を造成する「南山東部土地区画整理事業」が、稲城市と東京都の都市計画審議会の審議を経て認可され、動き出そうとしているのです。

 

 計画では約15%の緑地を確保するとしていますが、現状のまま保全されるのは奥畑谷戸と呼ばれるごく一部の樹林地のみで、大半は新たな植樹によるものです。四季折々に表情を変え、人々の心に安らぎをもたらしてくれる雑木林の豊かさとは比べようもありません。
 開発計画が浮上して間もない1995年、稲城・生活者ネットワークは150人の市民に対して市内の緑地で残したいと思う場所をたずね、「稲城・緑マップ」を作成しました。緑被率が4割を超える稲城市には、多摩川の河川敷や牧場など、さまざまな緑地が存在していますが、第1位に挙げられたのは南山です。
 このかけがえのない緑をできる限り残そうと、市民らは2001年暮れに「南山の自然を守る会」を結成し、地権者・市民・行政の三者の協力により緑地を保全する方法を模索しています。稲城・生活者ネットワークのメンバーもこの会に参加して市議会への陳情や計画の代替案づくりに取り組んでいますが、事態を打開するには至っていません。
 生活者ネット市議会議員の横田幸子さんは「緑の保全に市民が積極的に関われるようなしくみをつくることが重要」だと指摘します。市の緑化基金を活用して市民グループが地権者から土地を借り、里山を保全する方法など、新たな制度の導入が求められています。