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身のまわりの化学物質

■アレルギーと化学物質

 埼玉県アレルギー性疾患対策あり方検討委員会」が2003年1月に発表した報告書によると、1年間で何らかのアレルギー症状があったと答えた人は53.4%にものぼるとの結果が出ています。
 検討委員会では、「生活環境とアレルギーに関する調査」として、埼玉県内の3,000世帯(有効回収2,368世帯/7,395人)を対象に、2002年8月に実態調査をしました。対象とした疾患と、この1年間に何らかのアレルギー様症状があった人のパーセンテージは次の通りです。
気管支ぜん息 14.5%
アトピー性皮膚炎 29.2%
アレルギー性鼻炎 35.2%
アレルギー性結膜炎 9.3%
花粉症 33.2%
食物アレルギー 4.4%
シックハウス症候群 25.9%
 ご覧の通り、特にアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症は約3人に1人が症状を感じているという多さです。春先を中心に花粉症で苦しむ人があふれる状況を見ても、アレルギーは特別なことではないということを痛切に感じますね。

東京・生活者ネットワークでは「アレルギー疾患に関する調査」をまとめました。

アレルギーに関する調査1 アレルギーに関する調査2
アレルギーってそもそも何?
 アレルギーとは、アレルギーの原因物質であるアレルゲンが体の中に入ったときに、このアレルゲンを攻撃するため体内で作られる抗体という物質が過剰に反応してしまうことで起こる現象です。その意味では「免疫」も「アレルギー」も同じ現象です。違うのは自分にとって「望ましい」か、「望ましいくない」かという点でしょうか?
アレルギーの例としては、先ほどの埼玉県の調査項目にあるように気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギー、シックハウス症候群など様々です。
 アレルギーが困るのは、花粉症に代表されるように、ある日突然発症してしまうことにあります。よくコップの水にたとえられます。コップ(つまり、許容限度)の大きさは人それぞれですが、そのコップに水(アレルゲン)が1滴、2滴…と溜まってきます。そして、コップから水が溢れ出した時が発症する時ということです。ですから、「アレルギー体質ではないから大丈夫」と高をくくらないほうがよさそうです。
 アレルゲンには食べ物、花粉、カビなどの天然物質の他に、様々な人工の化学物質があります。化学物質はある目的のために作られたものですが、そのためだけの役目しか果たさないことはまれです。その迷惑な働きがアレルゲンとなります。
私たちは実にたくさんの化学物質に囲まれて生活しています。
例えば…
建物では 建材、塗料、接着剤、シロアリ駆除剤など
その他、衣食住では 防ダニ・抗菌商品、消臭スプレー、食品添加物、残留農薬、洗剤、殺虫剤・除草剤、香水・化粧品、煙草の煙など
外気では 排気ガス、ディーゼル粉塵、夏のアスファルト舗装など

など、無菌室にいない限り全部を排除することは不可能です。

東京都健康局ホームページ「東京の保険医療」はこちら        もどる

■「抗菌」って、そんなに大切?

 最近の清潔志向と、それを煽らんばかりの様々な抗菌、消臭グッズの登場には違和感を覚えますが、みなさんはいかがですか?
 もちろん、食中毒や感染予防などのために一定の殺菌や消毒は必要です。でも、昨今の抗菌をありがたいと思う風潮は、無菌状態の暮らしをみんなが望んでいるということなのでしょうか?
 そもそも、私たちは誰もが、体内にも、体の表面にも菌を持っており、また体外でも無数の菌に囲まれて生活しています。それらの菌は有害なものばかりではありませんし、仮に有害であっても抵抗力を高めるなど、これまで上手に付き合ってきたという歴史があります。そういう微妙なバランスが、過剰な清潔志向によって崩されてきているのが現状です。
 病気の時には、長期に渡ると薬でも抗生物質の多用により、有益な菌が死んでしまい抵抗力が低下してしまうことや、以前効いた抗生物質が効かなくなったりということを聞きますが、同じように、抗菌グッズの氾濫により、病原菌の侵入や増殖を正常細菌叢(皮膚常在菌)を減らし、有害な最近に対する抵抗力を弱くしてしまうことも指摘されています。
買い物に行って表示を見ましょう!「抗菌加工」などの表示があったら喜ぶのではなく、まずはほんとうに必要なものなのかを考えてみましょう。

 こんなにあります。抗菌グッズの例

繊維製品 マットレス・畳表・カーテン・すのこ・ラグ/カーペット類・和服の生地・マスク・ふきん・エプロン・テーブルクロス・シーツ・ふとん・カバー類・クッション・衛生服(給食服含む)・下着・靴下・タオル・ストッキング・まくら・衣料
家電・電気製品 電気カーペット・スイッチ部分・食器洗い機・掃除機・洗濯機及び専用紙パック・リモコン・ヘルスメーター・ミキサー・電気シェーバー・冷蔵庫・電気ジャー・電気ポット・空気清浄機及びフィルター・炊飯器・電話機・カセットテープ・ビデオ・キーボード・マウス・マイク・電卓
建材・住宅設備機器 タイル・床材・階段板・壁紙及び接着剤・アルミ建材・塗装材・便器・洗面台・手すり・浄水器
キッチン・バス・トイレ、身の回りの小物など まな板・三角コーナー・スポンジ・フライパン・包丁・水切り袋・フィルム包材・弁当箱・洗面器・バスマット・トイレブラシ・トイレ用ごみ入れ・シャンプーなどのボトル・ロールペーパーホルダー・歯ブラシ・靴・靴の中敷・カミソリ・漆器のお盆・アクセサリー
文具・玩具 ボールペン・シャープペンシル・フロッピー・えんぴつ・消しゴム・筆箱・指サック・ぬいぐるみ
自動車 ステアリング・シフトノブ・内装
家具 ブラインド・学習机の天板・デスクマット・椅子
その他 キャッシュカード・ウエットスーツ・人工観葉植物・水槽・介護用品・砂・ペットの首輪・カルテ・通帳・スポーツ用品・書籍の表紙

 抗菌のしくみって

 抗菌剤には天然(キトサン、ヒノキチオール、ヨモギ抽出エキスなど)、有機(複数の化学物質を組み合わせたもの)、無機(銀や同などの金属をセラミックやゼオライトなどに混ぜたもの)の3つのパターンがあります。天然抗菌剤だと、安全というイメージがありますが確証はありません。また、一般に有機抗菌剤は抗菌作用もからだへの影響も強く、無機抗菌剤は抗菌作用も身体への影響も弱いといわれています。
 これらの抗菌剤は、原材料に抗菌剤を混ぜ合わせる「練りこみ法」と製品完成後にコーティングする「後加工法」という大きく分けて2つの方法で使われます。「後加工法」のパタンでしかも、抗菌剤を吹き付けたり、抗菌剤溶液につけたりした製品は、使用時に抗菌剤が溶出する危険性もあります。
 問題なのは、「抗菌加工」と一口に言っても、使われている抗菌剤が天然か、有機か、無機かという情報と、加工方法が「練りこみ法」か「後加工法」かと情報が製品表示からはわからないことです。 疑わしいものは使わない・買わないが賢明でしょうね。

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