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環境共生型の都営住宅建設を求め動き出した市民 中野・生活者ネットワーク

  妙正寺川を隔てて新宿と接する中野区上高田地区。住宅が軒を連ねる一角に、森と見まがうばかりの深い緑が広がり、木造平屋建ての家屋がひっそりとたたずんでいます。この上高田4丁目都営住宅が建てられたのは1948年。全114戸の住宅団地として産声を上げました。その後50年余りが経過し、建物が著しく老朽化したため、東京都は中層の集合住宅3棟に建て替えることを決めました。家屋の多くはすでに取り壊され、2002年3月から一部の工事が始まっています。

   この事業により住戸部分の居住性が高まることは確かですが、一方で、半世紀にわたる歳月を育んだ豊かな環境は危機に瀕しています。約1haにも及ぶ敷地は、在来種のホウチャクソウ、キンミズヒキ、フタリシズカなど約200種もの植生が確認され、メタセコイヤ、イチョウ、ケヤキなど樹齢50年以上の巨木がそびえ立っていますが、都の計画では緑地の大半が失われる見込みで、現在生息する多数の野鳥も姿を消すのは必至です。
 居住者の権利は確保しつつ、できるだけ多くの緑を保全して環境共生型の都営住宅を建設できないかと考えた市民らは、この場所のシンボルツリーにちなんで「桑の実会」を結成し、新たな計画案の作成に乗り出しました。中野・生活者ネットワークの融資もこの活動に参加しています。
 都の住宅局は、未着工の2棟について、計画設計を発注する2002年秋までに代替案を用意すれば尊重するとの意向を示しています。会では、地域の人々とフィールドワークやワークショップを行ないながら第1次案を作成し、と話し合いを持ちましたが、案の中にある区道のつけ替えがネックとなり、新たな対応が迫られています。
 中野・生活者ネットワークは、計画の初期段階から市民と協同することの重要性を行政に指摘しつつ、市民案の採用を実現し、みどりの保全計画などを市民が作成する際の先例にしたいと考えています。