【脳と回復 2(1) 内容の抜粋】
表紙はさくらです。


 T・B・I
 -とにかく・ぼくは・いきている-



Jさんに藤井正子所長がインタビューしました。


藤井    それでちょっとお聞きしたいんだけど、交通事故に遭った後で、一番あなたが問題だと思うことはどういうことですか?

J   もともと短絡的な男だったんですけど、考えがちょっとおかしいと思ったら、大声で、おかしいーって言うようになった。考えないでもうおかしーって言っちゃうようになった。行動が我慢できなくなっちゃったとか。考えなくなったんだろうなって気が。

藤井  じゃあ、考える前に。

J    行動に出ちゃう。

藤井  出ちゃう?あ、そうかそうか。

J   以前・・・・・こういうところで言ってもいいのかなぁ。

藤井  いいですよ、いいですよ、もしいやじゃなければね。

J   僕だけじゃなくて、事故後、高次脳(機能障害)になった人に多いと思うんですよ。分からないから手が出ちゃう。疲れて帰って来るときに、酔っ払いにケチつけられてケンカになっちゃったったとか、そういうことがあって・・・・。

藤井  そうすると、相手の言うことが分からないから手が出ちゃう?

J    いや、分かってるけど、肩ぶつかっただけで、「あーすいません」ってこっちは謝ってるのに、なんだオメーはって言われて、それで、普通は「あーごめんなさい」って謝ればいいのに、お前だってぶつかってきたら普通お互い謝るだろ!くらいのこと言って。で、もめごとになってっちゃったってことがあったので。それこそここに来る途中でも、人との言い合いになったときに、また手出て・・・・・だから、あまり混んでる電車とか、混んでるところには行っちゃいけないなぁと思って・・・。

藤井  それは実行してます?

J  混んでる時は各駅に乗ったり・・・・・・してるつもりなんですけど。

藤井  うん、ここはたいてい四時半には帰りますよね。その点は私たちも気を付けてますけど。
脳外傷後の認知・コミュニケーション障害と支援                         /小林 球記 一般に、障害されやすいのは、記憶、問題解決、判断、言語構成、語用論的な側面である。この時期の関わりは、個々の能力やニーズに応じて、これらの障害を代償するストラテジーを工夫し実際の生活場面で使用できるように支援していくことである。一方、重度の意識障害や身体障害が持続している患者は永続的に話せない可能性も高いが、STは、個々の認知レベルや利用可能なコミュニケーション手段(身振り、口型、凝視、瞬き、ポインティング、表情変化、発声など)を把握し、脳外傷者の個別のコミュニケーション・ニーズを理解して、家族や関わる他のスタッフにも情報提供して、効果的なコミュニケーション相手になれるような環境整備をしていくことが大切である。
★シンポジウム記録★
2005年1月22日(土)主催  パイロットインターナショナル日本ディストリクト基金

「高次脳機能障害 
〜リハビリテーションへの期待〜」

言うまでもなく、リハビリは材料のみならず、どのような方が、いつ、どこで、何を、どのように行なったらよいか、という包括的な方法論です。TBIセンターは、当事者とご家族がよりよい方法を見出すための支援をする場であり、テープ教材と、目的に応じた約70種類の練習帳を用意して、在宅リハビリという方法を提案しています・・・・・

今回のシンポジウムは、
「脳外傷とは?」という、説明的な内容から一歩前進し、「何をしたらどのくらいよくなった」という具体的かつ実際的な例が示されました。今後も、いろいろなノウハウが集積され、広く共有されていくことを、切に望みます。(文章 藤田久美子)
PTSD概論   
〜ショッキングな体験が脳に与える
ダメージに焦点をあてて

         須藤 杏寿

PTSDとは、自然災害、交通事故、虐待、戦争体験、人が死んだりひどいケガをした現場の目撃など、個人の力では予測不能な圧倒的な出来事を体験した後に発生する重篤な精神障害です。精神的な意味で外傷を負ったときの後遺症ということができます。世界中で広く用いられているDSM-Wというアメリカの診断基準によれば、PTSDの主な症状は、@再体験症状、A回避・麻痺症状、B過覚醒症状の大きく3つに分けられます・・・・・・
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