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緑の絨毯が稜線を覆い尽くしている。 盛夏の平ヶ岳山頂から稜線を見下ろしたところである。 写真の尾根を辿ると尾瀬に達するのだが、かつての登山道はもう藪に飲み込まれているだろう。 ちょっと残念な気もするが、登山道というのは山につけられた傷みたいなものだから、元の姿に戻るのもよし、としなければならない。
ところで、この辺りの山には頂上付近に必ずといっていいほど池塘の散らばる湿原があって、気持ちいいことこの上ない。 ちょっと上から俯瞰すると、まるで “宝石箱をひっくり返したような” という表現がぴったりくるほどキラキラ輝いている。 けれども、湿原のまわりには灌木や笹などの藪が密生していて、延々と藪漕ぎをしないとたどり着けないことが多い。 そんな時に湿原に飛び出すと、まるで天国にでも来たような気分になる。 “天上の楽園”とはこういうものだと実感できる瞬間である。 |