季節のたより     1998.8号


・98.8.12      東京都町田市
     
 庭に流水池を作る作業(2回目)をしていたら、モモの木の下からセミの幼虫がでてきた。終令幼虫のようなアブラゼミの終令幼虫と思われる個体は、間違って切断してしまった。
 止水池では、トチカガミが花を咲かせた。一日中曇りだったせいか、午後まで開いていた。
 夏の終わりも近いと、アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクホウシが必死に鳴いている。警戒心も薄くなっているようだ。夕方にはヒグラシが鳴いた。

・98.8.13      東京都町田市
 流水池が一応完成。7月に作ったものは、ダムが決壊し、干上がったため、やり直し。わき水をせき止め、池に水を引くのが大変難しかった。水を入れる最中、早くもシオカラトンボが産卵にやってくる。
 止水池の方では、クロスジギンヤンマのヤゴが4pほどにも成長していた。しかも3匹。よく見ていたら、水面に落ちた小さな昆虫を食べた。これまで、ヤゴは水中の生き物だけを食べているのだと思っていたが違うようだ。これから羽化するのか、来年までこのままなのかが興味あるところだ。

・98.8.15      東京都町田市
 今日もクロスジギンヤンマのヤゴをよく見た。と、近づくメダカに襲いかかった。が、タッチの差で逃げられる。その次に、水面に浮かぶアメンボの幼虫にスーッと泳ぎながら近づきゲット。道理で最近アメンボが減ったと思った。こいつの仕業だったのか。

・98.8.16      静岡県函南町函南原生林
 沼津から中伊豆、西伊豆に行く途中に「函南原生林12q」という看板がある。前から気になっていたのが、行く機会がなかった。この日は、本当は西伊豆岩地海岸へ、シーカヤックをしに行くはずだったのだが、風が強いので沼津で早々にあきらめ、ここへ行くことにした。
 広さ230haの内、102haを静岡県が、H5に自然環境保全地域に指定したのだそうだ。この土地の所有者は「箱根山禁伐林組合」というのだが、どういう団体なのだろうか。木を切らずに飯を食うというのは何とも不思議な感じがする(鳥を捕らずに飯を食う鳥類保護団体に入っている私が言うのも何か変だが)。
 原生林の定義というのがどういうものか知らないが、確かに大木が多い。山を歩かない私は、樹木に無知なのでよくわからないが、そんな気がする。アカガシ、ケヤキの大木を見ながら散策をする。特にヒメシャラには、「ヒメシャラって、こんなに大きくなるんだ」と驚かされた。
 1時間ほどで日本一の大ブナに到着。何が日本一なのかはわからないが、樹齢700年、根回り12メートル、樹高24メートル、幹周6.35メートルというプロポーションに、私は、立ちこめる霧の中で圧倒された。いや、その大きさというより幹に刻まれた深いしわに畏敬の念を感じさせられたという方が正しい。700年前からひっそりと生活をしてきたその重みに息を飲んでしまう。
 この木や森を残してくれた禁伐林組合に感謝すると共に、巨樹をもっと見てみたいという気になってきた。

・98.8.19       東京都町田市
 この日を最後にヒグラシの声が聞こえなくなる。ただ、昨年は9.13が本当の最後になっているので、まだしぶといやつがこれから鳴くかもしれないので、まだ終認とはいえない。

・98.8.20       東京都町田市
   

 自宅近くを散策した。
 湧水地には、ホトケドジョウが泳ぎ、オニヤンマが舞っていた。
 通称「秘密の池」は、産業廃棄物によってそのほとんどが埋め立てられていた。残された1uほどの濁った水面に、オオアメンボが泳ぎづらそうに浮いていた。また、モノサシトンボが何匹か飛んでいた。この環境では絶滅必至なので、捕獲して庭に放そうと思っている。その方が良さそうだ。自宅とはほんの50メートルほどしか離れていないし、初夏にはここのものと思われるモノサシトンボが産卵にやってきているので、問題ないだろう。
 水田では、やたらとイナゴが多い。今年は、イナゴの佃煮がたくさん作れそうだ。人間に驚いて飛び立ったイナゴが、コガネグモの巣に引っかかった。ある巣では、3匹ものイナゴがかかっていて、コガネグモも糸で巻くだけ巻いて食べずに放っておくくらい大猟のようである。
 雑木林では、キノコがたくさん顔を出していた。中には、上から見るとまるでかじったリンゴのようなものまであった。

・98.8.21       千葉県谷津干潟
 学生時代、春秋のシギチシーズンには、毎日のように出かけていた谷津干潟。卒業してからは見事に1回も鳥見に、来ていない。11年ぶりの谷津での鳥見である。
 が、あまりの懐かしさに想い出話をしたり、さらに昔の谷津の話を聞いたりして、まじめにシギチを見なかった。
[観察した野鳥]
 ウミウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、カルガモ、スズガモ、シロチドリ、メダイチドリ、ダイゼン、キョウジョシギ、キアシシギ、オオソリハシシギ、ダイシャクシギ、セイタカシギ、ウミネコ、コアジサシ、キジバト、スズメ。
 11年から15年くらい前との大きな違いは、やはりセイタカシギがたくさん居着くようになったことだろう。あのころは、行徳での繁殖はあったが、谷津に入ることは稀だった。立派な自然観察センターなんかもできちゃって、私は浦島太郎になっちゃいましたよ。

・98.8.22       東京都町田市
 19日に、「ヒグラシ一時終息宣言」をしたばかりだが、やはりヒグラシはそう簡単にはバテてはいなかった。夕方一匹が細々と鳴いていた。

・98.8.23       東京都町田市
 朝5時に起きてみると、遠くでヒグラシが鳴いていた。なかなかねばり強い。アブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクホウシは健在。アブラゼミはやや精彩を欠く。
 午後になって、庭にモノサシトンボが飛来。元「秘密の池」から飛んできたのだろう。やはり羽のあるトンボ。環境が悪くなり移動してきたと思われる。一時は、「モノサシトンボ移動計画」も考えたが、その必要はなさそうだ。
 夕方、今年初めてのオオカマキリの成虫を見た。最近ずいぶん大きくなってきているなあと思っていたが、とうとう出ました。カマキリといえば、秋。もうすぐ8月も終わりか。

・98.8.24       横浜市都筑区
 我が家の周りと違って、アブラゼミが全盛かつ中心。ミンミンゼミやツクツクボウシもいるが少ない。また、街路樹にクスノキがやたらたくさん植えられているが、若い実をつけていた。採ってつぶしてみると柑橘系の香りが。クスノキは、葉、枝のとは少し違ったさわやかな感じがした。
              東京都町田市
 朝早く、ヒグラシが鳴いていた。 

・98.8.25       横浜市都筑区
 川和町の田んぼで、ツバメを見た。そろそろまじめに見ておかないといつの間にかいなくなってしまう時期に来た。
               東京都町田市
 朝早くはヒグラシ、夜は、「リーリーリーリー」のアオマツムシの声。アオマツムシの勢力の強さには閉口してしまう。

・98.8.26       東京都町田市

 夜、ルリタテハが家の中に入ってきた。蝶のことはほとんど知らないが、多分、逃げ足が速いがすぐもとのところに戻って来るという性質を持った蝶だった記憶がある。近くで見ると瑠璃色がとても美しい。

・98.8.27       東京都町田市
 台風が関東に向けて北上してきている。おかげで、週末のカヌーツアーは延期。
 家の近所で、息子がシマヘビを見かけたらしい。

・98.8.29       東京都町田市
      
 今日は、まさにカマキリデー。
 まずは、オオカマキリ(成虫)が、見事ヒメウラナミジャノメ(ジャノメチョウの一種)をゲット!カラミント(ハーブの一種)の小さな花にやってくる蝶たちを次々とねらっていた。私が見つけた時点で、彼の下の地面には、すでにモンシロチョウの羽が。しかし、狩りの腕前はいまいちで、何度もモンシロチョウの捕獲に失敗していた。
 そして、二つ目が、初めて見ました。コカマキリの緑色型。今までコカマキリといえば褐色型とばかり思っていた昨年、緑色型が存在することを聞き、是非見たいと思っていた。1年もたたないうちにそれを見ることができたとは本当にラッキー。
 最初は、体全体が薄い緑色だったため、「お、ハラビロか」と、思ったのだが羽の横に白斑がない。よく見ると前足の基部に、見慣れた黒色と白色のコンビネーションが。また、胸の背中側に茶色いポツポツがついている。これもコカマキリの褐色型に見られるものだ。足は、褐色がかった緑色。かわいそうなことに両眼とも複眼の端の部分がへこんでいたが、ものをちゃんと見ることができるようだ。見つけたのが夕方5時過ぎだったので、家の中でシソの葉の上にのせて写真撮影をした。
 また、夕方ヒグラシが鳴いた。

・98.8.30       東京都町田市

 部屋の中にナナフシの赤ちゃんが入ってきた。大きさは、胴体のみで5ミリくらい。
 しばらく手の上にのせて遊んでいたが、逃がす前に少し水分でも与えようと、1pマスの工作用紙の上に乗せて麦茶を一滴たらしたところ、何とそれを飲んだではないか。今まで、ナナフシといえば樹木の葉を食べるものだとばかり思いこんでいた。が、そいつはカメムシのような細い口を出し、麦茶をたっぷりと飲んだのだった。こんな口をしていたとは知らなかった。
 逃がしたあと、デジカメで撮った写真を見ていたら、ちゃんと長い口が写っていた。(右の画像:右下方向が頭。セミのように胴体に沿って左上方向にストローのような口が伸びているのがわかりますか。)
[訂正]後日,これは,イトカメムシの一種と判明しました。

・98.8.31       東京都町田市
 今年はカマキリが多いぞお、ということで、「’98秋 我が家のカマキリ大集合」と題して、別冊にしてお届けすることにしました。この先どうなることやら。
 それはさておき、大雨により流水池に大量の土砂が流れ込んでほとんど埋まってしまった。そのため、その砂をかき出すのが大変だった。水の運搬作用のすごさがよくわかった。それにしてもどこにあんなにたくさんの砂があるのか不思議。また、今まで山の中で砂防ダムがあると、「どうしてこんなところにダムなんて必要なんじゃ。」と一人怒っていたのだが、下流にあるダムを土砂から守るためにはある程度必要なのかもしれないなあ、と少し考え直した。でも、ダムってやっぱり嫌い。


前年の記録前月の記録次月の記録次年の記録

[目次]  [季節のたより]  [ヒタジェンヌ]  [カヌー]
 
[自転車]  [バードウオッチング]  [クロカン・テレマーク]  [リンク]