BARI BIRD WALKS in Ubud


 はっきり言って、私がバリ島に行くなんて恥ずかしい。似合わない。でも、なんだかんだで行くことになった。
 どうせ行ったなら、自分らしい過ごし方をしてやろうということでバリ芸能・芸術の中心地ウブドでバードウオッチングツアーに参加することにした。「地球の歩き方」で、その情報をキャッチ。
 まず、ホテルに頼んで朝9時15分にレストラン「ベガーズ ブッシュ」へ連れていってもらう。現在は、9時集合に変更になっていた。本当は予約した方がよいようだが、私は面倒なので飛び込みで行った。レストラン「ベガーズ ブッシュ」の経営者ビクター・メイソンさんが鳥類研究者でもあり、バリ・バード・ウオークを行っている。
 参加者は私を入れて8名。イギリスから来た女性1名。カリフォルニアから来た女性2名。オーストラリアから来た女性2名、国籍不明の夫婦2名、そして日本からの私1名である。そして、ガイドがビクター・メイソンさんを入れて4名つく。総勢12名だ。料金は、$33。ガイド料、双眼鏡貸出料、ランチ代が含まれている。そのうち10パーセントはバリバードクラブへ寄付される。私は双眼鏡を持参した。もちろん料金は変わらない。
 早速スタート。なんとメイソンさんは裸足だ。まず出たのが、小さなアマツバメ(White-bellied Swiftlet)。これは、ウブドでなくても至る所で飛んでいる。はじめはコウモリかと思ったくらい小さい。そして、尾の長いキジバト Spotted Dove。これもどこにでもいる。
 車の往来の激しい通りを渡ったところにある木に小鳥が群れていた。頭から胸、背中にかけて真っ赤な美しい小鳥Scarlet-headed Flowerpecker。その他にもメジロのようなハチドリのような複雑な鳥 Brown-throated Sunbirdや、Olive-backed Sunbirdがいた。これは、動きや体の大きさはメジロのようなのであるが、くちばしが長いため全体の感じはハチドリのようである。しかし、ハチドリのように目にもとまらない速さで翼を動かしてのホバーリングは全く行わない。
 ここから先は、田んぼの中の道を歩く。すぐに赤いくちばしに青い羽根という南国特有のド派手のカワセミ Java Kingfisherが現れる。ヤマセミくらいの大きなカワセミだ。ガイドが指を指して大騒ぎ。おお、すげえ。川や池が近くになさそうだが、田んぼの中の小動物を食べているとのこと。以前シンガポールで見たナンヨウショウビンもそうだけど、南国はやはりハデハデのカワセミがわかりやすくていい。ちなみに、このJava Kingfisherは、その後もたびたび現れすぎ、しまいには誰も見向きをしないようになってしまうのであった。やはり、チラッと見えるくらいが適度なのだ。
 しばらく行くとシラサギが現れる。「アマサギ、コサギ」とガイドが言う。以前に日本人が来て日本語で教えておいたのだろう。日本で見ることができる鳥を見ることができて、少しほっとした。何せ、英語に外国人ばかりのツアーだったので、友達に会えたような気になったのだ。
 このツアーは、完全なる英語によるガイドである。英語が苦手な私にとって、はっきり言って、言っていることの9割以上がわからない。野鳥の生態について詳しく説明しているようなのだが、全くわからない。わかることと言ったら、「背中が赤い」とか、「3本目の大きなバナナの木」とか、「それの右側」といった程度である。それでも大まかな鳥の英名はうっすらと知っていたので、ああ、シギのことを言っているなとか、ツバメだなとか、鳥のことだけはほんのりとわかったような気がするのであった。
 さて、その後もバリ版アカガシラサギや、リュウキュウヨシゴイ、リュウキュウツバメなどの南国の鳥たちとの出会いを楽しんだ。
 しばらく行ったところで休憩。ココナツの実をナタで傷を付け、そこからココナツジュースを飲むというのだ。ココナツの実を順番に回し少しずつ飲む。私は最後だったが、みんなの顔を見ていると「うん、まあまあだな。」より、「うっ、まずい」という方が多いようだ。私もちょっと飲んでみたが、癖がありおいしくない。まだまだたっぷり余っていたが、それをガイド達はうまそうに飲み干した。と、今度はさらにその実をナタで割ってその中の白い部分をそぎ取って食べろと言う。白くてぷよぷよしていてまるで杏仁豆腐のようだ。これも順番に回ってきたのだが見ただけでパスという人もいた。私もちょっと食べたがこれまたうまくないのであった。現地の人にとってはとても良いおやつのようである。
 再び出発。時間がたつにつれて野鳥が出なくなってきた。田んぼの周りの林の中や川のそばを歩いていった。田んぼでは現地の人たちが一生懸命働いている。「あんたら、鳥見て何がおもしろいのかねえ。」といった顔をしてこちらを見ていた。
 古い廃屋のところで休憩。ミネラルウオーターが出る。ここには大きい木があるが、ここにはカワセミの仲間がよく現れるという。カワセミを待つ間メイソンさんがこのあたりの歴史についてべらべらとしゃべっているようだが相変わらず全くわからない。しかし、私は日本に生まれてちょっと後悔しちゃったね。同じアジアなのにどうして我が国は日本語という互換性のほとんどない言語なんですかね。他の東南アジアの国は現地語はもちろんあるが英語も立派に通用している。日本も公用語が二つくらいになればいいのにね。公用語になっていれば自然に身に付くはずだもんね、日本語のように。ああ。自分の勉強不足を棚に上げて勝手なことを考える私であった。
 と、ガイドが静かな声で手招きをする。カワセミがやってきたようだ。双眼鏡で見ると日本のカワセミに似ている。「Common Kingfisher?」と聞くと「No」と言う。Sacred Kingfisherらしい。日本のカワセミより色が淡いがとてもよく似ている。また、その場でナンヨウショウビンを見た人もいた。
 そんなこんなで3時間ほどのツアーが終了。最後には、バナナの木の葉の下で昼寝をしている小型コウモリも見ることができた。果物を食べる種類らしい。
 その後、軽食屋に行きランチ。ここは、多分メイソンさんの経営なのだろう。本当は、「ベガーズ・ブッシュ」でランチとなるはずだっただが、現在は改装中なのでここに来たようだ。
 ここで、なんとメニューを渡され、ドリンクは自費ながらその他のものは何を頼んでもいいのだという。おおっ。デザートもいいのだ。しかし、私はこのときおなかの具合が悪くあまり食欲がなかった。こんな悔しいことはない。ちくしょう。食い放題だというのに。仕方なく、チャーハン一つだけ頼んだ。ガイドが「何食べてもいいんだよ、お金は払わなくていいんだよ。」と優しく説明してくれたが、やめておいた。
 バリ・バード・ウオークに参加する人は、鳥もそうだがランチも期待した方がいいぞお。

*観察した鳥のリスト(同行者のみが見たものを含む)

Javan Pond-Heron  (ジャワ版アカガシラサギ)
Cattle Egret      (アマサギ)
Little Egret       (コサギ)
Cinnamon Bittern   (リュウキュウヨシゴイ)
Wood Sandpiper    (タカブシギ)
Spotted Dove     (尾の長いキジバト)
White-Bellied Swiftlet(小さなアマツバメ)
Java Kingfisher    (ブッポウソウに似た色彩の派手な大型カワセミ)
Collared Kingfisher  (ナンヨウショウビン)
Sacred Kingfisher   (日本のカワセミに似たカワセミ)
Pacific Swallow     (リュウキュウツバメ)
Striated Swallow    (コシアカツバメの亜種か? 学名がHIrundo striolata)
Yellow-vented Bulbul (シロガシラに似たバリのヒヨドリ)
Long-tailed Shrike   (おなかがオレンジのモズ)
Pied Bushchat     (黒白配色の小鳥)
Zitting Cisticola    (セッカ)
Bar-winged Prinia   (ムシクイの仲間)
Scarlet-headed Flowerpecker(頭、胸、背中が真っ赤な美しい小鳥)
Brown-throated Sunbird(茶、緑、黄、オレンジ、紫、青の何とも言えない色のハチドリ風メジロ?)
Olieve-backed Sunbird(のどが紺色のハチドリ風メジロ?)
Scaly-breasted Munia(キンパラ、ギンパラに似た鳥)
Tree Sparrow      (スズメ)

  以上22種。パンフレットには、ウブド周辺では100種を越える野鳥が記録されていて、バードウオークでは約30種類が観察できるだろうと書かれている。ガイドブックとしては、「Birds of Bali」が良い。ウブドの商店街で手にはいる。もちろん、ビクター・メイソンさんの著書である。買ってからツアーに行けばサインしてもらえるだろう。私はメイソンさんから直接購入しようとしたが、あいにく手持ちがなく、ツアー後に商店で購入した。この本を置いている商店は少ない。Java Kingfisherの絵が目印。


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