◎ 神楽峰で、少雪に泣く(98.5.4)
97〜98シーズンは、とにかく雪が少なかった。そんな中、GWはどこへ行こうかと頭を悩ましていた。例年、GWは、カヌーで那珂川というパターンが多かった。しかし、今年は、テレマークにはまりこんでしまい、GWもテレマークだあ、という気持ちであった。
そこで、最初は尾瀬・至仏山に行こうと思っていた。が、記録的な少雪のため、至仏にはもう雪がなさそうだった。そのため、雪がある程度期待できそうな神楽へ行くことにした。これが今シーズン最後である上、初めてのソロでのツアーということで緊張感は高まるのだった。
5月4日(月)。東京駅6:11発あさひ401号に乗る。GWというのにな・ん・と、車両には私一人しか乗っていない。あわてて指定なんかとるんじゃなかったと後悔する。
7:38。越後湯沢駅着。バス停へ行くと、事前に調べておいた時間のバスがないことがわかった。が、ちょうど同じ新幹線に乗ってきたスキーヤーが、シャトルバスの存在を教えてくれた。新幹線で無駄な指定席に乗ってしまった私が、路線バスより10分遅い出発とはなるが、無料のシャトルバスを選んだのはいうまでもない。
シャトルバスに乗ってしばらく行くと、バスが、かぐらスキー場入口という所へ入っていった。
???私は思った。そこは新緑たっぷりの山の下の駐車場だった。雪ってどこ?。この時期の春スキー自体初めてなのでへえ、こんなので大丈夫なのかなあ、と疑心暗鬼ながらバスを降りたのだった。
と、人の列。駅にはぱらぱらと数人しかいなかったスキーヤーが、ここにはイモの子を洗うように存在していたのだ。・・・ロープウエー1時間待ち・・・。自分のことは棚に上げ、いったいこいつらは何をしに来ているんだろうか、と思ってしまった。雪が全く見えない場所で、異常に暑い5月の休日に暑苦しいスキーウエアーや手袋を身につけ行列を作る人々。おお、なんてこったい。
そんなことを考えているうちにロープウエーに乗ることができた。さあ、滑るぞ、と気合いを入れたのだが、雪が、ない。何と、そこから再びシャトルバスでゴンドラ乗り場まで行くのだという。
バスに乗り、ゴンドラ乗り場へ。雪はない。不安が急速に膨張してくる。
ゴンドラに乗って上へ。所々雪が見えてくる。しかし、滑るところなんてあるのだろうか。上を見上げると、雪が細い板状に延びている。ゲレンデの一部のみ雪が残っている。いったいツアーはできるのか。
ゴンドラを下り、リフトに乗る。リフトを降りる。今回はそこが出発点だ。通常ならもう1本リフトに乗れるのだが、雪不足のため営業していない。
周りを見ると山スキーの人がシールを貼っている。何とかスキーで歩けるようだ。
10:55 第一高速リフト終点を出発。
木が、多く生えていて登りづらい。木の周りの雪がかなり解けていて、大きな穴があいている。そこに落ちないようにしながら左へ右へと歩く。
しばらく行くと急斜面になった。よく見ると雪面に亀裂が入っている。おお、危なそうだなあ、などと思いながらも、この天気じゃ雪崩ることはないだろう、と素人考えで突破していった。
途中、雪がとぎれてスキーを担ぐ。雪解け水でぐちゃぐちゃになった夏道を少し歩くと、乗るはずだった第5リフトの終点に着く。ああ、ブーツが泥だらけだ。11:47。少し休憩してから出発。
そこから1時間足らずで神楽峰山頂着。全体的にはなだらかで根子岳のような感じだった。山頂には雪があるものの、周辺にはほとんど雪がない。昼食をとる前に近くにいた山スキーヤーに状況を聞くことにした。
「どの辺を滑るんですか。」
「本当は向こうの中尾根のあたりを滑るんだけど、全然雪がないから行っても無駄だね。仕方ないから来た道を戻るよ」
ガイドブックに載っているのが中尾根のコースなのだが、それが見事に雪がない。全くないわけではないのだが、残雪が所々に見える程度なのだ。くやしー。雪のやつの許せん。せっかく来たのにい。仕方ない。私も同じように降りるとするか。ツアー初心者、ソロツアー経験ゼロの私は素直に先輩のお言葉に従うのだった。
13:20。いよいよ滑降だ。といっても滑る斜面がほとんどないのだ。山頂付近に大斜面があるのだが、そこへ行くと田代スキー場の方へ降りてしまうのだ。
もと来た道をたどっていく。最初は何とかテレマークターンを3回ほどすることができた。雪は重たいが、締まっていて滑りやすい。それにしても滑れる斜面が少ない。少しでも雪のある方へある方へと滑っていくとどうも来た時と勝手が違う。かなり木が混んできた。テレマークターンをする余裕もないほど木が多くなってきた。何回か、木の回りにできた穴に落ちてしまう。やばいぞ、今回はソロなんだから。自分で自分に言い聞かせる。
そんなことを繰り返しながら降りていったのだが、とうとうスキーでは滑れないくらいの藪になってきた。仕方なく、そこでスキーを脱ぎ、手に持って歩くことにした。ザックにつけようかと思ったが、藪に引っかかりそうなのでそうするしかなかった。どうも左寄りにコースをとりすぎたようだ。
倒木を乗り越え、雪を踏み抜き、枝をかき分け進む。なんだか惨めになってきた。「これがツアーだあ」と強がって盛り上がろうともした。しかし、事態は何も変わらない。本当に帰れるのかなあ。普段登山をしない私はろくに地図も読めない。その点、カヌーは楽だ。川に沿って流れて行くだけなので橋の名前さえわかれば迷子になることもない。
そんな不安の中ガシガシ進んでいくとスキー場の音楽が聞こえ始めた。おお、良かった。それから程なくしてスキー場へたどり着いた。
初めての単独テレマークツアーだったが、歩きがほとんどだった。ま、それでもこの時期雪に触れることができて、とても楽しかった。神楽峰のだいたいの様子も分かったし、来シーズンは雪がしっかりあるときに攻めてみたいものだと思った。
[テレマークの部屋へ戻る] [目次へ戻る]