column11
新常識・薬膳でダイエット
第2回
余分なものを“出して”やせよう!

 日本でダイエットといえば、とかくカロリー制限重視で、一日のエネルギー 摂取量の制限や、何か特定の食べ物を3食、食べ続けて(リンゴダイエットや そばダイエットなど)やせようというものが主流ですね。しかし中国医学では ダイエットするに全くカロリーという概念がありません。それは同じものを食 べても太る人とそうでない人がいるという、個々の持つ体質の違いと考えるか らです。

 中国医学は身長と体重の比率で肥満をとらえません。人間が健康であるとい うことは、気(人が活動するためのエネルギー)、血(血液)、水(血液以外の 体内の水分)のバランスがとれている状態を指します。
 肥満は長い間、そのバランスが崩れたための結果で、特に加齢のために太り だすのは、老化による新陳代謝の低下が原因と考えます。

 若い頃は多少の食べ過ぎは、体内でどんどんエネルギーになり消費されたも のが、歳とともに代謝機能が衰え、エネルギー転換が十分行われなくなると、 余った分が老廃物として体内に蓄積されはじめます。
 これが体脂肪や、血中の中性脂肪として定着してしまうとエネルギーとして 使われにくく、排出もされにくい身体になり、太りやすくやせにくい体質へと 変化していくのです。

「薬膳でダイエット」とは、衰えた新陳代謝の機能や排泄機能を、食物の力を もらって改善し、体内に蓄積された老廃物を排出して体のバランスを整えてや せるという考え方です。

 これからおすすめする老廃物排出食材をうまく利用し、排尿や排便を通じて 余分なものを体外へ出してすっきりさせ、本来持つべき内臓の機能を回復し身 体全体の調子を整えていきましょう。
INDEX
覚えておきたい3大老廃物排出食材
 大根のサラダ マヨネーズソース
水分を排出してやせる
 冬瓜とチキンのパプリカ煮込み
 緑豆のお汁粉
お通じをよくしてやせる
 筍のナムル


覚えておきたい3大老廃物排出食材 [top]

 3大老廃物排出食材と呼ばれるものに、大根、キャベツ、白菜が上げられます。 これらは身体の余分な水分を排出させ、むくみを取る効果に優れているうえ、胃腸の働きもととのえます。 大根などは消化酵素がタンパク質や糖分の代謝を高め、便秘を解消。生で食べる方が排出力があがりますが、 冷えやすい人は軽く火を通すか、生姜や唐辛子と一緒に摂るのがベター。

大根

 偏食や食べ過ぎ、飲み過ぎの特効薬としてあげられます。“消食”(食べたものを消化し、全てを排出する働き) を薬効に持ち、良薬として体調の悪いときに度々使われる効能の多い野菜。 生で食べると排出効果がアップするので、大根おろしやサラダが最適。

キャベツ・白菜

 排出効果に加えて、胃腸の調子を整える働きも。これも生のまま、サラダや和え物にした方が効果がある。

大根サラダ マヨネーズソース(4人分)
大根の歯ごたえと、かに風味かまぼこのふにゃっとした感じがよくマッチする逸品。レモンのさわやかな香りに箸がすすみますよ!
<材料>
大根  300グラム
塩   適宜
かに風味かまぼこ  4本

マヨネーズ  大さじ1と1/2
しょうゆ   小さじ1
レモン汁   小さじ1と1/2

あしらいに、青ねぎ、きゅうり、おかひじき(ゆでたもの)などの青みのもの
daikon


<作り方>
1)
大根は4−5センチの輪切りにして、皮をむき、繊維の方向にそって千切りする。塩をふってしんなりさせる。ぎゅっとしぼって、出た水分をよく切る。

2)かに風味かまぼこは長さを半分に切って、細くさく。水気をとった大根と一緒にあわせて、マヨネーズ、しょうゆ、レモン汁であえる。

3)トッピングに青みの千切りをのせる。一緒にあえてしまってもよい。



水分を排出してやせる [top]

 利尿作用をもつ食材もたくさんあります。夜になると手や足がむくむ、なんとなく身体が重いという症状があるときは、 意識してこれらの食材を摂るよう、心がけてみて下さい。

冬瓜

 水分を排出する食材で特筆ものと言えばまず「冬瓜」です。
香港では4月頃に雨期にはいり、10月までの半年間、ムシムシと湿度の高 い不快な夏の季節を迎えます。
 気温30度前後、湿度90%前後の日が何日も何日も続くと、体の中に熱と 湿気がこもり、クーラーや除湿器のつけっぱなしによる喉の炎症や、水分の取 りすぎによるむくみなどの症状が現れ、身体がとても重く感じます。

togan1  そんな季節、香港の人は必ず週2、3度、冬瓜を食べます。
 この冬瓜の水分排出力はすごいものがあり、身体の余分にたまった水分を一 気に排出してくれるからです。しかも五性が「寒」となっており、身体の熱を 取る作用にも優れています。
 中医学のバイブル「本草網目」には、冬瓜は「やせている人は食べてはいけ ない」「健康にやせたい人は多食したほうがよい」と書かれています。

 冬瓜を食べると、尿量が増え、その日のうちに身体が軽くなったことを感じ取 れるはず。薬膳は何も中国料理に限ったものではありません。
 私の超おすすめ、「イタリアンで冬瓜」のレシピをお教えしましょう。

冬瓜とチキンのパプリカ煮込み(4人分)
<材料>
鶏肉 ドラムスティック(なければもも肉)300グラム
にんにく みじん切り 1かけ分
玉ねぎ  半分に切ってスライス 1個分
パプリカ(赤ピーマン)     1個
冬瓜     150グラム
生クリーム  大さじ3

togan2
<作り方>
1)
パプリカはたてに4つに切って、へたと種をとり、アルミホイルを敷いた オーブントースターで皮がこげるまで焼く。火はとめて、そのまま下に敷いた アルミホイルでしっかり覆って余熱で蒸し焼きの状態にして10分おく。そう すると皮がつるっとむけるので、皮を取り除き、粗みじんに切っておく。
2)フライパンにオリーブオイルを大さじ2ほど熱し、にんにくのみじん切り と、よく洗って水分をとり、塩コショウした鶏肉を、両面きつねいろに焼き色 がつくまでしっかり焼く。
3)そこに、玉ねぎの薄切りを加えて、鶏から出た脂を吸わせながらよくいた める。しんなりとなり、玉ねぎもうっすらときつね色になったら水をくわえる (スープをたくさんにしたいときはかぶるぐらい、煮物として食べるときはひ たひたに)。
4)アクを取りながら柔らかくなるまでよく煮たら、塩とコンソメ顆粒で味を ととのえ、パプリカのみじん切りを入れて10分煮込む。仕上げにコショウと 生クリームを大さじ3を回しかけて、パセリをちらす。

わかめ・昆布

利尿作用の他、食事中の多すぎる脂肪や糖分を排出する。

緑豆や小豆などの豆類

利尿作用効果に優れ、水分代謝を促進するので、むくみやすい人は積極的に摂りたい食材。


香港でよく食べられる緑豆のお汁粉のレシピをご紹介します。ジャッキー・ チェンも好物だそう。このお汁粉、甘いデザートなのに、なんと昆布が入って いるんです。ちょっとユニークですね。

緑豆のお汁粉(4人分)
<材料>
緑豆  100グラム
昆布  5センチ角のもの
氷砂糖 適量

<作り方>
1)
緑豆は洗って鍋に入れ、昆布を千切りにしたものと、かぶるぐらいの水と ともに柔らかくなるまで煮る。途中、水が少なくなったら足す。
2)氷砂糖を適量加え、好みの甘さに仕上げる。
ryokuto

そのほかの水分をよく出す食材
キュウリ ・・・利尿作用にあわせて、脂肪の吸収を抑える酵素を持つ。
セロリ ・・・特に葉の部分に薬効が高く、利尿作用、身体の余分な熱を取る、血管を広げて降血圧効果などがある。


お通じをよくしてやせる [top]

 最後は、女性の大敵、便秘です。
お通じをよくして不要なものをしっかり外に出し、ダイエットにつなげましょう。
便秘には2種類の体質があると言われています。

 一つは、血の不足により、腸管のうるおいが不足し、乾燥して便秘になるもの。
便が乾いている場合はこれです。
 もう一つは胃腸機能の衰えによる腸のぜん動運動がにぶり、排出できない状 態が続くものです。

 乾いた便には、うるおいをあたえる蜂蜜がおすすめ。
 紅茶に入れたり、ヨーグルトにかけたりして積極的に摂りましょう。
 腸のぜん動運動を活発にするには胃腸の働きをよくして体の持つ本来の排出 機能を助ける食べ物をたくさん摂るよう心がけます。


豊富な食物繊維で排便を促進。老廃物をしっかり排出してくれます。
筍のナムル(韓国料理)(4人分)
<材料>
ゆでタケノコ  100グラム
合わせ調味料  おろしにんにく  少々
        塩        少々
        しょうゆ     小さじ1
        ごま油      小さじ1
        だし汁(ビーフコンソメ顆粒小さじ1をお湯大さじ1で溶く)大さじ1
トッピング   白すりごま、青ねぎ、糸唐辛子(あれば) 適宜

takenoko
<作り方>
1)
タケノコは薄くスライスしてごま油をひいたフライパンで炒める。
2)合わせ調味料をあわせ、炒めたタケノコをあえ、トッピングをあしらう (韓国料理のだしは牛でとることが多いのが特徴。ビーフコンソメがなければ 和風だしの素でもOK)。

そのほかの水分をよく出す食材
山芋 ・・・胃腸や腎臓の機能をアップさせ身体の水分代謝を正常に戻す。
アロエ ・・・アロエヨーグルトなどで摂る。
プーアール茶 ・・・とにかく食事や甘いものには、温かいお茶がつきものと考えて。



薬膳ダイエットの、食材のパワーを有効に活用するコツ
 野菜は一食約50グラム、海草は5グラム、お茶は100ccを目安に目標摂取量とし、必ず食事の初めにこれらの食材から食べるようにします。 例えばトンカツなら、つけあわせのキャベツを2,3口食べてからトンカツを食べるようにするということです。その後の脂肪分や糖分、塩分をからめ取り排出しやすくしてくれます。心がけ次第で手軽にできる方法なので常に意識し、長期間続けてみてください。 次第に太りにくい体質へと導いていくことができるでしょう。


・・・・・・・・・・・・・・・・・
文:赤堀 真澄
プロフィール:
食生活アドバイザー。
95年から2年間、夫の転勤でニューヨーク在住。フランス料理、フラワーアレンジメン ト、ビーズジュエリーデザインを学び、2001年から香港在住。医食同源にもとづいた現 地の食文化に感銘をうけ、香港を中心に中国およびアジア各国の薬膳料理を研究する。
香港大学專業進修学院中医学基礎講座修了。

back top next


Copyright(C) 2004 hatarakutenkinzumanokai, All rights reserved.