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女性の万病のもとを断つ!
第3回
薬膳を使った「冷え」撃退術

 今年も早いもので、師走を迎えました。
 香港も朝晩がぐっと冷えるようになってきて、亜熱帯気候の短い冬の到来を感じさせる今日この頃です。

 冬の寒さと乾燥が原因で、いつもこの季節になるとどうも体調が思わしくなくなる・・・そんな方はご用心。 冷えやすい、寒がり、と自覚のある方はもちろん、そうでない方も、ホルモンバランスのくずれ始める 30代半ばを過ぎたら、女性はこの“身体の冷え”に関して、是非とも敏感になってほしいものです。

ふだんのなにげない習慣を振り返ってみて下さい。
わざわざ冷えを呼び込むような生活を送っていませんか?
例えば、フルーツを冷蔵庫から出してすぐ食べる、野菜料理といえばサラダ、冷たい飲み物をよく飲む、 飲み物に氷を入れる、パンツスタイルよりスカートが好き、夏はノースリーブで、 素足にサンダルやミュールなどなど・・・。これらは全て身体を冷やす生活習慣といえるでしょう。
INDEX
冷え性とは?
血行を促進する! 五性が「温」のポカポカ食材
 エビのパジュン ピリ辛ダレ(韓国料理)
 薬膳おかゆ
 さつまいもと生姜のスイートスープ
足りないなら補おう。増血食材決定版
 金針菜のスープ

 若いうちはこのような生活を続けていても、「先天の気」である、生まれたときに親からもらった エネルギーの貯蓄がまだ十分あるため、あまりひどい症状として感じることはないでしょう。 ところが更年期にさしかかる頃になると、元気のもとの「気」が衰えてきて、以前のようには 無理がきかなくなります。芯から足腰が冷えてなかなか改善されない、身体が疲れやすい、慢性の腰痛、 関節痛、膀胱炎といった症状になって現れます。
 穏やかな更年期を迎えるためには、暖房器具で部屋を温めようとするより、身体の内側から寒さに 強くなることです。身体を温める食べ物を積極的に摂ることや、冷えない生活習慣を今のうちから心がけましょう。

冷え性とは? [top]

 そもそも「身体の冷え」とはどうして起こるのでしょうか?

 血液は酸素や栄養分を全身の細胞へと運ぶ働きがあります。同時に、身体中を巡りながら体温を保持する 働きを担っています。

 ところが、ストレス、食事や生活のリズムの乱れ、運動不足などが起こると、血の流れがとどこおり、 スムーズにさらさらと流れにくくなります。この血液の流れがとどこおった状態をお血(おけつ)といいます。
 血の巡りが悪くなると、細胞は酸素や栄養分を十分受け取ることができず、これが様々な不快症状 (肩こり、腰痛、便秘、肌荒れなど)の原因となります。
 お血があると冷えが起こり、冷えるとまたお血のもとになるという、悪循環を繰り返すようになります。
 また貧血ぎみで、血液の量自体が少ない状態も、体温を保持していく力が弱いため、身体は冷えがちになります。
 このように冷えは「血」と深い関係にあり、お血を解消して血行をよくすること、足りない血を補うこと、 この二つが重要です。
 あらゆる身体の不調の中でも、「冷え」は薬膳でかなり改善されます。以下の食材の働きを覚え、 寒い季節の食卓に度々登場させて下さい。

生理中の過ごし方
冷え性の人には生理中の過ごし方が特に重要です。
生理の出血とともに、元気のもとである「気」も外へ出ていくため、病気や疲れに対する抵抗力が弱くなるからです。ふだんより身体を冷やさないよう、下半身をしっかりガードする服装で、かつ身体をしめつけないこと、よく眠ること、栄養のあるバランスのとれた食事をとること、過労を避け、気持ちをゆったりともつことなどを心がけましょう。



血行を促進する! 五性が「温」のポカポカ食材 [top]


羊肉…「女性の肉」と呼ばれ、産後虚弱や生理不順にも効果的。エネルギー不足による身    体の冷えやだるさを解消して活力を与える。肉類の中でも特に身体を温める力が強    く、婦人科のトラブルによく用いられます。   

えび…身体を芯から温める作用あり、冷えからくる腰痛や精力減退にもおすすめ。

玉ねぎ…身体を温め、血液をさらさらにして?血をとかす。     血管や大腸に付いているコレステロールや脂肪を掃除し、血液の流れをよくする。

ニラ…食欲増進、血流を促し、手足を温める。    別名「起陽草」と呼ばれるほど「陽」の強い食べ物。常食すれば自然に身体がぽか      ぽか温まり目覚めがよくなる。

生姜…発汗作用で身体を温め、血液循環をよくする。風邪や食欲不振にも効果的

にんにく…強烈なにおいのもとになるアリシンという成分に、血行をよくし、身体を温め      る働きがあるほか、中性脂肪やコレステロール降下の作用がある。

赤ワイン…身体を温めて、冷えを取り、血液循環をよくして生理の痛みを和らげる。常温      またはホットワインで。

唐辛子、胡椒、山椒、シナモンなどのスパイス…風味付けだけでなくこれらもれっきとし                       た薬膳素材。



エビのパジュン ピリ辛ダレ(韓国料理)

パジュンの具は青ねぎを基本に、イカやアサリのむき身などいろいろありますが、ここは温性のエビを使って、タレにもひと工夫したいところ。唐辛子を加えてさらにポカポカ度をアップさせましょう。 韓国料理は、知れば知るほど薬膳素材をふんだんに使っていて、どのメニューも大変興味深いものです。焼き肉やキムチ以外にも、ふだんのおかずに野菜をたっぷりとれるヒントがいっぱい。ヨン様(ペ・ヨンジュン)も食べているかと思うと作ってみたくなりませんか?!
<材料>3−4人分
万能ネギ  1束
エビ  5−6匹
(背わたをとって厚みを半分にするように2つにそぎ切り)
卵   2個
塩   少々
薄力粉  大さじ3
ごま油  適量

(ピリ辛ダレ)
しょうゆ  大さじ2
酢   大さじ1
レモン汁  小さじ1
一味唐辛子  好みの量
すりごま  少々
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<作り方>
1)
万能ネギは洗って水気を切り、根をおとして、フライパンの幅に切りそろえる。
2)平らなお皿に薄力粉大さじ3を入れておき、ネギをひとまとめに両手で持ちながら、
その薄力粉をネギにまんべんなくはたきつける。余分な粉はネギを立てた状態にして
トントンたたいて落とす。
3)別の平らな皿に卵を溶き塩少々で味付ける。そこに薄力粉をまぶしたネギをくぐらせる。
4)熱したフライパンにごま油を引いて卵にくぐらせたネギを、なるべく平らになるよう広げる。残った溶き卵を上から少しかけてつなぎにし、片面を焼く。半分にそぎ切りしたエビをまんべんなくのせる。
5)ひっくり返してエビののった、もう片方の面も焼く。この時も溶き卵を上からかける。
6)油が少なくなっていたら、周りから少し足すと、カリッとした仕上がりになる。上からフライ返しなどで押しながら、表面が平らになるように焼くとよい。



薬膳おかゆ

風邪のひきはじめのゾクゾクする時におすすめの、とっておきのおかゆです。 温性のもち米をはじめ、材料全てが身体を温める食材揃い。発汗をうながすので、寒気がするときにはこのおかゆでたくさん汗をかいて、着替えたら、あったかくして早めに休んで下さい。
<材料>2人分
うるち米  4分の1カップ
もち米  4分の1カップ
水   およそ1000cc(少なくなったら足す)
塩   適量

ニラ   4分の1束
干しエビ   戻したもの大さじ1
生姜のみじん切り  大さじ1
にんにくのみじん切り  小さじ1
ごま油  大さじ2
しょうゆ  大さじ1
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<作り方>
1)
うるち米ともち米は洗って30分ぐらい浸水させる。
2)約1リットルの水を入れ中火にかけ、沸騰したら弱火にして、米が柔らかくなるまで煮る。水が減ってきたら、足す。塩少々で、ほんのり塩味にととのえる。
3)ニラ、戻した干しエビ、生姜、にんにくを全てみじん切りにし、熱した小さめのフライパンにごま油大さじ2を熱して全ての材料を炒める。最後にしょうゆをかける。
4)器におかゆをよそい、トッピングをのせて、混ぜながら食べる。このトッピングは冷や奴の上にのせてもおいしい。



さつまいもと生姜のスイートスープ

香港で夜食によく食べられる伝統的な糖水(スイートスープ)。 優しいお母さんの味がします。 身体が芯から温まり、よく寝つけそう。 数ある糖水のなかでも私が最も好きなおすすめのスープです。
<材料>2人分
さつまいも  中1本
生姜の絞り汁  大さじ2分の1−大さじ1
氷砂糖  好みの甘さに


<作り方>
1)
さつまいもは皮をむいて、水からやわらかくゆでる。
2)水が少なくなったら足して、最後に生姜の絞り汁と氷砂糖を加えて味をととのえる。
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足りないなら補おう。増血食材決定版 [top]

kin 金針菜…ユリ科の花のつぼみを乾燥させたもの。中国では山菜感覚で食べる生薬。
貧血の特効薬として古くから料理一般に使われてきた。水で戻すと、本当にユリのつぼみの形になる。味はやや酸味があり、食べた感じは細い長ネギのような歯ごたえ。

なつめ…滋養強壮、精神安定、気血を補い、倦怠感を取る作用がある。増血作用に優れ、 女性のホルモンコントロール、老化防止と、婦人科系の疾患の漢方薬の材料。

レバー…言わずと知れた増血食材

鶏肉…良質のタンパク質を含み、増血作用がある。貧血によい。

プルーンやレーズン…ドライフルーツやプルーンエキスなどで。




金針菜のスープ

金針菜は鉄分、カルシウム、ビタミンB群も豊富。更年期特有の鬱状態やイライラ、眠りが浅い、のぼせるなどの、病気ではないけれどすっきりしないときに、これを食べるとよいとされています。血液を増やすので、母乳不足のママも、こんなスープで貧血を解消してみてはいかがでしょうか。
<材料>2人分
金針菜  30グラム
干し椎茸  大4個
豚薄切り肉  100グラム
鶏ガラスープの素  10グラム
塩こしょう  少々
ごま油  少々
長ネギの青い部分 斜め切り  少々
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<作り方>
1)
あらかじめ金針菜と干し椎茸は水で戻しておく。
2)金針菜の茎の部分(下3分の1)は堅いのではさみで切り落とす。
3)干し椎茸は石づきをとって細長く切る。
4)豚肉も長さ4センチほどの細切りにし、酒、しょうゆ、砂糖、片栗粉で下味をつけておく。
5)鍋に水を入れ、鶏ガラスープの素、金針菜、干し椎茸をいれる。
6)沸騰したら中火にして、豚肉を加える。ここからはあまり長い時間煮込まず、豚肉に火が通ったら塩こしょうで味をととのえる。そうすると豚肉が柔らかいまま仕上がる。
7)仕上げにごま油をおとす。このごま油で金針菜の酸味もあまり気にならなくなり、あっさりとしたおいしいスープになる。



寒邪(冷え、寒さが原因で起こる病気のもと)が身体に入りやすいこの季節、特に冷えやすい 1)お腹、腰まわり  2)足首、かかと 3)首、肩の3ポイントをしっかりガードするようにしましょう。 はおりものやマフラー、スカーフ、靴下などで、室温や外気温にあわせて服装をこまめに調節することが肝心です。

もちろん入浴はシャワーなどですませず、湯船にゆっくりとつかりましょう。

ウォーキングなど適度な軽い運動は身体を温め、ストレス解消、血行促進、免疫力アップなどいいことづくめです。しかし冷えやすい人は、 プールでの水泳やアクアビクスなどは避けましょう。それほど低い水温でなくても、水は身体から熱を奪う性質があるからです。

冷え性の人にとって、冬は何かとつらい季節。内側から身体を温め、前向きに寒さと向き合ってしっかりと養生し、 乗り切っていきましょう。

羊肉について
冬の寒さが厳しい北京では、厳寒期を乗り切るため、羊肉のしゃぶしゃぶが人気です。餃子のミンチにもラム肉が使われています。どこの国でも、その土地の気候にあった食べ物で、体調を整えているのですね。


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文:赤堀 真澄
プロフィール:
食生活アドバイザー。
95年から2年間、夫の転勤でニューヨーク在住。フランス料理、フラワーアレンジメン ト、ビーズジュエリーデザインを学び、2001年から香港在住。医食同源にもとづいた現 地の食文化に感銘をうけ、香港を中心に中国およびアジア各国の薬膳料理を研究する。
香港大学專業進修学院中医学基礎講座修了。

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