1998年最近のトピックス


1998年、日本の天候の特徴 1998年12月31日

1 冬(1997年12月〜1998年2月)

・多雨・寡照(日照少ない)

・日本海側は少雪・太平洋側は多雪

 北日本を除き暖冬で、西日本では平年より1.7℃高く、1978/1979年の冬とともに高温のタイ記録となりました。日本海側における冬3ヵ月間の降雪量の合計は北日本を除いて平年を大きく下回りました。これとは対照的に太平洋側では雪の量が多くなりました。1月には本州南岸を通過する低気圧の影響により太平洋側では大雪となりました。関東・甲信地方を中心に都合3回の大雪が降り、首都圏の交通機関が乱れるなど大きな影響が出ました。

2 春(3月〜5月)

・全国的に記録的高温

・4月〜5月 多雨・寡照(日照少ない)

 春の3ヵ月平均気温はほぼ全国的に平年より2.0℃以上高くなりました。全国149の気象官署のうち136地点で3ヵ月平均気温の高い記録を更新しました。

 3月は天気が周期的に変化して、降水量は全国的に平年並でしたが、4月は前線の影響や低気圧の影響を受け、東日本や西日本を中心に曇りや雨の日が多くなりました。

3 夏(6月〜8月)

・北日本で低温、その他が高温、北冷西暑型

・北陸や北日本では顕著な多雨

・日照時間が少なく、夏型の天気は安定せず

・北陸・東北では梅雨明け不明瞭

 6月下旬〜7月上旬には一時的に太平洋高気圧に覆われて全国的に高温となりましたが、夏全体としては太平洋高気圧の北への張り出しが弱く、オホーツク海高気圧や前線の影響を受けやすい夏になりました。しかし夏の3ヵ月の平均気温は、北陸と北日本では低かったものの、その他の地方は高くなりました。

 8月に入っても梅雨前線が日本付近に停滞し、北陸・東北地方では梅雨期から盛夏期への天候の移行が不明瞭だったため、梅雨明けの時期が特定できませんでした。また、九州北部から関東地方までの梅雨明けは平年よりかなり遅く、7月下旬〜8月初めになりました。

 8月の降水量は多く、東北や北陸地方では平年の8月の降水量の300%を超えたところがありました。また、大雨による被害が8月上旬(北陸〜東北地方)や下旬(栃木県那須地方など)に発生しました。

4 秋(9月〜11月)

・10月を中心に顕著な高温

・9月、10月は多雨、11月は東・西日本の太平洋側で顕著な少雨

・11月後半に北日本の日本海側で大雪

 9月初めと11月後半に気温が平年を下回ったほかは高温の状態が続き、3ヵ月平均気温は全国的に高くなりました。特に10月の高温が顕著で東・西日本では月平均気温が平年より3℃高いところがありました。11月後半には日本付近に強い寒気が南下し、北日本の日本海側では11月としては記録的な大雪になりました。青森では積雪が62cmとなり、11月としての記録を更新しました。

5 台風

 台風第1号の発生は7月9日で、1951年以降の発生の遅い記録となりました。また、発生数は16個(平年は27.8個)と少なく、最も少ない記録を更新しました。しかし、上陸数は4個と平年の2.8個を上回り、発生数が少なかった割に日本に影響した台風が多かったのが特徴です。



今年の地球は暑かった

平年との温度差100年間で最大

1998年12月29日

  気象庁では、世界約1400か所の月平均気温をもとに世界の年間平均気温を算出し、平年差を計算しました。この結果世界全体では、統計資料がある1880年以降、1995年の+0.60℃が高温方向の格差の記録でしたが、今年は11月までにこの記録を大きく上回っており(+0.82℃)、最終的な集計でも観測史上もっとも平年差が大きくなるのは確実になりました。

 また、根室、水戸、石垣島など比較的都市化の影響が少ないと見られる全国15か所のデータをもとに計算した日本の平均気温の平年差も、11月時点で最大で、その後12月も東、西日本では高めに経過していることから、1898年の統計以降最も平年差が大きくなりそうです。

 この高温の原因として、

1)97年春から98年夏にかけて発生したエルニーニョ現象で東太平洋で海面水温が上昇、海から大気へ大量の熱が放出され、対流圏全体で気温が高くなったこと

2)地上気温の平年差には数10年周期変動が見られ、1990年代は高温期に当たること

3)温暖化ガスの増加など人為的な影響が地球全体に現れていること

4)日本のデータでは、都市化の影響が少ない15地点を選んでいるが、若干の都市化の影響も含まれていること

等が考えられるとしています。

 世界各地で熱波や干ばつ等の異常気象が頻発した今年、少なくとも人為的な影響で温暖化が加速しないよう、今すぐ、地球全体で、一人一人が考えていかねばならない時に来ていると思うのですが!



台風の名前にアジア名が採用される 1998年12月29日

 日本では台風が来た時、「台風第24号が接近」などと台風に番号を付けて発表しています。一方アメリカなどでは、台風に人名をつけて「JOAN(ジョーン)台風」などと呼んでいます。このため台風が発生したときは、国際交換する資料や船舶、飛行機などへの台風情報の伝達では「台風第24号(JOAN)」などと数字と英名を付けて発表しています。

 これに対して日本をはじめ東南アジア諸国で組織(アメリカも今年から加盟)している「世界気象機関台風委員会」では「アジアの人々の台風に関する関心を高め、台風災害の軽減を図るため、台風名として数字のほかにアジア名をつける」ことを決めました。アジア名の決定にあたっては、参加国が、それぞれ名称の候補を提出し、『テレビなどで発音しやすいこと、その音の言葉が各国においてネガティブな意味でないこと、混乱を招かないこと、商業ブランドではないこと」と言った原則に基づいて、名称を決めることになりました。日本からは星座名を候補として提出しました。具体的な名称は『天秤』『兎』『冠』『コップ』『とかげ』『山羊』『カジキ』『鯨』『コンパス』『鷲』等です。

 実施は2000年の1月からの予定です。

 『とかげ台風』『鯨台風』などと呼ばれる台風が暴れないことを願いたいものです。

なお、日本では2000年以降も、これまで通り、台風番号で呼ぶことにするそうです。



がらりと変わった11月の気候 1998年12月5日

  11月の気候統計値が気象庁から発表されました。これによると平均気温は東、西日本、南西諸島では平年を上回ったものの、北日本では平年を下回り、特に北海道の日本海側と東北の一部では平年より1℃以上低くなりました。降水量は北海道、東北北部から北陸にかけて平年を上回り、一方、東北南部の太平洋側、北陸を除く東日本、西日本では平年を下回り、特に、関東甲信、東海から中国地方にかけては平年の10%以下になりました。さらに積雪は北日本の大部分で平年を上回り、秋田などでは11月の記録としては気象台始まって以来となりました。

 これは、11月前半は高気圧、低気圧が周期的に通過したものの北日本を中心に通過したため北日本を除き雨が少なくなりました。また、中旬以降は日本付近に寒気が入り、冬型の気圧配置が続き、北日本の日本海側を中心に大雪になりました。一方、太平洋側のその他の地方は、気温は下がったものの、晴れの天気が続きました。

 今年初めから続いていた平年より暖かい天候、夏から秋にかけて続いていた暖かいが不順な天候が、11月に入り、ドラステックにがらりと変わり、いわゆる平年の11月(太平洋側は晴れが多い)になりました。ただし、11月の気温が北日本を除き高かったのは、11月前半の好天の影響が残ったためです。





海の中も異変が起きている? 1998年11月19日

 先日11月13、14の両日、職場の旅行で伊豆、今井浜に行ってきました。伊豆は温泉か海釣り、当然両方堪能してきました。でも、海釣りはこの年になって生まれてはじめて、餌の付け方、リールの巻きかたを船頭さんに教えてもらっての釣りになりました。船で少し沖に行き「さあ釣って」と船頭さんに言われて釣り始めました。するといきなり船頭さんから「早く竿を上げろ」との声、慌ててあげると赤い魚が付いていました。地元ではこいのぼりというのだそうです。さて、それからが大変、ソーダ鰹が突然釣れだし、入れ食い。瞬く間に足元が釣れた鰹で埋まりました。他の人は、と見るとベテランもそれほど釣れていない、何と初心者の私が1番の成果でした。

 2日目の朝、相変わらずソーダ鰹がそれなりに釣れました。ところがグッグッと下に引く感触、何となくやばいと思って必死にリールを巻くと、何やら赤いひらひらしたきれいな魚が上がってくる。「おおきなこいのぼりだなー」と思って上げていると、船頭さんが突然「もっとゆっくり上げろ」と怒鳴る。それもそのはず、30CMを超える真鯛が上がったのでした。真鯛を釣っていい気持ちで、また糸をたれると、前よりもっとすごい引き、また真鯛かと必死に上げると今度は黒っぽいやつ。これまた船頭さんが「ゆっくり上げろ」と怒鳴る。はて何が釣れたのかと聞くと、石鯛だという。これも30CMを超えるやつでした。その後いなだも上げて、大漁、大漁、おめでたい、おめでたいでした。他の人は、と見ると相変わらずソーダ鰹を釣っていました。

 ウ、ウ、ウーーー、私はもしかして釣り名人か、いや、釣りの天才か!

 アレーーーーー、もしかして

 海の中も、狂っているということなのかな?



第4回地球温暖化防止会議開幕! 1998年11月8日

 地球の温暖化に歯止めをかけようかと、1992年に「気候変動枠組み条約」 が結ばれました。この条約に署名した締結国が集まって温暖化の原因となる二酸化炭素などを減らす取り組みについて検討し合う会議の「気候変動枠組み条約第4回締結国会議」(第4回地球温暖化防止会議)がアルゼンチンのブエノスアイレスで11月2日から開催されています。昨年京都で第3回会議が開かれたことは記憶に新しいところです。

 地球温暖化は、地球の自然、生態系のバランスを破壊します。温暖化の進行をとめるためには、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を大幅に削減する必要があります。国連の研究チームは、二酸化炭素を現在の水準から50〜70%以上削減する必要性を提言しています。

 京都会議で採択された議定書には、先進工業国が、自国内での温暖化ガスの削減幅を小さくすることが出来るさまざまな「抜け穴」が盛り込まれました。その1つが、目標を超えて排出する国が他国から「排出権」を買い取る「排出権取引」です。今回の会議では、先進工業国がその排出責任にふさわしく国内措置で、削減目標を実現する一歩となるかどうかが問われています。会議では、途上国グループ(77カ国と中国)やEC(欧州連合)の代表が、削減目標は主に国内措置で実施すべきだと主張しました。さらにEU代表は「排出権取引」などに「量的・質的上限」を設けることを主張しています。これに対し、日本はアメリカなど8カ国とともに上限を設けることに反対しています。

 二酸化炭素の排出量が世界で4番目に多い日本国内の削減対策を置き去りにして地球の温暖化防止はありません。温暖化対策はまず足元から強化することが大切だと考えますが、いかがですか。




記録的高温だった10月 1998年11月7日

 やっと秋らしくなり北日本や高い山では初雪、初冠雪の便りが届き始めましたと、10月25日に初冠雪で書きましたが、10月の気温は全国的に記録的な高温になりました。気象庁の発表によると、全国的に平年より1℃以上高く、東、西日本では平年より3℃以上高いところがあり、このため、札幌、名古屋、福岡など116地点では10月の平均気温の最高値を更新しました。全国の観測地点は149地点なので全国の8割で記録を更新したことになります。

 記録的な高温をもたらした理由は、偏西風の流れが東西流型で蛇行が小さく、寒気が南下しにくかったこと、太平洋高気圧の勢力が平年より強かったことなどが考えられますが、何故そうなったのかそのメカニズムまでは分かりません。

 今年は初めから高温傾向が続いていますが、このような全国多数の地点で記録を更新したのは5月に続いて2回目です。この高温傾向がいつまで続くのか心配ですが、11月に入り寒気が南下するようになりました。また、気象庁の寒候期予報では「平年の冬」になるとのこと、これからは平年並を期待したいです。




初冠雪のたより   1998年10月25日

 やっと秋らしくなり北日本や高い山では初雪、初冠雪の便りが届き始めました。今年は10月になっても台風の来襲などで、暑い日が続き、いつになったら本格的な秋になるのかと心配していましたが、初雪、初冠雪の便りが届き始めました。全国で最も早い富士山の初雪は9月6日、初冠雪は平年より11日遅い10月10日でした。北海道の大雪山系旭岳はそれより早い10月5日に初冠雪を観測しました。そして奥日光の男体山は22日に初冠雪を観測しました。平年より4日早く、昨年より5日早くなりました。

 ところで、初冠雪とは何でしょうか?

 夏を過ぎた後、山頂付近などに降った雪が積もって、これがふもとにある気象台や測候所で初めて観測されることを言います。ただし、富士山は夏でも雪が降るため、1年で最も高い気温(1日の平均気温)を記録した日以降に降った雪を初雪といい、同様にその日以降にふもとから観測された冠雪を初冠雪とします。

桜、つつじ咲く秋! 何か変だ!   1998年10月18日

  秋の草花が早々と散る一方で、皇居周辺では春に咲く桜やつつじが花をつけています。もう8年くらい毎日のように皇居のお堀の周りをランニングしていますが、お堀周辺の桜やつつじの多くがこの時期に花をつけているのは初めての経験です。花をつけている桜は、すっかり葉が落ちている桜に限られています。桜などの落葉樹は葉が強風で飛んだり異常高温が続くと、植物内の「休眠ホルモン」と呼ばれる新芽の成長や開花を抑制する物質のバランスが崩れ、花をつけることがあるといわれています。

 確かに、今年は冬から春、梅雨どきにかけて例年より高温となり各地で気象台開始以来の記録を作りました。また夏は平均気温は平年並だったものの、天候不順で各地で大雨被害が出ました。秋になっても高温状態は続いています。これらの天候状態が狂い咲きをさせていると考えられます。

 ただ、今年の状態だけから地球温暖化のためだ、異常気象が続出する前触れだ等と判断するのは早計かと思います。今年の状況に注目し、1つのサンプルとして現象解明のために研究を続けることが大切だと思います。

 猛烈に暑かったり、急に涼しくなったり、大雨が降ったり、植物が狂うくらいですから、私たち人間も体のリズムを保つのが大変ですね。

台風第10号、枕崎市付近に上陸、四国、中国地方を通り日本海へ!   1998年10月18日

 台風第10号は10月17日午後4時半ごろ鹿児島県枕崎市付近に上陸しました。10月の台風の上陸は1990年以来で、過去の台風上陸としては7番目に遅い記録になりました。また今年の大風の上陸は4個目となりました。台風は南九州を横断し四国、中国地方を通り日本海に抜けました。日本海で18日9時頃温帯低気圧に変わり、温帯低気圧として発達しながら、北海道に暴風、大雨をもたらしています。

 この台風は、フィリッピン東海上で発生し、中心気圧が900hPa、中心付近の最大風速が55メートルと超大型(*)で猛烈(*)な台風となり、ルソン島に上陸し、台湾付近を通り、勢力を弱めながら、日本に上陸しました。西日本や東日本では15日からの前線の雨もあり、15日からの総雨量が四国や長野県で400mmを越え、山崩れなどの被害をもたらし。また暴風により農作物に多くの被害を与えました。

台風の強さ 台風の大きさ
階級 最大風速 階級 風速15m/s以上の半径
弱い 17m/s以上〜25m/s未満 ごく小さい 200km未満
並みの強さ 25m/s以上〜33m/s未満 小型(小さい) 200km以上〜300km未満
強い 33m/s以上〜44m/s未満 中型(なみの大きさ) 300km以上〜500km未満
非常に強い 44m/s以上〜54m/s未満 大型(大きい) 500km以上〜800km未満
猛烈な 54m/s以上 超大型(非常に大きい) 800km以上

                              

相次ぐ台風上陸
日本全国広い範囲で甚大な被害
1998年9月25日

 台風第5号は9月16日4時半頃御前崎付近に上陸し大雨、強風により関東、東北、北海道に死者を含む大きな被害を出しました。被害の収拾がまだつかない、21日には第8号が和歌山県田辺市付近に上陸(16時頃)、翌日22日13時過ぎに第7号が和歌山県御坊市付近に上陸して、強風、大雨のため死者、行方不明者を出し、りんご、梨等農産物などに甚大な被害を出しました。 2日連続して台風が上陸するのは、1988年以来10年振りのことです。
 今年は台風の発生が遅い、発生が少ない年ですが、発生すると、接近、上陸して大きな被害をもたらします。
 9、10月はまだ台風が発生しやすい月です。毎日の天気情報に注意して、台風が近づいたらできるだけ外に出ないで済むよう、対策を早めに取っておくことが大切です。

                              

 
オゾンホール 過去最大に発達 1998年9月11日
10月4日追記

 平成10年9月10日気象庁の発表によると、南極昭和基地等における観測結果によると、南極上空は9月始めにはすでにオゾンホール*1で覆われており、今年のオゾンホールは、最大規模であった過去6年間と同じ程度もしくはそれらを上回る規模になると見られています。

 これは、オゾンを破壊する、フロンガスによる下部成層圏の塩素ガス等が引き続き高濃度であること及び南極上空の極渦*2が安定し、それに伴って極成層圏雲*3が出現しやすい低温状態が継続していることが原因であると考えられています。

その後、10月1日気象庁の発表によると9月10日の予想通り、南極上空のオゾンホールの規模は過去最大で“南極大陸の面積の約2倍”になったとのことです。

*1)オゾンホール

 1970年代終わり頃から、9月から11月にかけて南極上空のオゾン全量が著しく少なくなる現象が現れるようになった。このオゾンが著しく少なくなる現象をオゾンホールと言う。オゾンホールは、1985年までは次第に規模が大きくなり、それ以降は隔年で大規模なものが現れるようになった。1989年以降は毎年大規模なものが出現している。通常は10月初旬に最盛期を迎える。

 オゾン層が1%破壊されると地上に到達する有害紫外線が2%程度増え、皮膚癌が4%程度増加すると言われている。免疫機能の低下や皮膚の遺伝子を傷つけること、動植物への影響も指摘されている。

*2)極渦

 南極上空の成層圏においては、太陽光が射さない冬季(極夜)の間に、南極点を中心として非常に気温の低い大気の渦が発生する。これを極渦という。

*3)極成層圏雲

 極渦の内部の成層圏の気温が、−78℃以下に低下すると硝酸や水蒸気からなる極成層圏雲が出現する。通常、下部成層圏ではフロンから解離した塩素の大部分はオゾン層を破壊する作用のない塩化水素や硝酸塩素の形で存在しているが、極渦内部に極成層圏雲が発生するとその雲粒子の表面で特殊な化学反応が起こり、これらの物質から変化した塩素ガスが大気に多量に放出される。塩素ガスもオゾンを破壊する作用はないが、光によって壊れやすく、初春になって太陽光線が射すと解離し、活性な塩素原子が放出される。この活性な塩素によって、オゾンの破壊が急激に進行すると考えられている。

                              




東日本から北日本を中心とする大雨について 1998年9月4日

 8月26日から31日にかけて降った大雨は収束しました。

 この大雨は、日本付近に停滞した前線に太平洋高気圧の縁を回る風、さらに日本の南海上の台風第4号の影響が加わり、南海上から非常に湿った暖かい空気が流れ込んだために起こったものです。
  この大雨による被害は、北日本から東日本まで広い範囲にわたりましたが、特に栃木県や福島県では記録的な雨になりました。このうち栃木県那須町では8月26日の降り始めから8月31日までの雨量は1254mmとなり年間降水量の3分の2を超えました。このため多くのところで山崩れ、がけ崩れ、洪水のよる被害が出ました。

 山崩れ、崖崩れが発生する前兆として、次のようなものがあると言われています。

   斜面のひび割れ、変形がある
   地下水や湧き水が止まる
   異様な音やにおいがする
   多量の濁った水が噴き出す

  局地的な大雨はいつ、どこで降るか予想することは、現在の気象学のレベルでは困難です。
 このような現象を見つけたら、速やかに避難すると同時に、
 関係自治体、消防等に連絡しましょう。

                              

東北・北陸地方「梅雨明け」発表無し 1998年8月15日

8月14日気象庁は、ぐずついた天候が続く東北・北陸地方について、「現在にいたるまで、これらの地方の梅雨明けは特定できず、梅雨明けの発表は行わない」と発表しました。
梅雨明けが特定できない年は、気象庁が梅雨入り、明けの統計を取り出した1951年以来、1993年の大冷夏の年に続き2回目となります。
ただし、1993年は、沖縄、奄美地方を除き全国的に梅雨明けが特定できない年になりましたが、今年は天候不順ながらも、東北・北陸地方を除き梅雨明けは特定できそうです。
今年の夏は、夏の暑さをもたらす太平洋高気圧の北への張り出しが弱く、逆に日本の北のオホーツク海高気圧力が強いため、前線が北陸地方から北日本に停滞しており、大雨が降りやすく、スカッとした夏空になり難くなっています。日本の不順な天候は中国長江の大洪水、朝鮮半島の豪雨との関係しています。
夜になると虫の声がにぎやかになり、もう梅雨の話をする季節ではないですよね。
なお、14日14時から気象庁で行われた「東北・北陸地方「梅雨明け」発表無し」の記者会見では、各報道機関から記者20数名、テレビカメラ7台が入り、この夏の蒸し暑さそのものの熱気のこもった会見になりました。

 

                              



台風の発生が少ない 1998年8月15日

今年の台風の発生は遅く、第1号が発生したのが7月9日、第2号は8月3日と気象庁で台風の統計を取り出した1951年以来もっとも遅い記録になりました。そして8月15日現在、第3号までの発生です。例年ですとこの時期までに第13号くらいになっているのですが、何故か少ない記録を更新中です。


そもそも台風とは、北太平洋西部に発生する熱帯低気圧のうち、最大風速が17.2m/s以上になったものを台風と呼びます。熱帯低気圧というのは、熱帯地方で発生する低気圧のことで、台風の親戚に、北大西洋や北太平洋東部などのハリケーン、インド洋のサイクロンなどがあります。

台風は1年間に平均で28個発生し、8月が1番多く平均5.5個発生します。
今年は、昨年来のエルニーニョ現象の影響で、台風の発生しやすいフィリッピん付近の海洋の海水温が例年に比べて低い状態が続いたため、台風の発生が遅れました。しかし6月にエルニーニョ現象が収まり、フィリッピン付近の海水温も平年並みに戻りましたが、いまだに台風の発生が少なくなっています。

この原因として、熱帯収束帯の位置が南に下がっていた、太平洋高気圧の勢力が南に張り出しているなどといわれていますが、決め手にはなっていません。


現在、台風発生の条件はそろっています。時として大災害をもたらす台風。防災に対する心構えを忘れてはならない時期です。

                              




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