1999年最近のトッピクス


台風の強さ・大きさの呼び方が変わります

1999年12月26日記

今年は台風が日本付近で発生したり、台風までならない弱い熱帯低気圧が大雨を降らせて多くの人命を奪うなど、台風、弱い熱帯低気圧で多くの被害が出ました。このようなかで、『弱い』熱帯低気圧や『ごく小さくて弱い』台風などの表現があたかもたいしたことがない現象のようにとられ、被害を大きくしているのではないかと、マスコミ等から批判が出ました。気象庁ではこのような批判を受けて呼び方の見直しを行いました。まだ正式決定ではありませんが、来年の出水期までに改定するとのことです。

 台風の大きさと強さの表現

 大きさの表現
強風半径(km)   〜200 200〜300 300〜500 500〜800 800〜
現在 ごく小さい 小型 中型 大型 超大型
今後 大型 超大型

                   

 強さの表現
 
最大風速m/s 17〜25 25〜33 33〜44 44〜54 54〜
現在 弱い 並みの強さ 強い 非常に強い 猛烈な
今後 強い 非常に強い 猛烈な
 今後は、表の空欄の部分は単に『台風』と呼ぶことになります。             

 

 熱帯低気圧の分類 
最大風速(m/s)   〜17 17〜25 25〜33 33〜
現在(変更無し) 英名 TD TS STS TY
現在 和名 弱い熱帯低気圧 台風 台風 台風
今後 和名 熱帯低気圧 台風 台風 台風
 TD:Tropical Depression
 TS:TropicalStorm
 STS:Severe Tropical Storm
 TY:Typhoon



地球温暖化で寒冷化?

1999年12月5日記

先日A新聞を読んでいて「地球温暖化で寒冷化」との記事が目に付きました。地球温暖化の影響でヨーロッパが氷河期に突入する可能性があることを示す証拠が見つかったとの、イギリスの科学誌「ニュ−サイエンティシト」がイギリスのスコットランド海洋研究所のグループなどの成果を紹介していました。

それによると、イギリスの北の海域で、1893年以後に採取された海水資料の塩分濃度を調べた結果、過去20年の間、深さ数千メートルの海底付近を南へ流れている海水の塩分濃度が低下していることが分かったといいます。ヨーロッパの国々が高緯度の割に暖かいのは、暖流の北大西洋海流が北上しヨーロッパの沿岸にやって来るためです。この海流は、北上するとラブラドル海やグリーンランド海の冷たい水で冷やされて沈み、海底付近の深海を南へと戻って行きます。

塩分濃度の低下は、温暖化によって北極海の氷が溶け、大量の淡水が北大西洋に流れ込んだためと見られています。塩分濃度が低下すれば、海面付近の水が沈みにくくなるため、沈み込みを原動力としている北大西洋海流にも大きな影響を及ぼします。北大西洋海流が無くなると、ヨーロッパ北西部の気温は5℃以上下がると予測しています。

地球温暖化というと炭酸ガスのような温室効果気体による温室効果があげられますが、実際は複雑で、オゾン層破壊が気候変動には冷却効果を生むとの報告もあり、温暖化に対する反作用も報告されています。今回の報告は反作用の1つです。

このように、現在の安定した地球の生態、気候を破壊することは単純に温暖化に進むのではなく、地球の気候を不安定化しながら進むと見られています。

『安定した地球』このことが、今最も大切なことだと思います。


日本最北限のみかん狩り

1999年11月28日記

11月27日、小春日和の天気に誘われて、ふっと思い付いて、近くの埼玉県寄居町にみかん狩りに行ってきました。山の中腹にある寄居町風布、小林地区では40年前からみかん栽培を行っており、私が小さい頃は小さい粒の小みかんが有名でした。その当時は「日本最北限のみかん狩り」として売り出していました。最近は関東北部まで栽培していますので、最北限ではありませんが。最近は、小みかんに変わって、大粒の甘いみかんが枝もたわわに実っています。

ところで、この寄居町付近、山に囲まれて盆地的要素があり、結構冷え込む所です。そこで何故温暖な地に栽培するみかんがこの寒い地にデス?

盆地的な地形では、晴天の夜は放射冷却によって冷え込みます。特に夜間、山から麓に滑降風の吹くところではなおさらです。山の下の盆地、くぼ地、麓に冷気が溜まるとその上は逆に温かくなります。逆転層ができます。このため、冷気の上の逆転層付近の山の中腹であれば、より低い盆地より気温が高くなります。すなわち標高の低い所より標高の高い所の方が気温が高くなります。小林、風布地区はその典型的な場所で、麓に霜が降りても地区では降りないことの多い山の中腹です。

風布、小林地区のみかん狩りは12月一杯可能だそうです。皆さんもいかがですか。

近くに日本100名水の日本(やまと)水もあります。

      



こげら、ベランダの前の桜の木に巣を作る!

1999年11月14日記

我が家の目の前の桜の木にキツツキの一種のこげらが巣を作りました。

毎日のように木をたたき小さな穴を作りました。こつこつ木をたたく音で気が付きました

毎日毎日出たり入ったり。時々巣の中からおがくずのようなものをはき出します。

すっかり葉が落ちた桜の木、こげらの様子が良く見えます。

(広辞苑)

 こげら:キツツキの一種。日本のキツツキ類中最小でスズメぐらい。背面と翼とは黒地に白色の細かい横斑、下面は汚白色に褐色縦斑がある。雄は後頭の両側に小さな紅色斑がある。森林にすみ、日本各地に広く分布。

これが巣の穴です。



もうすぐ11月なのに、千葉県佐原市で152.5mmの記録的強雨!!!

1999年10月31日記

10月27日夕方から28日にかけて、本州の南岸を急速に発達しながら北東に進んだ低気圧の影響で関東地方から北の地方では、大雨、暴風、波浪による大きな被害が出ました。特に、千葉県佐原市では午後8時までの1時間に152.5ミリと、1時間雨量としては全国の観測史上4位になる猛烈な雨を記録しました。


札幌など北海道では初雪を観測し、すでに初冬、もうすぐ11月というこの時期にこのような猛烈な雨は何故降ったのでしょうか?


数値予報資料を見ると、10月26日の予想図では九州の西に発生する低気圧が、急速に発達しながら本州の南岸(または2つ玉低気圧になって日本海沿岸も)を進むとしていました。また、総雨量として200mm以上計算していました。発達させる要因として、低気圧前面の暖気(相当温位330K以上)の流入、後面の乾燥域の流入などが示されていました。実際の低気圧、前線の推移を見ると総観スケールでは、大雨、暴風、波浪について予想されていたといえます。


一方、レ−ダ−アメダス合成図を見ると、27日日中、紀伊半島、静岡県の太平洋に面している地方を中心に強い雨(1時間雨量60mm位)を降らせていたエコーが、夕方には東京地方に強い雨を降らせました。そして18時頃から、ほぼ南北に立った線状エコ−が房総半島に発生(移動とは見えなかった)しました。この線状エコーは19時、20時、21時と発達しながらほぼ北に延びていきました。このため、千葉県や茨城県ではこの強雨域が3時間以上掛かったままでした。
アメダスの風を見ると房総半島には、関東内陸部から吹く主に北西風、太平洋上からの東よりの風による強い収束線が解析できます。線状エコーは、この収束線に良く対応しています。
この線状エコーの下で、佐原市で1時間に152.5mm、茨城県鹿嶋市では1時間あたりの雨量が80数mmという強い雨が3時間続き、3時間で250mmの豪雨になりました。


こう見てくると、低気圧が発達する、大雨が降るということは一応説明できそうです。


しかし、総観スケールで見ると、何故この時期330Kの暖湿流が入ったのか、メソスケールで見ると、何故強い線状エコーが房総半島に形成されそれが持続したのか、何故真夏でも降らないような1時間150mmを越える猛烈な雨が降ったのか、分からないことだらけです。


気象学の奥は深い。まだまだ解明すべきことが多いということを示した大雨でした。



強い台風第18号の猛威

1999年9月25日記

南西諸島の近くで発生した台風第18号は、9月21日〜22日にかけて沖縄本島を初め南西諸島の多くに暴風と大雨をもたらし、24日6時頃に熊本県北部に上陸、九州、中国地方を横断して日本海、25日未明に北海道に再上陸して各地に大きな被害をもたらしました。最低気圧が930hPa、最大風速が45m/sと強い勢力を持った台風の上陸は台風の恐さをまざまざと見せつけました。

12人の痛ましい犠牲者を出した熊本県不知火町の高潮、広島県では倒れたクレーンの下敷になって3人が死亡、愛知県豊橋市では竜巻により340人がけが、道路を寸断する土砂災害、交通網の混乱、漁業、農業の被害等々、暴風、大雨、高潮、高波等台風によってもたらされる災害が全部出揃ってしまった感のある台風の猛威でした。

特に高潮については、防波堤などの整備により最近は犠牲者が少なくなっていました。

高潮の被害は大潮で満潮の時に多く起こります。今回の台風の襲来は大潮で不知火町の場合は満潮に向かっている時の事故でした。

大潮は、おもに気圧の降下と強風により発生します。

台風の接近で気圧が低くなると、海面が吸い上げられる「吸い上げ効果」があります。吸い上げられる量は1hPa下がると海面はほぼ1cm上昇すると言われています。今回不知火町付近では台風の中心気圧から見て「吸い上げ効果」だけで50〜60cmあったことが想定されます。

また、強風が海岸に向かって吹く場合、海水が吹き寄せられる「吹き寄せ効果」があります。吹き寄せ効果は風速の2乗に比例します。

さらに、水深が浅いほど風の影響を強く受け「吹き寄せ効果」が大きく、奥深くなったV字形の湾の場合は、湾の奥でさらに高くなります。不知火町の場合は地形的に高潮の起きやすい土地といえます。

新聞報道などを見ると2m以上の高潮になっていたことが想定されるとの事ですが、海面が突然2m以上盛り上がり自分のほうに押し寄せてきたら、想像するだけで脅威を覚えます。

不知火町のある有明海で過去に最大偏差が2m以上になった高潮は、昭和5年、31年、平成3年に記録しています。

自然はすばらしい。しかし恐い側面も忘れてはならない。



炎暑時々豪雨

1999年9月12日記

先日ある新聞に、今夏の首都圏の天気の特徴は《炎暑時々豪雨》だったとかいてありました。実にうまい表現だと思いました。この夏、東京では厳しい暑さに加えて、雨が降るとなると被害をもたらすような激しい雷雨になる、そんな状態が続きました。

梅雨末期の7月21日、22日の激しい雷雨。21日は練馬で1時間に91mmの猛烈な雨が降り、西落合の地下室で男性が溺死しました。

その後しばらく暑い日が続いていましたが、8月13日〜14日にかけての熱帯低気圧による大雨。東京都内ではありませんでしたが神奈川県では多数のキャンパーが水に流されました。

8月24日は夕方から東京を中心に雷が大暴れ。落雷・停電のためJRが深夜まで麻痺状態となり通勤客は多大な迷惑をこうむりました。

さらに、8月29日には再び東京を中心に雷を伴った激しい雨となり、渋谷の地下街が水浸しになったり首都圏の交通が大幅に乱れました。

なぜ、今年は首都圏が豪雨に狙われるのでしょうか?

答えは、豪雨は首都圏ばかりでは無い、西日本ではもっと起きているデス。

「北、東日本はアツーーーーかった夏!」でも書きましたが、太平洋高気圧の張り出しが北に偏ったため、東京付近は太平洋高気圧に覆われることが多く、暑い夏になりましたが、時折、高気圧の縁辺の湿った流れの影響も受け大雨にもなりました。高気圧の境界にあった首都圏、となるのではないでしょうか。

それにしても、東京で1時間に100mm以上の猛烈な雨が何回か観測されました。100mmを越えるような雨は九州など西日本中心の地方と考えていましたが、東日本でも観測されるようになりました。

東京などでなぜこのような猛烈な雨が降るようになったのか?

地球温暖化により地球全体が温まっているからだとか、大気汚染により凝結核が増えているためだとか色々言われています。

しかし、まだ確かな理由はわかりません。

毎日の天気図を見ていると、大雨の目安になっている相当温位が340度の空気塊がごく当たり前のように日本付近に入ってきます。大雨をもたらすような熱く湿った空気が入ってきていることは事実のようです。

9月に入ってもその状態は変わっていません。

大雨そして残暑厳しい日本がまだまだ続いています。



北、東日本はアツーーーーかった夏!

1999年9月4日記

気象庁から今年の夏(6月〜8月)の天候の特徴が発表されました。おもな特徴は次の通りです。

(1)北日本、東日本は高温、多照

(2)西日本、南西諸島は梅雨明け後も台風・熱帯低気圧の影響で多雨・寡照

(3)7月は太平洋高気圧が弱く、西日本は低温

(4)北日本、東日本でも熱帯低気圧で局地的な大雨

 このような夏の特徴は、太平洋高気圧が北日本で強く、西日本、南西諸島方面では弱かったことからもたらされました。500hPaの高度場は、北緯40〜50度帯で正偏差となっていること、正偏差の中心は三陸沖にあり、高気圧の勢力が北に張り出していたことを示しています。太平洋高気圧の西への張り出しは弱く、三陸沖とバイカル湖の南の正偏差に挟まれるように黄海付近が気圧の谷となり、西日本や南西諸島では負偏差になっています。

 上層雲量の平年偏差では、東シナ海、北太平洋西部で平年より上層雲量が多く.これらの領域では平年に比べて対流活動が活発であったことを示しています。特に北緯20度帯では平年よりかなり活発で、この付近で熱帯低気圧が頻繁に発生しました。

     


青く澄んだ夏空、東京から富士山が見える!

1999年8月14日記

今年の梅雨明け後の東京は、真っ青な空が続き、塵1つないような感じで富士山が良く見えました。

いつもの夏は、スモッグがあり、見通しがきかず、どんよりした蒸し暑さが続きます。

今年は全く違います。

7月23日頃の梅雨明け以来8月上旬までの東京の澄み渡った空の理由は次のような事が考えられます。

・今年は梅雨明け後も太平洋高気圧がやや弱く、日本付近が高気圧の縁になっていること。このため気圧傾度が混んで、いつもの夏に比べて強い南風が入りやすく、海陸風の吹くような日がなく、収束線ができず塵埃がたまらず吹き飛ばされること。裏腹の関係になりますが、今年の夏は大気汚染についての注意報とが全くなりません。

・また、太平洋高気圧がやや弱いことから、西日本で湿った暖かい気流が入りやすく、四国や九州のところどころで大雨になりました。このように西日本の大雨が、西日本で上昇流、東日本や東北地方で下降流となり、上空からの澄んだ空気が沈降して来たため、より青く澄んだ青空になりました。

東日本から北日本にかけては暑い夏になっていますが、気圧配置から見ると夏の暑さを支配する太平洋高気圧がやや弱いのが、今年の夏のこれまでの特徴となっています。
今日、8月14日は関東地方が弱い熱帯低気圧の影響で、大雨になっています。これも高気圧の弱いというのが一因と考えられます。




1999年の特徴的な梅雨

1999年7月20日記

まもなく日本全国梅雨明けになります。

今年の梅雨はこれまでのところとても特徴的でした。

6月13日のトピックスでも述べましたが、沖縄、奄美地方を除き、6月前半は日照が多く、雨量の少ない日が続きました。しかし気圧配置としては、オホーツク高気圧があり、太平洋高気圧があり、上空にはチベット高気圧がある、大陸には寒冷低気圧がある、教科書に出てくるような、典型的な梅雨型のパターンでした。

6月後半も典型的な梅雨型の気圧配置が続きましたが、湿った暖かい気流が西日本を中心に入りこみ、福岡市の地下街での水死、広島の土砂崩れと大きな被害を出しました。下の図に6月21日〜6月30日までの500hPa高度と風、およびOLR(外向き長波放射量:対流活動の強さの指標)を示しました。良く見ると日本付近を支配する太平洋高気圧、オホーツク海高気圧(大陸よりになっているが)、インド、中国から流れ込む対流雲の帯が示されています。フィリッピン付近には台風の卵の対流雲があります。日本に大雨をもたらす典型的な気圧配置です。

7月に入っても前線の活動は活発で、7月13日からの大雨では東京で200ミリを越えるなど東日本で大きな被害を出しました。7月1日から10日までの同様の天気図を見ると日本付近の大気の流れは6月とは大きく異なり、オホーツク海高気圧が強く、日本付近は冷たい低気圧に覆われています。一方、太平洋高気圧は弱く、日本付近の流れは本州の太平洋岸で南よりの風が入る形となっています。西日本よりは東日本の太平洋側で大雨の降りやすい気圧配置になっています。

このように、今年の梅雨は2つの特徴的な気圧配置を示しました。

7月20日現在、太平洋高気圧の勢力が次第に強まっています。まもなく梅雨明けです。

1999年1999年6月21日〜6月30日

500hPa  :  高度  基準線:5400m、コンター30m間隔

   OLR     :  外向き長波放射量

7月1日〜10日

  

   500hPa  :  高度  基準線:5400m、コンター30m間隔

   OLR     :  外向き長波放射量




今年の梅雨、何かおかしい?

1999年6月13日記

じめじめとうっとうしいはずの梅雨に入ったのに、真夏の太陽が照りつけ、朝晩は心地良い風が吹く。「これは梅雨ではない」と思っている人が多いと思います。確かに6月3日に梅雨入りの発表があってから東京では最高気温は25℃を越え7月上旬から中旬の暑さが続いています。しかも湿度は8日に最小湿度が20%と6月の観測史上最小のタイ記録になりました。

しかし、さわやかな青空がある半面、良く観察すると雲は多く、夜から午前中にかけて雲が多かったり雨がぱらつくことも結構あります。ただし雨量は少なくこれまで18.5mm、平年の50mmに比べるとまったく少なくなっています。

それでは何かおかしな梅雨になっているのでしょうか?

現在までのところ決しておかしな梅雨ではありません。梅雨前線の活動は活発で今日も奄美地方や九州では強い雨が降っています。梅雨前線を北上させる太平洋高気圧は、平年並かやや強くしっかりしています。ただ、今年はもう一方の主役であるオホーツク海高気圧が弱く、替りに大陸から移動性高気圧がやってきて西、東日本に真夏並の暑さをもたらしています。ただし上空には寒気が入っているため大気が不安定となりにわか雨が多くなっています。

梅雨の初めの頃は、このような気圧配置は良く見られます。このままオホーツク海高気圧が現れないと異常な梅雨となりますが、もうしばらく様子を見たいものです。

気象庁では「梅雨」の定義として、春から夏に変わる時、それ以前に比べて曇や雨の多い季節がある、この季節を「梅雨」としています。



ラニーニャ現象出現

1999年6月13日記

気象庁は6月10日、南米沖の太平洋赤道域東部で海面水温が平年より低くなる「ラニーニャ現象」が起きていると発表しました。気象庁では南米沖の太平洋赤道域東部で前後5ヶ月間の水温を平均した「5ヶ月間移動平均値」が6ヶ月間連続で平年より0.5℃低くなった場合をラニーニャ現象としており、今回は昨年10月から今年3月までがこの基準を満たしました。しかし、5月の水温は平年に比べて−0.2℃と平年に近づいており既にピークを過ぎていると見られます。

ラニーニャ現象はエルニーニョ現象ほど日本の気候に影響することは少ないため、ラニーニャ現象だけで異常気象等は起きにくいと考えられます。



気象衛星「ひまわり」後継機、運輸多目的衛星の愛称募集始まる! 1999年5月15日記

運輸省及び気象庁では、今年8月に打ち上げる「運輸多目的衛星(

MTSAT:Multi-Functinal Transpot Satelite)」の募集要領を5月13日に発表しました。募集要領は以下のとおりです。どしどし応募してみてください!

1 応募期間:平成11年5月13日(木)から6月30日(水)

2 応募方法:『はがき』またはインターネットによる応募

(1)はがきの宛先
〒100−8989
東京都千代田区霞ヶ関2−1−3  運輸省 MTSAT愛称募集係

(2)インターネットによる応募
運輸省ホームページ http://www.motnet.go.jp/mthome_.htm
(気象庁ホームページ http://www.kishou.go.jp からもアクセスできます)

(3)必要事項

@住所  A氏名  B年齢  C職業または学年  

D運輸多目的衛星の愛称(できるだけそれを考えた理由を記載する)

3 応募にあたっての注意事項
応募された愛称は選考委員会で審査の上決定する。採用の方は、多数の場合は抽選の上、2組(4名)に記念品を贈呈し、8月の種子島での打ち上げに招待する。

どうでもいいことですけれど、この『運輸多目的衛星』のことを、業界用語で『うんた(運多)』と呼んだりしています。最初『うんた』『うんた』と言われて、戸惑ったことを覚えています。普通は、『エムティーサット(MTSAT)』と呼んでいるようです。



憲法第9条『戦争放棄』と『天気予報』 1999年5月4日記

憲法記念日の5月3日の新聞、テレビではガイドライン法案と憲法第9条『戦争放棄』との関係をめぐって、いくつかの主張、議論が行われていました。これらの論調を見て感じたことは、詳しい法案の中身は理解できないまでも、日本の『周辺事態』のもとで日本が『後方支援』を行うための法案とは、戦争行為そのものへの加担であり、戦争に加担する法律を作ることは『戦争放棄』の憲法とは明らかな矛盾であろうという点です。

日常当たり前のように発表されている天気予報や気象情報は、戦争行為にとって重要な要素です。第2次世界大戦中は天気予報の発表が禁止されました。現在でも紛争国の中には気象観測データを公表しない国もあります。

空気には国境は無い。天気予報は全地球的な学問であり、平和のシンボルです。

今持っている憲法第9条『戦争放棄』をもとに、平和のための天気予報へとより発展させたいものです。



気象衛星『ひまわり』の後継機、愛称募集へ! 1999年4月18日記

気象衛星『ひまわり』は1977年の第1号以来、95年に運用を開始した第5号まで、東経140度の赤道上にあり、雲の監視を続け、ひまわりからの気象データはアジア・太平洋地域の国々にも提供されてきました。太陽の方向を向くひまわりにちなんだ愛称は広く親しまれ、『ひまわり』と言えば雲の分布が浮かぶようになりました。

この『ひまわり5号』の後継衛星として今年8月に打ち上げられる運輸多目的衛星(MTSAT)は、気象観測において夜間の霧等の観測可能な機能を持つほか、航空管制の機能を持つ多目的衛星です。

このため気象庁ではこれまでの気象衛星とタイプが異なり、気象だけにとどまらない利用が予定されていることから、名称を変更することを決めました。

次期名称は、公募で決めることにしており、近いうちにその公募要領が発表されます。

ひまわりと言う愛称が気象衛星の愛称としてぴったりしていただけに、変更されるのは残念ですが、多くの人の知恵を集めて、すばらしい名前がつくことを期待しています。たくさんの人が応募してくれるとイイですね。



ハイテク気球、世界1周成功 1999年4月10日記

「気球に乗ったまま1度も着地すること無く、世界1周を達成」、数日前の新聞に、世界1周を目指す熱気球が日本の東海上で救助されたと報じられたばかりなのに、3月21日の新聞にそんな記事が載りました。

その後、3月28日付日本経済新聞に『ハイテク気球、世界1周』の特集記事が載りました。たまたまこの記事の取材に協力することができ、ハイテク気球の飛行軌跡を知ることができました。分析した結果、ジェット気流の南側(北緯20度〜30度)を実に見事に飛んでいました。それも、南北のずれを最小限にするように高度を微妙に調整しながら(7000m(400hPa)〜12000m(300hPa))です。自然の風まかせの気球ですから、上層の気流の流れを詳細に解析し、予測しなければならないわけですが、衛星のデータをはじめあらゆるデータを駆使し、地上の管制センターから指示を送っていたとのことです。もちろん簡単な気象解析は気球のキャビンの中でも計算できるような装置は搭載していました。

ちなみにこの気球、平均速度26m/s(時速約95km)で地球を1周したことになります。

上層の風は、かくも詳細に解析でき予測できる。なのに地上の天気は、なんと予想が難しいことよデス。

1999年3月28日日経新聞より


大気中のCO濃度大幅増加 1999年3月20日記

気象庁では岩手県三陸町綾里、南鳥島、沖縄県与那国島の3ヵ所で二酸化炭素の濃度を観測しています。これによると、98年の平均濃度は97年に比べて、3地点で2.8〜3.1ppm上がりました。これは87年の観測開始以来の年平均のほぼ2倍にあたります。二酸化炭素が増加した原因について気象庁では、 化石燃料などに加えて、エルニーニョ現象の影響で世界的に気温が上がり、植物の呼吸や土壌有機物の分解作用が強まったのではないかと見ています。

二酸化炭素は、メタンやフロン類などとともに温室効果ガスの1つに上げられ、人為的な排出の抑制が求められています。97年の地球温暖化防止京都会議で、日本は2018年までに90年比で6%の削減目標が課せられています。98年はエルニーニョ現象の影響があったとしても、長期的に二酸化炭素が増える傾向にあることに変わりはないことから、削減対策の徹底が必要です。


関東周辺潮干狩りのしおり 1999年3月20日記

 気象庁の発表によると、関東周辺の潮干狩りは、干潮の時刻及び潮位からみて、次の期間が適当だと発表しました。今年のゴールデンウィークは期間の全般にわたって適しています。

出かけるときは、干潮の詳しい時間を観光協会にたずねると良いでしょう。

4月 1日(木)〜4月 8日(木)

4月15日(木)〜4月23日(金)

4月28日(水)〜5月 8日(土)

5月13日(木)〜5月21日(金)

5月27日(木)〜6月 6日(日)

6月11日(金)〜6月19日(土)

6月25日(金)〜7月 4日(日)

7月 9日(金)〜7月17日(土)

7月25日(日)〜8月 1日(日)

8月8日(日)〜8月14日(土)

8月24日(火)〜8月29日(日)


やっぱり暖冬でしたー冬の気候統計 1999年3月20日記

気象庁では3月2日に、冬(12月〜2月)の気候統計値を発表しました。

これによると、気温は北日本の一部を除いて平年を上回り東日本、西日本、南西諸島では平年より1℃以上高かったところが多くなりました。降雪量は、北日本の日本海側では平年を上回ったところが多く、旭川では冬の降雪量の最大値を記録しました。

気象庁では当初、エルニーニョ現象の終息などで暖冬傾向は終わり、平年並の寒さを予想しましたが、北からの寒気が予想したほど南下せず、暖冬傾向となりました。しかし、この冬は‐35℃以下の寒気がしばしば南下し、近年にない大雪をもたらしました。幸い寒気は一時的で被害は少なくてすみましたが、暖冬に慣れた北国では厳しい冬になりました。



春近し!  黄砂、梅開花 1999年1月31日

 中国大陸から黄砂が来ました。1月26日福岡をはじめ西日本各地で黄砂を観測しました。黄砂はゴビ砂漠付近で低気圧の発達により強風が吹き、砂が巻き上げられ日本まで到着する現象です。1月24日にゴビ砂漠付近では軒並み砂塵嵐になり、その砂が1500キロメートル以上を1日半で到着したことになり、時速15m/s、2000m〜3000メートルの高度を飛んできたことになります。今年は昨年より2週間以上早い現象です。黄砂は3月から5月頃中国大陸で低気圧が発達する時に多い現象です。

 一方、1月27日に東京で梅が開花し、一足早い春を楽しみられそうです。