雨や風の強さと被害等との関係について

 気象庁から発表する注意報・警報や天気予報では、想定される強い雨や風の程度を雨量や風速で表現しています。しかし、定量的な表現だけでは、雨や風によって人や建物等へどのような影響がでるかを利用者に理解してもらうためには、必ずしも十分ではありません。


 これまでも気象庁では、防災気象情報をはじめ、パンフレット等で雨や風の強さと被害等との関係を大まかに示し、利用してきました。しかし、これまでの解説では、強い雨、風による被害との関係を表現するものがなく、また報道関係者から、現在の社会生活により適合した説明に変更するようにとの要望が寄せられていました。


 このため、気象庁ではこれまで使用している雨、風による人や建物等への影響及び想定される被害等の表現を見直し、これらをとりまとめた新たな解説表を作成しました。

 今回作成された解説表の特徴は、雨では“人の受けるイメージ”や“車に乗っていて”“災害発生状況”などが詳しくなり、風では“時速”“風圧”“車に乗っていて”等が新たに付け加わったり、現代風な表現に変わったことです。

 このような解説は、報道関係者や防災関係者だけでなく、多くの一般の人に浸透することが大切です。大いに利用していただきたいものです。

新しい解説表を、下の段に示します。

雨の強さと降り方    (平成12年8月作成)

1時間雨量(ミリ) 予報用語 人の受けるイメージ 人への影響 屋 内(木造住宅を想定) 屋外の様子 車に乗っていて 災害発生状況
10〜20 やや強い雨 ザーザーと降る 地面からの跳ね返りで足元がぬれる 雨の音で話し声が良く聞き取れない 地面一面に水たまりができる   この程度の雨でも長く続く時は注意が必要
20〜30 強い雨 どしゃ降り 傘をさしていてもぬれる 寝ている人の半数くらいが雨に気がつく   ワイパーを速くしても見づらい 側溝や下水、小さな川があふれ、小規模の崖崩れが始まる
30〜50 激しい雨 バケツをひっくり返したように降る     道路が川のようになる 高速走行時、車輪と路面の間に水膜が生じブレーキが効かなくなる(ハイドロプレーニング現象)

"山崩れ・崖崩れが起きやすくなり危険地帯では避難の準備が必要

都市では下水管から雨水があふれる"

50〜80 非常に激しい雨 滝のように降る(ゴーゴーと降り続く) 傘は全く役に立たなくなる   水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる 車の運転は危険 "都市部では地下室や地下街に雨水が流れ込む場合がある
マンホールから水が噴出する
土石流が起こりやすい
多くの災害が発生する"
80〜 猛烈な雨 息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる         雨による大規模な災害の発生するおそれが強く、厳重な警戒が必要

(注1) 「強い雨」や「激しい雨」以上の雨が降ると予想される時は、大雨注意報や大雨警報を発表して注意や警戒を呼びかけます。なお、注意報や警報の基準は地域によって異なります。

(注2) 猛烈な雨を観測した場合、「記録的短時間大雨情報」が発表されることがあります。なお、情報の基準は地域によって異なります。

(注3)表はこの強さの雨が1時間降り続いたと仮定した場合の目安を示しています。この表を使用される際は、以下の点にご注意下さい。

(1) 表に示した雨量が同じであっても、降り始めからの総雨量の違いや、地形や地質等の違いによって被害の様子は異なることがあります。
この表ではある雨量が観測された際に通常発生する現象や被害を記述していますので、これより大きな被害が発生したり、逆に小さな被害にとどまる場合もあります。

(2) この表は主に近年発生した被害の事例から作成したものです。今後新しい事例が得られたり、表現など実状と合わなくなった場合には内容を変更することがあります。

風の強さと吹き方    (平成12年8月作成)

平均風速 (m/秒) おおよその時速 風 圧(kg重/m2 ) 予報用語 速さの目安 人への影響 屋外・樹木の様子 車に乗っていて 建造物の被害
10〜15 〜50km 〜11.3 やや強い風 一般道路の自動車 風に向って歩きにくくなる。傘がさせない。 樹木全体が揺れる。電線が鳴る 道路の吹流しの角度、水平(10m/s),高速道路で乗用車が横風に流される感覚を受ける 取り付けの不完全な看板やトタン板が飛び始める
15〜20 〜70km 〜20.0 強い風 風に向って歩けない。転倒する人もでる。 小枝が折れる 高速道路では、横風に流される感覚が大きくなり、通常の速度で運転するのが困難となる ビニールハウスが壊れ始める
20〜25 〜90km 〜31.3 非常に強い風(暴風) 高速道路の自動車 しっかりと身体を確保しないと転倒する。 車の運転を続けるのは危険な状態となる 鋼製シャッターが壊れ始める。風で飛ばされた物で窓ガラスが割れる
25〜30 〜110km 〜45.0 立っていられない。屋外での行動は危険。 樹木が根こそぎ倒れはじめる ブロック塀が壊れ、取り付けの不完全な屋外外装材がはがれ、飛び始める
30〜 110km〜 45.0〜 猛烈な風 特急列車 屋根が飛ばされたり、木造住宅の全壊が始まる

(注1) 表に示した風速は、10分間の平均風速です。風の吹き方は絶えず強弱の変動があり、瞬間風速は平均風速の1.5倍から3倍以上になることがあります。

(注2) 風圧Pは、風速Vの2乗に比例します。上表は箱型の建物の壁が受ける圧力を示しています。(P=0.05・V2 :P風圧、V風速)

(注3)「強い風」や「非常に強い風」以上の風が吹くと予想される時は強風注意報や暴風警報を発表して警戒を呼びかけます。 なお、注意報、警報の基準は地域によって異なります。

(注4) この表を使用される際は、以下の点にご注意下さい。

(1) 風速は地形や廻りの建物などに大きく影響されます。風速は、風速計が置かれている地点での観測値ですが、同じ市町村であっても周辺の地形や地物の影響で風速は異なります。

(2) 風速が同じであっても、対象となる建物、構造物の状態や風の吹き方によって被害が異なる場合があります。この表では、ある風速が観測された際に、通常発生する現象や被害を記述していますので、これより大きな被害が発生したり、逆に小さな被害にとどまる場合もあります。

(3) この表は主に近年発生した被害の事例から作成したものです。今後新しい事例が得られたり、表現など実状と合わなくなった場合には内容を変更することがあります。

従来

雨の降り方と降水量とのおおよその関係

状況(雨の降り方) 1時間の雨量
雨の音は良く聞こえ、たちまち水たまりができます。 5mm〜10mm
雨の音で話しも良く聞き取れません。一面に水たまりができます。この程度の雨が長く続くときは警戒が必要です。 10mm〜20mm
土砂降りで側溝があふれ、小さな川の氾濫やがけ崩れが始まります。 20mm〜30mm
バケツをひっくり返したような激しい雨です。危険地帯では、避難の準備をしてください。 30mm以上

風と被害

風の状況 平均風速
傘がさせない。 10m/s
看板やトタン板が飛び始める。 15m/s
小枝が折れる。 20m/s
かわらが飛び、テレビアンテナが倒れる。 25m/s
雨戸が外れ、家が倒れることもある。 30m/s

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