「第5章 天気予報の作成手順」 から抜粋
1 天気予報を作成するには
天気予報を作成する場合は、予報の対象とする時間、水平スケールにより作業が異なります。本書では、今日から明後日くらいまでのいわゆる短期予報の作成作業について示します。
(1)天気図は広域から、次第に小さい現象を細かく見る
「大気現象のスケール」の項でも述べましたが「大きくつかんで細かく見る」ことは、天気予報をする場合にもあてはまります。たとえば、自分で住んでいる場所の予報を考える場合でも、アジア地上天気図のような広い範囲の天気図から見る必要があります。まず、前線等の総観スケールの特徴を大きくつかみます。この後、第1章のスケールの階層構造でも述べましたが、気象衛星や、レーダーエコーから前線の中のメソαスケールの雲域の特徴、そして、その雲域の中の積乱雲のどれが今自分の頭の上の天気に影響を与えているのか見ていきます。今ある現象を総観スケールの現象からメソスケールの現象までしっかり関連付けてみる、ここから天気予報が始まります。すなわち、天気予報の第1歩は、天気図は広域で大きくつかみ、次第に小さい現象を細かく見て、しっかり実況を把握することです。
(2)天気図は立体的に見る
地上の高・低気圧は上層のジェット気流などと密接に関連しており、地上の現象は上層の大気の積分された結果の現われに過ぎません。このため、天気図は立体構造としてみることが大切です。
たとえば、低気圧の発達に必要な条件として、
@下層大気の850hPa付近の気温傾度の大きいところ(850hPa天気:AUPQ78等)、
A 低気圧前面の高温域の上昇流、後面の寒冷域の下降流(850風、気温、700hPa上昇流図:AXFE578等)、
B 低気圧前面の暖気移流、後面の寒気移流(850hPa相当温位予想図:FXJP854等)、
C 渦管が西に傾いている(500hPa天気図:AUPQ35等)、
D 上層のジェット気流の蛇行(300hPa天気図:AUPQ35等)、
などが関係します。このためには、1枚の地上天気図だけではなく、高層天気図等各種の天気図を比較しながら、立体的にその構造を判断していかなければなりません。常に500hPaや300hPaの上層天気図⇔700hPaの中層天気図⇔850hPaの下層天気図⇔地上天気図と、行ったり来たりしながら大気の構造を理解していきます。
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