1992年4月


「こちら葛飾区水元公園前通信67」04/16 09:35

 新井千裕の文章が,ぼくの文から笑いをとったものというのは,どういうことなのかなあ。文章のリズムが,ストレートじゃなくって,何かこう,ひょいひょいとかわしていくような,そういうことかもしれない。必然性もなく趣味の記述に走ったりとかさ。シンコペーションの連続のような文章というのかな。先日,フェリシアの自分の文を読んでいたら,何かリズムがむちゃくちゃだなあと思ったのである。

 ニューフェミニズムレビューの3号,特集ポルノグラフィーを読んでいたら,マイナーなレディスコミックについての分析があった。それを読んだ中薗は早速,買ってきたので,ぼくも読んだ。これが,むちゃくちゃな話ばかりであり,笑いが止まらなかった。
 以下,主婦の会話である。
「あのう,これ,お宅にきた荷物なんですけど」
「あら,中を見てしまったんでね」
「ええ,うちにきたものと思ってすいません」
 と,この中身な,電動バイブレーターである。
「あのう,これ,ゆずっていただけませんか。実は,3年前に主人を亡くしまして…」
 という展開になり,この2人はレズに走るというストーリーなどは,ばかうけしてしまった。 あとは,「実は,君とは結婚できないんだ。ぼくの仕事はね,乱交パーティーのクラブで,最初にセックスをはじめるというものなんだよ。そんな,いろんな女とぼくはセックスしているんだ」 とかさ,そういった次第である。あとは,母親との近親相姦の末,ヒマラヤに逃げていって暮らすとか,なかなか頭痛ものである。1回だけ読む分には,とてもおもしろくていい。でも,2度と読まないだろうなあ。

 ぼくは山田芳裕が好きである。「やあ」(講談社)も,楽しんでしまった。もうすぐ,「…点点点」が出るなあ。そういったわけで,南木佳士の「ダイヤモンドダスト」は,まあ,タイトル作はまあ,まともに読めた。今は,オクティヴィア・バトラーという人の「キンドレッド」(山口書店)という本を読んでいる。SFである。黒人女性が,南北戦争前のアメリカ南部にタイムトリップしてしまうという話である。なかなかつらいもんがある。こういう胃が痛くなるような設定を,あっさりと書いているのだけど,やっぱり読むのはつらい。おすすめはしないだろうなあ。いい本かもしれないけど,あまり楽しい読書ではない。SFマガジンのレヴューだと,さわやかな本となっているけど,それは違っていない。もっとも,以前.SFマガジンに載った短編がコニー・ウィリスと同じくらい面白かったので,チェックしていた作家だったのでるある。読み終わったら,もうちょっとくわしく書いてみます。

 「ポンヌフの恋人」(レオス・カラックス監督・シネマライズ渋谷)はよい。傑作です。完成までに1300ダースのワインがあいてしまったというけど,わかる気もする。おかげで,カラックスに胃はぼろぼろだとか。花火のシーンはすごくかっこいいです。デビッド・ボウイの曲から「美しき青きドナウ」に変化し,踊り回るシーンで,ぼくは泣いてしまいました。ジュリエット・ビノシェを最も美しく撮れるのは,レオス・カラックスだという認識を深めてしまったのです。ドン・ラヴァンもすっごくいい感じで,この2人がなくては,この映画は成功しなかったという感じです。
 「欲望の翼」(パルコスペースパート3)も見たな。何だか,60年代の日本の青春映画みたいだった。
 今夜は「夢のはてまでも」(ヴィム・ベンダース監督,スバル座)を見に行こうと思う。木曜日には「ミシシッピーワン」(サラ・ムーン監督,ル・シネマ2)を見に行く予定も立ててしまった。


「こちら葛飾区水元公園前通信68」04/20 11:39

 時間的には,けっこう,余裕をもって仕事をこなしているようだけど,ストレスがたまるのである。そんなわけで,ちょっと疲れている。けっこう消耗するのだ。
 ということとは関係なく,昨日(16日)から,駒田と合作するための原稿を書き始めたのでした。ついでに,樫村のためにSFを書くことにしたので,そのノートの作成も始めたのでした。あー,SFだなあ。書くのは何年ぶりだろう。

 「キンドレッド」は,300ページ以上ある2段組の本としては,けっこう早く読めた。前回も書いたように,楽しい読書ではなかったが,それはあまりにも重い状況のせいである。タイムトリップしてしまう理由は明らかにれないが,その点で,バトラーはファンタジーとよんでいるのだろう。何回かタイムトリップを繰り返すけど,そのたびに段々悲惨になっていくのは,かわいそうである。ムチで打たれるし,重労働はさせられるし,白人は感謝してくれないし。ヒロインの夫は白人男性なのだけど,彼女は夫をとても愛している。でも,埋められない溝があることもきちんと描かれていてよい。以前の白人が,いかに善良に育てられたとして,黒人を奴隷としてしか見られないように,ヒロインの夫も,男性中心主義で育てられているので,ヒロインに秘書のような仕事をたのんだりするのである。書店に注文しないと買えない本であり,厚さもあり,値段も2200円となると,人におすすめということにはならない。いい本ではあるけど,SFマガジンで高橋良平が言うように,機会があれば手にとって欲しい本であり,こういう本の存在がとりあえず十分に意味をもつような本である。でも大関には読んで欲しいな。

 「夢の涯てまでも」を見た。笠知衆も出てくる(「俳優になろうか」(朝日文庫)を読んでしまった)。前半,イタリア,パリ,ベルリン,リスボン,モスクワ,北京,東京,箱根,サンフランシスコと,世界を回っていくところなんか,とても楽しい。ヒロインがとてもきれいなので,満足してしまった。みんな追ったり追われたりと忙しいが,オーストラリアではみんななかよしである。ウイリアム・ハートを追うヒロイン(「ベルリン・天使の詩」の人なんだけど,どうも名前が覚えられないんだな),彼女を追う夫(これがなかなかいい味を出していた),私立探偵,賞金稼ぎ,という具合である。設定は1999年だけど,あんまり未来という感覚はない。クレジットカードや飛行機を利用すると,その記録がコンピュータに残る。それを追って,求める人物がどこにいるかを調べるコンピュータソフトがとても良かった。2時間半は短いと感じる,楽しい映画だった。損はしないと言っておこう。

 夕べはテレビで,前から見たいと思っていた「ヒドゥン」を見ることができて,満足している。カイル.マクラクラン君がなかなかよかった。「デューン」や「ブルーベルベット」のときは,なんか体育会系の青年みたいで好きじゃなかったけど。ハリウッドで「寄生獣」を映画化して欲しいと思うのであった。

 最近,駅などのポスターでは,水野真紀がとてもきれいなので気にいっている。

 今年も新入社員の女性が3人ほど入ってきた。男性も入ってきたけど,まあいい。みんな変な女性ではあるが,まあ,気分がいい。こうして,会社にいつづけている気がする。今年もたいして昇給しなかったのにな。


「こちら葛飾区水元公園前通信69」04/24 09:29

 市川ジュンの「懐古的洋食事情」を買ってしまった。まあ,楽しい。

 というわけで,「マザー」は終わったので,前言は取り消します。歌えばよかったのね。気がつかずに,ひたすら攻撃をしていたのだけど,たおれないんだな。うーん,後半がけっこうたるかったな。駒田が途中でやめるのも,ちょっとわかる気がした。これで当分はファミコンをしなくてすむなあ。

 そうそう,今日(23日)に,サンシャインでやっている,CAIショーを見てきた。忙しいので,あまりゆっくりできなかったのが残念だな。見たかった,実験用の温度センサーも見られてよかった。ところで,「バランスオブプラネット」のデモフロッピーをもらうことになったのだけど,98がない。ということで,今度,石川先生のところへおじゃましたいと思っています。
 吉田戦車の「タイヤ」(マガジンハウス)はほのぼのしていて.心が温まります。


「浮気がしたい」04/25 09:30

クラフトのクリームチーズのパイナップルはウニの味がする。
カゴメのキャロット100は焼き芋の味がする。
今日も仕事である。
かみさんは今日から九州である。
独身である。気楽でいいな。


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