1995年10月


「こちら葛飾区水元公園前通信231」95/10/01 18:27

 ヤクルトが優勝した。めでたい。いやあ、ブロスががんばったな。今年のヤクルトは4本柱とか言われているけれど、常に誰かが好調というのがいいな。4月はもちろんブロス、それにオールスターまで山部だったな。ブロスが悪い5月から7月は吉井が良かったし、8月は石井、そして9月に再びブロス。谷間が伊東や岡林だもんな。これで来年、伊藤智仁が復活したらどうなるのだろうかと考えるのは気が早い。まずは日本シリーズ。ただ、今年からナイターになったので、テレビで見られるのはいいけれど、会社をさぼって見にいくというのはないから寂しいな。けっこう冷え込むなかでゲームをするのはつらいかもしれない。
 かみさんはイチローが気に入っているらしい。テレビで毎日イチローを見てたら失神しちゃうとか言ってる。そういうもんかぁ。でも、日本シリーズで見られてよかったね。

 てなわけで、昨日(30日)は釣りに行ってきました。行ったのは五井にある市原市の海釣り施設。実は地図で見ると、五井はそう遠くないことがわかった。京成で船橋に出てから、総武線─内房線てな具合。問題は五井からの交通機関がないこと。しょうがないので行きはタクシーを使ったが、帰りは呼ぶのもめんどうなので歩いた。3キロくらいだな。
 いちおう、大きい魚も釣りたかったんだけど、そっちの竿にはアタリも何もなかったな。サビキではイワシが大漁であった。カタクチイワシ、いわゆるアンチョビである。てなわけで、土曜日はイワシ料理をたくさん作ったのであった。
 新鮮なイワシの匂いって、けっこう香ばしい。ぷりぷりしていてけっこううまそうである。大きなメスは卵をもっていた。
 まず、イワシと一部混じったサッパはウロコと頭とはらわたを落としておく。で、まずは刺し身だ。イワシは手で簡単に中骨が取れる。ダイコンを強引にカツラ剥きにして刺し身のツマというやつを作ったが、なかなか太かったな。
 この時点で一休み。銭湯に行くのである。下ごしらえまでしてしまえば、あとは台所をきれいにして、魚の匂いも洗い落とすというわけだ。
 かみさんも仕事から戻ってきて、調理は後半戦となる。焼いてダイコンおろしと醤油で食べたり、フライパンでカレー粉をまぶして焼い・り、グラタン皿に入れてタマネギのスライスをのせてモツァレラチーズをのせてオーブンで焼いたり、マリネにしたり、ってなところだな。イワシというと和風だが、アンチョビというとチーズも合うかなって感じでしょ。これはなかなか良かった。カタクチイワシのいいところは、骨がぜんぜん気にならないこと。どんな調理でもけっこう食べられてしまう。刺し身以外はね。
 実はマリネだけまだ食べていない。酢がしみていないからね。あと、カレー粉を使ったものがなかなかいけたな。
 卵は、たかが知れた量なんだけど、これはだしとしてダイコンのみそ汁に入れる。けっこう甘味があって良かったですね。イワシはなかなか食べがいがあったのであった。サッパまマリネになっている。どうなってるかな。

 今週は「ラテン・アメリカ五人集」(集英社文庫)を読んだだけだな。それなりにおもしろいアンソロジーだったな。個人的にはパチェーコが良かった。
 ヤクルト優勝のあと、「ヒーローインタビュー」という映画をやっていたな。横浜のキャッチャーが江口洋介で、あの髪で野球をするかぁという感じで良かった。北沢じゃないんだからぁ、という。でも実際、あのくらい個性のある野球選手はいればいいのにな。で、この映画、最初だけ見て寝てしまった。夕べはけっこう飲んだもんな。

 今日は水元公園でバトミントンとテニスをした。もう腕に力が入らないぞ。ということで、今から銭湯に行くのであった。


「こちら葛飾区水元公園前通信232」95/10/04 22:24

 今聞いているCDは、EMRIREと言うバンドの20年前のものの再発だ。実は、イエスにいたピーター・バンクスという人のバンドなんだけど、こんなもの作ってたなんて知らなかった。どのディスコグラフィーにもなかったもんな。アメリカでリリースされなかったからしかたないか。ボーカルはシドニー・フォクスという女性で、いちおうパツキンで美人なんだけれど、おなかがぼよよんだったりする。ベースがジョン・ギブリンだったり、フィル・コリンズがドラムでお手伝いしている。ぼくのプレーヤーではうまくかからないので、中薗のラジカセで聞いているのだが、まあ、そういう時代のレコードなのである。あんまり元気がない演奏だな。この前のFLASHと言うバンドのほうが良かったかも。
 という話は、まあどうでもいいか。

 今週は雑誌の締切りで、映画を見ていないな。本は、清水義範の「世界文学全集」(集英社文庫)とか読んでるな。あと、小倉千加子の「セックス神話解体新書」(ちくま文庫)も読んでいる。小倉のこの本は、フェミニズムに関心のない人にとってはショックな内容かもしれない。でも、ぼくにしてみれば何を今更である。というより、ものごとを単純化しすぎているので、そこまでってなところで。それと、西洋の事例、日本の事例、共通することと違っていることなどが混乱している。ぼくは現在のセックス神話は日本のしかも戦後という短い時間に特徴的なものとして分析していった方がいいと思うんだけどなあ。すべてのセックスはレイプであると言われて、一理あるかもとは思うけどさ、そこで止まってしまうのは、ラディカルフェミニズムの政治的戦略としか言えないよ。本書は妻を家にかこってしまう男性こそ読むべきなんだけれど、そういうきっかけ以外の何物でもないな。だからぼくは勧めない。
 今日は笹野みちるの「Coming out」(幻冬社)と杉浦日向子の「入浴の女王」(講談社)を買ってしまった。


「こちら葛飾区水元公園前通信233」95/10/16 22:14

 先週は幕張に行っていました。世界エネルギー会議という国際会議の取材です。10月8日から13日まで、日曜も体育の日も取材でした。
 国際会議というだけあって、日本語がしゃべれない人がたくさんいましたねえ。ひさしぶりに英会話なるものをしてしまいました。とはいえ、ぼくの英語の能力は、最低レベルですから、なかなかつらいです。10年分くらい英語をしゃべったな。
 最初の日は開会式とレセプションなわけ。それに先立つプレスのレセプションでインドのジャーナリストと知り合い、彼とは一週間付き合うことになる。インドの経済紙の記者だそうだ。
 この日はいろんな人と話したな。サウジの人は平気で肉を食い、ワインを飲んでいたが、「この肉とあっちの肉はちがうからいいんだ。これはアルコールじゃないからいいんだ」とかわけのわかんないことを言っていたな。早稲田の先生とぼくはレセプション会場に遅くまでいたのだけど、日本人が少ないことに気付いた彼は、「いやあ、私も英語は苦手なんだよなあ」などと言いながら「おもしろいなあ」などと言って、そのへんいいる海外の人に声をかけてはぼくを巻き添えにした。
 翌日もある人のカクテルパーティーに招かれた。そこではOPECのガーナさんのことを、ガーナ人と思ってあきれられてしまった。
 次の日は日本人と思って声をかけたら、韓国の原子力発電局長で、まあいちおう話をしたけど、海外の人とエネルギーの話をしたのはこのときだけだったな。
 レセプションで会った台湾の人とは、映画の話しかしてない。彼のよると「ホウ・シャオ・シェンは台湾の監督だけど、ツァイ・ミャン・リンは台湾じゃない」とか。中国の人に声をかけたら、日本語も英語も話せなくてこまってしまった。彼は中国の大臣だったみたいだけど。
 もう、How do you do.とかNice to meet you.とか、つい日本人にも言ってしまうようになってしまった。ばかみたいだね。とりわけ、水曜日はインド人を秋葉原と銀座に連れていったのだけど、日本人とインド人の間に入ると言語が混乱してくる。
 銀座ではいろいろ見て歩いたあと、日本酒センターに連れていって試飲をさせたり、うちの会社に連れていったりしたな。その日、4時30分から会議があって、彼に最後まで付き合えなかったので、悪いことをしてしまった。彼は幕張に帰るのに、京葉線で蘇我行きではなく府中本町行きに乗ってしまい、えらい目にあったらしい。
 そういやこのインド人、自分はセミ・ビジタリアンだとか言っていたけど、中華料理が好きで、エビチリも酢豚もOKだったな。

 そんなわけで、昨日(15日)、パワーアンクルを買ってしまった。1kgである。両足につけても、さして重い気はしないのだが、はずすと足が軽くなった気がしてうれしい。どうして買ったかというと、やせるためとしか言いようがない。でも、この一週間で幕張のおかげで体重がずいぶん減ってうれしいんだけど、その減った分って2kgだから、両足のパワーアンクルの重さと同じなんだよな。

 今週は映画はペドロ・アルモドバル監督の「セクシリア」だ。彼の映画にしてはめずらしく女優がきれいなのでうれしい。淀川長治に言わせると「あきれる」ような映画なんだけど、アルモドバルを見ている人にとっては、彼の初期の映画ってなかなかかわいいとこあるじゃんってなところだ。レイトショーだし、別にすすめはしない。

 今週の本はダグラス・クープランドの「ジェネレーションX」(角川文庫)だ。でもあまりおもしろくないぞ。

 今週のCDはBrazilian love affairの「Natureza humana」だ。ジャケットにだまされたが、実はけっこうおばさんだったりする。でも、ビージーズのカバーもしてるし、予想されたくらいには気持ちいい。ボサノヴァとか、そういうもんでもないんだけどな。別にすすめはしないけど。
 今週はシャンプーが出るのでうれしい。

 近所にバッティングセンターを発見した。こんど行こうね、石川先生。

 そうそう、先々週の土曜日は無事、松浦理英子のインタビューに同席させていただきました。きれいな女性に会うとどきどきしてしまいます。なんかばかなことばっかりぼくはしゃべってしまって、いかんなあと思って、ちょっと自己嫌悪です。松浦理英子はプリンスが好きだそうで、ああいう性別を越えた人のことは応援してあげなくてはいけないそうです。好きな曲は「ガールズ・アンド・ボーイズ」とか「アイ・フィール・フォー・ユー」とか。ぼくもまたプリンスを聴こうかなって思うのでした。


「こちら葛飾区水元公園前通信234」95/10/29 16:20

 最近、体重が減少傾向にあるのでうれしい。せめて標準体重の枠には戻りたいと思う。先日はパワーアンクルまで買ってしまった。片足に1キログラムずつつけて歩くのだ。まあ、考えてみれば一時はこれ以上に体重が重かったわけで、さして気にならない。かみさんに言わせると、足首についていたわけではあるまいと言うが、まあ何ですな。

 20日にも、10日の代休をとって山に行ってきた。今年のうちにあと1回くらい、長めのトレッキングをしたかった。で、行き先が蕎麦粒山、奥多摩である。
 ルートは、奥多摩線の古里駅下車で、赤杭尾根を登り、日向沢ノ峰を経由して埼玉県との県境を西に歩き、蕎麦粒山を通って東日原に降りるという。川乗山というルートもあったのだが、こっちは一度通っているので。そして、逆ルートにしなかったのは、早く登り始めないと、日暮れの早い季節だしってなところ。
 赤杭尾根の西は採石場で、けっこううるさい。こういうところをトレッキングするのはけっこう悲しい。途中、ルートを少しはずれて水場に寄ろうとしたら、道に迷ってしまった。なかなかつらかった。
 日向沢ノ峰から蕎麦粒山にいたるルートは、ほとんど平らな尾根で、しかも広葉樹に包まれているので、紅葉しかけたトンネルの中を歩くことになるが、これがなかなか気持ち良くって、泣けてくるくらいである。黄色と黄緑の道はなかなかいい。尾根の部分は広葉樹だが、南斜面はすぐにヒノキの植林になっている。
 蕎麦粒山の直前で急な下りがあり、続いて登りがあって、これがけっこうきたな。ここまで5時間も歩いていたもんな。登り道の目の前を、たくさんのザトウムシがひょこひょこあるいている。踏みつぶすぞ、おらおら、とかも思ったりしたが、しかしまあ、あの、あずきを小さくしたような身体に異様に長い8本足というのは、絶対に変な生き物である。クモに近いのだけれど、身体にくびれがないから、むしろダニに近いのかな。あんなにたくさんのザトウムシを見たのははじめてだな。
 蕎麦粒山の頂上で逆方向から来た人に会った。平日ということもあって、会ったのはこの人たちだけだったな。蕎麦粒山からさらに一杯水という水場まではやはり尾根、というより少し下がった場所を歩いていく。一杯水でナチュラルミネラルウォーターを補給して下りに入るわけだ。ここで、シカを見た。がさがさって音のした方を見ると、シカの白いお尻が見えた。丹沢と違って、奥多摩のシカは人に慣れていないだろうな。
 東日原に降りて困るのは、バスが少ないこと。あまりにも待ち時間があったので、川乗まで歩いてしまったぞ。日原トンネルを歩くには気分的につらいものがあったけどさ。8時半の登り始めて、下山が3時半だから、7時間のトレッキング、体重はついに74キロ台になった。ビールは飲んだけど。

 その二日後は、石川と葉山に釣りに行った。元町というところで下車、石川がギンポを釣りまくっていたな。アナゴみたいでけっこういける魚だ。そういや先日もうちの親父と話をしていたのだけれど、五井でカタクチイワシや子アジを釣ったわけだが、食べたらイワシの方がうまい。でも、何となくアジをねらっちゃうんだよなあって。アジの方が釣れないからなんだけどさ。イワシを狙えばもっとたくさん釣れるのにねって。釣り人にはそういう心理があって、ギンポはおいしくても、ついメジナやクロダイを狙ってしまうのである。
 天ぷらに関しては、石川の方が上手なので、ついまかせてしまったな。でも、とりわけでかいギンポを3枚におろして揚げると、ぷりぷりしてうまいのは事実だ。

 今週の映画は、まずリチャード・リンクレイター監督の「恋人たちの距離」、主演のジュリー・デルピーが観たくて行ったのだけれど、なかなかいい出来だった。ヨーロッパ、パリに向かう列車の中でフランス人の学生(ジュリー)とアメリカ人の学生(イーサン・ホーク)が出会い、一晩だけ、一緒にウィーンの街で遊んで過ごすという、なかなか恥ずかしいストーリーだ。翌日の朝にはイーサンは飛行機で帰らなきゃいけない、それまでに…てわけ。でも、全編、会話で進行していくこの映画は、その会話がけっこう機知に富んでいて楽しい。イーサン・ホークの演じるシャイなアメリカ人というのもけっこうかわいい奴だ、とか思ってしまうし。
 ジャック・タチの「新のんき大将」は、元々はカラー映画の予定で撮影されていた。しかし、1949年当時、このカラーフィルムには重大な欠点があった。プリントできないということである。したがって、映画は当初、念のために一緒に撮影されていたモノクロのフィルムによって公開された。やがて、テクノロジーが進歩し、カラーが再現され、公開されるに至ったわけ。なかなかセピア調の美しいカラーフィルムであった。この映画、ジャック・タチの長編の第一作である。「ぼくの伯父さん」と比べると、ワイルドな感のあるコメディだな。
 同時上映は「ぼくの伯父さんの授業」という短編で、これはジャック・タチが演技の授業を行うというもの。柱のぶつかり方とか、人によるタバコの吸い方の違い、馬の乗り方の違いなど、高座でやってもらいたい内容。生徒の一人がミシェル・ブランだったりして、やっぱり毛がなかった。
 テレビでは「赤いコーリャン」と「菊豆」を観たな。中国映画は見るのにつらいものがあるな。

 今週のおすすめは何といっても、ぷろとんの「冷蔵庫物語」(白泉社・花とゆめコミックス)だ。冷蔵庫やその中のもの、野菜やお肉、卵、マーマレードなどが活躍する4コママンガと言って、どんなものを想像するかな。読んでいると平和な気分になれてとてもいい。


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