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北アルプス烏帽子岳

長野県 北アルプス 「烏帽子岳」

日本の山がどれほど美しいのか、ここを登って初めて知った。「北アルプス」なんて、日本各地にある「××銀座」みたいなものだろうと侮っていたが、伊達にアルプスを名乗っていない。

友人に誘われて、長野県内のとあるダム下で夜を明かし、翌早朝から登山開始。ちょっとしんどくて一部では有名な「ブナタテ尾根」を半日かけて登った。俺達は自転車専門であり、山は富士山と高尾山くらいしか登ったことはなかったのだが、ブナタテ尾根は「休憩スポット」が途中途中に設けてある、とても親切な登山コースだったので助かった。しかし、密林あり、崖ありと、結構大変。で、たどり着いたのが北アルプス尾根、烏帽子岳のすぐ南。

しかし我々の目指すところはこんな普通の山ではない。北アルプスの尾根を槍ヶ岳に向かって南下したところ、大きな岩がゴロゴロしていることでその名がつけられ、また、ある芸能人がここに来て感動したことから芸名をそこから頂戴したという、「野口五郎岳」が、俺達のゴールだった。

北アルプスの尾根から見る世界は雄大。延々と続く尾根は、上昇気流で下界から吹き上げられる雲で霞み、彼方の槍ヶ岳が険しく雄雄しく、俺達を導く。足場が揺れる岩の尾根を何とか通り抜けると、天然記念物のライチョウがうろうろする広場の向こうに、野口五郎岳の小屋が!

強風の為、小屋は閉鎖されており、一生懸命侵入を試みるも、戸締まりは頑丈で、しかたなく小屋の影にテントを張った。強風が吹き荒ぶ中、達成感に酔っていた俺達2人は、誰もいない野口五郎岳で素っ裸になり、彼方の槍ヶ岳を眺めながら、自分の槍を風に揺らしていた。

登山は面白い。海も広いが、苦労して山を登ると、自然の圧倒的な大きさと美しさを、より実感できる。富士山もきれいだけど、山の雄大さを感じられる「山脈」がお勧めだ。ここでハマった俺は、その半年後にアルゼンチンでアンデス山脈最高峰のアコンカグアへ行った。登頂は出来なかったが、それほど山は1度登ると好きになるのだ。

手拭いは野口五郎じゃないが、山の手拭いは格好良い。汚すほどに味が出る。「☆☆☆☆☆」(2000/4/9、?円)