ロンドン/ウオーレス・コレクション Wallace Collection |
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ピカデリー・サービスの老舗カフェでお茶をした後、2階建のバスで、セルフリッジデパートまで行きました。その建物の右角の横丁を行くと小さな緑地があり、その向こうの門構えのある3階建の館がウオーレス・コレクションです。
ここのコレクションで一番の充実を誇るのはフランス18世紀のロココ絵画。ヴァトー、フラゴナール、ブーシェなどの粒よりの名画が揃い、見ごたえがあります。
なかでもフラゴナールの「ぶらんこ」(左)は画集で見たのとは、ひとあじもふたあじも違う素晴らしい色彩。その完成度の高さ、油を流したような艶の表面は輝くようです。ちょっぴり卑猥な悪戯っぽい題材などは、少しも気にはなりません。この絵のなかのブランコの美女の若さと大胆さに、現代的な女のしたたかさも見えるのが、微笑ましくもあり、なかなか面白いと思いました。。
また、ヴァン・ダイクの「マリー・ド・レ」(右)美しいけれど憂いのある表情が印象的。
ここで思いがけず、カルロ・クリヴェッリの小品をみかけました。なにげなくメムリンクの天使と対にされ、めだたないコーナーに飾られていました。説明もついてませんでしたので、本物のクリヴェッリなのかどうかと半信半疑でした。数年後、ある方の好意でクリヴェッリの全集をゲットしたのですが、。長い間疑問に思っていたこの小品が間違いなく画家の作品と知りました。思いがけなく出会ったことになります。
今のように情報の多くないときでしたので、実際に訪れてはじめてわかることも多かったのです。これだから美術館巡りはやめられないと、ますますのめりこんでいきました。
それは違う意味で美術館巡りの醍醐味だったような気もするのですが・・・時代は変わりました。
現在はできるだけ見落としのないようにNETでチェックしてから訪れるようになっています。 1994.5
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ロンドン・ナショナルギャラリー National Gallery |
ロンドンへは2年連続で訪れましたた。ロンドンの街が好きというより、ロンドンの美術館が気に入ったからです。
特にこのナショナルギャラリーのコレクションに魅せられたといって良いでしょう。
なにしろ、展示品の水準は1点も見過ごしにできないほど高く、それがどっさりあるのですから、相当な体力と集中力が必要な美術館なのです。幸い入場無料なので疲れるとホテルで休息し、また訪れるという鑑賞方法をとりました。

ヨーロッパ本土に較べ、イギリスのルネッサンスは100年遅かったこともあり、その焦り?も多少はあったでしょうか、大英帝国の繁栄をバックにイタリアルネッサンスを初めとした膨大な絵画の蒐集、またその素晴らしい審美眼には脱帽です。
初回はベルリンからアムステルダムとパリを経てロンドンに入りました。それまで鑑賞したファン・エイクやフェルメールなどの素晴らしい北方絵画。それがここでも、最上級の傑作に出会えました。次いでクリヴェッリ、トゥーラ、ピエロ・デッラ・フランチェスカ、ウッチェロ・・・書けばキリのない名作ぞろいです。ホテルに戻る体力を何とか残しながら、限界まで巡ったのも、今は懐かしい思い出になっています。
トゥーラ「聖ヒエロニムス」↓ ウッチェロ「龍と戦う聖ゲオルギウス」↓

美術史家のロベルト・ロンギが題名をつけたというジョルジョーネの「日没」(下)、薄暮の風景のなかに見逃しそうな白い馬に乗る聖ゲオルギウスと手前に旅人。宗教的な主題よりも画家にとって大切な・・・詩情あふれる風景に胸が迫る思いがしました。下の画像はWEBより。右はルーベンスのなかでも別格の一枚「サムソンとデリラ」

レンブラントは多数の自画像を描いたことで知られていますが、なかでもここの晩年の自画像(1669頃)は価値のあるものです。この展示室に入ったとたん、磁石のようにこの絵にひきつけられたのです。私を待っていたかのように思えましたし、「こうして人間は年をとるのだよ」と語りかけられているような・・・不思議な感覚でした。深い絵画との対話という経験、その感動は今も忘れあれません。レンブラントは作品が多いので、特別追いかけなくてもお目にかかる機会があるのですが、そのたびにここの自画像の透徹し、諦観したまなざしを思い浮かべてしまいます。
ここではあまりメジャーではない画家の作品にも眼を惹かれました。ヘールトヘン・トット・シント・ヤンス(15世紀ネーデルランドの画家)の「キリストの降誕」(絵葉書参照)
卵形の上品顔のマリア、天使達の可愛らしさ。夜景の表現も素晴らしい小品(34×25)です。

1993.3 1994.5
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ロンドン/テートギャラリー Tate Gallery |
宿泊したホテルの前からバスに乗って、バッキンガムなどの名所を車窓から楽しみながらテート
ギャラリーへ。
ここでのお目当てはラファエル前派と呼ばれる19世紀のイギリス・ロマン主義の絵画です。
何点かはパリのオルセーなどでも観た事はありますが、なんたってこちらが本場ですから、ほぼ一直線で展示室に
向かいました。暗い赤い色の壁に飾られてミレイJohn Everett Millaisの「オフィーリア」(左)、狂気のうちに川に
浮かんで逝った「ハムレット」のオフィーリアの白い顔。緑の藻や背景の木々も美しく、一瞬のうちに悲劇の物語の
世界に引き込まれました。ミレイの観るべき作品のもう一点は「両親の家のキリスト」(右)です。
当時は通俗的と非難を浴びたそうです。
しかし、日常の大工一家の生活のなかにキリストの受難を予想されるエピソードを盛り込み、新しい宗教画として
次第に受け入れられ、成功しました。

Dante Gabriel Rossettiロセッティの「聖母マリアの少女時代」(左)「見よ、われは主の端女なり」(受胎告知)(右)、
「ベアータ・ベアトリクス」も忘れられません。ロセッティは名前で気がつきましたが、イタリア人です。
モデルのモーリスの妻ジェインとの不倫もありましたが、そのころの女性美を追求した耽美的な画風はなかなか人気です。

ここはターナー専用の別棟がありますが、あいにく建物を修復中でクローズでした。それでも主な作品は本館に展示されて
いて、「ノラム城、日の出」(↓)「吹雪・アルプスを越えるハンニバルとその軍勢」などの大作を鑑賞できました。
迫力ある吹雪や嵐の描写にドラマを組み合わせたものが特に想像力をかきたてられ好きです。

数ある展示室のなかでも異彩をはなつのはの照明を落としたブレイクWilliam Blakeの部屋です。
一連の色刷り版画のシリーズはブレイクの最高傑作とされています。
「アダムを創造するエロヒム」(下左)「哀れみ」(右)「ニュートン」「ネブカドネザル」など、一度観たら忘れられません。
詩人でもあったブレイクのイメージは神秘的。その独自性を理解するには、文学や哲学からのアプローチが必要なのでは・・・。

テイト・ギャラリーを訪れてから10年以上もブレイクのことが気になりながら、そのままになっていました。
数年前某カルチャー教室でブレイクの文学の方面からのアプローチの講義を受けたことがあります。
講師はE・H・エリオット研究で有名な北大名誉教授の本田錦一郎先生でした。つい先日(2007.1)亡くなられました。
学究肌の愛すべきお人柄の先生でした。ご冥福をお祈りいたします。
ブレイクを観るたびに先生を思い出すことになるでしょう。
話がそれてしまいました。テイト・ギャラリーの現代美術コレクションは最近テイト・モダンという新しい美術館に移管
されたようです。次回のロンドン訪問が楽しみです。 1994.5
その次回は13年後になってしまいました。長旅の最後にロンドンに2泊してオペラ鑑賞というハードスケジュール。
テイト・モダンへの訪問はかないませんでしたが、テイトでは久しぶりにラファエロ前派の名画を堪能しました。
カメラ禁止に気が付かず2,3枚写してしまいました。謝々。 2007.5
下の2枚はテイト・ギャラリーの前庭(ターナー棟の前)

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ロンドン/コートールド美術研究所 Courtauld Institute Gallery
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ロンドン2回目、そして初めての一人旅のときに訪問。ストランドパレスホテルから徒歩数分。入り口が分からなくて
テムズ川まで行ってしまいました。10年以上も前なので、大部分の記憶が薄れていますが、印象派の部屋は見ご
たえがありました。
セザンヌやゴッホのほかはスーラの「白粉をはたく若い女」(下左)。スーラ唯一の肖像画であり、モデルは画家の
恋人とのこと。スーラの点描法はまじかに見ると、気が遠くなりそうな緻密さです。画家の作品に対する愛着とともに、
自分の理念を追求する姿勢は並大抵でないことを、肌で感じ取ることができます。
32歳という若さで亡くなったスーラの名画にはロンドン、オランダ、パリとこのときの旅で次々に出会うことができました。

マネ「フォリー=ベルジェール劇場のバー」(上右)はこの美術館の目玉でしょう。華やかな社交場の雰囲気、人々
のざわめきが聞こえてくるようです。中央女性の人体構成からみた姿勢に無理があると、指摘されることが多いの
ですが、凛としたポーズはとても魅力的。 1994.5

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ロンドン/大英博物館 British Museum |
ここを訪れる前年にエジプトへ行きました。しばらくはエジプト熱に浮かれていましたから、エジプト関連の収蔵品は
世界一(カイロを除いて)といわれる大英博物館ははずせません。
まず、エジプトセクションの大ファラオの胸像を唖然と見上げ、ロゼッタストーン、パピルスの絵、ステラ、壁画、ミイラ
など見学。よくぞ、こんなにエジプトから運んだものだわ〜と、感心半分、憤慨半分といったところ。
ブックショップではイヤリングをした猫の置物を買いました。
他の部門は、古代ギリシアのエルギンマーブルとアッシリアのライオン狩りの浮き彫りが素晴らしい。まぎれもない
人類の遺産そのものでしょう。
エジプトはコプト教の遺物を見逃してますので、再訪したいと思いながら・・・いまだ果たせず。 1993.3
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