オペラノート 7 (2003.4〜2003.8)
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パリからボローニャへ飛ぶ
パリに5泊してオペラを3公演と美術館めぐり、そしてポアチエ近辺へ日帰りロマネスク遠足の充実の日々を過ごした後、CDG空港からボローニャへ。しかし、ここでトラブルが発生。前日JALからホテルに電話が入り、ボローニャ空港は空港従業員のストライキのため予定の便は飛ばないかも知れないというという。「じゃーどうすれば良いの〜」夕方の便から間引きして飛ぶらしいので、とにかく予定通り午後3時頃には空港へ向かう。アリタリアとエールフランスの共同便なので、AZのカウンターは面倒なことはいやがる雰囲気。それでなくても殺気立っている。AFのカウンターへ行くと、キャンセルがでれば、なるべく早い便に乗せてくれるというので、1〜2時間ほどして、キャンセル待ちの列に並び、なんとかセーフ。このときの疲れが腰に来て、後から痛い目にあうことに・・・。結局ボローニャに到着したのは10時過ぎ。迷路のような小路に建っている小さな3星ホテルにようやくたどり着きチェックイン。深夜なので、レセプションの女性は機嫌が悪く、バスタブがついてないのと訊いたら、ますますご機嫌斜め。イタリア人の愛想の良さに慣れているので、怖かった。
(61))ヘンデル『ジュリオ・チェーザレ』★★★★
指揮:Rinaldo Alessandrini 演出:Luca Ronconi
Cesare:Daniela Barcellona Cleopatra:Maria Bayo Cornelia:Sara Mingardo
Sesto: Monica Bacelli Tolomeo:Silvia Tro Santafe Acilla:sergio Foresti
![]() ボローニャ/テアトロ・コムナーレ 2003.4 上の写真はプログラムからスキャンした 稽古風景。 |
ボローニャのテアトロコムナーレは会員が多く、一般にはあまり券が出回らないので、チケットが取れるまではらはらしました。焦って結局2枚ダブって買ってしまいましたが、プラティアのやや後方中央の席に座れました。パルコの安い席は開演前30分に劇場の前で定価ですぐ売れました。 舞台左手後方にオーケストラが座り、通常のオーケストラ席も舞台に利用。チェンバロなどソロを受け持つ3人は手前のオーケストラボックスで演奏。イタリアの古楽のオケも◎。 ビデオでの映像も写され(エリザベス・テーラーのクレオパトラなど)、衣装も綺麗で古代と現代を巧くミックスした演出でした。 タイトルロールのバルチェッローナはヘンデルには向かないようでしたが、ビジュアル的には大柄な彼女はぴったり。古代ローマの戦車に乗って颯爽と登場する彼女は本当に素敵!!バーヨは初めて聴きましたが、素直に伸びる艶やかな歌声に魅了され、いっぺんに大ファンになりました。ミンガルドとバッチェリ母子の切々とした歌唱にも泣かされました。 ホテルまでは数分なのに、オペラのはねたあと1本道を間違えたばかりに、ぐるぐる30分も歩き回り、大失敗。 |
ボローニャからウィーンそしてベルリン・フェストターゲ
ボローニャに4泊して近隣のパルマ、モデナ、フェラーラの観光をした後、ローマまで列車そして飛行機でウィーンに入りました。
(62)ワーグナー『パルジファル』★★★
指揮:Peter Schneider 演出:August Fverding
Amfortas:Franz Grundheber Titurel:Alfred Reiter Gurnemanz:Matti Salminen
Parsifal:Christopher Ventris Kundry:Waltraud Meier
一応はCDで予習はしたものの、映像をみていないせいかあらすじが良く理解できません。しかし、このワーグナーの素晴らしい音楽を聴いているうちにプチワグネリアンと化した私。本物のワグネリアン目指して(それには実際の舞台をみなければ・・・)勇躍、宿から徒歩3分のウィーン歌劇場へ。
シュナイダーの指揮とウィーン歌劇場のオーケストラ、それにエファーディングのオーソドックスな舞台。安心して観ていられるというもの。歌手陣もまとまっていて、特にサルミネンの低音が響くとますます安心。(笑)マイヤーは前年のミュンヘンでも感じたのですが、絶頂期に比べるとやや力が落ちたようです。この後3日後にベルリンでも歌いますから、力を出し切っていないのかとも思いました。しかし、演技力を含めた表現に優れていますから、金髪のロングヘヤーでパルジファルの足を洗う場面は聖書の場面のマッダレーナを彷彿とさせ、素敵でした。
「パルジファル」はもう一度観たいと思っていますが、なかなかその機会が訪れません。
この公演以上のものを観ることができるのでしょうか・・・。
(63)ドニゼッティ『ラ・ファボリータ』★★
指揮 演出
アルフォンソ11世:カルロス・アルバレツ レオノーラ:
フェルナンド:サバティー二
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今回の旅で観たオペラの中で一番印象が薄く、年月が経った今はほとんど記憶にないという恐ろしいことになっています。 サバティー二の調子が悪く、高音にあげるときにのどが詰まった不快な感じがありました。またカルロス・アルバレツも以前に聴いたより、スケールが小さくなって無難すぎ。フランス語の発音も納得しかねました。タイトルロールの?は大柄なボディからの声量はあるものの、感銘を受けるほどの歌唱でもなかったのが惜しまれます。 ビデオの画面が舞台奥に並んだり、演出も陳腐でした。 2003.4 ウィーン国立歌劇場 |
いつの間にかフローレスの追っかけおばさんの一人になってしまったので、年に一度は生の舞台で彼の歌唱に耳を傾けたいと、スケジュールにあわせ早くから準備することになります。こういう場合インターネットからの情報は大変貴重です。![]() |
イラク戦争が始まったときでした。日本からのツアーも潰れたのでしょうか。最前列の10席ほどが空席になっていました。私の席はその最前列の左端でした。 舞台はガラス張りのホテルのロビーのような黒いグランドピアノの置かれた部屋。2幕になるとこの部屋は窓から雪が吹き込みピアノも壊れ、悲劇的要素を強める装置に変わります。 フローレスはますます実力がついてきて、本当に非の打ち所のない歌唱と演技。アリアの高音もピシッときまり、悩めるややマザーコンのエルヴィーノを憂いをこめて歌い上げました。ボンファデッリもこのときの舞台が私の聞いた中では最高だったと思います。姿も美しく、ベストカップルの主人公たちにカーテンコールも熱く、何度も繰り返されました。私は疲れたので途中で劇場を後にしたくらいに長いカーテンコールでした。 ウィーン国立歌劇場 2003.4 |
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| ↑プログラムから。稽古風景。 |
![]() ウィーンから飛行機で、10年ぶりのベルリンに行きました。ある程度は想像していましたが、変貌著しく、驚きました。 宿は歌劇場の近くのウエスティンにして、正解。歩いて5分もかかりません。日本を出てから、2週間、疲れが出る頃でしたが、オペラのためにゆったり過ごすことができました。 |
フェストターゲというベルリン歌劇場の春の音楽祭では、毎日豪華な公演が繰り広げられます。 隣席には日本からの40代くらいのご夫婦が座り、いろいろお話しました。この音楽祭がお目当てで、1週間ほど滞在されているそうです。 舞台は中央に大きな天使(というより有翼の女神に見えました)のうつぶせの半身が置かれ、それが場面に合わせて回転します。 マイヤーは3日前にウィーンでパルジファルのクンドリーを歌ったばかりです。声がなかなか飛んでこないという出だしではらはらしましたが、最後のほうは彼女らしい頑張りを見せて、感動的なシーンのうちに幕が降りました。左の写真のきもののような袖のオリエンタルな衣装で、イゾルデの愛の死を歌います。誇らしげに舞台中央に立ったままで・・・幕。場内は感動に包まれて静寂が・・・とそのとき、ブーンと大きな鼻をかむ音がしました。何と無粋な!(怒) 2列目でしたから、思わずバレンボエムの方へ視線が・・・しかし、一仕事終えた男のすがすがしい横顔を見せて、静かに立っているマエストロでした。 ヘップナーは2.3日前のリサイタルでアンコールを何曲も歌ったほど調子は良かったそうですが、この日は苦しく、最後まで不調。ほかはまあまあ。3年前のウィーンには及ばないのは明らかでしたが、演出はこちらのほうが好みです。 ベルリン/国立歌劇場 2003.4 |
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タンクレディはロッシーニのオペラのなかでも大好き。この2,3年前でしたか?ペーザロ音楽祭で大成功を収め一躍スター歌手の仲間入りを果たしたバルチェッローナがタイトルロール。これを逃す訳には参りません。上記のライブCDで予習も万全。 舞台は白い柱の並ぶ王宮に豪華なローマ時代の金ぴか衣装が登場して始まります。このオペラには二つのエンドが用意されていて、ハッピーエンド版もあるのです。しかし今回はヴォルテールの原作に忠実な悲劇版で上映されました。 アジリタを駆使した疾走するような、現代的なスピード感にあふれたロッシーニの音楽は人を虜にします。もう抜けられません。来年こそはペーザロに行かなければと決意・・・。 琵琶湖ホ−ル 2003.5 あれほどチケットを取るのに苦労したのに、いざ来てみれば空席が目立ち、あれれ!でした。 途中から前方の空席に移りました。 |
![]() 2003.5 滋賀県/びわ湖ホール |
初めてオペラのCDを買ったのがこの「ランメルモールのルチア」です。カラスが歌った狂乱のアリアが素晴らしくて、オペラにはまったようなもの。生で聴きたいものと願っていました。ようやくのチャンス到来です。 さて、舞台は地味ながらスコットランドの大木を配し、悲劇の物語は始まります。ボンファデッリは春のウィーンに比べると、いまいちパワーが弱く、声に輝きが感じられません。歌う表情も目を見張ったお人形のような凍りついた顔・・・あれれ、どうしたのかしら? 比べるとマルチャンのほうは、絶好調。まだまだ声は出るもんねという余裕さえ感じさせるスーパーな歌唱。最後の自殺する場面での悲痛なアリアは絶品でした。 舞台のはねた後、ホテルのエレベーターで一緒になりました。舞い上がってブラッビシモ!!が言えなかったのが悔やまれます。舞台では大きく見えますが、素顔はどこにでもいるやや?小太りの青年。 |
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R・シュトラウスはこうこなくっちゃ〜と大満足。色彩感のある素晴らしい演奏でした。スイスロマンド管が札幌で公演したときのルイージが好印象でしたから、期待感いっぱいでしたが、まさしくお見事!なシュトラウスでした。ヘレナを歌ったデヴォラ・ボイトも、これ以上のヘレナを歌えるソプラノはいないでしょう。艶やかさと気品にあふれた声がフェルゼンライトシューレのホールに響き、陶然となりました。 こうしてザルツブルグでの第一夜は華やかに終わりました。 2003年の記録的な猛暑を次女と南仏旅行、その後は娘は米国へ。私は涼しいはずのザルツブルグへやってきたのですが、暑くて持ってきた和服は到底着る気になれません。 ザルツブルグ/フェルゼンライトシューレ 2003.7. |
![]() 席は左手2階のバルコンの後方。暑くて(冷房なし)誰にも見えないので足袋を脱ぎたくなるほど。日本の女がすたると思いとどまりましたが。(笑) 2003年はオペラのほかにトーマス・ハンプソンのコンサート(祝祭小劇場)&ウィーンフィルのコンサート(祝祭大劇場/指揮セミヨン・ビシュコフ ピアノ・:キーシン)を聴きました。 |
昨年春、突然亡くなったヴェルニケの追悼の大きな写真が祝祭大劇場の広場にも掲げられていました。いかに彼の存在がこの音楽祭でも大きかったかが、今さらながら胸に迫りました。 その広場に大きな張りぼて人形が置かれていたのですが、卑猥だというので不評。私の滞在中に 取り去られたという事件もありました。 ドンカルロはヴェルニケの演出(1998年)でもあり、この夜は多少は涼しくなったので、頑張ってきもので観劇しました。 舞台はここの大舞台をスケール豊かな、そしてシンプルな装置でありながら重厚に進行します。ゲルギーのぐいぐいと荒々しいまでに引っ張る音楽にウィーンフィルの名手たちが勢ぞろいして、豊かさとドラマティックなヴェルディが出来上がりました。 大好きなチェロのマスターのお髭のおじさまも、この日とウィーンフィルのコンサートが最後の演奏になった模様。多分定年になられたようです。彼がオーケストラボックスに姿を現わしたとき、拍手がおきましたから、予感はしましたが・・・。 第4幕の冒頭に演奏されたチェロの調べは一生忘れられません。精魂こめて弾かれていたように、伝わるものがあり胸がいっぱいになりました。 歌手はフィリッポ2世のフルラネットとエボリのボロディナがだんとつ!良かったほかはまあまあでしたが。祝祭大劇場の大きな舞台をフルに使って、ザルツらしい華やかさで花丸。イタリア語4幕版。 |