ムティエ・サン・ジャンのロマネスク柱頭彫刻 NO.1
Moutiers-Saint-Jean 1125〜30制作 フォッグ美術館にはムティエと断定できる説話柱頭が3つある。 台形柱頭と呼ばれ、長方形底部をもつ。 大きさは高さ、幅とも61〜65cm。 |
ムティエ修道院はブルゴーニュ地方、Avallonの北東30Kの村Moutiers-Saint-Jeanにあった。この地方最古のベネディクト派の修道院は5世紀に遡る歴史がある。クリニューとは、982年に両院の修道長が同一人だったことから関係が始まり、11世紀にはクリニューの分院のひとつになった。12世紀に最盛期を迎え、新しい教会堂を建設。13世紀後半から始まる荒廃とフランス革命による破壊で、教会堂は採石場として売却され、廃墟となった。遺構は存在しないが、柱頭彫刻はアメリカ、パリ、ディジョンのコレクションに入った。 左の写真はフォッグの 回廊の展示風景。 |
(1)「ザカリアへのお告げ」 エルサレム神殿の祭司ザカリアは洗礼者ヨハネの父。大天使による子供の誕生の予言を受ける場面。図像は香炉を持ち祭壇の前にいる。
| ↑ 正面は大天使ガブリエルとザカリア。エリザベトの懐妊を告げる場面。 アーチはビリットと呼ばれる刳形の装飾帯。教会堂の場面設定と考えられる。 |
↑ 右側面に建物(修道院?)屋根の上で瓦を葺く人、自分の髪を掴む悪魔、 下には鐘楼の綱を引く少年の姿。 |
↑ 左側面は老女エリザベートと少年ヨハネと思われる人物が彫られている。 正面と同様のビリット装飾のアーチ。 |
| 参考資料 『ムティエ・サン・ジャンのロマネスク柱頭とクリュニーの西扉口彫刻』ダーリング常田益代/美術史掲載論文 『キリスト教美術図鑑』吉川弘文館 『西洋絵画作品名辞典』三省堂 |
米ハーヴァード大学付属フォッグ美術館