
1918年ヘルシンキ生まれ。ヘルシンキ大学に学ぶ。
作家としてのデビューは1946年だが、このとき既に4人の子どもを持つ母親であった。
作家として活躍する傍ら、家庭の主婦でもあり、趣味はガーデニングと手芸だった。
作品の執筆に加え、外国の児童書のフィンランド語への翻訳を多数手がけた。
2004年11月14日、タイパルサーリの自宅にて86歳で死去。
最もよく知られ、今でも愛されているOnneli ja Anneli(オンネリとアンネリ)のシリーズは、1作目が日本語にも訳されている。
このシリーズについてフィンランド児童文学研究の権威・高橋静男氏は、「フィンランド児童文学の伝統精神 - M.クレンニエミの場合」のなかで、次のように述べている。
「このシリーズがクレンニエミのもっともすぐれた作品であるとわたしは思っている。(中略)独立心豊かな子どもを志向するフィンランド児童文学の伝統精神を昇華させているということで。」 フィンランド児童文学研究所の機関誌の名前「Onnimanni」(オンニマンニ)は、クレンニエミの作品「Oli ennen Onnimanni」から採られたもの。
|
トペリウス賞(Topelius palkinto)
1954年:受賞作 Oli ennen Onnimanni (Tammi 1953年)
1967年:受賞作 Onnelin ja Annelin talo (WSOY 1966年)<邦訳『オンネリとアンネリのおうち』>
1984年:すべての作品に対して
フィンランド国家文学賞(Valtion kirjallisuuspalkinto)
1976年:受賞作 Leenan sininen päivä (WSOY 1975年)
1981年:受賞作 Seitsemän meren tuolla puolen(WSOY 1980年)
ティルリッタン賞(Tirlittan palkinto)
1999年:すべての作品に対して
プロ・フィンランディア・メダル(Pro Finlandia -mitali)
1969年
エリアス・リョンロート・メダル(Elias Lönnröt -mitali)
2002年
芸術国家賞(Taiteen valtionpalkinto)
2003年
|
|
「フィンランド児童文学の伝統精神 - M.クレンニエミの場合」高橋静男(『オンネリとアンネリのおうち』大日本図書1972年に所収)
|
原書:
Joulun ikkuna
Marjatta Kurenniemi (作)
Jukka Lemmetty(絵)
Weilin+Göös 1984年
邦訳:
『サンタと小人の国のお話集』
マルヤッタ・クレンニエミ作 ユッカ・レンメッチュ絵 稲垣美晴訳
偕成社 1988年
ISBN: 4034330201
|
|
Onnelin ja Annelin talo
Marjatta Kurenniemi (作)
Maija Karma(絵)
WSOY 1966年
<1967年トペリウス賞受賞> 邦訳:
『オンネリとアンネリのおうち』
マリヤッタ・クレンニエミ作 マイヤ・カルマ絵 渡部翠 訳
大日本図書 1972年
2005年1月現在絶版だが、「復刊ドットコム」で復刊リクエスト受付中。
→ プチグラパブリッシングより復刊!2005年7月下旬発行。(2005.6.29)
|
『オンネリとアンネリのおうち』かんたんなあらすじ:
なかよしの少女たちがふたりだけですてきなおうちに暮らす。ふたりのまわりで、つぎつぎにちょっと不思議で愉快なできごとが起きる。
『オンネリとアンネリのおうち』くわしいあらすじ(結末は書いてありません):
主人公のひとり、物語の語り手でもあるアンネリちゃんには、大学の先生をしているおとうさんと、婦人会の会長をしてるおかあさんがいるが、おとうさんとおかあさんはぜんぜん別な場所に住んでいて、アンネリちゃんは両親の間を行ったりきたりしている。それぞれの家の家政婦さんたちにはきらわれているし、両親は忙しくて娘と向き合う時間はない。
もうひとりのオンネリちゃんは、9人きょうだいの真ん中。部屋がひとつしかない家の中はいつもにぎやかだが、上の4人と下の4人にはさまれたオンネリちゃんは孤独。両親はやっぱり忙しく、ゆっくり話を聞いてくれるひまはない。
そんなアンネリちゃんとオンネリちゃんは小学校の入学式の日に知り合い、親友どうしになる。
夏休みのある日、ふたりはバラ横町でぶあつい封筒を拾う。「正直なひろいぬしさんにさしあげます。」と書かれた封筒をおまわりさんに届け、見てもらうと、中から出てきたのはたいへんな額のお金だった。しかし、お金にぜんぜん興味のないふたりは、封筒をもとどおりバラ横町へ戻しに行く。このお金を持っていたことで、ふたりはバラ横町にある「売家」を、バラの木夫人と名乗るおばあさんから買うことになる。
そうして手に入れたふたりだけのおうちは、信じられないくらいすてきだった。
赤い屋根、真っ白の壁、ドアと窓は濃い緑色で、庭にはバラが咲き誇っている。中に入ると、どの部屋も夢みたいに美しく、ふたりにぴったりのかわいい洋服やすばらしいお人形の家、面白そうな本などがあり、台所にはお皿やおなべがそろい、おいしそうな食べ物もちゃんととだなや冷蔵庫に入っていた。ふたりはうっとりしながら、ふかふかのベッドで眠りにつく。
二日たったときにふたりは、家族が心配しているのではないかと気づき、いったん家に帰る。
しかし、どちらの親たちも、旅行に出かけていて留守だったり、家族の世話にてんてこ舞いだったりして、ふたりが二日間も家を空けていたことにそもそも気づいていない。
子どもだけで暮らすことをとがめる大人はだれもおらず、堂々とすてきなおうちに住めることになったふたりだが、ちょっぴりさびしくなる。
こうして、なかよしのふたり暮らしが始まる。
おとなりに住むノッポティーナさんとプクティーナさんは、ひとりは緑色の、もうひとりは空色の髪をした、不思議で楽しい人たち。植木ばちにうわったふうせんを、お近づきのしるしにと持ってきてくれる。
拾った封筒を届けに行ったおまわりさんのウルプッカさんは、絵を描くのが得意。やさしいおまわりさんはふたりのよい友だちになる。
ノッポティーナさんたちと反対側のおとなりに住むロシナおばさんは、いつもこわい顔をしていてつっけんどん。アンネリちゃんとオンネリちゃんは、このおばさんをどうしても好きになれない。
このロシナおばさんが市場で売っている悲しげな顔の子ブタの貯金箱がもとで、事件が起きる。
物語の最後で、ふたりはオンネリちゃんの誕生日を祝う大パーティーをおうちの庭で開く。
そして、小さなふたりがずっとかかえてきた「ちょっぴりさびしい気持ち」が、きちんと解消されるような結末が用意されている。 (以上『オンネリとアンネリのおうち』あらすじ終わり)
|