2002年09月の日記

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9月1日(日)晴れ

 早朝3時にFAXで眠りを妨げられたのが腹立たしい。目覚めの気分は最高とはいかなかった。トーストと炒り卵とヨーグルトとコーヒーで朝食をとると家を出る。灰色の車で近くのテニスクラブに向かった。既に大勢の人達がコートの上でゲームや練習を楽しんでいる。シューズを履くとラケットとボールを持ってコートに出て行った。練習とゲームで少し遊ぶと昼になる。近くの蕎麦屋で大もり蕎麦と日本酒を頼むと室温の温い酒が出された。蕎麦も並の出来で悪くもないが良くもない。信州の蕎麦を懐かしく思い出した。

 午後からも真夏を思わせる日差しの中でゲームを楽しむ。1試合消極的なプレイでなんとなく負けた後、3試合立て続けに競ったゲームを楽しむと、夕暮れ時に心地良い疲労感に包まれた。タオルとシャツがたっぷりと汗を吸って重たい。乾いたTシャツに着替えて、うに色のクルマを街に向かって走らせた。

 スポーツショップで昨日ストリングスが切れてしまったラケットを張替えに出す。少しテンション値を上げるように頼んだ。自宅に戻ると、熱いお湯で汗と疲れを流してから冷たい水をたっぷりと浴びて火照りを冷やす。風呂上りのビールが待ち切れない程だった。

 

9月2日(月)晴れ時々曇り

 遠く南の海上に、また台風が発生し、ゆっくりと北上を始めていた。この国の西と南の地域は、やがてこの台風の影響を受けるだろう。9月に入っても熱帯夜と真夏日が続いていた。目覚めると体が汗ばんでいるのが判る。布団から起きあがると、すぐさまシャワーの水流の下に飛び込んだ。熱いお湯と冷たい水を交互に浴びるとすっきりする。うに色のクルマに乗り込むとエアコンのスイッチを入れて、早くも肌の表面に感じ始めていた湿気を取り去った。

 ノートPCを畳んで引き出しに仕舞い、仕事場を出る。うに色のクルマの幌を降ろすと温く湿った風が流れ込んで来た。暗い空を仰いでまばらな星を見上げる。

 自宅に戻ると米を研ぎ、もやしの味噌汁を作った。残り物と納豆で簡単な晩飯にする。酒を飲まない代わりに氷を落としたグラスに水道の蛇口から水を注いだ。生温いと飲めたものではないが、冷やすと喉越しが良くなる。テニスクラブのオーナーがくれた自家製の梨を冷蔵庫から取り出し、ナイフで皮を剥いて食べた。水気がたっぷりとして甘い。ざらっとした果肉の食感も悪くなかった。シャワーを浴びて布団に寝そべると、たちまち意識が遠のく。すぐに闇が訪れた。

 

9月3日(火)晴れ時々曇り

 また寝足りない朝を迎えた。目覚ましの音で意識は戻ってくるが、あいまいでぼんやりしている。汗ばんだ体と霞のかかった頭にシャワーで活を入れた。トーストとヨーグルトと牛乳で朝食を取り、家を出る頃には眠気は飛んでいる。気温と湿度はまだ夏のままだった。夏が終わらない感覚は悪くない。微妙なアクセルワークを使い、低いギアで車速を一定に保つ練習を時折混ぜながら、うに色のクルマを走らせた。

 何度も足周りの感触を確かめるようにステアリングをそっと切っていく。左フロント周りの故障以来、うに色のクルマには右ターンの時にステアリングを徐々に切っていくとある所から急に少しだけ操舵角以上に車体がインに切れ込んでいくような感覚になる癖があった。しかし、先週の土曜日に左フロントのドライブシャフトブーツを交換してから、その癖が収まっている。何もしていない筈だが、違いは明確に判った。右コーナーでの僅かに緊張させられる危うい感覚の操縦性がなくなっている。嬉しい誤算だった。ロワーアームの脱着などで微妙にアライメントが変更されたのだろう。微妙な舵角でのコーナーリングの違和感を感じずに走るのは気分が良かった。ビールも美味い。

 

9月4日(水)曇り時々晴れ

 今夜のテニススクールに備えて、ラケットバッグにタオルと着替えのTシャツを入れた。不安定な天気になると折り畳み傘を手に告げるアナウンサーの映像を見て思わず舌打ちする。灰色の車のリアシートにラケットバッグとテニスシューズを放り込み、走り出した。

 定時に事務所を出る。外はまだ夏の蒸し暑さだった。空は雲に覆われていて既に薄暗い。灰色の車で走りだし、近くの修理工場に向かった。サーキット走行用に購入した超軽量ホイールのリムにあった歪みを修理に出す。修理屋の親父は人の良さそうな笑顔でホイールを預かった。1週間程度で直ると言う。そこを出ると車を市街に向けた。帰宅車で混み合う通りを走って行き、街中のスポーツショップでストリングスの張替えを頼んでおいたラケットを受け取る。まだスクールが始まるまでには時間があった。途中の中古屋でジャンク扱いの音楽CDを何枚か買い込む。

 スクールの開始時間になって、遠くの空に稲光が走り、雨滴がまばらに落ち始めた。中止を覚悟でレッスンを始める。ストロークラリーの最中に少し雨粒が多くなったがコートを濡らすほどではない。ボレー&ボレーが終わった頃、雷が近づき、諦めの時が来た。

 

9月5日(木)曇り時々晴れ

 天気予報通り猛暑と呼ばれた暑さはついに和らいでいた。空は雲に覆われていて季節を夏たらしめていた太陽光も遮られている。僅かに気温が下がったとはいえ、湿度は変わらずに高く蒸される感じまでは完全に消えていなかった。家を出て、地下駐車場のうに色のクルマに乗り込む。タイト過ぎず明るく居心地の良い空間にいつものように迎えられた。コンクリートの壁や天井に反響するエンジン音を聴きながら駐車場出口へと向かう。カーラジオを点けると、いつものパーソナリティーは、ひいきのサッカーチームがタイトル戦でベスト4に進んだことに気を良くしていた。

 朝、事務所に入ってから12時間以上経過している。PCを引き出しに片付けて外に出ると、夕闇が辺りを包み、夜空に星が散りばめられていた。うに色のクルマの幌を降ろして星空の下に走り出す。Tシャツでは肌寒い程の風がキャビンを通り抜けていった。

 自宅に戻り、大鍋にお湯を沸かす。ニンニクと鷹の爪を細かく刻み、フライパンで炒めて香りを出した。玉葱の薄切りと豆腐の角切りを加える。牡蠣油で味をつけた。茹で上がったパスタと絡め、白ワインを呑みながら食べる。久し振りに中華風パスタも悪くない。

 

9月6日(金)雨

 目を覚ましてアラームを止めると、布団から出て居間のTVをつけた。天気予報は雨だと言っている。窓の外を見ると確かに雨が降っていた。朝から沈鬱な気分にさせられる。午後から雨の確率が少し下がっているのに僅かな期待を抱いて、仕事用のカバンの他にラケットバッグを背負い、テニスシューズを持って家を出た。灰色の車で仕事場に向かう。

 夕刻になるまで時折事務所の重い扉を開けて外を覗いて見ると、雨は次第に小降りになっていた。テニスは無理そうだが、最早事務所に居続ける気もしない。テニスクラブの周りは雨が降っていないという可能性に一縷の望みを賭けて、PCを引き出しにしまうと、外に出た。着替えて駐車場まで歩く。傘が要らない程度の極まばらな雨だった。灰色の車に乗り込み、テニスクラブに向かう。町の方に向かっていくと逆に雨足が強くなって来た。もう諦めるしか無い。帰り道でスーパーに寄り麦焼酎と赤ワインや牛乳、ヨーグルトなどを買い込む。今年の新秋刀魚が入荷していたので晩飯のメニューは決まった。2尾だけ買って帰る。ご飯を炊き、豆腐とワカメの味噌汁を作り、秋刀魚を焼いた。焼きたてに醤油をたらして食べると実に美味い。

 

9月7日(土)曇り時々雨

 目覚ましを止めて起きてみると、家の前の道路を通過する車の音には水飛沫の音が混じっていた。念の為にカーテンを開けて外を覗いてみると、雨は止んでいる。このまま雨が上がればテニスが出来る筈だ。急いで牛乳とヨーグルトの朝食をとるとラケットバッグを持って家を出る。うに色のクルマでテニスコートのある公園に向かって走って行くと、大きな川にかけられた橋に差しかかった辺りで雨粒がフロントガラスを叩き始めた。途端に気分が暗くなる。引き返すと中古CD屋や本屋を廻っていくつかの新刊雑誌や中古CDを買い込んだ。

 午後になって雨が強くなってくる中を灰色の車で南に向かう。120km以上離れた両親の住む町で父の誕生日を祝うパーティーに出席する約束になっていた。雨は降ったり止んだりを繰り返している。パーティーの時間になると雨が上がった。会場になる家の近くのチャイニーズレストランに歩いて行った。香港の味を謳うその店の料理には多少の当り外れはあるもののメインの蒸し海老は美味い。たらふく食べた後、家に戻り、さらに飲み会は続けられた。九州土産の焼酎をオンザロックでしこたま飲んで浮かれ、最後は酔いつぶれて死んだように眠る。

 

9月8日(日)曇り時々雨

 朝目を覚ますと酷い気分だった。それほど多く呑んだつもりはなかったが、アルコールが胃に重くわだかまり、頭を締め付けるように攻撃している。ベッドから起きあがる事が出来ず、再び目を閉じた。2時間ほど眠り、また目を覚ますが状況はさほど変わっていない。仕方なく石が詰まったように重たい体と頭を抱えたまま、なんとかベッドを抜け出た。シャワーを浴びると少し気分が良くなる。牛乳やお茶で水分を補給した。

 家を出たのは午後になる。灰色の車を走らせて、あちこちで渋滞している街を抜けて行った。20km程度の道のりを1時間近くかけて走ると、やっと郊外の田園風景を見る事が出来る。車の流れもスムーズになった。日が落ちる少し前に、サーキットで働く仲間が集まるファミレスに入る。今日もイベントがあった筈だ。駐車場に灰色の車を入れると見慣れた白い車が見える。店の中に入って行くと仲間も来ていた。しばらく一緒にお茶を飲み、店を出る。そこから更に一時間ほど走り、家に戻った。

 まだ胃が荒れている。晩飯は冷麦を茹でてさっぱりと済ませた。シャワーを浴びると睡魔が襲ってくる。布団に倒れ込み、体の要求に身を任せた。すぐに闇が訪れる。

 

9月9日(月)晴れ時々曇り

 昨夜早めに布団に入った為か、珍しく寝覚めが良かった。寝る前は涼しいように思えたが、まだ湿度が高いようで、目覚めると体が汗ばんでいて鬱陶しい。布団から起きあがると、すぐに風呂場に行き、シャワーを浴びる。冷たい水で汗を流し、熱いお湯に変えて、最後にまた冷たい水で火照りを取るとすっきりした。土日の間地下駐車場に眠らせておいた、うに色のクルマを起こし、新しい週の始まりに動き出した街に出て行く。

 一日中掛かった会議がやっと終わった。ノートPCを畳んで引き出しに仕舞い、仕事場を出る。うに色のクルマの幌を降ろすと、室内に僅かに残っていた温く湿った空気が、夏の終わりの夜の風と入れ替わっていった。暗い空を見上げるとまばらに星が光っている。

 自宅に戻ると相棒がハヤシライスを作って待っていた。今夜は酒を飲まない代わりに氷を入れたグラスにお茶を注いで飲む。ほろ苦い味が胃を刺激し食欲を沸き立たせた。大皿にたっぷりと盛ったハヤシライスを一気に食べる。食後には冷蔵庫で冷やしておいた梨を食べた。たっぷりと水気を含んで気が遠くなるほど甘い。ビデオに撮っておいた全米テニスの決勝戦を見た。二人の男の精神力に唸る。

 

9月10日(火)晴れ時々曇り

 寝足りない朝を迎えた。アラーム音で眠りの底から引きずり出された意識は、まだ曖昧模糊としている。薄く汗ばんだ体と白い霞のかかった頭を、ほとばしるシャワーの水流の下に入れた。冷たい水が汗を流し、霧を払ってくれる。ヨーグルトと牛乳で朝食を取り、家を出た。もう夏は終わっていて気温と湿度は少し爽やかな秋の雰囲気を持っている。朝の光の中を、うに色のクルマで駆け抜けて行った。

 もう我慢出来ない。先週の月曜日からラケットをほとんど握っていないところに昨夜は二人の男の熱い戦い振りを見てしまった。早めに仕事を切り上げて事務所を後にする。近くのテニスクラブに行ってレッスンを受けることにした。うに色のクルマの幌を降ろして丘を駆け下りる。シューズを履いてコートに立つとナイター照明が眩しかった。久し振りのラケットの感触を楽しむようにゆっくりとボレーボレーを始める。球出しの球を打ち返すと気持ち良く弾けるような打球音が響いた。レッスンが終わった後もしばらく残ってラリーやゲームを楽しむ。シャツが絞れるほど汗が流れた。

 自宅に戻り、シャワーを浴びる。冷たいグラスにビールを注いで一気に飲み干した。たまらなく美味い。

 

9月11日(水)曇り時々晴れ

 世界の警察を標榜する大国を標的にした未曾有のテロ事件が発生してから一年経った。民間人を標的にしたテロ行為としては、過去にその大国自身が極東の島国に対して為したことも、例えようも無く酷い。どちらも正義の名の元に行われたという点で一致していた。世界をつなぐ鎮魂歌の輪の始まりは、天災に襲われた神戸からではなく、同じくテロの犠牲になった長崎か広島からスタートさせるべきかも知れない。

 いつものように、タオルと着替えのTシャツを入れたラケットバッグを持って家を出た。天気は安定している。うに色のクルマのトランクにラケットとシューズを放り込み、晩夏の空の下に走り出した。

 定時に事務所を出ると、先ずカー用品店に行き会員特別セールを利用してリモコンドアロックキットを購入する。一度自宅に戻って軽食をとってから近くのテニスクラブに向かった。準備体操を終えてコートに入るとレッスン生は3名しかいない。球出しからのボレーとストロークの基本ショットを繰り返した後、コーチも入って4名でのダブルス練習に時間を割いた。平行陣対雁行陣での展開を繰り返し行う。自宅に戻りシャワーを浴びた。心地良い疲れが体全体に漂う。

 

9月12日(木)曇り時々雨

 忌まわしい一日が盛大な慰霊のイベントで過ぎていく様子を衛星中継した画像で、この国のTVの画面も埋め尽くされていた。いつもと変わらない朝が始まろうとしている。天気予報は今日も変わりやすい秋の天気を伝えていた。秋雨前線がこの国の上に居座ることを決めたらしい。週末の天気予報が次第に雨に傾いて行くのが気掛かりになった。鞄を持って家を出る。

 灰色の車でいつもの通勤路を走っていった。何事もなく、変わらない一日の始まりになる。カーラジオからは聞き慣れたパーソナリティーの声が響いた。ビートの効いた音楽が走りのリズムにシンクロしてくる。仕事場のある小高い丘の上に上がって行き、砂利の駐車場に頭から車を突っ込んだ。

 特に変わり映えのない一日が終わろうとしている。駐車場から灰色の車を出して帰宅を急ぐ車の群れに入った。暗い田舎道を駆け降りて川沿いの道を南に走る。途中で直角に右に折れて、幅広い河に掛かる長い橋を渡った。橋を渡ると平野には田圃が広がっている。新幹線のガードをくぐると途端に灯りが増え、民家が密集して立つ市街地に入る。何も変わらない一日が終わった。早めに布団に入って眠る。

 

9月13日(金)曇り後雨

 遠くから何かが聞えて来るのを感じることで意識が戻ったのが判る。手を伸ばしてアラームを止めると、布団から出て居間のTVをつけた。天気予報は高い確率での雨を告げている。気分が盛り上がらない朝になった。微かな期待を込めて、鞄の他にラケットバッグを背負い、テニスシューズを持って家を出る。うに色のクルマに乗って仕事場に向かう。

 夕刻になるまで時折、ぱらついた雨は、気まぐれに路面を濡らしては乾かしを繰り返していた。しかし、日が傾いてきた頃、再びぱらぱらと落ち始めた雨は、期待も空しく次第に勢いを強めて行く。傘を開いて歩き出すと雨音がボツボツと鈍い音を響かせた。傘を畳んでリアトランクに放り込むと、うに色のクルマに乗り込み、走り始める。ほどなく間欠ワイパーが必要な程の雨になった。帰り道で行き付けのガソリンスタンドに寄り、明日からの旅行に備えて、タンクを一杯にしてやる。さらに酒屋に寄り、缶ビールと泡盛を仕入れた。家に帰るとご飯を炊き、豆腐とエノキの味噌汁を作り、昨夜の残りのじゃが芋のグラタンを暖め、あじの干物を焼いて晩飯にする。テニス合宿の準備を終えると早めに布団に入った。すぐに意識が遠くなる。

 

9月14日(土)曇り時々雨

 アラーム音に眠りを破られた。目覚ましを止めて起きると、クーラーボックスに缶ビールと梅酒を入れ、大量の氷と冷媒で保冷してやる。中型のクーラーボックスと着替えを入れたドラムバッグとテニスシューズとラケットバッグを入れるとうに色のクルマの小さなトランクは満杯になった。家の前のコンビニで朝食用のパンやお握りを買ってから走り始める。雨が降っているので屋根は上げていた。カーステレオからは夏らしい爽やかな曲が流れている。近くのICから有料道路に入った。アクセルを踏んで速度を上げて行く。

 日本海に面した県の山中にあるスキーで有名なリゾート地に着いたのは、走り始めて約2時間半後だった。所々で雨に降られたが、最後の峠を抜けてから雨は降り止んでいる。宿で昼食を取ってからコートに着くと、先ず、溜まった水をどける作業から始めた。6面のうち3面の水を掃くと、練習を始める。食いつきの良いコートで回転の掛かったボールが普段以上に変化することに気付いた。しばらく練習した後にゲームに入る。3試合ほどこなしたところで雨が落ちてきた。宿に戻り温泉に浸かり、想像以上の晩飯を平らげる。宴会が始まった。ビールが美味い。

 

9月15日(日)曇り

 朝目を覚ますと充分な睡眠で気分が良い。外を見ると天気は晴れ晴れといかなかった。気付くと3組敷いた布団の他の2組は誰も居ない。ドアノブを廻すとロックが外れる音がした。信じられない思いで手の中のノブを見る。相部屋の二人をロックアウトした事が判った。誰にも邪魔されない熟睡の理由も同時に悟る。二人はソファや押入れで寝ていた。罪悪感にさいなまれる。

 朝食を取るとコートに向かった。昨夜の雨で溜まったコート上の水を掃き出す作業から始める。アップを始める頃、今日からの参加者も到着した。急にコート上に人の姿が目立つようになる。サービスとリターンの練習でアップを終え、24名を12名づつ2チームに分けて行う対抗戦の試合が始まった。午前中1試合、午後1試合で対抗戦の出番を終える。どちらもペアに恵まれて勝利した。チームも勝つ。その後は適当に空いている人と空いているコートで交流試合を行った。プレイしていると半袖で充分だが、待っている時は上着が必要になる。少し肌寒い高原の秋だった。7試合ほど楽しんだ頃には日も暮れて夕方になる。競った試合も多かったが、何より負けた試合がタイブレーク1試合という成績に満足出来た。

 宿に戻り、温めの温泉に浸かると疲れが溶け出して行く。手足のストレッチを怠らなかった。これで疲れは残らない。食堂に入って行くと夕餉の匂いに空腹を強く感じた。夕食に入る宿泊組に別れを告げると、うに色のクルマに荷物を積み込み、幌を降ろして走り始める。走りながら菓子パンを齧って腹を落ち着かせた。信号が少ない暗い田舎道を走って行く。見上げても星は見えなかった。

 少し大きな街に入る。進路を変えて北東に車首を向けた。町外れのドライブインで地元名産の蒟蒻を使ったお土産を買う。さらに峠に向かって走って行くと、雨が降り始めた。粒が細かく、たいした雨ではない。田舎道には信号がほとんど無く止まることは無かった。まだ幌を上げる必要もない。ワイパーでフロントガラスの雨を拭いながら走った。前には赤いクルマがいる。

 前走車がいなくなり赤いクルマの速度が上がった。良いペースで雨のヒルクライムを楽しむ。途中で赤いクルマが後ろに下がった。少しのアップとその後に続く長いダウンヒルを気持ち良い音と共に楽しむ。地下駐車場にクルマを停めた。自宅に戻るとシャワーで疲れと排気ガスを洗い流す。冷たいビールが良い旅のピリオドになった。

 

9月16日(月)曇り後雨

 朝目覚めて慌しく朝食を終えた頃に、防音工事の業者が来た。内部の音を漏らさない為ではなく、自衛隊機の騒音を遮る為の防音になる。既にサッシが防音仕様のものに交換されていた。エアコンや換気扇の取りつけが始まる。

 地下駐車場に工具箱を持って降りた。うに色のクルマにリモートドアロックの受信機を取り付ける。配線図を見ながら必要な線を接続した。終わってから外しておいたバッテリーを接続し、リモコンスイッチを押すとあっけなく集中ドアロックが作動し、同時にハザードが点滅する。満足して部屋に戻ると散らかった室内の片付けを始めた。

 夕方工事が終了すると、相棒と共に行列が出来る人気のラーメン屋に向かう。小雨が降る中、店の外まで並んでいた。45分程並んで、やっとラーメンと対面する。スープは透明な鳥ガラ醤油、麺は細い縮れ麺、具はメンマとねぎと海苔と厚さ1cm以上はある焼豚が浮かぶ。スープはくせが無く自然に喉を滑り落ち、麺は歯ごたえが良く、あっさりしたスープを良くからめた。焼豚はパリッと焼き目が香ばしい。餃子は皮はもっちり、底はカリっと焼かれ、具は汁気たっぷりでキャベツのサクリとした食感が残った。これは美味い。

 

9月17日(火)曇り時々雨

 細かい雨が落ちていた。水溜りがあちこちに出来ている。淀んだ水面に小さな波紋が生まれては消えていた。湿った空気は半袖では肌寒い。久し振りにジーンズを履き、麻のパーカーを羽織った。水溜りを踏んで門から出て行く。駐車場で濡れそぼっている灰色の車に乗り込み、走り出した。三連休明けの街は、まだどこか半分眠っているようにのっそりとした空気が漂っている。アクセルを踏んで灰色の車を幹線道路の流れに乗せた。仕事場の駐車場に滑り込ませ、エンジンを切る。同時にカーラジオから流れていたパーソナリティーのお喋りも止まった。助手席のショルダーバッグを掴むと早足でロッカールームに向かう。雨は止んでいた。

 暗い田舎道を灰色の車の頼りないヘッドライトで照らしながら家路を辿る。駐車場に車を停めて外に出て、見上げると7階建てのマンションの最上階にある自宅の窓に明かりが点っていた。部屋に上がると、ご飯と、玉葱とワカメの味噌汁と、牛肉とピーマンと玉葱の炒めものなどが食卓に並んでいる。冷たいビールが合いそうだが、働き続けの肝臓に休みを与えることにした。デザートには良く冷えた大ぶりの梨が出される。甘く瑞々しく実に美味い。

 

9月18日(水)晴れ

 関東では6日ぶりに晴れになった。TVの画面から天気予報の女性アナウンサーがにこやかに語る。カーテンを空けると北関東は白い霧のスープに満たされていた。数十メートル先は白い闇に飲み込まれて何も見えない。濃密な重さすら感じさせるが、すぐに消えてしまう儚いものであることも判っていた。いつものように、ラケットバッグを持って家を出る。うに色のクルマのトランクにラケットとシューズを放り込み、白い光に包まれて走り出した。

 定時に事務所を出る。うに色のクルマの幌を降ろして、近くの壁打ちコートに向かった。既に日が傾き始めている。スマッシュとバックハンドとサーブを重点的に練習した。45分ほど打ち続けてもやっと汗ばむほど涼しい。途中のコンビニでサプリメント食品を買って腹に入れた。アミノ酸系清涼飲料水も買っておく。準備が出来るとテニスクラブに向かった。コートに入るとレッスン生は4名しかいない。ボレー対ボレー、サービス、スマッシュ、サーブからのポイントマッチ、ボレー対ストローク、アプローチからのポイントマッチと練習を進めた。自宅に戻り、相棒が作ったカレーを食べ、冷たいビールを飲む。悪くない一日になった。

 

9月19日(木)晴れ

 気持ち良い秋晴れが続いた。空気は乾燥し爽やかに感じる。最低気温は20℃そこそこまで下がっていた。最早半袖のTシャツと短パンでは肌寒いぐらいだが、構うことはない。ショルダーバッグを肩に地下駐車場に降りていった。うに色のクルマに近づいて行く。手に持ったリモコンのボタンを押すとうに色のクルマのハザードが2回点滅して解錠を知らせた。鍵穴にキーを差しこむ作業から解放されただけなのに妙に気分が良い。助手席にショルダーバッグを放り込むと運転席に滑り込んだ。透き通るように高い秋の空の下を走り出す。

 仕事を適当に切り上げると外に出た。見上げると街灯の明かりに邪魔されながらも満月に近い月といくつかの星が見える。うに色のクルマの幌を降ろして走り出した。室温計が20℃前後を指している。半袖、短パンでは肌寒かった。ヒーターのスイッチを入れると温風で快適な温度になる。南方リゾート系の女性ヴォーカルがBOSEのスピーカーから流れてきた。上を見ると星と月が暗い空を埋め尽くす。思わず頬が緩んだ。自宅に戻り、さらに味が馴れて美味くなったカレーをご飯にかけて食べる。冷たいビールと良く合って、たまらなく美味かった。

 

9月20日(金)晴れ

 窓を開けると澄み切った青空が窓一面に広がっていた。左手の建屋の影から赤みがかった朝日が昇って来て眼前の景色を少しだけ赤色にシフトさせている。一日の始めには悪くない眺めだった。冷たい牛乳とヨーグルトの朝食をとるとラケットバッグとテニスシューズも持って家を出る。うに色のクルマのトランクにラケットバッグを入れ、走り出した。朝日を浴びてフロントフェンダーの峰がきらりと光る。信号待ちで助手席に置いたケースからブラウンの偏光レンズを備えたサングラスを取り出した。

 夜になるのを待切れず、暗くなる少し前に仕事場を出る。秋の太陽は素っ気無く沈みかけていた。昼と夜の変わり際の微妙に曖昧なバランスを楽しむ。うに色のクルマの幌を降ろして夕日に向かって走りはじめた。放電式のヘッドライトをつける。テニスクラブに着く頃には夕闇があたりを支配していた。今日は高校生が6名と社会人が5名と人数が多い。涼しくて楽な上に待ち時間も長いので、物足りない程だ。ボレー&ボレー、球出しのボレーとストロークで体をほぐすと、ダブルス形式の練習になる。ボレーの切れが悪く高校生達の思い切りの良いショットを押さえきれなかった。

 

9月21日(土)晴れ

 目覚ましのアラーム音はなかなか頭の芯までは届いてこなかった。脳の表層部だけが微かに目覚めて腕を動かし、アラームを停め、5分後に再び鳴り出すまで眠りに落ちるのを繰り返す。3回目でやっと深層部まで音が響いてきた。ようやく布団を抜け出して顔を洗い、朝食をとる。ラケットバッグとシューズを持つと家を出た。うに色のクルマの幌を降ろして透き通るように青く高い空の下に走り出す。

 サークルの練習のために公園のコートに乗り付けた。少し遅れて到着したのに、まだ一人しか来ていない。結局他の人は来なかった。二人だけで2時間半程練習をする。サーブ&リターンを一人30分程度たっぷりと出来た。2面で二人とは贅沢だが、全く意味がない。家に戻る途中で修理に出しておいた超軽量ホイールを受け取り、不在のため郵便局に戻っていた郵便物を受け取った。

 昼食をとり、一休みすると近くのテニスクラブに向かう。勿論うに色のクルマの幌は降ろしっ放しだった。2時間程の間に2セットゲームを楽しみ、40分程乱打をする。どちらもトップスピナーでラリーが長く続いた。左右に走りたっぷりと汗を絞る。シャワーを浴びた後の冷たいビールの味が格段に違った。

 

9月22日(日)曇り後雨

 昨日まで数日間続いた晴天が嘘のようにどんよりと暗い雲が空を覆っていた。天気予報は夕方から雨が降ると告げている。朝食を取ると午前中からテニスクラブに行くことにした。灰色の車にラケットバッグなどを積み込んで走り出す。

 テニスクラブには15分程度で到着した。昼過ぎまでの2時間半でアップとダブルスのゲーム3試合を楽しむ。陽射しは無く気温は低いが、湿度が高い為良く汗が出た。昼食を食べに出ようとすると雨が降り始める。ハードコートは直に使えなくなった。すぐに降り止むことを期待しつつ、近くのサラダバーが売りのレストランに向かう。店は混んでいたが、10分程度待つと席が用意された。店の中央にあるサラダバーからボウル状の皿にたっぷりと野菜を3杯お代わりする。メインは茄子とトマトのパスタにした。最後にライチやメロンやパイナップル等のフルーツをたっぷりと楽しむ。満腹になるが腹に溜まらないので胸焼けや胃もたれの心配はなかった。

 テニスを諦め自宅に戻る。工具を持って地下駐車場に降りた。うに色のクルマに長野の友人から贈られたマフラーを取り付ける。車の下での作業に汗を流した。シャワーを浴びた後のビールが美味い。

 

9月23日(月)曇り

 祝日の朝、早朝にアラーム音で目覚めた。冷たい牛乳と、葡萄ジャムを一匙落としたヨーグルトの朝食をとり、顔を洗って家を出る。地下駐車場に降りて、うに色のクルマに乗り込んだ。スターターを廻すと今までとは明らかに違う腹の底に響くような重低音が昨日交換したマフラーから叩き出される。センターコンソールが細かく振動するほどだ。アイドリングのままゆっくりと走り、門の外に出る。15000rpm、3000rpm前後に共振点があり、こもり音が大きくなった。祝日で車の数も少ない幹線道路を回転を変えながら走る。共振ポイントを避ければそれほど五月蝿くない事が判った。

 デスクトップPCとノートPCの電源を相次いで落とすと、ノートPCを机の引き出しに放り込み、事務所を出る。うに色のクルマの幌を降ろして、エンジンをかけた。獣の唸り声のような低音が辺りの空気を震わせる。低回転では微振動を含んで濁りのある排気音に終始するが、回転を上げていき、4000rpmを越すと音が澄んできて抜けるような快音に変わった。低回転での反応が鈍くなった分高回転のピックアップが良くなったような錯覚に陥る。しばらく付き合ってみる事に決めた。

 

9月24日(火)晴れ後曇り

 居間のカーテンを開けると、青空が目に飛び込んできた。高く透き通る薄いブルーを背景にして、所々に綿菓子のように軽そうな白い雲が浮かんでいる。牛乳とヨーグルトだけの簡単な朝食をとると、麻のパーカーを羽織って家を出た。地下駐車場のうに色のクルマに近付き、リモコンのボタンを押すとハザードが2回瞬きしてアンロックを知らせる。エンジンをかけると、どすの効いた低音が響いた。回転を上げないようにゆっくりとアイドリングでクラッチを繋げるとするすると走り出す。門を出ると軽くアクセルを踏み込んだ。負荷が掛かると吸気音とあいまって吠え立てるような音になる。パーシャルにすると唸り声は収まった。

 仕事を打ち切ってノートPCを引き出しに突っ込む。外に出ると暗い通路に街灯の光がぽつんと弱い光を投げていた。ロッカールームに歩いて行く途中で雨滴が落ちてくるのを感じる。まだ傘が必要な程ではなかった。駐車場まで傘を差さずに歩く。リモコンでドアロックを解除して乗り込むと幌を降ろさずにそのまま走り出した。丘を駆け降りて川沿いの道に出ると、その途端に雨は止み、路面には雨の痕跡すらない。狐につままれたような気分になった。

 

9月25日(水)晴れ

 寝床から起き上がって南西に向いた居間のカーテンを開くと爽快な青空が視界一杯に広がった。ところどころに綿ぼこりのように軽そうな白い雲が浮かんでいる。牛乳とジャム入りヨーグルトの朝食をとり、ラケットバッグを持って外に出た。うに色のクルマのトランクに荷物を放り込み、秋空の下に走り出す。

 定時に机を片付けて事務所を出た。うに色のクルマの幌を降ろして、近くの壁打ちコートに向かう。既に太陽が山の向こうに沈みかけていた。壁を相手にスマッシュとバックハンドとサーブをメインに練習する。50分ほど打ち続けても、さほど汗が出なかった。オープンにしたままのうに色のクルマに乗ってテニスクラブに向かう。コートに入るとレッスン生は4名だった。ボレー対ボレー、球出しのスマッシュ、サービスと進んだところで、遅れて来た一人が加わり、5名となる。さらにボレー対ストローク、サーブからのポイントマッチ、アプローチからのポイントマッチと練習を進めた。汗だくで鬱陶しくなることもなく、気分は良い。

 自宅に戻り、冷たいビールで喉を湿らし、相棒が作った鮭のホイル焼きを食べ、赤ワインを飲んだ。タカノのケーキでささやかにこの日を祝う。

 

9月26日(木)晴れ後曇り

 目覚めた時は気持ち良い秋晴れの空が広がっている。最低気温は20℃を割っていた。ジーンズを履き、麻のパーカーを羽織って家を出る。うに色のクルマの助手席に持っていたショルダーバッグを放り込み、運転席に体を滑り込ませた。右手でステアリングコラムにメインキーを差し、左足でクラッチペダルを床まで踏み込む。右手を少しひねると一発でエンジンが目覚め、野太いアイドリング音をコンクリートに囲まれた駐車場に響かせた。クラッチを踏んだまま軽いシフトノブを掴んでギアを1速に放り込む。ゆっくりとクラッチを戻すと、うに色のクルマは少しだけ排気音を変えながらするすると走り始めた。

 ノートPCを片付けると外に出た。夜に雨が降る可能性が高いと、天気予報は告げていたが、見上げると雲間に星の明かりが所々見えている。うに色のクルマの幌を降ろして走り出した。室温計は20℃前後を指している。ちょうど気持ちの良い気候だ。BOSEのスピーカーから艶やかな女性ヴォーカルが流れてくる。風の音と排気音に負けないようにヴォリュームを上げた。自宅近くの本屋に寄って新刊の車雑誌を軽く眺める。買いたくなるような雑誌は見つからなかった。

 

9月27日(金)曇り

 何度目かのアラーム音でやっと目覚める。布団から出て立ちあがると居間まで歩いて行き、テーブルの上のリモコンを掴み、TVの電源を入れた。画面に現れたアナウンサーは夕方から天気が崩れると告げる。週末の天気も芳しくなかった。土日は傘のマークがつき、意気が上がらない天気予報が続く。牛乳とヨーグルトの朝食を取り、家を出た。ナイタースクールも休みなのでラケットバッグとシューズは持っていない。うに色のクルマに乗って仕事場に向かった。

 定時になっても雨は降っていない。天気予報よりも雨の降り出しが遅れていた。うに色のクルマの幌を降ろして乗り込み、曇り空の下を走り始める。帰り道で行き付けのスーパーに寄り、牛乳やパンなどの買い物を済ませる。家に帰ると大鍋にお湯を沸かし、油を敷いたフライパンでニンニクと豆板醤とテンメンジャンを炒めて香りを出した。大鍋に150gほどのパスタを放り込むと、フライパンで豆腐、エノキ、ピーマンなどを炒めて中華風の具を作る。茹で上がったパスタをフライパンに入れてさっと具をからめると中華風スパゲティが出来上がった。冷たいビールや焼酎のロックを飲みながら平らげる。意外な組み合わせだが美味だ。

 

9月28日(土)雨後曇り

 休日モードにセットしたアラーム音に眠りの淵から引き摺り出された。しばらく布団から出られずにいたが、意を決して起き上がる。居間のカーテンを開けて外を見ると街並みは水の底に沈んだように一面濡れそぼっていた。顔を洗うと外に出る。地下駐車場に収まるうに色のクルマを雨の中に連れ出した。仕事場で紹介されたレーシングショップの場所を確かめに行ってみる。30分程のドライブでショップの前に着いたが、まだ開いていなかった。再び雨の中をドライブして自宅に戻る。

 今日は色々溜まった用事を片付けて過すことにした。午後から雨が小止みになり、降ったり止んだりを繰り返しているが、完全に上がってはくれない。今日のテニスは諦めざるを得なかった。灰色の車に拾って来たLEDのハイマウントストップランプを取り付ける。それほど高い位置には取り付けられなかった。それでも、ブレーキランプの視認性はかなり上がる。夕方になり、やっと用事が片付いた。灰色の車に乗って近くのスーパー銭湯に行く。サウナに入って汗を搾り出した。買い物をして家に戻る。今夜は鱈と白菜の鍋にした。最後はご飯やうどんの代わりに餅を入れて出汁を吸わせる。実に愉快だ。

 

9月29日(日)曇り

 どんよりと暗い雲が空を覆っていた。明け方に雨が降っていたようで、路面は濡れている。天気予報では夕方から雨が降ると予測していた。朝食を取ると午前中からテニスクラブに行くことにする。うに色のクルマにラケットバッグと飲み物などを積み込んで家を出た。

 テニスクラブには15分程度で到着する。昼過ぎまでの2時間半でダブルスのゲーム3試合を楽しんだ。2勝1敗だが、1敗はタイブレークで惜しい試合になる。予想に反して時折陽射しが覗く程の天気になった。気温が上がって蒸し暑い。久し振りにたっぷり汗が絞れた。近くのスーパーで手巻き寿司の弁当を買ってきて昼食を食べる。午後からは男ダブの試合を3試合こなした。タイブレの試合を含めて3勝と気分良く終わる。夕方になって自宅に戻った。シャワーを浴びると心地良い疲れで爽快な気分になる。

 着替えると近くの駅から電車で街に出た。古くからの繁華街の方に歩いて行く。テニスクラブの有志の飲み会だ。小じゃれた店の2階に上がる。ビールとワインが振舞われた。中国に駐在が決まった仲間を乾杯で送り出す。二次会ではカクテルの店に流れた。終電の時間に間に合うように中座する。愉快な一日だった。

 

9月30日(月)曇り時々雨

 気が付くと夏の間ほど寝覚めが良くなくなっている。暑い盛りの頃は不愉快な汗が布団から起き上がる後押しをしていたこともあるが、涼しくなった今は布団の吸引力が強くなってきた。眠りの深さが一段増した感覚がある。意識が現実の水面に浮かびあがるのに時間が掛かった。アラーム音が遠くから響いてくる。やっと起き出すと居間のTVを点けた。暗い画面からアナウンサーがフェイドインして来て雨の予報を告げる。カーテンを捲ってみると暗い灰色の空に青空は見えなかった。

 灰色の車に乗って駐車場を出る。そぼ降る雨が少しづつ少しづつ辺りを濡らしていた。間欠ワイパーがフロントグラスに染みつく雨水を物憂げに拭う先に見える景色は、退屈な灰色一色に沈んでいる。無彩色の街をカーラジオから流れる耳慣れた声を聞きながら走った。砂利を敷いた駐車場に乗り入れると、リアシートから傘を出し、開きながら車から降りる。布を叩く雨音がまばらに弾けた。

 外に出るとまだ雨粒が落ちて来ている。傘が要らない程度の降りだった。差していた傘を畳んでリアシートに放り込み、灰色の車に乗り込む。自宅に戻ると、ぶり大根を作って食べた。麦飯と合って、しみじみと美味い。

 


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