2003年03月の日記

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3月1日(土)曇り後雨

 今日も熱っぽく体調が思わしくない。こんなに風邪が長引くのは初めてだった。一日中寝て過す。寝ている分には体温は平熱に戻るようだ。

 

3月2日(日)晴れ後曇り

 朝起きて30分程のドライブの末、灰色の車をテニスコートの脇に停めた。まだ体調は思わしくない。黄色い膿の様な鼻水が後から後から限りなく出てきた。強風が吹きすさぶ中に立っていると、のどの痛みも増す。堪らず昼前にコートを離れる。

 自宅に戻ると体温は38℃台に上がっていた。薬を飲んで布団にもぐり込む。大量のアミノ酸系飲料を飲みながら、ひたすら眠り続けた。解熱剤を飲むと関節の痛みも去って行く。朝まで断続的に眠った。

 

3月3日(月)曇り後雨

 朝起きて、自宅の前にある病院に行く。診療開始時間に待合室に入ったが、すでに多くの先客がいた。1時間近く待たされた後に、やっと名前を呼ばれる。診療室に入るといつもの医師がこっちを見た。症状を告げるとレントゲンを撮られる。幸い肺炎には至っていないとの見立てに胸をなでおろした。薬をいくつかもらい、自宅に戻ると再び布団にもぐり込む。この一周間は呆れるほど布団と友達状態だった。夜中になると、不快感で目が覚める。また熱が出始めていた。水分をたっぷりと補給して解熱剤を飲むと再び眠りが訪れた。

 

3月4日(火)晴れ

 突然の発熱から1週間が過ぎた。体温が正常に戻っている。身支度を整えて家を出た。溜まっている仕事を片付けていると定時を少し過ぎた辺りで、既にお馴染みになった発熱の兆候を感じる。仕事場を後にした。

 自宅に戻って体温を測ると37℃台後半程度が表示される。だるいのも無理は無かった。小鍋に鶏がらスープを温めて残りご飯を投じる。塩を少々とごま油を少したらし、刻んだワカメを入れた。出来あがった熱々のおじやに中国の肉デンブをたっぷりと乗せて食べる。汗をかくほど体が温まった。薬を飲んで布団に入る。何時になったら完治するのか、治療が的を得ていないのではないかという不安を無理矢理意志の力で打ち消して眠った。

 

3月5日(水)晴れ

 朝の気分は良い。朝から水分をたっぷりと補充した。仕事場の中にある診療所の医師にこれまでの症状を告げると、投薬が間違っていない事が判る。もうしばらく様子を見るしかなかった。不安が取り除かれたせいか気が楽になると共に体の症状も緩和されたような気がする。黄色い膿のような鼻水の量と咳の頻度が減った。

 定時で仕事場を後にする。帰る道すがらテニスクラブに寄って、体調不調の為、休むことを告げた。買い物をして自宅に戻る。今夜の晩飯も残りご飯のおじやに決めた。温泉宿を紹介するTVを眺めながら小松菜とワカメ入りのおじやを作る。たっぷりの豚肉デンブを乗せて食べた。肉デンブの塩気とほのかな甘味が淡白なおじやに旨味を付け加えてくれる。

 食後に焼酎のお湯割りを飲みながら、ビデオに取っておいたテニスのアニメと碁のアニメを続けて見た。前後やCMを飛ばしながら見るので一時間もかからない。テニスの方は徐々に本編に戻りつつあった。碁の方は主人公の活性化と共に新しい動きが起きはじめて、一つのムーブメント(波)に発展する気配が出ている。しばらくは目が放せそうになかった。

 

3月6日(木)曇り後雨

 朝目覚めて体調が明らかに回復方向にあるのが判った。目覚めの気分が良い。アミノ酸系の清涼飲料水とミルクティーで水分を充分に補給した。夕方から雨が降る予報なので灰色の車で仕事場に向かう。

 鼻水と咳から完全に開放されたわけではないが、大分楽になった。嬉しいことに嗅覚が戻ってくる。食べ物の味が判る様になった。仕事場を後にすると街に向かい、久しぶりに餃子専門店のドアを開ける。鼻をかみながら、熱いスープ餃子を食べると嗅覚と味覚が回復した喜びが湧いて来た。自宅に戻ってからストーブの前に座り、冷蔵庫から出した冷たいビールをグラスに注いで飲む。新鮮なビールの香りが喉から鼻に抜けた。これは美味い。

 

3月7日(金)雨

 朝から雨が降っていた。冷たい雨の中、傘を差して駐車場まで歩く。灰色の車に乗って走り出した。フロントスクリーンに広がるモノトーンの景色を眺める。時の流れが遅くなったように感じた。カーラジオから流れるアナウンサーの声が意味を持たないノイズに聞える。全てがぼんやりと雨に滲んでいた。

 夕方仕事場を出て家に向かう時にも雨はまだ飽かずに降り続いている。自宅に戻る前に先ず靴屋に寄った。ドライビングシューズに兼用出来そうな、細めのウォーキングシューズを選ぶ。ソールが斜めに回り込んで踵をカバーしているのがポイントだった。踵を床に付けた状態でペダルを操作しやすい。次にかかりつけの病院で薬をもらった。夜7時まで営業しているのは有り難い。さらにスーパーを回って、歯磨き粉や野菜など必要なものを買い揃えて自宅に戻った。

 土鍋に水を張り豆腐や野菜を並べてキムチで味をつける。大量のにんにくと鷹の爪を刻んでぶち込むのも忘れなかった。沸騰するまで煮込むと体の芯から温まるキムチ鍋が出来あがる。冷たいビールや焼酎のお湯割を飲みながら土鍋一杯の野菜と豚肉を相棒と二人で食べ尽くす。最後は雑炊でシメにした。良く眠れそうだ。

 

3月8日(土)晴れ

 早朝、目覚ましに叩き起こされる。急いで熱い紅茶を入れ、トーストを齧った。もう気分は元通りだが、咳と鼻水が治りきらない。周到にウエアを着込んで寒さに備えた。昨夜の内にスポーツ走行用のタイヤに組替えてあった、うに色のクルマに乗ってサーキットを目指す。途中でガソリンを満タンにして、お握りやパンを買い込んだ。時間通りにサーキットの入口に着く。

 耐久レースとスプリントレースに参加する車が集まり始めた。準備や受付を手伝う。スタッフの数が多いので進行が早かった。耐久のプラクティスが始まる。後輪駆動車に乗るのは久し振りだった。レカロのセミバケットシートに座り、4点式シートベルトを締めると体が固定されて運転し易い。タイヤのグリップが良く、10分程度の走行では最後まで使い切れないほどだった。

 130分のレースを走り終える。アンカーでチェッカーを受けた。ミスを犯し、借りた車をスピンさせた後悔の念が重く圧し掛かる。タイムも良くなかった。反省点は多い。自分の技量以上の走りは出来ないことを改めて思い知らされた。走行後はスタッフ業に専念する。病み上がりには厳しい一日だった。帰宅して晩飯の後、即座に眠りに落ちる。

 

3月9日(日)晴れ後曇り

 朝起きて1時間程のドライブの末、うに色のクルマをテニスコートの脇に停めた。すでに練習は始まっている。軽く準備体操をしてから練習に加わった。まだ咳と鼻水は続いているが、体調は悪くない。一週間以上体を動かさず寝てばかりいたので、体が重く感じられた。先週ほどではないが風が強い。風下に立つと相手の球が伸びて来て、判っていても食い込まれた。ボレーストロークの練習の後、ゲームに入る。2試合やって1−6、4−6と両方とも負けた。一週間休んだだけなのに、またサービスの感覚が失われてダブルフォルトが多い。良い時と悪い時の差が激しすぎた。もう少し安定すればサービスゲームが計算出来るようになる。まだ勝利への道は遠かった。

 帰り道の蕎麦屋で蕎麦付きの定食を食べる。鼻がまだイマイチだが蕎麦の食感は楽しめた。街まで戻ってきたところで、少し寄り道をしてカー用品店に入る。BPの10W−50というやや固めの部分合成油を選び、カウンターに運んだ。エンジンオイル交換と、ブレーキフルード交換を依頼する。店内をぶらぶらしながら待っている間に昨日酷使された油脂類が交換された。夜は餃子を食べ、やっと青色申告の計算に着手する。

 

3月10日(月)晴れ

 適当に仕事を切り上げると重い鉄の扉を開けて外に出た。途端に冷たい風に包まれ、体温を奪われていく。暑いほどに暖められて外の音も良く聞えない事務所を出るまで、今日が寒く風の強い日だということに気付かないでいた。急いで歩いて、ロッカールームに入ると再び暖かく少し淀んだ空気に包まれて、体が楽になる。軽い防寒着の上下に着替え、ウールのキャップを被り、防風加工されたウールの手袋を付けて外に出ると、冷たい風に対抗出来た。襟元までジッパーを引いて首からの寒気の侵入も防ぐ。

 昨日少し固めのオイルに交換したうに色のクルマのエンジンは、気持ち重たい感じで回った。しばらく走っているとがさつな音が減り、機械音がやや滑らかに感じるようになる。高回転を多用する用途には、固めのオイルが良かった。フリクションで食われるパワーは諦めるしかない。

 自宅に戻ると大鍋にお湯を沸かし、スパゲッティを茹ではじめた。小鍋に作り置きのミートソースを取り、温める。僅かに芯が残る絶妙の茹で具合のパスタにミートソースをたっぷりとかけて食べた。皿も温めておいたので熱々が長続きする。確定申告用紙に昨夜計算した数値を清書すると眠りについた。

 

3月11日(火)晴れ

 定時を少し過ぎた辺りで仕事を切り上げる。作業着を着替えてロッカールームから出た途端、足が止まり、目をみはった。日が沈んでから夜に切り替わる直前の濃い蒼色の空が、息を飲むほどの美しさで眼前に広がっている。山の端のベージュに近い、ほんの僅かに赤みを残した色から、天頂付近の紺色までの間を微妙な色調の蒼色のグラデーションが埋め尽くしていた。どこまでも透き通った空の彼方から届く光のスペクトルから、しばらく目が離せない。立ち尽くしていると目から蒼い光りが体の中に入って来て、体が段々透き通っていくような幻想的な錯覚すら覚えた。ふと我に帰り、歩き始める。不思議な光りはしばらく辺りに濃密に漂って、唐突に消えた。スイッチが切り変わったように夜の帳が降りる。うに色のクルマのヘッドライトを点けて走り始めた。

 久し振りにナイターレッスンを受ける。体の重さは感じないが、動きは鈍く、思った様なプレーは出来なかった。長い時間をかけてボレーの練習をするが、ショットの質は向上しない。手首を捏ねる悪い癖を指摘された。ラケット面も安定しない。サービスも狂ったままだった。不完全燃焼のまま自宅に戻り、良く冷えたビールを呷る。

 

3月12日(水)晴れ

 定時で仕事場を後にして、まだ薄明るい壁打ちコートに立つ。久し振りの壁打ちだった。スライス面の確認と、スマッシュの打点の確認をメインテーマにする。最後にストロークとサービスを軽く練習して50分ほどの壁打ちを終えた。コンビニでクエン酸を配合した清涼飲料水と栄養補助食品のブロックを買って空腹を鎮める。

 気温は低いが、ナイターレッスンはコーチを入れて4名だったから休む間もなくあまり寒さを感じないで済んだ。スライスのアプローチショットのスイングと打点を重点的に修正する。ボレーストロークでは手首を捏ねず、踏み込み足でなく軸足を曲げて上体を垂直に保つように注意した。今一つ身につかないのがもどかしい。レッスンが終るとすぐに着替えてクラブを出た。

 街に向かい、焼き肉屋に入る。同期の同僚が退職していくのを送る宴が行われていた。生ビールを飲み、キムチチゲを突ついて取り敢えず腹を落ち着かせる。カルビやホルモンを生ビールと共に胃に収めながら、辞めていく同僚とじっくりと話を交わした。結局人間関係が全ての原因であり、理由となることを知る。店を出ると、相棒の車で自宅に戻った。風呂に浸かってからすぐさま寝床に入る。

 

3月13日(木)晴れ

 うに色の小舟に乗り込んで腰を落ち着けた。ステアリングの奥にタコメータをセンターに据えた3眼式のメータパネルが見える。右手でキーを差し込んで電源をオンにした。メーターパネル内の右側の小円にまとめられた警告灯が一斉に灯り、チェックが終ると消えて行く。キーオンと同時にセンターコンソールに埋め込まれたデジタル時計の液晶画面のバックライトが点いて時間が浮かびあがっていた。親指と人差し指でつまんだままのキーをさらにひねるとスタータが勢い良く回り、一瞬の後、轟然とエンジンが始動する。コンクリート打ちっぱなしの静かな地下駐車場にエンジン音と排気音が反響した。すぐにギアを入れ、クラッチを放して発進する。ゆっくりとスロープを上がっていくと朝の光りがフロントグラスを通して差し込んできた。

 録画して置いたTV番組を再生して観る。テニスのアニメはまだ次の闘いに向けた休息が続いていた。碁のアニメの方はまた一つの山場を迎えようとしている。宿命のライバルに運命付けられた二人の対局がいよいよ始まった。次週は目を放せない展開になることは間違いない。録画し忘れない様にすぐにテープを巻き戻してタイマー録画待機状態にした。

 

3月14日(金)晴れ

 暗い田舎道を走りながら、想いは今夜のテニスに飛んでいた。幹線道路の立体交差をくぐった先の交差点を起点とする渋滞を乗り越え、信号を右折すると県の総合公園の横を走る狭い道に入る。ここまで来るともうテニスクラブは近かった。広い敷地の総合公園の隣には競馬場が有り、厩舎の匂いがあたりに漂っている。ローカル線の小さな踏み切りを渡った。すぐに目印の大谷石で出来た蔵が見える。手前の車一台が通るのがやっとの細い道を入って行くと、ナイター照明のまぶしい光が正面に見えた。駐車場にうに色のクルマを突っ込む。

 シューズを履き換えてコートに出るとスクール生が数名しか居なかった。コーチと一対一でプライベートレッスンになる。ボレーのスイングと姿勢を集中的に修正してもらうことにした。今まで上下に振り過ぎていて薄い当たりになっている事を指摘される。むしろオープンな面で水平にスイングする意識でボレーすると厚い当たりで切れの有るボールが打てる事が体感出来た。しかし癖はなかなか修正出来ない。一カゴのボールを球出しで打って、少しづつ感触が掴めてきた。遅れて来た人が加わり、さらに練習は充実する。風呂上がりのビールが実に美味い。

 

3月15日(土)晴れ

 目覚ましで目を覚ますと、珍しく相棒も起きて来た。金谷ホテルベーカリーのシナモンロールとコーヒーとヨーグルトで朝食にする。テニスウエアに着替えて家を出た。灰色の車で北に向かう。道路はいつもよりも混んでいるように感じられた。ゴトウ日と言う言葉の信憑性を肯定せざるを得ない。予定より少し遅れて北の町のコートに着いた。早速練習の輪に加わる。昼過ぎまで練習と試合をこなし、帰り道にある蕎麦屋にサークル仲間と入った。定食に蕎麦かうどんが付いて価格がリーズナブルで非常にヴォリュームが有る上に味も良い。田舎の地味な造りの蕎麦屋だが思わぬ拾い物をしたような気分になった。

 すっかり満腹になり、買い物なども済ませて自宅に戻ると眠気が襲って来る。しばらく昼寝を楽しんだ。夕方になると再びテニスウエアに着替えてテニスクラブに向かう。今夜は4名のスクール生が集まった。球出しからボレーの練習を主に繰り返す。昨夜練習した横スイングのボレーの感覚は既に薄れてしまっていた。何とか取り戻そうとするが不思議なほど上手くいかない。練習の後、夫婦経営の小さなラーメン屋に行き、焼き餃子と水餃子を食べた。肉と野菜の旨味が実に喜ばしい。

 

3月16日(日)晴れ後曇り後雨

 朝起きてTVを点けると冷蔵庫まで歩いて行き、冷えた缶ビールを一本取り出した。プルリングを引いて、グラスに注いで飲む。乾いた喉に冷たい液体と炭酸の刺激が心地良かった。寝起きの頭もしゃっきりする。トーストとヨーグルトの朝食を取ってしばらく何もせずぼんやりと過した。

 テニスウエアに着替え、近くのテニスクラブに向かう。午前から夕方までの6時間弱をダブルスのゲームで楽しむ。同程度のレベルの者同士でゲームをするので勝ったり負けたりだが、サービスが不調で負ける事の方が多かった。男ダブで、やや上手と思われる相手ともつれた試合になり、6−6タイブレークの末に、7−4で勝つ事が出来る。その試合で体力と気力を使い果たしたのか、その直後は何も出来ず0−6で負けた。しばらく休んだ後の試合も負けてしまい、最後は意気が上がらない結果で終る。

 自宅に帰って、うに色のクルマのタイヤをサーキット走行用から街乗り用に交換した。作業を終えると風呂に入り、冷たいビールで喉を潤す。晩飯は、冷凍したうなぎの蒲焼を解凍してフライパンで温め、炊き立てのご飯に乗せて食べた。タレをたっぷり掛けるとこれは美味い。休日の夜が更けた。

 

3月17日(月)雨後曇り

 冷たい雨がパラパラと地表に降り注ぐ早春の朝だった。頭上には灰色の空が広がり、街を墨絵の様にグレーの濃淡だけののっぺりした風景に見せている。玄関を出ると傘を開いて雨の中に足を踏み出した。傘の布を打つ雨の音が懐かしい心地良さを感じさせる。景色の中に溶け込んで同化してしまいそうな灰色の車に乗り込んだ。エンジンを掛けてATのシフトレバーをDに入れるとアクセルを踏んで走り出す。フロントグラスを叩く雨はすぐに潰れて視界を滲ませた。ワイパーのスイッチを入れて拭う。ワイパーの規則正しい音が退屈を誘った。カーラジオを隣の県のFM放送局に合わせるとポップな音楽が流れ出す。

 自宅に戻る途中で閉店間際の酒屋により、九州の芋焼酎を1本と、豊後麦酒という名の安い発泡酒を1ケース買って車に積んだ。もうとっくに雨は上がっている。晩飯はほうれん草のナムルと子持ちししゃもの焼き魚にした。モヤシと椎茸の味噌汁を添える。商品名は子持ちししゃもだが、昔ながらの本来のししゃもはほとんど獲れないので、恐らく似て非なる別種に違いないが、構う事は無かった。頭からかぶりつけば似たような味に思える。餡と草もちのデザートでお茶を飲んだ。

 

3月18日(火)曇り

 掲示板のフリーマーケットを利用して、中古のFAX付き電話を手に入れた。子機が故障して使えなくなった為、買い変えたとのことで、本体は問題なく動くらしい。まだ充分に使えるものが無料でもらえるのは喜ばしいことだった。自宅に持ち帰って良く調べてみる。留守録機能も付いているが、今となってはあまり見る事が出来ないテープ式が年式の古さを物語っていた。子機はバッテリー端子の腐食による接触不良が原因で故障している。接点復活剤で端子を磨き、新しいバッテリーを入れれば使えそうな気がするが、古い型の子機に使用されている電池が今更手に入るとも考え辛いので、諦めた方が良さそうだった。替えの感熱ロール紙も1本付いていて、すぐに使えるのが嬉しい。随分と得した気分になった。

 鍋で湯を沸かし、作り置きのミートソースを温める。煮立った鍋に塩を適量放り込み、台所用秤で測っておいた120gのパスタをパラパラと入れた。最初にくっつかない様にさっとほぐした後は火を調整して放置する。タイマーで8分をセットした。固さを確認してパスタを皿に取り上げる。ミートソースをたっぷりと掛けた。冷たい麦酒と共に頬張ると自然な甘味が実に美味い。

 

3月19日(水)晴れ

 少し残業してから仕事場を後にして、食堂内の売店に立ち寄る。最近名前を変えて、包装デザインも青系統から売れ筋のものと同じ赤系統に変えたクエン酸・コハク酸等配合の清涼飲料水を買った。アミノ酸1gでは大した効果が無いが、クエン酸1g以上だと、それだけで効果が得られると言う情報を元に、売れ筋の商品から、この新製品に変えてみる。それにしても飲料メーカーの節操の無い横並び意識にはうんざりした。もっとも、電機業界でも自動車業界でも大差は無い。

 ナイターレッスンには5名参加した。コーチを入れて6名だから適度に休みがある。ボレー&ボレー、ボレー&ストロークの後に珍しくロブ&スマッシュの練習をした。ロブは難しい。その後、スライスのアプローチショットのスイングと打点を確認してから、サービスを打った。最後はアプローチからのダブルス形式をポイント付きでやって終る。レッスン後に乱打でクールダウンした。

 駅前で相棒を拾い、中華レストランに入る。蒸し餃子、焼き餃子、水餃子を注文し、腹一杯食べた。サービスで中国茶と杏仁豆腐のデザートを付けてくれる。爽やかな杏仁豆腐を食べ、小さな器で中国茶を飲むと口中がさっぱりした。

 

3月20日(木)晴れ

 仕事場を出ると夜が始まっていたが、なんとなくほの明るく、太陽の光の残滓が幽かに感じられるところに春の訪れが見えた。気温は低いのだが冬の上から押さえ付けられるような、重たい冷気とはどこか違う。僅かだが風が軽く感じられた。うに色のクルマのエンジンに火を入れると道路に走り出る。春の風に呼応するように軽やかなハミングで唄うエンジン音を聞きながら暗い田舎道を走った。幹線道路に出ると、流れに合わせてアクセルを少し踏み込む。少しざらついた音が混ざるが、回転を上げて行くと排気音が被って来て別のハーモニーを奏で始めた。イグニッションを切るまで、うに色の音楽は続く。

 土鍋に水を張って粉末の出汁の元を適当に振り入れた。火に掛けてから冷蔵庫の残り野菜を取り出して食べ易い大きさに刻み始める。こんにゃくを一口大に手で千切って鍋に入れた。適量の肉がなかったのでソーセージを放り込む。豆板醤と芝麻醤と醤油で味を付けた。冷たいビールで口中を冷しながら熱々の鍋から野菜を取って口に運んだ。芋焼酎の牛乳割りに切り替える。さらにグラスを重ねた。牛乳の甘味とコクが旨味を増している。明日から三連休の気持ちいい夜が過ぎていった。

 

3月21日(金)晴れ

 会社を辞めて西に旅立っていく同期入社の男の家を訪ねた。引っ越しの準備中で家の中は段ボール箱だらけだ。コーヒーを飲んで一時間程話す。今でこそ、それほど頻繁な付き合いはないが、入社して数年は良く一緒に遊んだ仲間だった。新しい旅立ちを祝ってやる。小高い山を切り開いて造った新興住宅地にある家を後にして、町中に向かった。暖かく爽やかな春の日を感じながら灰色の車で走っていく。駅の近くの餃子専門店で水餃子と焼き餃子をたらふく食べた。胡麻がたっぷり入った餃子が特に美味い。カレー餃子も意外に悪くなかった。

 自宅に戻り、用事を片付けてから河を挟んだ隣の市まで中古の洗濯機を譲り受けに行く。相棒が2年間の一人暮らしをするにあたって使う洗濯機だ。灰色の車の後部座席を倒すと簡単に積み込むことが出来る。自宅に戻り、洗濯機を降ろすと、テニスの準備を整え、近くのクラブにレッスンを受けに行った。レッスン終了後、住宅街の中にある小洒落たイタリアンレストランに入る。相棒と別々のコース料理を注文してシェアしながら食べた。デカンタワインが美味い。パンも料理も悪くない出来栄だ。その後は温泉で汗を流す。完璧な一日になった。

 

3月22日(土)晴れ

 目覚ましの音で朝を迎えた。TVを点けて旅番組を眺めながら、フォートナムメイソンの紅茶を入れて飲む。トーストとヨーグルトと目玉焼きで朝食にした。午前中は東野圭吾のミステリ本を読んでいるうちに過ぎてしまう。久し振りにのんびりした休日だ。

 午後から灰色の車で家を出る。同僚の家に子供を見に行った。4ヶ月だが髪の毛が赤ん坊には不似合いなほどふさふさしている。一時間程居座り、コーヒーと紅茶とケーキをご馳走になってから家を出た。次に家を買ってまさに今日引っ越したばかりの友人の家を訪れる。ここの子供は8ヶ月になっていた。駅から歩いて15分ぐらいの住宅街だが、近くにサウナがあるのが難点か。引っ越したばかりなので玄関先で立ち話をしただけで立ち去ることにした。

 自宅に戻る途中のスーパーで相棒の自転車を買う。TVで宣伝していた1万円ぽっきりのママチャリだ。うに色を選んで、灰色の車のリアシートを畳んだスペースに押し込む。家に着くとすぐに着替えてテニスクラブに向かった。レッスン後は街中に出て中家料理店で餃子を食べる。店主がTVで餃子チャンピオンになったのに、夜は何時行っても空いていた。腹一杯になって帰宅する。

 

3月23日(日)晴れ

 目覚ましが鳴り始めて起きるのに30分近く掛かった。TVを点けて水を飲む。熱い紅茶を入れて飲み、トーストにマーマレードを塗って齧った。テニスウエアに着替え、うに色のクルマに乗り込む。一時間のドライブで着く北の町のテニスコートを目指した。途中で友人と待ち合せてつるんで走る。コートに着くとアップが始まったところだった。仲間に加わってアップを始める。昼までの3時間を練習とゲームで楽しんだ。友達は赤いクルマで北のワインディングに走りに行く。途中で友人と別れ、少し遠回りして空いた田舎道のドライブを楽しみながら自宅への道を戻った。

 家に戻ると業者が入って相棒の引越しが始まっている。午後からは引越しの手伝いをした。荷物が出て行ってしまうと家の中に少し空きが出来る。ナシゴレンと、春雨とワカメのスープで遅い昼食を取った。東南アジアのイスラム教国で行われているF1レースの衛星中継を見る。昼間に見られるのは楽で良かった。夕方まで掛かって最後まで見る。結果は予想外の展開だった。カレーライスの晩飯を食べてしばらく寛ぐと出発の時間になる。近くの駅まで相棒と一緒に歩いていった。上り電車を見送ると独りで自宅に戻る。

 

3月24日(月)晴れ

 4回目のベルでやっと起き上がる気になった。布団から出ても、もうさほど寒さを感じない。TVを点け、紅茶を入れ、カップに牛乳を注いで電子レンジをセットした。トイレで用を足して戻ってくると、牛乳が温まり、紅茶の葉が開き始めている。冷蔵庫からヨーグルトのパックを出して来て、小鉢に食べる分だけ取り出した。透明なガラスのポットは紅茶の色や葉の様子が良く判る。カップに注ぐと紅茶の香りがほのかに鼻をくすぐった。TVでは遠い中東の国で行われている戦争の様子を放映している。映像がスタジオに切り替わると戦時評論家という肩書きの男が熱心に戦況を説明した。熱いミルクティーをすすりながら見ていると、まさに対岸の火事程度の出来事にしか感じない。砂漠に腹ばいになって銃を構えている兵士の心境など判る筈もなく、想像すら困難だった。

 うに色のクルマで春風の中を走っていると気持ちが緩やかに開放されていくのが判る。アクセルとギアシフトに伴って変わる排気音が心地良いBGMになった。爆弾や銃弾に怯えることなく星空を見上げる。TVで見た映像の記憶は遠のき、とても同じ星の上で戦闘が行われているとは思えなかった。暗い空に星が明るい。

 

3月25日(火)曇り後雨

 空が一面灰色に塗り潰されていた。モノトーンの単調な景色にレースのカーテンを引いて、視界から遠ざける。TVに眼を向けると今朝も中東の国での戦闘の様子を放映していた。熱いミルクティーと昨夜買って置いたパンで朝食にする。鞄を持って家を出た。灰色の車に乗り込むと砂利を踏みしめながら発進する。いつもより数分遅く出ただけだが、幹線道路は既に渋滞していた。

 仕事を適当に切り上げて外に出る。暖かい室内から外に出ても冷気に震えることは無くなった。雨もほぼ止んでいる。駐車場まで歩く途中で桜並木を見上げると、急に蕾が脹らんでいた。この陽気が続けば開花も間近い。灰色の車に乗り込んで夜の闇の中に走り出した。この地方都市の中心街に向かう。

 駅から少し離れたビルの一角に小さな店を構える餃子専門店の駐車場に車を停めた。店に入ると狭いカウンターの一列は埋まっている。店の外を向いた小さなカウンターに座った。焼き餃子3種と水餃子一つを注文する。キムチ餃子はあまりキムチの味がしないのが難点だった。ニンニクの入らない野菜だけの餃子は少し物足りない。結局普通の餃子が一番美味かった。自宅に戻り、冷たい缶ビールを開けて飲み干す。

 

3月26日(水)晴れ

 定時に仕事場を後にして駐車場へ急ぐ。春の陽気で寒さは感じなかった。うに色のクルマのリア窓の温度も充分高いの硬化で割れる心配が無い。すぐに幌を降ろして走り出した。壁打ちコートでスライス系のストロークとスマッシュの練習を主に繰り返す。サービスを15分ほど打って約1時間の練習を終えた。クラブに向かう途中のコンビニでクエン酸等配合の清涼飲料水を買う。微かな酸味が体に良さそうな気がした。

 ナイターレッスンはコーチを入れて5名で休みが少ないので充実度が高い。ボレー&ボレー、ボレー&ストローク、ロブ&スマッシュ、サービスと、メニューに沿ってボールを追うといつもより汗が流れた。最後はクロス片面でサービス対リターンをポイント付きでやる。サービスが良いと攻めていけた。レッスン後は乱打でクールダウンする。

 オープンのまま停めたうに色のクルマに乗り、駅前に向かった。餃子専門店に入る。茹で餃子と、焼き餃子3種を注文して食べた。胡麻たっぷりの味噌餃子、エビ餃子、手作り餃子がそれぞれ美味い。茹で餃子のふっくらした皮とジューシーな具の組み合わせも良く、満足して店を出た。帰宅してから麦酒にありつくと、これは美味い。

 

3月27日(木)曇り

 仕事場を出ると餃子を食べには行かず、自宅に戻った。冷蔵庫の中の野菜を整理する為に鍋に決める。材料をいっしょくたに鍋に入れて味をつけるだけだから簡単に出来た。晩飯を作りながら録画しておいたTV番組を再生して観る。

 テニスのアニメは主人公と部長の試合が続いていた。部長はコートに落ちてから全くバウンドしない零式と呼ばれるドロップショットと、相手の返球が全て自分の周囲に集まってくる手塚ゾーンというちょっと有り得ない技を武器とする。この国にこんな中学生が居たらテニス界の未来は明るいと確信できた。サッカーが翼で世界レベルになったとしたら、テニスでも有り得ないとは言えない。

 碁のアニメは一つの山を越えた。久し振りに重要なキャラが出て来たが一言もしゃべらせないところに抑制が効いていて良い。こうした裏切らない演出が心地良かった。だが、最後に至って目を疑う事態になる。いつもと違うエンディングと「おわり」という文字に驚愕した次の瞬間、番組の終了がさらに決定的に明らかにされた。雑誌連載のストーリーがマニアックな方向に進み、アニメには不適格と判断されたのだろうか。小さな楽しみが一つ減ったのは事実だった。

 

3月28日(金)晴れ

 まだ空が明るいうちに仕事場を出た。うに色のクルマの幌を降ろして走り始める。壁打ちコートでスライスショットと、スマッシュの練習を繰り返した。30分程で暗くなったので切り上げてテニスクラブに向かう。コーチと二人で乱打しているうちに他のスクール生も来て、4人で練習を始めた。サービスからのラリーをした後、すぐゲームに入る。ペアを変えながら12ゲームやると丁度時間になった。一人は動きが良くて良く拾ってくる。もう一人は確率50%程度のハードヒットで打ち込んできた。コーチはアングルやドロップショットが得意とそれぞれプレーに特徴がある。最近やっとラケットが振れるようになってきて速度が上がったサービスを打ち込んでいくが、リターンミスかスーパーリターンのどちらかで、リズムが掴めなかった。結局3回あったサービスゲームを全て落とす。皆が帰ったコートで30分間サービスを打ち続けた。

 街に出て中国料理店に入る。蒸したエビ餃子と茹で餃子2品と焼き餃子1品を注文した。相変わらず他の客は一組しかいない。美味い店なのに駅から少し離れた判り難い場所のせいか、心配になるほど客が少なかった。帰宅して飲むビールはほろ苦い。

 

3月29日(土)晴れ

 目覚ましの音でいつもより早く朝を迎えた。1時間早く家を出て通勤路を走ると、土曜日と言う事もあいまってか、他の車は非常に少ない。仕事場の近くまで来ても車が少なく走りやすかった。桜並木の下を走る。まだ蕾は青かった。開花は数日先になるだろう。

 昼で仕事を切り上げ、暖かな陽射しの下で幌を降ろして走り出した。風も心地良い。自宅の前を素通りしてテニスクラブに向かった。クラブの近くにあるスーパーで弁当を買ってクラブハウスで昼食をとる。うららかな春の行楽日和のせいか、人は少なく、コートは空いていた。昼食を食べ終わるとゲームに加わった。改良途中のサービスは不安定でダブルフォールトが多くなる。苦しい戦いを強いられた。ほとんど休み無く、夕方ボールが見えなくなるまでダブルスのゲームを楽しむ。最後にクラブハウスでホットコーヒーを飲んだ。気だるさと充実感にふんわりと身を委ねるのも悪くない。

 うに色のクルマを夜の幹線道路の流れに滑り込ませた。餃子専門店の駐車場にクルマを入れる。ふんわり溶き玉子入りのスープ餃子とエビが一尾ずつ握り込まれたエビ餃子が美味かった。自宅に戻ってシャワーを浴びてから飲むビールも実に美味い。

 

3月30日(日)晴れ

 目覚ましで起き、テニスウエアを着込んで、灰色の車に乗って走り出した。30分のドライブで河川敷のテニスコートに着く。風が無いので、まさにテニス日和だ。珍しく一番にコートに着いてネット張りをする。すぐに他の仲間も到着してアップを始めた。昼までの3時間を使って練習とゲームに汗を流す。2ゲームやって一勝一敗とするが、思うようなプレーは出来ず、サービスのダブルフォールトも多かった。車に戻ると、リアガラスが割られている。合わせガラスなので粉々にひび割れているが、ほとんど脱落はしていなかった。トランクのガムテープを使って走行中に脱落しない様、応急手当をして自宅に戻る。ルームミラーが使えないのはうに色のクルマで慣れているが、神経を使った。自宅近くの自動車ガラス屋は閉まっている。使えない店だ。

 うに色のクルマに乗り換えてテニスクラブに行く。今日も日が暮れてボールが見えなくなるまでゲームを楽しんだ。ダブルフォールトが多い。後で見ていたコーチにサービスの打点が低い事と、ストロークでボールに近付き過ぎな事を指摘された。自宅に戻るとクラブでもらった春菊を使ってキムチ鍋にする。鮮烈で爽やかな香りに春を感じた。

 

3月31日(月)晴れ

 目覚ましの音で起き上がる。目覚めの気分は悪く無かった。タイマーでヒーターが点く様に予約しているが、そろそろ必要無くなる。ヒーターが稼動してから10分も経過していないのに既に設定温度に達していた。うに色のクルマで桜並木の下を通る。まだ花芽は開いていなかった。

 早めに仕事を切り上げて外に出る。もう寒さに震えることはないが、昼間暖かかった分、肌寒さを感じた。歩道を歩きながら頭上の桜並木を見上げたが、まだ開花の兆しは無い。うに色のクルマに乗り込んで車室内温度計を見ると、20℃をさしていた。幌を降ろすとすっと空気が軽くなるような感じがする。うに色の車体を夜の中に滑り込ませていった。

 街外れの餃子専門店に入る。エビ餃子、シソ餃子とスープ餃子のダブルを注文した。シソ餃子に酢醤油を付けて頬張るとシソの爽やかな香りが口一杯に広がり、次にエビ餃子を噛むとエビの身の弾力が歯と舌を楽しませてくれる。スープ餃子は丼に豪快に盛られていた。透明なスープの中で少し脹らんだ様に見える餃子は、皮のむっちりとした食感が堪らない。あまりの満足度に生餃子を買うのを忘れた。だが、構うことはない。週末までにまた行けば良いのだ。

 


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