2003年04月の日記

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4月1日(火)晴れ

 うに色のクルマで田舎道を走って行く。6年と2ヶ月をかけて7万8千キロ余りを走ったシャーシは、すっかりヤレて、路面のうねりやギャップを拾うと盛大に悲鳴を上げた。屋根が無い分ただでさえ剛性が低いオープンカーなので仕方が無い。あちこちから聞える軋み音は既にBGMと化していた。静かなクルージングなど有り得ないが、そんなものは初めから望んでいない。シフトダウンしてアクセルを踏み込むと、青い空に軽快な排気音が吸い込まれていった。

 自宅に戻ってTVを点けると、この国の若い代表チームが南米のチームと闘っている。緑の芝生が遠目には美しく見えた。1点リードしていたが、パスミスからボールを奪われ、目の覚めるような素晴らしいシュートで同点のゴールを決められる。だが試合内容は悪くなかった。個人技でも見劣りしない選手がいて、頼もしい。

 冷蔵庫から作り置きのチキンカレーを出し、鍋で温めた。大鍋にお湯を沸かし、パスタを放り込む。茹でたてのパスタにたっぷりのカレーをかけた。フォークに絡めて口に運ぶとお互いが引き立て合って実に上手い。米とは違い一癖あるバイプレーヤーだが、悪くなかった。軽い赤の発泡ワインが良く合う。

 

4月2日(水)雨

 朝から雨が降っている。強くは降らないが、かと言って、なかなか降り止まなそうな頑固さを秘めた分厚く重たい雲が低く垂れ込めていた。雨の中をうに色のクルマで走ると幌に落ちる雨粒の音が柔らかくどこか懐かしい響きに聞える。仕事場の近くまで来て桜並木の下を通ると、まだほとんど蕾のままだった。雨の影響は受けなさそうで安心する。

 定時に仕事場を後にし、傘を差して駐車場に向かった。傘を叩く雨音がうに色のクルマと似通っている。クルマに乗り込み、走り出した。悪戯でリアガラスを割られてしまった灰色の車の代替候補の車を見に行く。灰色の車より5年程度新しい赤い車が待っていた。排気量は1.3Lと小さくなり、車重もやや重くなっているので、走りは不安だが、一般道を流す程度では問題は感じられない。高速を試す事は出来なかった。外装は赤色と言う事もあってやれた印象だが、内装はきれいに掃除してあり、禁煙車のおかげで変な臭いも無い。ほぼ購入を決めた。

 自宅に戻る途中でラーメンと餃子の店に寄り、焼き餃子と水餃子を注文する。水餃子の、鶏の澄んだスープにむっちりした白い皮の餃子が浮いている姿は妖艶とさえ言えた。どちらも実に美味い。

 

4月3日(木)晴れ

 早めに仕事場を出ると街外れの自動車ディーラーに向かう。赤い車の名義変更と灰色の車の廃車を依頼するといくらぐらい掛かるのかを調べる為だった。名義変更と廃車解体で5万程度掛かると聞き、萎えかけていた気持ちが完全に萎える。代替は止めにして灰色の車を修理する事に決めた。幸い中古パーツで安く修理出来る事が判っている。赤い車の持ち主に断りの電話を入れた。灰色の車がくず鉄になる前に老体に鞭打ってもう一働きさせるのも悪くない。直すと決めると頬が緩むのを感じた。どこか後ろめたい気持ちがあったらしい。

 自宅に戻るとカレーの残りを温め、茹でたパスタにたっぷりかけて食べた。冷やしたランブルスコの赤が、口中を爽やかにして良く合う。食事を終えるとPowerMacの起動ボタンを押した。オーディオの電源も入れる。大昔に編集したドライブ用のカセットテープをMacに取り込み、CD−R化する作業を始めた。20年以上前のヒット曲がデジタル化されてCDで聞けるのは不思議に感じる。音質は酷い物だがノイズだらけのうに色のクルマで聞く分には充分だった。むしろノスタルジックな雰囲気が一層の趣を添える。焼酎の牛乳割りを飲み干した。

 

4月4日(金)晴れ

 目覚ましを30分早くセットした。通勤時間帯に渋滞の始まる時間が重なってきて、さらに早い時間にスライドするしかない。30分早く出ると流石に車は少なく、スムーズに走れた。まだ空いている駐車場に車を停めると、余裕を持って歩いて行ける。桜並木を見上げるとやっとちらほら開き出したところだった。

 定時を少し過ぎて仕事場を出る。うに色のクルマの幌を降ろして走り始めた。急いで自宅に戻ると、リアガラスを割られたままの灰色の車で家にほど近い解体屋に向かう。解体屋の車置き場には同じ型の車が何台も山積みになっていた。似たような色の個体が見つかり、リアハッチごと交換する事にする。灰色の車を預けると代車のピンクの車に乗って解体屋を出た。床屋で髪を短く切り、スーパーで食料を買い込み、餃子専門店に向かう。シソの爽やかな香りが楽しいシソ餃子と、スープ餃子と普通の焼き餃子などを注文した。待っている間、店に有った温泉紹介の本を眺める。風呂が人気の旅館や料理が人気の旅館など全国各地の温泉旅館がカラー写真で紹介されていて眺めているだけで楽しいが、この手の写真は見慣れているので現実とのギャップも大体想像出来た。雨が降り出す。

 

4月5日(土)雨

 僅かな望みを抱いて、カーテンを開けてみるが、当然の様に薄暗い空から雨が降り注ぎ、地面の水溜りにいくつも波紋を広げていた。仲間を集めて花見をしながらテニスをする計画は完全に潰える。Macを立ち上げて連絡メールを打ってから布団に戻った。2度寝を楽しんでから再び目覚める。相変わらず雨が振り続いていた。

 昼頃から友人が集まり始める。テニスが出来なくなったら、代りに家でパーティーを開くことにしていた。冷蔵庫から出したビールで乾杯する。キムチ鍋を作り、ホットプレートで買っておいた餃子を焼いた。キムチ鍋にも餃子を放り込む。ホットプレートは温度の調節が出来るので使い易かった。最初の一枚でほぼコツが掴める。3っつの店で買った餃子はどれもそれぞれの個性が有った。ニンニクを効かせた家庭的な味の餃子が一番好みに合う。ビールに始まり、日本酒、イタリアの白ワイン、フランスの赤ワインと一升瓶やボトルが次々に空になっていった。30人前仕入れておいた餃子もほとんど食べ尽くす。7名集まったとは言え予想以上の食べっぷりと飲みっぷりだった。花見テニスが出来なかったのは残念だったが、思いがけず望外の楽しい時間が得られる。

 

4月6日(日)晴れ

 目覚ましで起き、クロワッサンとコーヒーの朝食をとると、テニスウエアを着込んで家を出た。うに色のクルマをテニスクラブの駐車場に突っ込む。軽くアップするとダブルスの試合を2つ楽しんだ。一つはタイブレークの長い試合で勝ち、もう一つは4−6で負けるが充分な内容になる。2試合目が始まる少し前から非常に風が強くなり、苦労させられた。相変わらずサービスが安定しない。アップと2ゲームで2時間が過ぎていた。ちょうど昼になり、自宅に戻る。

 ピンク色の代車で解体屋に向かった。リアハッチを移植された灰色の車が待っている。車を乗り換えて街に出た。駅前の駐車場に車を停め、駅構内に向かって歩く。駅ビルの1階に降りると餃子専門店に入った。隣の有名餃子店は行列が出来ているが、こちらは並ばずに入れる。好みは、こちらの店だった。焼き餃子の上にたっぷりと万能ネギを乗せ味噌ダレがかけられた、ネギ味噌餃子は少し味が濃いが、堪えられない。この店の水餃子は味噌汁になっていて、あっさり白味噌味と、唐辛子入りの赤味噌で汗が噴出す辛口と、柚子と酢がさっぱりする合わせ味噌の三つの味で飽きさせなかった。駅で相棒を見送ると独りで自宅に戻る。

 

4月7日(月)晴れ

 先週末より30分早く目覚ましをセットするようにしていた。朝の渋滞対策として仕方がない。それでも目覚めの気分は悪く無かった。ヒーターを点ける必要がないぐらいだが、惰性でボタンを押す。大阪銘菓の千鳥饅頭を一個食べ、ミルクティーで甘味を洗い流した。うに色のクルマで桜並木の下を走る。やっと下の枝から薄いピンク色の花が開いていた。まだ満開には程遠い。今週末まで見頃が続きそうだった。

 仕事を適当に切り上げて外に出る。特に寒さを感じる事もなくなった。歩道を歩きながら頭上の桜並木を見上げる。暗い空に微かに白っぽく花が見えているが、まだ枝の間から漆黒の闇夜が見通せた。うに色のクルマに乗り込んで、桜並木の下に走り出す。街灯がほとんどない暗い道路では、頭上の眺めに華やかさはなかった。むしろひっそりと静謐な雰囲気で心が静まる。桜の花の魔力も、夜の闇にはまだ対抗出来ていなかった。

 街中の餃子専門店に入る。久し振りにおむすび餃子、スープ餃子等を注文した。この店は、味付けや焼き方にむらがある。今日の厨房担当は腕が劣る方だった。おむすび餃子の塩味が足りず、餃子は焼き過ぎている。自宅に戻って熱い紅茶を入れて飲んだ。

 

4月8日(火)雨

 朝から雨が降っていた。大した雨ではないが雨の朝は鬱陶しい。まるで梅雨に入ったような気分にさせられた。思い灰色の空の下、灰色の車に乗り込む。エンジンは快調だが、エアコンの風量調整スイッチを最弱の一段目にしても風が出て来ないのに気付いた。2段目にすると風がきちんと出てくる。1段目の接点が不良になっていた。15年も経つと色々と不具合が出るのも仕方ない。

 仕事場を出ると雨が激しくなっているばかりでなく、時折、稲光が空を切り裂いて走った。傘が余り役立たないほどの強い雨で、ロッカールームから駐車場までしばらく歩いただけで上着やズボンが濡れてしまう。やっと車に辿りついて乗り込むと、エアコンのヒーターを効かせて走り出した。靴が濡れて気持ち悪い。夕立のような激しい雨がフロントグラスを叩き、ワイパーを最高速度にしても拭い切れなかった。暗い事もあっておぼつかない視界の中を慎重に走る。しばらく走って土砂降りの区間を抜けると雨は急速に弱まった。大きな河を渡って市内に入ると、途端に嘘のように雨があがる。見上げる空には星さえ見えていた。信じられない思いで家に戻る。濡れた靴と靴下を脱ぐとやっと気持ちが開放された。

 

4月9日(水)晴れ後曇り

 定時に仕事場を後にした。快晴の朝からは想像出来ない程の灰色の雲が頭上に広がっている。時折雨粒らしきものまで落ちてきた。だが構うことはない。うに色のクルマの幌を降ろして走り出した。駐車場を出るとすぐに桜並木が両側に続く道になる。見上げると満開に近い桜が圧倒的なボリュームで頭上に迫ってきた。背景が青空なら最高だが、曇り空でコントラストが冴えない。物足りない思いが残った。

 壁打ちコートでスライスのラケット面とスマッシュの打点とサービスのスイングを確認する。次第に雲が薄れてきて夕日が地表に差し込んできた。突如、コート脇に立つ満開の桜が燃え立つように赤く染まる。思わず息を飲み、炎の様に揺れる神々しいまでの光景からしばらく目が離せなかった。

 風が吹く中、ナイターの灯りの下でボールを追う。サービスやスマッシュが良くなった分、ボレーが不満に思えた。終わりなどどこにもない。15分ほど乱打してコートを後にした。街に向かってクルマを走らせる。餃子専門店で揚げ餃子、焼き餃子、茹で餃子を注文して食べた。どれも美味い。他の客が飲む生ビールに思わず喉が鳴った。自宅に戻ると堪らずビールを開ける。春の良き日だった。

 

4月10日(木)晴れ

 通勤路をうに色のクルマで走って行く。単調な田舎道を走り抜け、仕事場の近くまで来ると、いつもは殺風景な工業団地のところどころで桜が淡い桃色にけぶっていた。桜の木の周りだけがスポットライトを浴びている様に明るく見える。倉庫が立ち並ぶ一角を抜けて丘の頂点に達した。信号を越えて下りに入る瞬間、正面の丘に幻のように白く景色を彩る桜の巨木の塊と、そこに続くまだ若い桜並木が目に入る。

 丘を一気に駆けおり、次の丘に上って行くと正面に桜のトンネルが見えた。春だけの一瞬の魔術で、幻想的に塗り変えられた風景は、観る人を否応なく異次元へと誘い込む。何か魔的なものすら感じさせられ、思わずアクセルを緩めた。頭上を見上げると早朝の薄蒼色の空を背景に白く輝く花びらが目に痛いほどに迫ってくる。

 駐車場にクルマを停め、歩いて並木道に出た。上を見ながら歩いて行く。広い4車線の道路を渡る歩道橋に上った。歩道橋の真中に立ち、歩道橋に直角に交差して南北に直線の道路を見通す。北を向いても南を向いても一直線に桜並木が視界の果てまで続いていた。上から見る桜並木も息を飲むほど素晴らしい。桜の魔に魅入られた様に、しばし立ち尽くした。

 

4月11日(金)晴れ後曇り

 うに色のクルマの幌を降ろした。エンジンを掛けると前からはメカニカルノイズと吸気音が、後ろからは排気音が直接聞こえてくる。ギアを入れて走り出すと桜並木の下に出た。青空をバックに桜のトンネルを走る予定だったが、天気は予定通りに行かない。曇り空ではあるが、満開の桜の下をオープンで走るのは何ものにも代え難い喜びだった。片道2車線の広い道から、寄り道をして片道1車線の道に入ると頭上は完全に桜の花に覆われて薄桃色のトンネルになっている。後続車も対向車もいなかった。帰宅ラッシュが始まる前の短い時間にぽっかりと出来た貸し切りの桜並木を、アクセルを緩めて歩くような速度で楽しむ。桜並木の途切れるところまで走って、Uターンした。一つ緩やかなコーナーを曲がると真直ぐに続く道の上に綿菓子のような白い花の天蓋が目に飛び込んでくる。

 テニスコートに着くとナイター照明の下でボレーボレーから始めた。寒さは感じない。むしろ動くと暑かった。たっぷりと汗を流す。今日はバックボレーの悪い癖が明らかになった。バック側にボールが飛んで来た時にラケットを横に出してボールを捕らえようとするのは間違いなのだが、なかなか癖が抜けない。

 

4月12日(土)曇り後雨

 目を覚ましてすぐに外が明るいのに気付いた。半信半疑でカーテンを開けてみると、確かに陽射しがベランダに差し込んでいる。急いでテニスの仕度をして家を出た。うに色のクルマで北に向かって走る。一時間程掛けて小さな町のテニスコートに着いた。仲間の練習に加わり、昼過ぎまでゲームを続ける。サービスの調子が冴えず、ダブルフォールトが出た。

 練習を終え、うに色のクルマの幌を降ろして走り始めた途端に雨が降り始めたが、構うことはない。走っていれば雨は入ってこなかった。途中の蕎麦屋でクルマを停め、幌を上げる。この店の蕎麦は極細いが腰が有って美味い事を知っていた。角煮丼セットを注文する。普通のもり蕎麦程度の量がある蕎麦と、サラダと小鉢と味噌汁と甘辛く煮込まれた角煮がたっぷりと載せられた丼がセットになって千円しないのだからコストパフォーマンスも高かった。

 買い物をして自宅に戻ると、TVを見ながら、しばらく休んでからうに色のクルマにラップタイム計測器と4点式のシートベルトを付ける。うに色のクルマの完璧にデザインされたインテリアには隙間が無く取り付けに苦労した。一仕事終えた後の風呂とビールは、最高の楽しみになる。

 

4月13日(日)晴れ

 目覚ましの音でやっと起き上がる。寝不足でしばらく目の焦点が合い辛かった。軽い朝食をとると、簡単に家の中の掃除をしてから、テニスウエアを着込んで家を出る。うに色のクルマでテニスクラブに着くと試合があるせいかまだ人は少なかった。軽くアップするとダブルスの試合を始める。昼飯は近くのスーパーで買ってきたホットドッグで済ませた。さらにゲームを楽しむ。タイブレークで7ー6と、追い付いて7ー5と長い試合を二つ制したのは良かったが、サービスが安定しなかった。ラケットが振れている感じも無い。掴めた筈のコツが、乾いた砂のように簡単に指の隙間からこぼれ落ちていた。もっと数多く打ち込まないと記憶力が弱まった神経に刻み込まれないらしい。

 夕方暗くなってからクラブを出た。近くにある中学校の体育館に行って県議会議員の投票を済ませる。家に戻ると、クラブで貰って来た泥付きの牛蒡を洗ってから、ささがきにして酢水に放って灰汁抜きをした。風呂に入った後、ビールを飲みながら晩飯を作る。牛蒡を鯛のあらや豆腐や人参やキノコと一緒に土鍋で煮込んだ。味噌仕立ての鍋を肴に赤ワインを飲む。鯛に味噌味はどうかと思ったが、まずまずだった。

 

4月15日(火)雨

 朝から雨が降っていた。先週の火曜日も同じ様な冷たい雨が降っていたのを思い出す。まだ降り始めたばかりで、路面は左程濡れていなかった。スーパーでくれる買い物袋に溜めておいた燃えるゴミを一階のゴミ捨て場に出してから、小走りに駐車場に向かう。灰色の空に溶け込みそうな灰色の車に乗って走り出した。

 カーラジオからは日替りで様々なパーソナリティーの声が聞えてくる。流れる音楽も種々雑多だった。30分早く家を出る様にしてから、始めの20分は以前聞いたことの無い番組が流れる。耳に馴染んだパーソナリティーが出て来るまでに、大きな河を渡り、対岸に辿り着いていた。ひいきのサッカーチームの情報を余り聞けなくなる。

 鉛色の空の下では、さしもの満開の桜の神通力も弱まっていた。太陽の光りの中で見るよりも白っぽくくすんだ色に感じる。帰る頃には、この雨が満開の桜を散らし、葉が目立つ姿に変えていくに違いなかった。

 春に終わりを告げ、新緑が繁る初夏に向かう為の雨が暗闇の中で静かに降り注いでいる。灰色の車の弱々しいヘッドライトの灯りを頼りに田舎道を走って街に出た。餃子専門店で餃子を食べ、自宅に戻る。まだ雨は降り止まなかった。

 

4月16日(水)晴れ後曇り

 うに色のクルマで飛行機が離陸するように坂道を駆け上がり、頂点で水平飛行に移った途端、目の前に桜のトンネルが出現した。穏やかな春風に花びらが空中を漂うようにくるくると舞っている。クルマのエンジンの音もカーラジオから流れる音楽も、全ての音が一瞬のうちに遠のいて、静謐が訪れた。時間の流れがそこだけ滞っているように景色がスローモーションに見える。音が無い、時も止まったような静寂の中で、薄桃色の花びらだけがゆっくりと舞いを踊っていた。どのくらいの時間が過ぎたのだろうか、我に帰ると同時にエンジン音や風切り音などが一斉に耳に押し寄せて来る。ふとバックミラーを見ると、花びらの乱舞でクルマが巻き上げた風の形が判った。減速して駐車場にクルマを滑り込ませる。クルマから降りて、少し離れてから振り返ると、昨日の雨でまだ湿っていた花びらがうに色のクルマをキャンバスにして花吹雪を描いていた。

 まだ明るいうちに仕事場を出る。葉が目立つ様になった桜並木を抜けて走った。テニスクラブに向かい、二人でレッスンを受ける。二人だけなのに打ち足りない思いが残った。餃子を食べて自宅に戻る。風呂上がりのビールは、ほろ苦い味がした。

 

4月17日(木)晴れ

 走り慣れた通勤路をうに色のクルマで走って行く。殺風景な景色を彩っていた春の魔法が解けかけて、花よりも新緑が目立つようになってきた。魔的なまでの力を誇った桜並木は頂点を過ぎた途端に、その王座を追われ、若々しい新芽の台頭を許している。今はお互いせめぎ合っているように見えるが、地面に散り敷かれた花びらの絨毯が春の王の末路を物語っていた。駐車場にクルマを停めると、淡い桃色の絨毯が敷き詰められた歩道を歩いて仕事場に向かう。時折はらはらと舞う花びらに、来し方を思って見上げると、薄蒼色の空を背景に花びらと若葉が例えようもないほど美しくも、どこか物悲しく目に映った。

 冴え冴えとした冷たい視線を感じて運転席側の斜め上に目をやると、暗い空にほぼ真円を描いて月が貼り付いている。うに色のクルマは南に向かって走っていた。自らが内部からほの白い光りを放っているように見える月は東の空にいる。オーディオは切っていた。うに色のクルマのエンジン音と風切り音だけが風と共に周りを渦巻く。頭も手も寒さを感じなかった。玲瓏たる月影は常に頭上に、いる。月は無慈悲な夜の女王と誰かが言った。冷たい光りに照らされながら、走り続ける。

 

4月18日(金)晴れ

 定時を少し過ぎたところで仕事から解放される。急いで着替えて駐車場に向かった。停めてあった灰色の車に乗り込むと、まだ意外に空いている道を走って自宅に帰る。自宅近くの大きな交差点の周りは少し渋滞していた。自宅で軽食を取ってから、今度は地下駐車場のうに色のクルマで出かける。テニスクラブの駐車場に滑り込むとちょうどレッスンが始まったところだった。急いでボレーボレーのアップに加わる。新入会のメンバーが加わってレギュラーが4名になった。4人でのペアボレー、サービス、サービスからのシングルスの練習と進む。バックボレーが少し良くなった。高く構えてから振り下ろし気味に当てて行くと、速いボールに負けて弾き返されないで済む。Tシャツ1枚でもたっぷり汗が出るほど暖かな夜だった。

 自宅に戻るとシャワーを浴びて急いで身支度を整える。缶ビールを一本飲み干すと家を出た。近くの駅まで歩いて南行きの電車に乗る。20分ほどで新幹線も停まる地方都市に着いた。関西に向かう夜行バスの発車時間まで少しある。駅前のラーメン屋で餃子と生ビールを腹に入れた。バスの座席はまずまず広い。大きく座席を倒して目を閉じるとすぐに眠りに落ちた。

 

4月19日(土)曇り時々雨

 夜中に何度か目が覚めた。持参のビールを飲んでまた眠る。早朝にバスが京都に着いた。しばらくして大阪に着く。ベッドで眠る様にはいかないが、さほど悪くもなかった。更に電車を乗り継いで相棒が住む小さな町に着く。小さな川沿いに公園が続いていて桜の名所なのだが、既に花びらは散り敷かれて葉が茂っていた。一休みして朝食を取ってから川に沿って公園を歩く。町を南北に縦走した。時折雨が振る中を色々な店を歩いて巡る。ワインの試飲やチーズの試食が楽しかった。

 昼食はイタリアレストランにする。ランチコースは、ウドの爽やかな香りが楽しい季節の野菜のサラダ、熱々の手打ち生パスタ、牛乳ゼリーと杏のシャーベット等が出され、どれも美味かった。ゆっくりと紅茶を飲んでから店を出る。しばらく町を歩いてから人気の洋菓子の店でケーキとコーヒーを楽しんだ。電車に乗って大阪に向かう。焼き肉やキムチの店が立ち並ぶ一角を散歩してから友人と待ち合わせて晩飯にした。こじんまりとしたカウンター席に落ち着くと珍しい焼酎を飲みながら次々に出される海の幸を中心にした料理を平らげる。どれも美味く、つい飲み過ぎた。家に戻ると、すぐに倒れ込むように眠る。

 

4月20日(日)曇り時々雨

 目が覚めるとシャワーを浴び、顔を洗う。さっぱりしてから再び布団に潜り込んだ。焼酎なので抜けは悪くないが眠り足りない。しばらくうとうとしてから朝食を取る。今日も家の近所を散策することにした。しばらくすると雨が強くなって来たが構わずに歩く。大きなテニスクラブを見学した。ハード、オムニ、クレーと合わせて22面もコートがある。そこからは海が近かった。潮の香りが漂う海岸線を歩いて、プールなどの施設を見て回る。

 家に戻ると冷たいビールで一服した。コーヒーを入れて桜餡の饅頭を食べる。1時間程休憩してから支度を整えて家を出た。駅まで歩いて電車に乗る。大阪に向かった。大阪の中心街は賑わっている。名物のイカ焼きを食べ、お土産物を探して混雑したデパートを回った。ガイドブックに乗っていたおでん屋に行き、カウンターに座る。カウンターに立つ若い男は軽妙な喋りで客を喜ばせていた。おでんの味も良い。生ビールを飲みながら軽くおやつ替りに味見した。鯨のスジがとろとろして美味い。名物の蛸の甘露煮を注文して食べると、これも美味いがおでんの方が好みだった。駅の土産屋でおこしを買って新幹線に乗り込む。4時間後には自宅にいた。

 

4月21日(月)雨後曇り

 定時を過ぎて、しばらく経過していた。仕事場を後にして外に出る。駐車場に停めてあった灰色の車に乗り込み、何時もとは違うルートで街に向かった。大通りから路地を一本入った所にある餃子専門店に入る。この店の人気メニューであるえび餃子には、えびの剥き身が一本づつ丁寧に握り込まれていた。エビの身の弾力性と香りが実に楽しい。酢を多めにした酢醤油に良く合った。スープ餃子には、あっさりした塩味のスープにふわっとした溶き玉子、ワカメ、ほうれん草、刻みネギなどのトッピングが加えられていて、黄色と緑色と餃子の白い皮の組合せが見た目にも嬉しい。味付きのスープと共に食べるので餃子にタレは必要なかった。最近メニューに加わったしそ餃子は、あんの中に青しそが刻み込まれていて、爽やかな香りが食欲をそそる。もちろん普通の焼き餃子と、キムチ餃子も美味いのだが、この三つがあれば後は充分だった。

 食事を終えて自宅に戻る。うに色のクルマのタイヤをサーキット用のものに交換した。空気圧を入念に合わせる。作業を終えて風呂から出ると、高知産の文旦の皮を剥いて、鮮烈な香りと、甘い身の食感を満喫した。熱く香り高いミルクティーを入れて飲む。

 

4月22日(火)晴れ

 朝からすっきりとした快晴になった。早朝に起き出すとヘルメットバッグを持って地下駐車場に降りる。うに色のクルマに乗り込んで南に向かって走った。おなじみのサーキットのゲートをくぐる。レーシングスクールには30名以上の老若男女が集まっていた。教室で30分程の座学を聞いてから、ジムカーナ場に向かう。まずは荷重を利用したブレーキングの練習だった。荷重移動を上手く使うと制動距離が短く出来ることを学ぶのだが、実に難しい。何度もABSを効かしてしまった。次は大小二つのだ円の周りを数周走る練習に移る。これには加速、減速、旋回と言うクルマを操る要素の全てが含まれていた。考えている以上に手前からステアリングを切り始め、かつソフトなブレーキングをコーナー頂点近くまで引き摺り続けるのがコツだが、ペースを上げると次第に遅れがちになる。ペースを上げても早目に操作を始めるリズムが掴めてきた。決して操作自体を速くするのではない。操作を開始する位置を早めなければいけなかった。午後からはサーキットに移ってコーナーリング練習と周回に入る。順序だてて練習した効果が走りに表れた。満足して自宅に戻る。ビールが実に美味かった。

 

4月23日(水)曇り

 雨が降り出しそうな空模様だが、辛うじて持ちこたえている。定時に仕事から上がると、その足で壁打ちコートに向かった。高校生が二人で遊んでいる。スライスとスマッシュとサービスを重点的に練習する。スマッシュの苦手意識は大分無くなってきた。スライスは意識していると、じわっとためて体の近くで打てるが、急ぐとためが無くなり、手で迎えに行ってしまう。無意識動作になるまでには、まだまだ練習が必要だった。

 壁打ちコートの近くの市民センターで不在者投票を済ませる。軽い腹ごしらえも済ませた。テニスクラブに向かう。今日のレッスン生は5人だった。珍しく球出しから、ボレーボレー、ボレーストローク、ロブスマッシュ、サービスと練習は進む。相変わらずボレーが課題のままだった。意識していないと打点が前になりボールが浮いてしまう。最後のダブルス形式では約束事が無いのでとっさの判断が要求されるため、無意識動作になっていないと上手くいかなかった。

 駅前の餃子専門店で餃子を食べて自宅に戻る。熱いシャワーを浴びた後のビールは、実に美味かった。芋焼酎の牛乳割りに切替えて更に飲み続ける。Macでの作業が終ったのは、既に夜半近かった。

 

4月24日(木)曇り時々雨

 灰色の車から眺める街は灰色のモノトーンだった。重い鉛色の空から滲むように忍び込んでくる光は、漂いながら全体を薄明るく照らし、物に陰影を付けない。コアキシャル型の2WAYスピーカーから流れるラジオのパーソナリティーの声は厚みが無かった。アクセルを開けると過大なトルコンスリップの後、次第に速度が上がる。春の魔法が完全に消えて再び殺風景になった景色の中を仕事場まで退屈なドライブを続けた。

 仕事場を出て街に向かう坂道を降りて行く。黒い闇に眠るように沈んでいる広い河の上に高々と掛け渡された橋を渡って対岸に渡ると、少し街の灯りが増えてきた。街道を真っ直ぐ進んで行くと駅に突き当たる。左に逸れてビルの間の細い路地に入り込むと、餃子専門店の看板の灯りが見えた。ラーメンも出すが、数十種類有る餃子を売り物にしている。今夜は混んでいなかった。店に入り、ゆで餃子と焼餃子3種を注文する。店の片隅のテーブルではバイトの中国人が餃子を握っていた。しばらくぼんやりTVの野球中継を眺めていると、ゆで餃子が運ばれる。もちもちした皮の食感とざっくりとした中身の味と良く合って美味かった。焼き餃子も平らげ、満足して店を出る。

 

4月25日(金)雨後曇り

 仕事を適当に切り上げて、田舎道を走っていく。まだ空は明るいが昼間の明るさではなく、大きく傾いた太陽が赤みがかった光を放っていた。地平線の向こうに逃げていく太陽を追い掛けるように車は走る。テニスクラブの駐車場に滑り込み、イグニッションキーをひねってエンジンを切った。シューズとラケットバッグを持って車から降りる。薄闇が頭上に忍び寄り始めていた。

 スクール生が5名集まる。ボレーボレーのウォーミングアップの後、コーチの球出しで練習が進む。ボレーとストロークを2カゴづつ打ってから、ダブルス形式の練習になった。平行陣対雁行陣で駆け引きや展開を楽しみながら4名で1球のボールを追う。すぐに汗がほとばしり、顎から滴り落ちる程になった。サービスを打った後、サーブ&リターンを練習している内に1時間半が過ぎてしまう。コートを整備してから外に出た。夜風が爽やかに火照る体を冷やして通り過ぎる。

 近くのラーメン専門店に向かった。主人がラーメンを作り、妻が餃子を担当している。焼き餃子と水餃子を2つづつ、計4人前注文した。独特のスパイスが効いていて食べ飽きない味に仕上がっている。

 

4月26日(土)雨後晴れ

 早朝の光を浴びながらうに色のクルマを南に走らせる。30分程で高速を降りると西にしばらく走ってから再びICに入った。今日のテニス会場の近くまで一気に走って時間を稼ぐ。宿にクルマを停めて部屋に入ると冷たいビールで無事を祝ってからテニスウェアに着替えて少し離れたオムニコートに出た。軽くアップをしてからゲームに入る。昼過ぎまで数試合楽しんでから一度宿に戻った。

 昼食を食べて宿の近くのクレーコートに向かう。午後からもゲーム三昧の予定になっていた。ゲームの合間も練習用コートでボレーやサーブ&ボレーの練習を繰り返す。荒れたクレーコートはイレギュラーが多いが、次第に目が慣れて来てある程度は追いつけるようになった。人間の適応能力には驚かされる。しかし、イレギュラーという要素が加わるので、ボールに威力がなくてもワンバウンドさせて捕らせるように打つのが効果的だった。逆にボレーなど空中で処理する方が有利になる。日が暮れるまでゲームを楽しみ、ブロック準優勝の成績を得た。

 風呂に入って汗と埃を流してから再びうに色のクルマを高速に乗せる。南の町に用意された宿に向かった。仲間と落ち合い、笑いながら痛飲する。

 

4月27日(日)晴れ

 木立の中に差し込む朝の光の中でうに色のクルマの幌を降ろすと、ロッジの前からクルマを出し、町へ向かう。朝食のお握りを買ってから再び町を離れた。満開をやや過ぎて爛熟の様子を呈す枝垂れ桜を鑑賞する。古い寺と枝垂れ桜の取り合わせが喩えようもなく美しかった。そこからさらに山中に入ると池があり、その周りが桜並木になっている。盛りをやや過ぎて葉桜になっているが、柔らかい風に薄桃色の花びらがはらはらと舞う様は幻想的だった。桜並木を歩きながらお握りを食べて朝食にする。

 駐車場に色とりどりのクルマを並べた。うに色のクルマが最も多数派になる。28台もの同型のクルマが並ぶ様は奇妙で得難い光景だった。仲間達と語らい、昼食を共にし、温泉に浸かる。露天風呂からは遠く雪を頂いたアルプスの山々が見えた。解散し、駐車場から色とりどりのクルマがいなくなった頃には既に午後遅い。だが、まだ夕暮れには大分間があった。

 高速を走って湖の畔にある湯の町に入る。地元の人しか通らない旧道を走って懐かしい集落に辿り着いた。共同浴場で温泉を浴び、親戚の家で郷土料理を御馳走になり、酒を酌み交わし、暖かい布団に入る。最高の一日になった。

 

4月28日(月)晴れ

 目覚めは気持ち良い。朝の散歩がてら先祖の墓に参った。眺めの変化に少し驚く。朝食をたっぷりと食べてから叔父の家を後にした。この国の最高峰を誇る孤高の山の裾野に点在する湖の一つに、高速を使って向かう。昼過ぎに宿に着いた。

 荷物を降ろし、服を着替えると歩いて数分のクレーコートに向かう。既に練習は始まっていた。2面に9名の人数なので休み時間は少ない。コーチクラスは他のコートの初・中級者の指導に掛かり切りなので中・上級者は放置状態だった。適当に練習してからじゃんけんでペアを作ってゲーム形式に入っていく。一昨日のコートにも増して荒れたコートでイレギュラーがひどかった。サービスはあるエリアに入れてやれば入れた者勝ちと言える。暗くなる前に練習し足りないコーチ陣にコートを空けて宿に戻った。宿の風呂で汗を流すと、気持ち良い高原の風に吹かれながら冷たいビールを飲む。言うまでもなく最高の気分だった。

 宿の晩飯はまぁ悪くない。ジンギスカン鍋などで、ボリューム的にも満足がいくものだった。食事後は大部屋に集まって宴会が始まる。懐かしい面々とグラスを交え、少し飲んでから布団に潜り込むと、たちまち睡魔がやって来た。

 

4月29日(火)晴れ後曇り

 朝起きて顔を洗うと食堂に降りていく。お決まりのメニューの朝食を平らげてから、テニスウエアにラケットを担いで今日もクレーコートに出ていった。午前中は練習が主体になる。晴れて暑いぐらいの日射しが降り注いでいた。宿に戻って昼食のカレーを平らげる。カレーには冷たいビールが良く合った。 午後からは紅白に別れての対抗戦になる。適当に分けられたチームメイトで適当に組み合わせられたペアとダブルスの試合に臨んだ。

 ペアは自身の謙遜に関わらず、かなり上手く、対抗戦では難無く勝利を得る。終わった後の空いたコートでゲームを始めた。数ゲーム楽しんでから宿に戻る。宿の風呂に入った。気付かない内に日焼けした顔と手足に熱いお湯が滲みる。風呂上がりのビールが、たまらなく美味かった。晩飯を食べてから、今夜も宴会になる。広間で紹興酒やワインを飲んで仲間や初めて会う面々と語り合った。毎日睡眠が足りているのですぐに眠くなることもない。気が付くと夜半過ぎていた。構うことはない。明日は雨になる予報だからテニスは出来ず、ゆっくりと眠れるに違いなかった。とは言え、睡魔には勝てない。布団に横たわるとすぐさま意識が遠のいていった。

 

4月30日(水)雨後曇り

 夜中に風の音を聞いた。低気圧の影響もあるのか、目覚めは良くない。窓の外を見るまでもなく、風の音と雨の音が全てを物語っていた。昨日までの晴天が嘘のような、予想以上に激しい雨が景色に水の膜をかけている。朝食を食べてから、室内コートに行くもの、温泉に入るもの、マンガを読むものなど、それぞれが思い思いに昼までの時間を紛らわした。宿で昼食を食べると、2拍の合宿の全ての行程が終わる。小降りになったところで、うに色のクルマに乗り込むと渋滞の都心へと向かった。

 環状線に入ると渋滞が酷い。湾岸道路に抜ける為に新しく出来た橋を廻るルートを選択した。遠回りだが流れが良いので気分が違う。時間的にも少し早く今夜の宿泊地に着くことが出来た。4台停めることが出来る駐車場の最後のスペースにうに色のクルマを入れる。日が落ちた雨上がりの町を少し歩いて近くの中華料理店に入った。生ビールや紹興酒を飲みながら、ピータンと豆腐の前菜、黄ニラともやしの炒めもの、蒸しエビ、蒸し魚、お粥などを平らげる。デザートのタピオカを食べ、中国緑茶を飲むと満足した。家に戻って、さらにビールを飲んでベッドに潜り込む。たちまち眠りに落ちた。

 


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