2003年07月の日記

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7月1日(火)曇り

 地下駐車場に降りて行くと、うに色のクルマが変わらない姿で待っていた。助手席のピラー付近で盗難警告の赤いLEDが点滅をしている。右手に持ったリモコンでキーロックを解除した。親指でプッシュボタンを押して細身のハンドルを引き出して握り、軽く引くとドアが開く。低い座席に腰を落とすと見慣れた風景が目の前にあった。キーのひとひねりでエンジンをスタートすると走り始める。軽く手を添えたステアリングからエンジンの鼓動が伝わって来た。

 仕事場を出て、駐車場に急ぐ。帰宅を急ぐ車の流れに、うに色のクルマを滑り込ませた。街に向かって丘を下って行き、駅にほど近い餃子専門店の駐車場に車を入れる。いつもの様に茹で餃子と焼き餃子3種を注文した。小皿になみなみと酢を入れ、醤油と豆板醤を少量落としてタレを作る。出された茹で餃子をタレに浸けて食べると、爽やかな酢の香りが肉汁と溶け合って芳醇な味わいになった。カレー、ホタテ、ホウレンソウと3種類出された焼き餃子も個性的な味で飽きない。しかし、ホウレンソウははっきりしない味だった。自宅に戻ってシャワーを浴びると、もう日付が変わる時間になる。布団に横たわり、目を閉じ、眠った。

 

7月2日(水)曇り後雨

 天気予報を確認すると雨の確率は10%以下だった。うに色のクルマのトランクにラケットバッグとシューズを入れて家を出る。青々と茂った水田の中を快調な排気音を立てて走って行った。駐車場にクルマを置いて仕事場に向かう。

 定時に事務所の外に出ると新しい水溜りが出来ていた。にわか雨があったらしい。うに色のクルマの幌を降ろして車内にこもった熱気を放出させた。壁打ちコートに向かう。最近は誰も壁打ちしている人がいないので、コートを一人占めだった。スライスのショートストロークからゆっくりとアップを始める。少し暖まった所でスマッシュで一気に体温を上げた。発汗を感じ始めたので、Tシャツを脱いでフェンスにかける。風が素肌に心地良かった。ストロークやサービスも練習し、1時間程で切り上げる。テニスクラブに向かった。途中のコンビニで立ち読みして時間を潰す。そろそろレッスンが開始すると言う頃になって雨が降り出した。次第に強くなって行く。開始直前の雨でレッスンが中止になった。自宅に戻り、シャワーを浴びる。袋のインスタントラーメンを鍋で煮て、茹でた小松菜と納豆を載せて晩飯にした。物足りない思いを抱いたまま、眠りに就く。

 

7月3日(木)雨後曇り

 帰りが遅くなった。遅い時間まで営業している餃子専門店に行くことにして、うに色のクルマを目覚めさせる。帰宅を急ぐ車の流れに乗り入れた。曲がりくねった坂道を河に向かって降りて行くと、大きな交差点の信号で流れをせき止められた車のテールランプの赤い光が、大地の怒りに我を忘れた王虫の群れのように連なっている。信号が青に変わると堰を切ったように解き放たれた赤い光がオレンジ色の光の点滅を伴って次々に右に流れていった。うに色のクルマで赤い光を追い掛けて交差点を横切っていく。右折した先の道路は2車線になっていた。赤い光は二列になって黙々と道路を満たし、河を渡っていく。道は真直ぐに、新幹線も停まる地方都市の駅に繋がっている。交差点で群れから離れて田んぼの中を走った。30分程で目的地に着く。 狭い砂利の駐車場にクルマを停めると店に入った。少し疲れたような寂し気な笑顔の店主が迎えてくれる。一階はカウンター席しかなかった。一番入り口に近い席に座ると、焼き餃子を2つと揚げ餃子一つ、水餃子一つを注文する。しばらく経って出された餃子に酢醤油のタレを付けて次々に口に放り込んだ。皮を歯で噛み破ると肉汁が溢れてくる。

 

7月4日(金)曇り後一時雨

 仕事を放り出して、うに色のクルマに急ぐ。渋滞の列に並んだ。信号を一つ抜けると列から解き放たれ、降ろした幌から風が流れ込んで来る。一時的に狂ったように降った雨はもう跡形もなかった。しばらく走ると、雨の降った痕跡さえない。局所的な雨だった。

 30分程走ると、小さな町のテニスコートに着く。隣のグラウンドの巨大なナイター設備が点されているせいで周囲は明るかった。テニスコートのナイターは点灯されたばかりで次第に明るくなっていく。暗い階段をコートに向かって降りていった。湿度は高いが気温は日中に比べると低く、過ごし易い。ショートストローク、ボレーボレー、ストロークでアップしてから、ボレーストローク、サービス&リターンといつものように練習を重ねた。新しいラケットの感触は悪くない。上手く捕らえた時と失敗した時の打球感の差が大きく、手で感じる打球感と実際の打球が一致するので、上手く打てた時は思い通りの球が飛んでいって気持ち良かった。ラケットをボールに対して上手く入れられると多少食い込まれてもそこそこの手応えと共にそれなりのボールが返ってくれる。長い付き合いになりそうな予感がした。夢中でボールを追う。

 

7月5日(土)晴れ時々曇り

 うに色のクルマの幌を降ろして、早朝の静かな路上に乾いた排気音を響かせながら走り出した。在来線の踏み切りを超え、南北に走る幹線道路にぶつかる。高架の下をくぐって右折し、側道から片側2車線ある南行きの本道に合流した。流れは速い。途中で側道に逃れ、さらに南東に向かった。1時間程のドライブでサーキットの入口に辿り着く。

 少し遅刻したらしく、既にエントラントが集まり始めていた。受け付け作業を手伝う。受け付けが一段落した頃、白いクルマのブレーキパッド交換をしているのを見つけ、こちらも手伝った。ピットロードに130分エンデューロレースの車両が並べられ、プラクティスが始まった。静かだったサーキットに様々な排気音が響く。とはいえ、公道を走れるクルマばかりなので、むやみに煩くなかった。プラクティスが終ると、ホームストレートのピットウォール沿いにタイム順にクルマを並べる。ドライバーはキーを持ってインフィールド沿いに並んだ。ブルーフラッグが振り下ろされると一斉にドライバーは走ってホームストレートを横切り、各々クルマに乗って走り始める。いわゆるルマン式スタートだった。走りたい気持ちを押さえるのに苦労する。

 

7月6日(日)曇り

 目覚めて朝食をゆっくりとる。日曜日の朝は時間の流れがゆったりとしているように感じた。1時間ほどのんびり過してから、うに色のクルマで近くのテニスクラブに向かう。昨年、コート7面中4面をハードから砂入り人工芝に改修済みだが、先週、残り3面も人工芝に改修され、ハードコートがついになくなった。ハードコートに比べて足腰への負担が少ないので高齢化が進むクラブ会員には朗報となる。

 軽くアップをしてからゲームに入った。カタパルトという機構を装着した新しいラケットの具合は悪くない。これまで使っていたものと長さは同じだが、面が少し小さくなり、静止重量もスイングウェートも少し軽く、振り易くなった。軽いのだが、ラケット自体のパワーが上がっているので、打ち負ける感じは少ない。コントロール性も悪くなかった。しかし、それで急にゲームで勝てるわけではない。

 昼食はテニスコートの裏の蕎麦屋で済ませた。コートに戻り、夕方暗くなる寸前まで様々な相手とゲームを楽しむ。一時期コツを掴んだ筈のサービスが悪いので率先してサービスを打ち込んだ。肘が少し痛むが構うことはない。疲れをシャワーで洗い流し、冷たいビールで仕上げた。

 

7月7日(月)雨

 今日は新暦での七夕だが、梅雨の最中なので案の定雨が降っている。旧暦の7月7日は新暦の8月上旬に当たり、その頃なら梅雨が明けていて星空が見えるはずだった。季節に関係する行事を、単純に日にちだけ新暦に当てはめても意味がない。

 自宅から会社に行くよりも近い場所にある温泉付きの宿泊施設で行われる泊りこみの研修に参加した。一日中講義と実習が繰り返される。昼食は揚げ物が出された。普段なら揚げ物のメニューは選ばないのだが、選択の余地はない。心の中で悪態をつきながら胃に送り込んだ。夜は刺身だったので文句を言うほどではない。一日の研修が終わった後、一般客も来る広い温泉に行こうとしたが、閉店間近で入れなかった。仕方なく宿泊棟に付属の大浴場に入る。サウナに入って汗を絞り出すと一日の疲れが消えていった。相部屋の二人とビールを飲みながら歓談し、日付が変わるころに眠りにつく。

 

7月8日(火)曇り

 雨が上がっている。今日も講義と実習で一日が潰れた。夕方になってやっと開放されると自宅に戻る。妙な疲れが残り、何もする気が起きなかった。10年近く前に書き始められた格闘技の漫画を読み返して過す。千年不敗の歴史を持つ古武術の継承者である少年が、先ず日本の格闘技界の頂点に立ち、次はボクシングのルールでヘビー級統一世界チャンピオンになるというような気宇壮大な話しだった。170センチ、70kg弱、18歳の少年が誰にも負けないなど現実には有り得ないが、つい引き込まれてしまう。熱いミルクティーを飲みながら、既に何度か読み返した話を、また読み返した。日付が変わる頃、布団に入るとたちまち眠りが訪れる。

 

7月9日(水)曇り後雨

 天気予報を確認すると夜は雨の確率が50%だった。灰色の車の後部座席にラケットバッグとシューズを入れて家を出る。東に向かって街を離れ、河を渡る頃には細かい雨が降っていた。

 定時に事務所の外に出ると雨は止んでいて路面も乾いている。急いで壁打ちコートに向かった。珍しく男が一人壁打ちを始めている。コートを半分使って、スライスのショートストロークからゆっくりとアップを始めた。15分ほど続けて暖まった所でスマッシュに移る。汗が流れ始めたので、Tシャツを脱いで横のフェンスにかけた。湿度が高く、風がないので汗がなかなか蒸発せず鬱陶しい。30分程やった所で雨がぱらつきだした。大した雨ではないので、構う事はない。ストロークやサービスもそのまま続けて練習し、1時間程で切り上げた。テニスクラブに向かう途中のコンビニで立ち読みしていると、次第に雨脚が強くなってくる。

 諦めて自宅に戻った。大鍋で沸かしたお湯にパスタを放り込み、フライパンでニンニクを炒めて香りを出す。茹で上がったパスタにニンニクの香りのオリーブオイルとほぐした明太子を絡め、スモークサーモンを載せた。これは美味い。赤ワインを飲みながら平らげた。

 

7月10日(木)雨

 朝から霧のように粒子の細かい小糠雨が降り続いている。灰色の車で水墨画の様にモノトーンに沈んだ街を駆け抜けた。河を渡る辺りはいつも少し雨粒が多い。ワイパーの回転を上げて長い橋を渡った。左折して農道に入る。田んぼの中を真っ直ぐに貫いている道路を灰色の車は快調に走った。

 会議が終って日付が変わる数時間前にやっと開放される。灰色の車に乗り込んで夜の闇の中へ滑り込んで行った。丘を下ると少し街灯が増えて明るくなる。一直線に駅に向かう片側2車線の道を走った。駅前から左折して細い路地に入って行くとお目当ての餃子屋が見つかる。壁に貼られたメニューを見ると、今日は好みのキムチ餃子が売り切れになっていた。チーズ餃子、エビ餃子、カレー餃子、茹で餃子の4品を注文する。どれも美味いが、カレー餃子が意外なほど美味く、人気もあった。食べ終わると、自宅に戻る。風呂に入り、冷たいビールを飲むとやっと人心地ついた。Macを起動してメールチェックを始めると、すぐに日付が変わる時間になる。芋焼酎の牛乳割りのグラスを飲み干すと、部屋の明かりを消して布団に体を横たえた。重い暗闇の中で目を閉じると、瞬く間に意識が遠のいていく。

 

7月11日(金)曇り

 仕事を切り上げて外に出た。空はまだ明るさを残している。灰色の車で田舎道を走った。走りながら栄養補助食品のブロックを齧って腹に収める。まだ明るいテニスコートに到着した。

 ボレーボレーでアップしてから、コーチの球出しでストロークを打つ。コンパクトなテークバックとインパクトでラケット面を止めるようなイメージを意識して、改めて面を確認した。それほど暑くもなく季節を考えるとむしろ涼しいと言っても良い気候だが、汗が面白い様に流れて滴り落ちる。しかし、少しも不快ではなく、溜まったストレスが発汗と共に浄化されていくようにすら感じる。サービスを練習した後、クロスコートの半面を使って、1対1でダブルスをイメージしたサービス&リターン&ボレーを練習する。最後はシングルスコートでサービス&リターン&ボレーを練習した。

 レッスンの後は、近くの餃子専門店に行く。カウンターでは酔っ払いの下卑た田舎オヤジが下らないことを大声で喚いていて煩く、不愉快にさせられた。水餃子と焼き餃子を食べていると、また汗が噴出し始める。客は最低だが餃子は美味かった。自宅に戻り、熱いシャワーを浴び、冷たいビールを飲むと最高の気分になる。

 

7月12日(土)曇り時々晴れ後雨

 うに色のクルマの幌を降ろして曇り空の下を走って行く。北の小さな町のテニスコートに着くと早速アップを始めた。曇り空が次第に晴れて、思いがけず夏の陽射しが現れ、暑くなってくる。男性4名で休みなく練習すると気が遠くなるほど暑く、汗が間断なく流れ滴り落ちた。曇りだと思って帽子を忘れたので、バンダナで頭をカバーする。バンダナは額の汗の流れ止めにも有効だった。ボレーストロークをたっぷり練習すると、堪らず日陰のベンチに座って休憩する。最後はダブルスのゲームを2試合やって終りにした。Tシャツもタオルも汗が絞れるほどに湿って重い。

 帰り道に有るいつもの蕎麦屋で美味いソバを食べて涼むと再び活力が湧いてきた。1度自宅に戻って準備を整えてから近くのテニスクラブに向かう。壁打ちで軽くアップしてから、相手を見つけてストロークラリー練習をたっぷりとやった。柔らかくどんな球でも返してくるのでラリーが果てしなく続く。

 夕方、自宅でシャワーを浴びてから歩いて駅前に出て、焼き鳥屋に入った。友人と生ビールのジョッキを傾けて飲みかつ食らう。看板の焼き鳥は焼き加減も絶妙で美味かった。深夜まで語りながら飲み、上機嫌で帰宅する。

 

7月13日(日)曇り後雨

 目覚めて朝食をとる。昨夜は大分飲んだが体調は悪くなかった。灰色の車に乗り込んで、また北の町のテニスコートに向かう。今日は10人程度のメンバーが集まり、久し振りの盛況となった。蒸し暑いが曇っているので昨日のような辛さはない。いつもの様にアップとボレー&ストロークとサービス&リターンにたっぷりと時間をかけた。最後にゲームを2試合やって終りにする。汗で濡れて肌にまとわり付くシャツを着替えると大分さっぱりした。

 昨日と同じ蕎麦屋で豚の角煮丼と蕎麦のセットを注文する。美味い上にボリュームたっぷりで大満足した。午後からは別の場所に移動してテニスを続ける予定だったが、雨で中止との報が入ったので、そのまま店で寛ぐ。ゆっくり休んでから店を出た。自宅に戻る途中で散髪して頭をスッキリさせ、買い物を済ませる。不細工なトマトが5個百円で出ていたので10個購入した。

 電車に乗って街に出ると、友人が車で迎えに来てくれる。3人の相乗りで温泉に向かった。夕暮れの温泉は空いていて、サウナと露天風呂をじっくり堪能出来る。休憩所のTVを見ながら風呂上がりのビールを飲んだ。帰り道で美味いラーメンを食べて長い一日を締める。

 

7月14日(月)雨後曇り

 月曜の朝は何となく気が重いのが常だが、ストレスなく良く眠れたせいか、頭はいつもよりすっきりしていて体も軽い気がした。居間のカーテンを開けて外を見るまでは、だが。窓の外には鬱陶しくじっとりした湿気を含む灰色の空が広がっていた。再びカーテンを閉じると、冷蔵庫からトマトを2個取り出し、水でざっと洗ってからそのまま齧り付いてみる。鼻腔にふわっとトマトの少し青臭い香りが広がった。昔のトマトほど鮮烈では無く、どこか頼りない薄い味だが、それでも瑞々しい果肉を噛み締めると力が沸いてくる。身支度を整えて家を出た。

 適当に仕事を切り上げて事務所を後にする。少し迷ってから晩飯は駅近くの中国料理店に決めた。中国人の痩せた気の良いおばさんが迎え入れてくれる。いつもの様にエビ蒸し餃子と、茹で餃子を3品注文した。酢をたっぷりと入れたタレに浸けて齧る。もちっとした米粉の皮の食感とエビの身の弾力性と香りで始まり、さらに噛み締めるとエビと香辛料の混じった濃厚な味が舌を楽しませてくれた。文句なく美味い。茹で餃子も厚い皮の滑らかな食感と具材の歯触り、舌触り、そして味と香りが何とも言えず楽しかった。満足して店を出る。

 

7月15日(火)曇り

 帰りが遅くなった。ロッカールームから大勢の帰宅を急ぐ人々が吐き出されている。敷地外の駐車場に向かって歩いて行くと、敷地内の駐車場から道路に出て行く車の長い列が続いていた。門を右折して出ると数百メートル先で信号のあるT字路にぶつかるが、その信号から車が門の前を通り過ぎて左の方まで並んでいるので、右折で出るのが難しい。歩道橋で対岸に渡り、駐車場から灰色の車を出した。こちらの駐車場から出る車はそれ程並んでいない。左折で道に出ると突き当たりの信号まで数百メートルの渋滞が続いていて、うんざりさせられた。他の車がほとんどいない道を一つの会社の社員だけで渋滞させている現状には耐えられない。やっと信号を左折すると心の中で悪態をつきながら、急に流れ出した坂道を下って行った。

 自宅に戻ると日付が変わる2時間前になっている。町に向かう道の渋滞ぶりに餃子をあきらめて帰って来たので、晩飯になりそうなものを探して冷蔵庫のドアを開けた。時間が遅いので、軽いもので問題無い。先ず冷奴を肴にビールを飲むことにした。TVのニュースを見ながら晩飯にする。チーズを肴に赤ワインを飲み、シャワーを浴びてから布団に潜り込んだ。

 

7月16日(水)曇り

 カーテンの外は変わらぬ白っぽい曇り空だった。天気予報を注視すると今日の雨の確率は低い。予報結果を信じることにして家を出た。朝の街は人気も無くまだ静かに眠っている。時折通る車の音が近付いて来て遠ざかると再び静寂が戻ってきた。

 定時に事務所の外に出るとまだ充分明るい。壁打ちコートに向かった。男女一人づつの先客が壁打ちしている。サンダルからシューズに履き替えると二人の間に入ってスライス系の短い球でアップを始めた。5分ほど続けているうちに女が帰る。15分程でスマッシュに変えた。30分程で男が帰る。一人になった。Tシャツを脱いで横のフェンスにかける。1時間程で切り上げた後、コンビニでスポーツドリンクを買ってテニスクラブに向かった。

 2週続けて雨天中止だったので、久し振りになる。いつもの様にボレーボレーから始まった。最後に球出しからダブルス形式の練習をして終る。さほど暑く無いので大汗もかかなかった。最後にレッスン生と二人で乱打する。ラリーが続くとどっと汗が流れてきた。

 自宅に戻ってシャワーに飛び込む。熱い湯が爽快だった。風呂上がりに冷蔵庫から冷たいビールを取り出して飲む。堪えられない美味さだ。

 

7月17日(木)曇り

 今日も白っぽい曇り空が広がっていた。雨を降らせるような暗い重たげな雲ではないが、青空が見えないのはどこか寂しい。今年の梅雨は、梅雨らしい曇天が続いていた。どこか昔、暮らしていた東北の冬を思い出させる。北の国の人が春を待ちわびる気持ちとは程遠いが、夏の訪れが待ち遠しかった。夏の陽射しは幼い頃の夏休みの甘美な思い出を呼び覚ます力がある。暑さが自由の象徴だった年月が過ぎ、鬱陶しく感じるようになってから大分経った。それでもなお夏の魔力に抗することは出来ない。

 事務所を出ると暗い夜道を走って街に出た。餃子屋の前に車を停める。小さな店は珍しく混んでいた。座席に座るとちょうど入れ替わりの時間だったらしく、続々と客が帰り、急にがらんとなる。水餃子と焼き餃子を注文した。長身の白人男性がフラりと現れ、持ち帰りの餃子を頼んでいる。出された餃子を酢が8割ぐらいに調合した酢醤油に浸けて食べ始めた。少し焼き過ぎで餃子の底が揚げ餃子の様相を呈している。食べながら聞くともなく聞いていると、白人男性はイギリスから来て、4年間この町で過すらしい。この店のキムチ餃子は物足りないほど微かなキムチの後味を口の中に残した。

 

7月18日(金)曇り

 仕事に終わりは無いが強引に終わらせると事務所を出た。開放感が心を軽くしてくれる。うに色のクルマに乗り込むと田舎道を走って自宅を目指した。家で荷物を降ろし、軽く腹ごしらえするとテニスクラブに急ぐ。

 今日のレッスン生は3名だけだった。ボレーボレーのアップから始める。10分程のアップで早くも汗が噴出してきた。次はコーチの球出しからストロークを打つ。昔とは違い体の回転で打つように教えられるが、さらにインパクトの瞬間を強く意識して、そこでラケットを止めるぐらいのイメージで打ってみるよう提案された。拳法での突きや蹴りも行ったきりでは無く、引くことを強くイメージすることで逆に突きの速度が上がるのだが、それと似たような理屈だろう。タイミングが合うとすぱっと弾けるような鋭い打球が返っていくが、面がずれるとアウトし易く、面を精度良く意識する必要があった。

 レッスンが終わると近くの餃子屋に行く。今日もカウンターにビールのジョッキや日本酒の小瓶を並べて大声で騒ぐ酔客が来ていた。鬱陶しいが無視する。水餃子と焼餃子と揚餃子を注文した。ここの激辛餃子は程よい辛さで旨い。熱いスープの水餃子でまた汗が流れ出した。

 

7月19日(土)曇り時々雨

 灰色の車でテニスコートに行く途中も雨は降ったり止んだりを繰り返していた。てっきり雨で中止と思っていた練習が予定通り行われている。到着した時にはもう練習が終るところだった。仲間と合流して定食屋に行く。この店のネギトロ定食は、とにかくトロの量が多く食べ応えがあった。久し振りに堪能する。

 一度自宅に戻り、相棒を降ろしてから近くのテニスクラブに向かった。ここは朝からほとんど雨が降っていないと聞く。ほんの数キロで天候が異なるので全く油断ならなかった。テニスクラブの社長の娘を相手にアップする。うっかり甘い球を打つと打ち込まれるので注意が必要だった。3試合ほどゲームを楽しむと夕方になる。自宅から相棒を連れてテニスクラブに戻った。ナイターのレッスンでもう一汗かく。やっと午前中のミスを少し取り戻した気分になった。

 街に出て中国料理店に入り餃子を注文する。茹で餃子や焼餃子をたらふく腹に収めた。食欲を満たした後はスーパー銭湯で汗を流すことにする。しばらく来ない間に改装されていた。洗い場で汚れを落とすとサウナで汗を絞り出す。露天風呂は草津風のお湯で硫黄の臭いが温泉的で悪くなかった。今夜も良く眠れそうだ。

 

7月20日(日)曇り時々晴れ後雨

 目覚めて朝食をとると、灰色の車に乗り込んで北の町のテニスコートに向かう。今日は13名程度のメンバーが集まった。雨が心配されたが雲間から太陽が覗く程の望外の天気になる。アップとボレー&ストロークとサービス&リターンで、Tシャツはそれ以上に汗を吸えないほどびしょびしょに濡れた。

 コート脇に19L入りの生ビールサーバーが置かれ、鉄板で焼き蕎麦や餃子が焼かれ始める。冷たい生ビールのコップで乾杯すると喉を鳴らして飲み干した。思わずため息が出るほど美味い。1ゲーム楽しむと、焼き蕎麦が出来ていた。野外で生ビールとともに食べると、焼き蕎麦が最高の美味に思える。さらに1ゲーム楽しんで戻ると今度は餃子が焼けていた。これも生ビールとの相性は最高で箸が止まらなくなる。

 昼過ぎまで楽しんだ後、酒を飲まない人のドライブで近くの温泉に移動する。露天にあるジェットバスに横たわって空を見上げるのは最高の気分だった。風呂上りには、ビールで水分を補う。夕方までゆっくり過した後で蕎麦屋に入って晩飯にした。さっぱりとしたもりそばの風味が堪らない。相棒の運転で自宅に戻ると、スポーツドリンクで水分を補給して、すぐに布団に入った。

 

7月21日(月)雨後曇り

 いつもはうんざりする月曜の朝だが、今日は違う。夜更けに暑さで一度目覚めて扇風機を回し、次は激しい雷雨の音で一度目覚めて窓を閉めたが、まだまだ寝ても良いと思うと気分が良かった。昨日は少し飲み過ぎたようで、少し頭が重い。スポーツドリンクでアミノ酸と水分を補給して、また布団に潜り込んで目を閉じた。更に何度か目覚めたが、結局起きあがったのは昼の少し前になる。

 ゆっくりと朝食を取ると洗濯をした。午後になって家を出て家から一時間程の温泉に向かう。今日も明るい内からサウナと露天風呂で汗を絞り出した。サウナと水風呂を3セット繰り返すと体の中から浄化された気分になる。街に戻ると餃子屋に入り、スープ餃子と焼き餃子を堪能した。この店のキムチ餃子は、駅前の餃子専門店の方が好みではあるが、比較的美味い。不景気のせいなのか、エビ餃子の中に一本ずつ握り込まれるエビが小振りになっていた。

 自宅に戻りお茶を飲むと相棒を駅まで送っていく。電車が出て行くのを見送ると古本屋で、格闘技漫画の在庫を探した。ほとんど揃えたのだが、まだ全て入手出来ていない。4冊仕入れて、残りは5冊となった。芋焼酎を飲みながら読み、そして眠る。

 

7月22日(火)曇り時々雨

 今朝も梅雨空が広がり、気温は20℃そこそこで半袖では肌寒いほどの気候だった。東北地方では冷害が心配され、北九州では集中豪雨で土砂災害が起き、と各地から異常気象のニュースが届く。そして今日も関東の梅雨は一向に明ける気配を見せなかった。全く意気の上がらないことおびただしい。うんざりする思いで空を見上げた。雲の上に確かに今もある筈の青空は、その気配さえ見事に隠しおおせている。

 仕事を切り上げると、霧雨の中を傘を差さずに歩いた。駐車場に停められたうに色のクルマに乗り込むと走り出す。ワイパーでびっしりと貼り付く雨粒を振り払いながら丘を下った。街に出ると餃子専門店に入る。スープ餃子と焼き餃子3品を注文した。特別に美味くはないが、そこそこに美味いのが特徴と言える。この店で一番美味いのは、お結び餃子かも知れないと改めて感じた。

 自宅に戻って地下駐車上にうに色のクルマを停める。全身に水滴をまとったうに色の車体は惚れ惚れするほど美しかった。しばらく振り返って見詰めた後、その場を離れ、エレベーターで最上階に上がる。Macでメールチェックしてシャワーを浴びると、もう寝る時間だった。今日も1日が過ぎてゆく。

 

7月23日(水)曇り後雨

 朝の気温は20℃を下回っていた。暖房が必要な程では無いが、久しぶりに梅雨寒という言葉が頭に浮かぶ。以前、暮らしていた東北の街では梅雨が終わってからストーブをしまっていたのを思い出した。空には、水分をたっぷりと含んで重たそうな黒い雲が垂れ込めている。何時でも雨を落とす準備は出来ていた。うに色のクルマに諦め切れない期待を込めてラケットバッグとシューズを積み、走り出す。夏休みに入ってラジオ体操でもやるのか日頃は見かけない子供達が歩道を歩いていた。

 午後になると待ちかねたように雨が降り始める。暗い空を見上げると今夜のナイターテニスは諦めざるを得なかった。ちょうど仕事でもトラブルが発生している。しばらく残業することにした。おおよその原因が掴め、対応案も決めたので、ほとんど解決した気分になる。仕事を切り上げて事務所を後にした。細かい雨が降り続く中をロッカールームに向かう。

 自宅に戻ると大鍋でパスタを茹で、フライパンではオリーブオイルでニンニクを炒めた。明太子を一房ほぐしておく。茹で上がったパスタにフライパンのオリーブオイルと明太子をからめると晩飯が出来上がった。赤ワインと共に腹に納める。

 

7月24日(木)曇り

 今日も白っぽい曇り空が広がっていた。7月の末としては異例に涼しいのは過し易い半面、はっきりしない曇天の空の下で日々を送っていると、どことなく心も晴れないような気がする。TVを見ながら朝食をとってから、うに色のクルマに乗り込んで家を出た。

 クルマで30分程の大手自動車メーカー系列のカー用品店に向かう。平日なので広いピットはさほど混んでいないが、ガラガラという程ではなかった。オイル交換とワイパーブレード交換を済ませる。軽くなったエンジン音を楽しみながら餃子とラーメンの店に向けて走った。店は空いている。いつものように餃子の焼と水を2人前ずつ注文する。水餃子は美味いスープに浮かんでいて、むしろスープが飲みたくて頼むようなものだった。

 夕方になってから再び出掛ける。近所のテニスクラブに向かった。7名のレッスン生が一人のコーチから1時間半のレッスンを受ける。蒸し暑く、汗が良く出た。アミノ酸系の清涼飲料水で水分を補給しながら人工芝のコートを走りまわる。大振りの癖を少しづつ矯正してコンパクトなスイングにしようとするが、難しかった。自宅に戻るとシャワーと冷たいビールが待っている。明日からは小旅行だ。

 

7月25日(金)霧時々雨

 早朝目覚める。まとめてあった2泊分の荷物を持つと外に出た。長野の高原まで一緒に行く仲間が迎えに来ている。アウディのA4だった。外見は普通のセダンで、内装は黒系の樹脂と木目調パネルに赤い照明色と派手さはないが落ち着いていて悪くない。硬めで座り心地の良い皮シートに腰を降ろすと走り出した。

 有料道路を走って高原に辿り着くと、クレーのコートはまだ少し湿っていた。アップから始まり昼まで基礎練習を行う。食堂でカレーライスとサラダの昼食を取った。高原の野菜は美味い。窓の外には霧が広がり出した。午後からコートに出ると霧が濃い。エンドラインからサービスラインに立った人の姿が霞むほどだった。ストロークやサービスは出来ない。午後もペアボレーやボレーストロークからの展開の練習をみっちりと繰り返した。夕方になって雨が降り出した為、早めに上がる。

 展望風呂に浸かり、濡れて行くコートを暗い気持ちで見下ろした。晩飯は炉端焼がメインになる。アユやネギやエリンギを串に刺した物を炭火で炙って食べた。ビールが美味い。夜はクイズ大会に宴会で更けていった。多いに飲んで盛り上がる。睡魔に耐えかねて布団に潜り込むと即座に眠った。

 

7月26日(土)曇り時々雨

 朝から雨は降ったり止んだりを繰り返していた。朝食の野菜サラダが相変わらず美味いが牛乳が普通の味になっている。食後に練習を諦めてゆったりと朝風呂に浸かっていると近くのオムニコートを借りて練習することになった。車で移動して練習を始める。2面のコートに30名以上いるので練習量は少なめで待つ時間が長かった。ボールが湿っていて重いのでボレーストロークは難しい。今日もペアボレーを主体とした練習になった。

 昼食を取りに宿に戻る。結婚式で食堂が使えないので冴えない弁当の昼食だった。今日が結婚式の二人にも、この天気は酷い災難だろう。午後は雨が小康状態になった。夕方になってやっとサービスからのダブルス練習が出来る様になる。相変わらず待ち時間は長いが結局1日中重く湿ったボールを打ち続けた。充分な疲労を感じながら宿に帰る。

 展望風呂に入ると相変わらず景色は霧に白く塗り潰されていた。今夜はサウナが稼動している。たっぷりと汗をかいて食事に備えた。晩飯はチキンをメインにスープ、サラダ、魚、ピザなどが付く。ピザは生地を自分で伸ばして好きな具をトッピングして作った。なかなか美味い。その後は宴会になり、飲んで眠った。

 

7月27日(日)霧後晴れ

 早朝に名前を呼ばれて目が覚めた。空はガスっていて白いが、雨は降っていない。着替えて缶ビールを飲みながら外に出た。朝のひんやりした高原の野外で飲むビールは最高に美味い。ややぬかるんでいたがコートは使えそうだった。ミニストロークから始める。乱打とボレーストローク、サービスリターンを楽しむと何時の間にか2時間近く経過して、頭上には青空が広がっていた。15分程度ゲームをして終る。さっと風呂を浴びた。展望風呂からは夏空と緑の山と入道雲が見渡せる。最高の眺めだった。

 風呂上がりの缶ビールと朝食のサラダが美味い。コートに出ると1時間程の練習の後、紅白戦に入った。少し休む。ゲームは0ー2から3ー2と逆転するも、3ー4と再逆転され、4ー4と追い付くところで4回のデュースの末にブレイクされて3ー5とされた。これで万事休する。その後の練習試合では格上に挑んだが2ー2からシフトアップした相手に付いて行けず4ゲーム連取されて終った。サービスとリターンがまだまだ弱いことを痛感する。

 昼食を取り、展望風呂からの眺めを楽しみながら汗を流した。3日間の合宿も終りを告げる。雨と霧に祟られたが、決して無駄ではなかった。

 

7月28日(月)曇り

 昨夜は合宿の疲れで早く布団に入ったお陰か、月曜だが目覚めの気分は悪くなかった。冷蔵庫のトマトを蛇口の水でさっと洗って齧り付くと、口に広がる冷たい清涼感と共に、更に意識がはっきりする。冷たい牛乳に生卵を一つ落として掻き混ぜて飲み干した。身支度を整えて家を出る。今日も梅雨空が広がり、半袖のTシャツでは肌寒ささえ感じられた。10年前の冷害が思い出される。東北の冷害で米不足と騒がれ、タイ米の緊急輸入が話題になった。今度もまたあの時のように滑稽な騒動になるのだろうか。進歩成長のないこの国の政治からすると考えられないことではなかった。

 仕事を切り上げると街に出る。中国料理店でエビ蒸餃子と茹餃子2種と新メニューのキムチ焼餃子を注文した。少量のニンニク醤油をたらしただけで、ほとんど酢のタレに浸けて食べると、これは美味い。特にキムチ餃子はキムチの酸味と辛味が効いていて絶妙の味だった。茹餃子を噛み切るとスープが零れ落ちる。それをタレの小皿で受け、少し酢が薄まったところで飲むとスープのコクに酢の爽やかさが良く合って美味かった。自宅に戻ると、シャワーを浴び、熱いミルクティーを入れて飲む。疲れが霧散した。

 

7月29日(火)曇り後雨

 すっかりお馴染みになった梅雨空が天空を覆い、涼しい湿った風が吹いていた。うに色のクルマで東に向かって走ると、地平線と曇り空の僅かな空き間に少し明るいベージュ色が見える。薄い雲に朝日が差し込んで淡い茜色を混ぜ込んでいた。灰色の大地と灰色の雲の間に横たわる、和紙を通して見る白熱灯の光のような明るみに向かってアクセルを踏み込んで行く。橋を渡って北に車首を向けると景色は一面灰色のモノトーンになった。

 仕事を切り上げる頃には、雨がほとんど止んでいる。傘は必要なかった。駐車場に停められたうに色のクルマに乗り込むと走り出す。街に出ると駅の近くにある餃子専門店に入った。茹で餃子と焼き餃子3品を注文する。茹で餃子は、むちむちした食感でお気に入りだった。キムチ餃子も辛みが美味い。カレー餃子は相変わらず微妙な美味さだった。みそ餃子は、具が胡麻味噌で味付けされていて、コクがある。少量の醤油を垂らしただけで、ほとんど酢のタレを良く浸して食べた。店の片隅に置かれたTVの下らない内容の番組を見ながら全て平らげると、満足して店を出る。自宅に戻ってシャワーを浴び、黒ビールを飲むと1日の疲れが解けていくのを感じた。

 

7月30日(水)曇り後晴れ

 今朝も一面の曇り空であることはカーテンを開ける前から判っていた。外を見ると小雨さえ降っている。TVの天気予報では、午後からの降水確率が低くなっていた。夜7時からのナイターテニスが出来るかどうかは微妙に思える。灰色の車で家を出た。

 定時に仕事場を出て壁打ちコートに向かう。先客が一人壁打ちしていた。スライスの打点とラケットの入れ方をあれこれ試してみる。すぐに暑くなりTシャツを脱いで横のフェンスにかけた。15分程でスマッシュに変える。ストロークとサービスも練習した。約1時間で切り上げる。これだけで良い練習になった。スポーツドリンクを買ってテニスクラブに向かう。

 今日は人が少なかった。ボレーボレーから始まる。サービス、ボレーストロークの後、サービスからダブルス形式の練習をした。サービスは合宿から引き続き調子が悪い。感触を取り戻す為にレッスン後も一人でサービス練習を続けた。Tシャツとタオルが絞れるほどの汗で濡れる。

 自宅に戻り荷物を下ろすとすぐに着衣を脱ぎ捨てシャワーを浴びた。熱い湯が気持ち良い。風呂上がりに冷たいビールと冷したグラスを用意した。一気に喉に放り込むと爽やかな刺激が堪らない。

 

7月31日(木)晴れ後曇り

 関東の梅雨明けはまだ訪れないうちに、東北の梅雨が明けたとTVが言っていた。カーテンを開けると久し振りに青空が広がっている。この街は北関東に属する筈だが、むしろ気候は南東北かも知れない。東に向かって走ると太陽が眩しく感じられた。不思議と気持ちも浮き立ってくる。人は太陽がないと生きて行けないことを実感した。うに色のクルマもいつもより軽快に走る。クルマを降りると夏の虫の鳴き声が聞えてきた。

 この曜日にしては珍しく明るい内に仕事場を出る。うに色のクルマの幌を降ろして緑が濃い田舎道を走って行った。自宅に戻って着替えると近くのテニスクラブに向かう。ナイタースクールに参加した。何度か振替でこの曜日に来たが、8名もレッスン生が居るのは初めてだ。1コートに8名が標準では有るが、小人数に慣れているので、待ち時間が多くて物足りなく感じた。汗を流し足りない。

 レッスン後、いつも行く店が閉まっていたので、代わりの店に向かった。シンプルな焼餃子とお湯に浮かべただけの水餃子しかないが、ニンニクを使わない具は様々なスパイスが効かせてあって、そのままでも味が濃い。自宅に戻ると、シャワーと冷たいビールが待っていた。

 


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