8月1日(金)晴れ仕事を適当に切り上げて事務所を出た。うに色のクルマの幌を降ろして走り始める。空はまだ充分に明るかった。蒸し暑いがキャビンに渦巻いて入ってくる風は気持ちが良い。田舎道をドライブして自宅に戻った。カロリーメイトのブロックを2本齧って、簡単に腹ごしらえをする。ラケットバッグとシューズを持って家を出た。近くのテニスクラブに向かう。
夕暮れ迫るテニスコートに7名のレッスン生が集まった。ボレーボレーのアップからたちまち汗が滴り落ちてくる。カゴからの球出しが多くなった。ボレーやストロークの基本ショットをたっぷりとこなした後、サービスを打つ。数週間前からサービスの当たりが悪かった。リズムも崩れている。サービスがある程度狙ったコースに入らないとゲームが組み立てられないので、早急な修正が必要だった。
練習が終ると汗を拭き、シャツを着替えて餃子専門店に行く。激辛餃子、しそ餃子、水餃子を注文した。この店の激辛餃子は豆板醤が効いていて美味い。再び汗をかきながら4人前を平らげた。自宅に戻り、シャワーを浴びて冷たいビールを飲むと最高の気分になる。暑くて寝苦しい夜だった。扇風機のゆるい風に吹かれて布団に横たわる。
8月2日(土)曇り後晴れ
朝目覚めると空は白く薄い雲に覆われていた。身支度を整え、うに色のクルマの幌を降ろすと走り出す。朝方の空気はまだ涼しく、陽射しは薄い雲に遮られて快適なオープン走行となった。一時間程かけて小さな町のテニスコートに到着する。
ショートストロークでアップを始める頃に薄い雲が晴れて夏の陽射しが降り注ぎ始めた。太陽が出た途端にじりじりと肌を焦がす様な暑さが襲ってくる。汗が止めど無く流れ、たちまちTシャツをずぶ濡れにした。スポーツドリンクで水分を補充しながら練習を続ける。今日は12名メンバーが集まったので2面をフルに使ってボレーストロークとサービスリターンを練習した。最後に練習試合をする。高校生が相手だった。まだ粗い部分が多いがショットは強烈なものを持っている。ミスが多く流れに乗れない。シーソーゲームで3−4となったところで、サービスゲームを40−15から追いつかれて落とした。4−4となるはずが、3−5となっては後が続かない。
帰り道で美味い蕎麦を食べ、自宅に戻り、午後からは近くのテニスクラブに出向いた。数試合楽しんで自宅に戻る。一日テニスで楽しんだ後は、シャワーと冷たいビールが堪えられない。
8月3日(日)晴れ
うに色のクルマですぐ近くの運動公園に向かう。今日は年に一度の団体戦で多くのテニスプレーヤーが集まることになっていた。軽くアップをするだけで汗が滴り落ちる。最初の相手は同程度のレベルと思われた。先ずダブルス1とシングルスの対戦が始まる。コートサイドで見守った。ダブルス1はリードしているがミスもあって突き放せない。シングルスは相手のフォアハンドのドライブボールに押され気味だった。良く走って回り込んでフォアで打って来る。取るつもりだったシングルスを一つ落とした。ダブルス1は、何とか9ー7で1勝をもぎ取る。ダブルス2の勝負になった。相手はレベルも同じぐらいで、最初は互角だったが徐々に相手のペースに持ち込まれる。もう一つ粘れず4ー8と簡単に敗れた。1ー2で一回戦敗退と言う思いがけぬ結果に呆然とする。
昼食を取った後、物足りない思いを抱えたメンバーは近くの貸しコートを押さえて練習した。夏のハードコートは酷く暑く、汗が止めど無く流れる。2時間の練習で体は満足した。夜は夏祭りで賑わう町に出る。山車が練歩き、人ごみが道に溢れていた。昼間汗で流した以上にビールを腹に送り込み、テニス談義に花を咲かせる。
8月4日(月)晴れ
昨夜の酒がまだ残っているような気がする。月曜の目覚めの気分は悪かった。シャワーを浴びて気持ち悪い汗を流してやると、さっぱりして気分も良くなる。冷蔵庫のトマトを齧り、冷たい牛乳と清涼飲料水で水分を補給してやると、更に気力が湧いてきた。身支度を整えて家を出る。朝から蒸し暑い夏の日だった。
適当に仕事を切り上げると街に出る。中国料理店でエビ蒸餃子を食べようと思っていたら臨時休業だった。仕方なく別の餃子専門店に入る。スープ餃子とお結び餃子と焼餃子を注文した。新メニューの蕾スープ餃子はピリ辛で暑い時期に丁度良い。餃子も一口サイズで食べやすかった。中身の具は通常のキャベツやニラとひき肉を練ったものらしい。お結び餃子は相変わらずのボリュームで食べ応えが有った。激辛餃子も程よい辛さで食欲を刺激する。この店はあらかじめタレを作って置いてあるため、酢と醤油の配分を調整出来ない所が難点だった。
自宅に戻り、週末に出来なかった掃除洗濯を済ませる。部屋の中は蒸し暑く、掃除をするだけで汗が流れた。冷たい牛乳と清涼飲料水が欠かせない。シャワーを浴びると急速に睡魔が襲ってくる。扇風機の風の中で布団に横たわった。
8月5日(火)晴れ一時雷雨
TVの天気予報では、今日も晴れて暑くなるらしい。目覚めると全身がうっすらと汗ばんでシャツが体に貼り付くのを感じた。下着を引き剥がす様に脱いでシャワーを浴びる。冷たい水と熱いお湯を交互に浴びると緩んだ体が引き締まり、気分もスッキリした。牛乳とヨーグルトの朝食をとると部屋を出る。早朝の北関東は空気が爽やかだった。部屋の中よりも涼しく、心地良い。
バケツの底をひっくり返したような、という形容がピッタリな酷い夕立が雷と共に大地に降り注いだ。午後の早い時間とは思えない暗い空から激しい雨が数時間続く。雨が始まりと同じ様に唐突に上がってから数時間後、仕事を切り上げてロッカールームを出た。所々水溜りが残っていたが、もう路面は乾いている所が多い。街に出て昨日休んでいた中国料理店に向かった。今日は営業しているが、混んでいる。入口を入ろうとすると、「本日貸し切り」の張り紙が見えた。諦めて立ち去ろうとした時、中から女主人が出てきて、招き入れてくれる。酔客が騒がしい店内の片隅で、いつもの様に餃子を食べた。エビ蒸し餃子がやや蒸し足りない。やはり宴会時に入るのは間違いだと気付いた。サインを済ませて店を後にする。
8月7日(木)晴れ
目覚めて起き上がると、下着が体にぺとぺとと纏わり付く感じがした。そのまま浴室に直行して下着を脱ぎ捨てるとシャワーを浴びる。最初は冷たい水が出るが徐々に温まり、終いにはかなり熱めのお湯になった。石鹸を手で泡立てて顔を洗い、ついでに髭も剃る。上がる前に冷たい水を浴びてタオルで水滴を拭い取るとすっきりした。髪をWAXで整えて軽く艶を出す。TVの天気予報を眺めながら、ヨーグルトの朝食をとった。新しい下着を身に付けてTシャツを被り短パンと靴下を履くと、もう身支度は終る。黒い布製のショルダーバッグを肩にかけると家を出た。北関東の朝はまだ涼しい。
切りの良い所で仕事を終えるとPCの引き出しに仕舞い、事務所を後にした。建物の間の暗い通路を歩いてロッカールームに向かう。作業着から普段着に着替えると気持ちまで軽くなるような気がした。暑い一日だったが夕立にはならない。不要だった傘を持って駐車場まで歩いた。歩きながら携帯の電源を入れてメールのチェックをする。他愛もない内容のメールが数件入っているだけだった。灰色の車のドアを開け、傘とショルダーバッグを放り込むと走り出す。変わり映えのない退屈な一日が終った。
8月8日(金)曇り後雨
今日で休み前の仕事が終わると思うと少し気分は軽いが、台風が接近していることが気にかかる。夏休みの初日を台風が直撃する予報になっていた。すでに台風に刺激された前線の影響で、空には雲がかかっている。夕方を待たずに雨が降り始めた。本来なら気持ちはすでに休みに入っているところだが、天気が悪いと今一つ気分が乗らない。定時まで仕事場に居た。
8月9日(土)曇り時々雨
目をさますと、ひどい風が吹いている。台風がゆっくりと接近して来ていた。今日のテニスは不可能だと判る。運動をしないと体調が狂うが、仕方がなかった。一日、風と雨がが荒れ狂う外の世界から隔絶され、快適に静かな自宅で過ごす。
夜になって相棒が西の都から帰って来た。車で30分程かけてターミナル駅まで迎えに行く。そのまま、地元では高級な部類に入る中華料理店の駐車場に車を入れた。餃子メニューが少し変わっていた。胡麻ダレ水餃子と、エビ蒸し餃子、焼き餃子、水餃子などを注文する。ぷりぷりのエビの身がたっぷりと包み込まれたエビ蒸し餃子と、胡麻と酢と味噌を絶妙にバランスさせたタレをかけた一口大の餃子が、特に美味い。二人で餃子を食べただけで会計は6千円を越えるが、サインをするだけで金を払う必要はなかった。
8月10日(日)曇り時々晴れ
やっと雨が上がる。車で一時間程かけて北の町のテニスコートに向かった。人数は7名程度と少なかったが、練習は出来る。台風一過の快晴とはならず、雲が多いが、気温は高く、夏らしく暑い一日になった。
昼まで練習してから、帰り道でいつもの蕎麦屋で蕎麦を食べ、自宅に戻る。シャワーを浴びて着替えてから、近くのテニスクラブに向かった。夕方までゲームを楽しんで帰る。
相棒と共に久しぶりに町から少し離れた居酒屋兼ラーメン屋に行くことにした。ハンバーグのように大きい「殿様餃子」を売りにしている。店に入ってみると、以前は殿様餃子と普通の焼き餃子しかなかったのに、スープ餃子や揚餃子のメニューが増えていた。早速、殿様餃子と焼餃子とスープ餃子と揚餃子を注文してみる。以前の殿様餃子はキムチや高菜が効いていて旨かったのだが、心無い客の文句でキムチが抜かれて締まりが無くなっていた。その後、また工夫したようで、キムチ抜きでも旨くなっている。スープ餃子のスープはトンコツ醤油のコクがあるもので、これも旨かった。満足して店を出る。銭湯でサウナと水風呂、そして草津の湯を模した硫黄臭く白濁したお湯の露天風呂を一時間程楽しんだ。
8月11日(月)曇り時々霧雨
早朝、相棒と2泊分の荷物を持って灰色の車に乗り込み、走り出す。自宅近くまで伸びて来たICから有料道路に乗った。西に向かって走り、南に向かって走り、再び西に向かう。全体としては出発点のほぼ真西に目的地の高原はあった。2時間半程のドライブで到着する。クリームチーズとスモークサーモンを挟んだべーグルサンドとビールで朝食にした。
着替えてコートに集合する。レベル別の練習会が始まった。午前中はストロークを中心にした練習をこなす。クレーコートと気圧の低い高原のテニスに体をアジャストするのに時間がかかった。涼しいので下界と違って大量の汗は出ない。昼食は宿でカレーライスが振る舞われた。ひと休みして、午後からはボレーを中心にした練習に励む。一日の練習が終わると体のあちこちに程良く疲労が溜まった。夕食までの空いた時間にゲームをして遊ぶ。
宿の温泉に浸かって汗と疲労を流すと、猛烈に腹が減った。広間に晩飯が用意されている。ビールを飲みながら適度な量の食事を取ると、一休みしてから宴会が始まった。2チームに別れて色々考えられたゲームをして遊び、得点を競う。全員で輪になって踊らされる騒ぎで夜が更けていった。
8月12日(火)曇り時々霧雨
時折細かい霧雨が降っているが、コートの状態はそれほど悪くない。早朝練習を始めた。朝食前に一時間半程練習すると、朝食が一層美味い。時間になり軽くアップしていると少し雨が強くなって来た。2チームに別れての紅白戦を始める。昨夜のゲームのポイントも加算されるルールだった。最初は実業団同士のレベルの高い試合を見せてもらう。凡ミスが少なく、ウィナーでポイントが進んでいった。2試合を並行して見ると、頭の中に良いイメージが出来る。雨が止んで晴れ間も見えてきた。
午後からゲームに入る。イメージと違ってウィナーよりもミスでポイントが決まる確率が高かった。シーソーゲームになるが、7ー6でペアのサービスをキープ出来ず、相手のサービスをキープされ7ー8と逆転される。ここで自分のサービスをキープ出来ず、7ー9で敗退した。チーム自体も敗北する。コートが空いたところで、適当に相手を選んでゲームを始めた。何試合かこなすが、全て勝利する。最後のゲームは4ー0から5ー5とまくられるが、何とか7ー5で逃げ切っての辛勝だった。
温泉で汗を流し、晩飯、宴会となるが、今夜は人数も減り、静かな飲み会になる。夜半前に眠りに就く。
8月13日(水)霧雨後曇り
朝は霧雨に煙っていた。早朝練習はやらずに仲間が乗って来たボクスターとS2000の試乗会になる。S2000のクーペのような剛性感とトルクのあるエンジン、ボクスターのしっとりとした乗り味と重厚感が心に残った。ボクスターのクラッチは扱い辛い。渋滞路では神経を使うことが想像出来た。
温泉に浸かり、朝食を取る。コートに出ると軽くアップしてからゲーム三昧することになった。ダブルスのゲームをする。9名で順番を付け、2面で試合に入った。休憩できるのは一人しかいない。6ゲーム先取の試合を5試合程連続してやるとさすがに疲れた。昼前にちょうど自分が抜ける番が廻って来る。このまま昼になる時間だった。シューズとソックスを脱ぎ、素足とサンダルになるとリラックスする。ちらし寿司の昼食を取り、風呂に入ると解散の時間が来た。三々五々メンバーが帰っていく。相棒と共に、残っている人に別れを告げて宿を出た。
高原の駅前にあるアウトレットモールに入る。3時間程費やして色々なショップを廻った。シューズやシャツや短パンなど何点か気に入ったので購入する。旧道の峠道を降りて街に出た。自宅に戻ったのは深夜になる。すぐに布団に潜った。
8月14日(木)雨時々曇り
夏だと言うのに肌寒く、細かい雨が降り続いていた。雨の音が聞えていると布団から起き上がる気力も湧かない。このままずっとゴロゴロしていたいなどと言う怠惰な考えが頭を去来していた。こんな憂鬱な雨空が何時まで続くのだろう。真夏の太陽が待ち遠しく思えた。
8月15日(金)雨
目覚めると、激しい雨の音が聞えていた。これだけ雨が続くともううんざりする。耳に響く雨の音を打ち消す様に再び眠りの世界に逃避した。何度か目覚めと眠りを繰り返したが、雨音は決して止もうとしない。仕方なく昼過ぎになってやっと起き上がった。馬鹿げた一日を振り払う様に、灰色の車で走り出す。
次第に雨が小降りになってきた。夜になって北関東を縦断する有料道路のIC付近に出来たアウトレットモールに到着する。閉店までの2時間半をブランド店舗巡りに費やした。華やかな店舗に豊富に用意された物を見ていると、不景気と言う言葉が信じられない。どの店も閉店間近まで買い物客で賑わっていた。相棒は閉店過ぎても買い物が終らない。最後の店を出たのは閉店後20分ぐらい経過していた。賑わっていた小さな街並みに匹敵するようなモールは、もう明かりも消えて、人影もまばらで、まるで夢が醒めた後のように思える。暗い駐車場にぽつんと残された灰色の車に乗って夢の街を後にした。
自宅近くに戻り、ファミレスで遅い夕食を取る。サラダとスパゲッティの簡単な食事だった。自宅に戻るとシャワーを浴び、ビールを飲んで布団に潜り込む。深い眠りに落ちた。
8月16日(土)曇り後雨
朝目覚めると空は相変わらず雲に覆われていた。雨は降っていない。身支度を整え、灰色の車に乗り込んで走り出した。一時間程のドライブで小さな町のテニスコートに到着する。
ショートストロークとボレーとストロークでアップした。涼しいので適度な汗が心地良い。スポーツドリンクで水分を補充しながら練習を続けた。今日は6名しかメンバーが集まらなかったので1面を使ってボレーストロークとサービスリターンを練習する。最後に練習試合をした。高校生を相手にする。リラックスした体勢から安定したショットを放ってきた。ミスはあるが、流れに乗れない。先々週に引き続き、3ー6で落とした。
帰り道で美味い蕎麦を食べ、自宅に戻る。シャワーを浴びて一休みしていると雨が降り出した。午後からは別のサークルの練習に顔を出すつもりだったが中止にする。午前中の練習だけでは、気持ちの良い疲労感までは届かず、物足りなかった。自宅で生春巻きと、ひき肉入りの冬瓜のスープを作る。軽い発泡性の白ワインを飲みながら平らげた。涼しい夜が続いている。雨も降り続いていた。こんな夏はあまり記憶にない。軽いタオルケットでは足りずに布団も出して潜り込んだ。
8月17日(日)曇り後雨
うに色のクルマで南に向かう。道は空いていた。通い慣れたサーキットのゲートを潜ると、仲間が何名か到着している。パドックにクルマを移動して、VIPルームと称する部屋に移って、今日の模擬レースの打ち合わせを始めた。全体の進行と役割分担を確認して、役割毎に仕事の詳細を確認する。打ち合わせが終わるとすぐに受け付けが始まった。参加者達がVIPルームに上がって来る。受け付けが終り、車検が終ると、ドライバーズミーティング、略してドラミが始まった。今回は特殊なルールなのでドラミは長くなる。参加者からの質問も多く、一時間近く掛かった。
7分間の完熟走行の後から、先導車を付けたローリングスタートによる本選が始まる。ポールポジションから順番に並べるのに手間取ったため、最後の方はピットに並んでいる順に変更された。先導車で2列縦隊の参加車両を引き連れてサーキットを2周する。2周後にピットロードから先導車がピットインし、ポールポジションのクルマがコントロールラインを通った所で、グリーンフラッグが振られてレースが始まった。
レースが終り、雨の中を自宅に戻る。冷麦の夕食をとった後、相棒を駅まで送り、独りになった。
8月18日(月)雨
今朝も涼しく、そして弱い霧雨が降っていた。夏が来ないうちにもう秋が来たようで、なにか物足りないが、お陰で深く良質な眠りを得られ、寝起きの気分は悪くない。カーテンを開くとお馴染みのどんよりとした灰色の空が見えた。この雲の上では常に真夏の太陽が輝いていると想像するのは事実と判っていても難しい。
夜になって事務所の外に出ようとすると雨が強く降っていた。よくこれほどまで降り続くことが出来るものだと不思議な気がする。どれほどの量の水を空の上に貯え込んでいるのか、想像もつかなかった。雨の夜道を街に向かって走る。中国料理店で、いつもの席に座って一人で餃子を注文した。店が空いているお陰か、今日の餃子は、蒸し加減、茹で加減が最適に感じられる。茹で餃子のむっちりした皮とぷりぷりと弾力の有るエビの食感が堪らなかった。
自宅に戻ると紅茶を入れて飲む。冷たい飲み物より暖かい飲み物が欲しくなる気温だった。一休みしてからMacの電源を入れてインターネットにアクセスしようとするが、ヤフーが不調で、接続出来ない。TVCMで「300万人の会員数」を誇っているが、設備が会員数に追いついていなかった。早めに布団に入る。
8月19日(火)雨後曇り
夏はどこに行った?と、問いかけたくなるような日々が続く。先週の月曜日から、これで一週間、雨の降る日が連続していた。今朝も小降りだが雨が降っている。空の色に合わせて灰色の車に乗って家を出た。雨と前車が上げる水飛沫で失われた視界をワイパーがのんびりと往復して回復させるが、すぐにまた元の木阿弥になる。ワイパーは厭きることもなく、退屈な往復運動を繰り返して、これまた飽きることもなく降り続く雨に対抗していた。
一日中会議室に缶詰にされると体調まで悪くなる。インスタントコーヒーの飲みすぎかも知れなかった。事務所を出ると灰色の車で丘を下り、街に出る。駅前の餃子専門店の駐車場に車を停めた。狭い店内は客でほぼ満席の賑わいを見せている。メニューの品切れも何時に無く多かった。茹で餃子と、チーズ、ニラ、みそ餃子を注文して、しばらく待つ。ここの餃子は茹で加減、焼加減とも悪く無かった。今日は少し酢醤油に豆板醤を多めに落として辛口にしてみる。適度な辛味が舌に心地良かった。空腹を満たすと自宅に戻り、シャワーを浴びる。こう涼しいと風呂上がりのビールの味も今一つ冴えなかった。布団に寝転がり、タオルケットをかけて寝る。
8月20日(水)曇り
定時に上がって壁打ちコートに向かう。先客が二組いるので真中に入り、スライスの短いストロークを始めた。湿度が高く、すぐにじっとりと汗ばむ。一組が帰ったので、Tシャツを脱いで柵にかけた。短いストローク、スマッシュ、長いストローク、サービスと一通り打って終る。水道の蛇口から水を飲み、顔を洗った。スポーツドリンクを買い、カロリーメイトを腹に収めてからテニスクラブに向かう。
レッスンはボレーボレーから始まる。ボレーストローク、サービスの後、サービスからクロス半面勝負の練習をした。サービスの調子は悪くない。ファーストボレーも何とか返っていた。フォアのリターンはまずまずだが、バックのリターン、そしてフォアボレーは上手く行かない。最後は球出しからダブルスの試合形式の練習をした。絞れるほど汗を吸ったTシャツを着替える。
うに色のクルマの幌を降ろして走った。自宅に戻ると、すぐに浴室に飛び込む。シャワーで汗を流した。小松菜とエリンギとピーマンのスパゲティを作りながら、缶ビールをグラスに注いで飲む。一口で呷ると喉を堪らない刺激が滑り落ち、猛烈に腹が減ってきた。熱いパスタと冷たいビールが良く合って美味い。
8月21日(木)曇り
関東では夏の陽射しが戻ってくると言う天気予報に期待してカーテンを開けてみたが、そこには灰色の空が広がっていた。お陰で朝は涼しい。外に出ると空と陸の間に少しだけ青空が見えるところがあった。うに色のクルマに乗り込んで走り出す。
1日の半分以上を事務所で過すと頭の芯が痺れるような疲れが溜まった。そんなうざったい疲れもうに色のクルマの幌を降ろして走り出すと湿った夜気の中に吸い出されて消えて行く。湿度が高いので蒸すが、風の温度は低いので走っていれば快適だった。街に出て餃子専門店に入る。ピリ辛スープに一口大のエビ入り餃子が浮かぶスープ餃子と、焼き餃子4種を注文した。スープと激辛餃子で体温が上がり、汗が出てくる。チーズ餃子のまったりとしたコクと、シソ餃子の爽やかな香りで口直しをした。それを交互に繰り返しながら5人前の餃子を胃に送り込む。腹を満たすと店を出た。
幌を降ろしたままのうに色のクルマに乗り込む。見上げても空に星は見えなかった。走り出すと火照った体が少し冷される。自宅に戻ると、じっとりと蒸し暑かった。シャワーを浴びて、扇風機の風にあたりながら冷たいビールを飲む。寝苦しい夜になる予感がした。
8月22日(金)晴れ
夜が近付くと少し気温が下がって来て涼しく感じるのが常だったが、今日はそうもいかないらしい。湿度が高く蒸し蒸ししていた。風が吹いても単にねっとりと湿った温い空気が肌にまとわりつくだけに過ぎない。エアコンを効かせて湿気を追い払った。アクエリアスで水分とミネラル分を、カロリーメイトで熱源を取ると、家を出て夕暮れの街を走る。
総合公園の横を抜けてテニスクラブの駐車場に灰色の車を滑り込ませた。今夜のナイターレッスン員は全部で5名いる。ボレーボレーのアップからいつものように練習が始まった。湿度と暑さも合舞って、すぐにシャツがびしょ濡れになる。不快さは少なく、むしろ気持ちが良いぐらいだった。
レッスンが終わった後はTシャツを着替えると近くの餃子屋に向かう。いつもの声がでかくて鬱陶しいおっさん二人が今夜も来ていた。水餃子、焼き餃子を注文する。ここの激辛餃子は豆板醤が効いていて、本当に汗が噴出す程だった。シソ餃子でさっぱりさせる。水餃子のスープを飲み、再び汗だらけになったところで店を後にした。自宅に戻りシャワーを浴びると生き返る。エアコンの風で体の火照りを取ってから、扇風機の緩い風の中で眠った。
8月23日(土)晴れ
緩やかな斜面を削って作られた一周1キロ強の小さなサーキットにクルマが集まって来ていた。朝方は靄が出ていて陽射しが遮られ、涼しく感じられたが靄が晴れてしまうと真夏の陽射しが容赦なく照り付けてくる。気温がぐんぐんと上昇するのが肌で感じられた。今日は、うに色のクルマで、このサーキットを15分づつ4回走る予定になっている。
ゼッケンを貼り、テーピングを済ませると簡単なブリーフィングの後、すぐに走行は始まった。二組目でコースに出る。回りはエンジンパワーに優るクルマばかりなので、直線で簡単に置いていかれた。朝一のまだ気温が低くタイヤが楽なうちに、通称ツバメ返しのコーナーをショートカットするラインでタイムを出してみる。後3回の走行で、ショートカットせずに、このタイムを上回ることを目標にした。2回目の走行では安定して同じようなタイムで走り続ける事が出来るようになる。最初のタイムとの差は、0.6秒程度だった。3回目の走行では少しラインを変えてみて、差を0.3秒程度まで詰める。しかし30度を越える気温にタイヤが持たず、4回目では逆に遅くなった。汗で濡れたシャツを着替えると幌を降ろして、田舎道を帰還する。
8月24日(日)晴れ
朝目を覚ますと眠い目を擦りながらシャワーを浴びる。リュックにラケットと着替えとシューズを押し込むとプジョーのWサスのMTBに乗って、テニスクラブに向かった。テニスクラブの親睦イベントでチーム対抗戦が行われる。クラブのコーチの判断で会員のレベル毎にくじを引かせてチームを編成するので、どのチームもあまり差は無く、いつも接戦になった。今回はチーム内に一人トップレベルの女性が入ったので、かなり強いと予想出来る。男ダブ1、ミックス2の3試合対決になるのに対して、チームメンバー数は9人なので、毎回3名は控えになった。勝ちを狙うわけではないので、各人に均等に控えを割り当てることになる。6チームの総当たりで5回の対戦があった。その内4試合に出て、3勝1敗とまずまずの成績で一日を終える。強力なメンバーを有しながら、その3名が一人も出なかった時に一敗して、4勝1敗となり、得失ゲーム差で準優勝となった。
終った後はクラブハウスで懇親会が始まる。生ビールサーバーと40Lの生ビールタンクが用意されていた。暑い一日を過した後の冷えた生ビールは信じられないほど美味い。飲み食いかつ語らい、楽しい夜が更けていった。
8月25日(月)晴れ
リュックを背負って家を出る。南行きの電車に乗った。乗り換え駅近くで目を覚ますと通勤客で満員になっている。電車を乗り換えて、静かな小さい駅に降りた。20分ぐらいかけて歩き、畑の中にあるテニスクラブに辿り着く。
開始時間が近付くと仲間が集まって来た。しばらく会っていなかったので、薄暗いクラブハウスでは気付かなかったが、コートに出ると真夏の陽射しの下で懐かしい旧友の姿を見つける。うだるような暑さの中、アップを済ませ、ジャンケンで組を作るとゲームに入った。
コート脇には大量の氷とかき氷機が準備され、試合の合間に、様々な味のかき氷で涼む。体内に熱が篭って来ると、焼けつくコートを逃れ冷房の効いたクラブハウスに避難した。昔の仲間とのゲームは、文句なく楽しい。いつしか暑さも忘れてゲームに熱中した。日が傾いてくると風も吹いて大分楽になる。薄暗くなるまで楽しいゲームが続いた。
水シャワーを浴びて着替え、3名で夕食を取りながら、あれこれ語らう。楽しい時間は瞬く間に過ぎてしまった。駅まで送ってもらい、別れる。また何時か、共にこんな楽しい一日を過したいとの思いを強くした。最高の気分は眠りに落ちるまで続く。
8月26日(火)晴れ後曇り後雨
暗い夜の曲がりくねった坂道を降りて行く。街灯も少なく頼りになるのはヘッドライトの黄色っぽく薄暗い光だけだった。坂道を下り切った所に大きな変形の六叉路になった交差点があり、その付近だけは明るい。ラッシュ時には渋滞の元凶になる交差点だが、今はそれほどクルマの列が伸びていなかった。目の前の信号が青に変わるとアクセルを踏んで走り出す。駅へと続く真っ直ぐな道を走っていると、雨が次第に強くなった。駅前に出て路地を左に折れ、しばらく行くと右手に小さな赤いネオンが見える。雑居ビルの前に用意された駐車場に車を停めた。雨が激しく降っている。意を決してドアを開けて短い距離を走って店に入った。
店内を見回すと客は二組だけしかいない。いつもの様に空いていた。大きなテーブルに一人で座ると蒸し餃子、茹で餃子を中心に7皿の餃子を注文する。先ず茹で餃子から運ばれてきた。酢とニンニク醤油を混ぜたタレに餃子をたっぷり浸してから口へ運ぶ。厚手の柔らかい皮を噛み切ると中から熱いスープが溢れ出した。熱いが実に美味い。運ばれてくる餃子を次々に平らげた。自宅に戻る頃に雨が上がる。Macの電源を入れるとモニタが壊れて点かなかった。
8月27日(水)雨後曇り
定時に会議を抜け出して壁打ちコートに向かう。スライスの短いストロークを始めた。涼しいが、湿度が高いのか、次第に汗ばむ。Tシャツを脱いで柵にかけた。一時間ほどで切り上げる。
街に出て大手電気店に入り、壊れたCRTモニタの代りに液晶モニタを購入した。両手で抱えても移動に難儀するCRTに比べると、液晶は片手で簡単に持てるほど軽い。電話の子機用の電池は売り切れていた。テニスクラブに向かう。
レッスンはセルフトスでストロークの打点を確かめる所から始まった。球出しからアプローチの練習をし、ボレーボレーに移る。ボレーストローク、サービスの後、2アップ対2バックで1球を使ってダブルスの練習をする。イージーミスが多く、まだ各人のレベルがそれほど高くない事が明白になった。少なくともイージーミスはもっと減らさないと次の段階に行けない。終了後は20分程サービス練習をした。汗を吸ったTシャツを着替える。
自宅に戻り、すぐにシャワーで汗を流した。エリンギ茸とピーマンのトマトソース・スパゲティを作りながら、缶ビールを冷したグラスに注いで飲む。熱いパスタが完成した。タバスコを振る。2本目の缶ビールと共に平らげた。
8月28日(木)晴れ後曇り
街に出て駅前の路地にある小さな餃子専門店に入る。この店は、初めて来た客ならば驚く程に餃子の種類が沢山あった。ただし、実際注文すると売り切れの場合も多い。様々な種類の餃子を、それぞれ大量に在庫するのが困難であることは容易に想像出来た。茹で餃子とキムチ餃子とミソ餃子とカレー餃子とチーズ餃子を注文する。ミソ餃子が切れていると店員が戻って来た。仕方なくホタテ餃子に注文を変更する。その直後に他の客にミソ餃子が運ばれた。あれが、最後だったのだろう。
まず茹で餃子が運ばれてくる。ごく普通のひき肉とキャベツとニラなどを練った具だが、少し厚手の皮に包まれていて、茹で加減も絶妙なので、腰のある皮の歯触りも楽しめた。次に運ばれてきた焼き餃子4種はさくっとした歯触りが嬉しい。酢をたっぷりと僅かの醤油に豆板醤を加えたタレにたっぷりと浸けて食べると酢のさっぱり感で幾らでも食べられる気がした。コクのチーズ、ピリ辛のキムチ、あっさりしたホタテ、香り爽やかなカレーと、どれも実に美味い。満足して店を出た。
自宅に戻り、シャワーを浴びてから、冷たいビールを飲む。一日の疲れが霧散した。布団に転がるとすぐに眠りに落ちる。
8月29日(金)雲り
夕暮れ間際になって急いで仕事場を後にする。傾き行く太陽を追い掛けるように西に向かって車を走らせた。夕日が遠い山並を赤く染める頃、テニスクラブに到着する。日が目に見える程短くなるのを実感した。黄昏が少しずつ辺りを闇に同化させていく。コートに入るとナイター照明が偽りの昼を創り出した。 ボレー&ボレーでアップしてから、球出しで、ボレーとストロークを一通り打つ。サービスを一篭打放すと、サービス&リターンの練習に入った。今夜のレッスン生は4名しかいない。休みなくサービスとリターンを繰り返した。最後は4名で短い練習試合をする。3ゲーム先取とするが、3ー2で勝利した時には、まだ少し時間が残っていた。さらに1ゲーム追加する。4ー2で勝ち、気分よくコートを後にした。 いつもの餃子屋に向かうが、ネオンが消えている。戻って、こんな時に行くことにしているラーメン屋に入った。焼きと水しかないが、ニンニクを使わずに、工夫した香辛料で奥深い味を出す。焼きと水を二つづつ注文した。熱い餃子を頬張ると肉と野菜の旨味が口中に広がる。自宅に戻り、シャワーで汗と疲れを流した後では、冷たいビールがこの上ない美味に感じられた。
8月30日(土)曇り後雨
曇天の重た気な空からは今にも雨粒が落ちて来そうだった。構わずうに色のクルマの幌を降ろして北の町へ向かう。コートに降りると、いつもの仲間が9名揃っていた。早速、ミニストロークからアップに入る。ボレー、ストロークが終わる頃には、もうウエアは汗で重くなっていた。さらに、ボレーストローク、サーブリターンをたっぷりと練習する。魔法瓶の冷たいスポーツドリンクを飲んで水分を補給した。 ゲームに入る。最初は苦労した上に5ー6で破れた。次は売り出し中の高校生が相手になる。本来なら壁となって叩いておかねばならない筈だが、これまで何度も苦汁を飲まされていた。しかし、今日はペアも高校生では役不足な壮年だから、負けるわけには行かない。決意を持って試合に入った。サービスも悪くない。リターンも返った。案外苦もなく、6ー1で制する。早く終わり過ぎたので、残り時間でもう一度対戦することにした。今度も6ー2で倒す。気分よく帰ることが出来た。 午後は雨が降って来たので街に戻る。嘘のように雨が止んでいた。テニスクラブに行き、更に2時間程練習とゲームを楽しむ。自宅に戻り、熱いシャワーとビールで一日の幕を閉じることにした。
8月31日(日)曇り時々雨
朝目覚めてカーテンの外を伺うと小雨が降っていた。天気予報は、雨はやがて上がると言っている。しばらくのんびり休日の朝を過ごしていると、雨は何時の間にか止んでいた。 昼前に仲間が迎えに来てくれる。ワゴンの快適なリアシートに座ると、車は少し離れたテニスコートに向かった。比較的新しく、綺麗な砂入り人工芝のコートが6面ある。今日は他の二つのサークルとの練習試合をすることになっていた。参加者は20名以上いる。まずは男と女に別れて、男はダブルス1、シングルス2の3対戦を行うことになった。 最初はシングルスで出るが、相手は余り慣れていないようで、危な気なく6ー0で勝つ。次はダブルスで出た。相手のサービスもリターンも特にプレッシャーは感じないが、緊張感が足らないのが災いしてゲームを引き離すことが出来ず、5ー4から追い付かれて6ー6とされタイブレークまでもつれ込み、結局6ー7と敗北する。最後のダブルスは大分まともな相手で集中が持続できた。今度は7ー6で勝つ。 隣接する町営の温泉施設で汗を流し、休憩所の広間で冷えたビールを飲みながら仲間と語らった。酒を飲まない者が居るので気楽に飲める。良い休日になった。