2004年05月の日記

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5月1日(土)晴れ

 目覚ましが鳴る直前に自然に目覚めた。遠足前の小学生の気分かもしれない。軽く朝食をとり、荷物を持つと外に出た。うに色のクルマを目覚めさせ、幌を下ろし、ナビに行き先をセットすると早朝の街に走り出る。手近なICから有料道路に乗り、南に向かった。軽くヒーターを効かせてやると露天風呂に浸かっているように体は温かく、頭は涼しい状態で気分が良い。単調な道路を一気に走り抜けた。避暑地として有名な高原を通り抜ける所で少し渋滞したが、それを過ぎると車の数も減り、走り易い。途中のサービスエリアでモーニングセットを胃に収め、更に走り続けた。昼前には雪を頂く山並が間近に迫る南アルプスの麓に位置する町に辿り着く。

 昨年は枝垂れ桜が満開で素晴らしい景観を誇っていた寺に向かうが、今年はこの地でも開花が早かったようで、既に花は散り失せていた。八重桜だけが匂い立つような薄紅色に彩られている。暫く付近を走り回った後に集合場所の駐車場に辿り着くと、同じ形状のクルマが数台集まっていた。レモン色とうに色と銀色のクルマを連ねて田舎道を暫くツーリングして楽しむ。第2の集合ポイントに着くと、別の場所で集まって移動して来た仲間たちと合流した。

 相棒を迎えに駅前に向かう。駅前の駐車場にクルマを停めて、小さな町を歩いた。名物のソースカツ丼を食そうと店を探すが、昼飯と晩飯の間の中休みで、開いている店が見つからない。結局、唯一つ開いていた駅前の料理店に戻った。お目当てのソースカツ丼と蕎麦を注文する。昔から甲信地方で「カツ丼」と言えば、ご飯に豚カツが乗り、ソースが掛かった物を指しており、出汁で煮て卵とじにした物は「煮カツ丼」と呼んで区別していた。この地ではご飯とカツの間にキャベツの千切りが挟んであり、甘目のソースが掛かっているのが特色らしい。タレが染み込んだ飯が美味く、充分に楽しめた。蕎麦は期待外れで、特徴が無い。

 遅い昼食後に集合場所に向かうと、20台近い同型のクルマが集まり、異様な雰囲気を発していた。暫くぶらぶらした後、近くの温泉ホテルにチェックインし、早速温泉に入る。内湯しかなく、温度も高いので長風呂には向かなかった。風呂から上がってさっぱりすると、うに色のクルマで少し離れたスリランカ料理店に向かう。さほど大きくない店内は半分ぐらい埋まっていた。ドアを開けた時から香辛料の香りが鼻腔を刺激し、数年前に訪れた彼の地を思い起こさせる。カレー3種と、ターメリックライスと、揚げ春巻きのようなスナックを注文した。先ず野菜スープが出て来たので喉を潤す。豆のカレーと、肉のカレーと、魚のカレーはどれも期待通りの味と香りだが、辛さが物足りなかった。辛味ソースを別途もらって入れたが、まだ足りない。辛さ以外はほぼ満足出来た。食後には紅茶を注文する。保温カバーを掛けたステンレスポットに入れられた紅茶は、香りと言い味と言い、まさにスリランカの紅茶農園で飲んだ紅茶と一緒だった。文句無く美味い。じっくりと味と香りを楽しみ、満ち足りた気分で店を後にした。ホテルに戻り、再度温泉に入ると、ビールを飲んで布団に潜り込む。

 

5月2日(日)晴れ

 窓から青空にくっきりと映える白銀の嶺が見え、目覚めの気分は良い。先ず朝飯前に朝風呂と洒落込んだ。朝食は、ごく普通のいかにもな旅館のそれで、特別良くもないが悪くもない。ゆっくり朝食を食べてから部屋に戻り、布団に飛込み、二度寝を楽しんだ。チェックアウト時間ギリギリにホテルを出る。少し近所をドライブし、前日通り抜けただけだった寺に立ち寄った。参道の左右の低い石垣に光苔が群生している。山門を抜けて本堂に参ってから、県宝の三重塔、村の苦難を救ったという伝説のある霊犬早太郎の墓を見た。意外に見所がある。今日の集合場所に向かった。

 既に、駐車場には20台を越える同型のクルマが集まっていた。予想通り、うに色が一番多く、れもん色がそれに続いていた。青、銀、黒、赤は少ない。初めて会う仲間、久し振りに会う仲間との会話を楽しんだ。しばらく歓談の時を過した後、クルマをそこに残して全員でBBQ会場に移動する。三つのブースに分かれて豚やラム肉のBBQを楽しんだ。散々食べ尽くし、語り尽くした後、同じ敷地に付属する温泉に入る。露天風呂から南アルプスの山々が展望出来て、雄大な気分になれた。一時間程温泉を楽しんで出てみると、大勢集まった仲間たちは三々五々別れて、それぞれ次の目的地に向かった後で、駐車場には3台しか残っていない。その残った2台とも別れて土産屋に向かった。2軒土産屋を回って名産の漬物や菓子を買い込むと、手近なICから有料道路に乗る。片道2車線が1車線になる所で渋滞が発生していて、思わぬノロノロ運転を強いられた。渋滞区間を抜けて2車線になると嘘の様に流れ出す。

 高価なばかりで無駄が多い有料道路を降りると、街道沿いにエスニックな雰囲気のレストランを見つけた。アジアのリゾートホテルをイメージしたような外見が期待させる。ドアを開けるとアジア風な装飾が施された店内は薄暗く、席はカーテンや柱に囲まれて、微妙な個室感覚を出していた。メニューをみるとタイ、ベトナム、インドネシア、韓国などの様々な料理が並んでいる。カレー、ナン、豆腐のチョレギサラダ、フォーと呼ばれる米麺の汁ソバなどを注文した。最初に出てきたフォーは香辛料と鶏の出汁が効いたスープが美味い。腰のある米麺も良い味だった。サラダはごく普通の味だがまずまず悪くない。カレーは昨夜のスリランカ料理店と比べると日本人向けにアレンジしてあった。辛さはやはり物足りないが、味も量も値段に見合う物で全体に満足出来る。

 そこからは下道を走って自宅まで戻った。二日間で、ほぼ800kmを走破して、この旅も終わりの時が近付く。自宅の地下駐車場にクルマを停め、エンジンを切ると、二日間聞き続けていたような気がする、ちょっとざらついたエンジン音が消え、静寂が旅の終わりの寂しさを助長した。久し振りにうに色のクルマと旅した満足感が、ほど良い疲労と共に体をじんわりと包んでいる。自宅に上がり、冷蔵庫から缶ビールを取り出し、プルトップを引いた。素焼きのカップに注ぎ、クリーミィな泡の感触を唇で楽しみ、炭酸の刺激を喉で味わう。ドライビングの高揚感が緩やかに解けていった。

 

5月3日(月)曇り時々小雨

 深くゆっくり眠った朝の目覚めは気だるい。スナック類を軽く腹に入れると充電式掃除機と水を入れたバケツを持って駐車場に降りた。4日間それぞれ一泊づつの旅行で、合わせて1000キロ余りを走り抜いたうに色のクルマを掃除する。フロアマットを取り出し、フロアに掃除機をかけ、雑巾で埃を拭った。スプレーワックスでボディに付いた汚れを拭い去る。特にフロントは虫の死骸が大量にこびり付いていた。汚れと埃を落とすとボディ全体が蛍光灯の光を反射して濡れたように光る。

 シリアルとヨーグルト、トーストに紅茶のブランチをとって小休止を入れた。今度は、灰色の車を地下駐車場に入れて、冬用のタイヤから夏用のタイヤに交換する。途端にハンドリングやブレーキング時の手応えがしっかりするのが判った。フロアマットを叩き、カーペットに掃除機を掛けてやると少しは綺麗になる。満足して自宅に戻った。

 スポーツジムの駐車場に灰色の車を停める。相棒も連れて体を動かしに来た。ロッカーでTシャツと短パンに着替え、室内履きに履き換えてジムのフロアに降りて行く。エアロバイクを15分、マシントレーニングを約30分行った後、ランニングマシンで40分走った。ICキーを読み取り機に差して運動したデータをサーバーに保存し、風呂に向かう。洗い場で髪と体を洗ってから、サウナで汗を絞ると、さっぱりと爽快な気分になった。

 スーパーで買い物をして自宅に戻ると、久し振りに飯を炊き、味噌汁も作る。土産で買って来た漬物を器にあけ、豆腐を切ってごまドレッシングを掛けた。冷たい缶ビールを飲みながら、漬物や冷奴をつまむ。メインは大阪仕込のタコ焼だった。タコ焼の鉄板をカセットコンロに掛ける。タコと天カスと紅生姜を入れて竹串でひっくり返しながら丸く焼いた。焼きたてに青海苔と鰹節を振り掛け、ソースとマヨネーズと芥子をかけて食べると、これは美味い。

 

5月4日(火)曇り時々晴れ後時々雨

 朝起きて朝食をとると、灰色の車に乗って南に向かった。一桁番号の国道から、交差する二桁番号の国道に乗り換えて西に走る。家を出てから一時間ほどで、アウトレットモールに到着した。連休とあって人は多い。主にスポーツ系のショップを回ってTシャツとオールコート用のテニスシューズを購入した。相棒の買い物に付き合っていると何時の間にか3時間半ほどが経過している。アウトレットモールを後にして街に出た。

 この街はラーメンで町おこしをしている。市内にはラーメン屋が多数点在していて、透明な鶏系のスープと、青竹で手打ちした縮れ気味の平打ち麺を特徴としていた。適当な一軒を選び、十分ほど待って店に入る。出されたラーメンは、澄んだスープにシナチクと煮豚と海苔が一枚乗っていて、モノトーンの色調でまとめられていた。スープを飲むと鶏の旨味が口一杯に広がる。恐らく昆布や魚系の出汁も使っているらしく、豊かで複雑な余韻も残った。麺は腰があり、小麦の味わいがしっかりと感じられて、久し振りに麺が美味い。煮豚はとろとろと口の中でほぐれた。単調だが全体が調和していて、悪くない。餃子が品切れで食べられなかったのが残念だった。

 一度自宅に戻ってから、再び相棒を連れてスポーツジムに向かう。ICキーを読取り機に差してチェックインした。先ずエアロバイクに跨り30分ほど漕ぐ。その後、エクササイズマシンを使って30分程筋力トレーニングを行った。今日はもう時間がない。ICキーを読取り機に差してチェックアウトし、風呂に入った。髪と体を洗い、サウナで汗を流す。露天風呂でしばらく頭を冷してから外に出た。

 今夜もタコ焼を作る。昨夜より更に手際が良くなり、表面がカリッと香ばしく焼けた。今日はネギの微塵切りも忘れずに入れたので、更に美味い。思わず冷たいビールが進んだ。

 

5月5日(水)曇り

 のんびり朝寝を楽しんでから、やっと起き上がる。シリアルにヨーグルトをたっぷり掛け、チーズトーストを焼いた。コーヒーを入れる。遅目の朝食をとると、掃除や洗濯などの仕事を片付ける。洗濯物を畳み、バンダナにアイロンを掛けた。昼過ぎにスリランカ方式でアールグレイのミルクティーを入れ、菓子をつまみながらアフタヌーンティーと洒落込む。

 西に向かう相棒を駅まで送った後、一人でスポーツジムに向かった。今日は時間があるので、プログラミングされたトレーニングを一通り全てこなした上に、一時間程を掛けてゆっくりと風呂も楽しむ。特にサウナと露天風呂に長い時間を掛けた。

 自宅に戻り、PowerMacG4のCPUを400Hzから1.2GHzにアップグレードする。全ての動作がキビキビと早くなり、大分ストレスが緩和された。OS10.3がようやく真の力を発揮し始めたようにすら感じる。1週間の休暇は、まるで夢のように過ぎてしまった。連休最後の夜は、久し振りに一人でゆっくりと過す。

 

5月6日(木)曇り

 1週間の休暇で少しはリフレッシュしたらしい。睡眠時間は少なめだが、目覚めの気分は悪くなかった。また代りばえのない日常が始まる。TVのニュースを眺めながら、シリアルとヨーグルト、ミルクティーの朝食をとった。顔を洗い、大分伸びた髪をワックスで整えるとニットの帽子をかぶって家を出る。灰色の車で静かな朝の街に走り出した。

 仕事場を出ると家路を辿る。今日はスポーツジムの休館日になっていた。帰り道の途中でスーパーに寄り、朝食用のシリアル、ヨーグルト、卵などを買い込む。自宅に戻り、鍋に湯を沸かすと小松菜を茹でた。市販のゴマダレをかけて混ぜると簡単に胡麻和えが出来上がる。相棒が作っていった豚の角煮を鍋にあけて温め、豆腐を加えて少し煮込んでみた。これも相棒と作って冷凍しておいたタコ焼を電子レンジで温める。冷たい缶ビールを飲みながら、これらの惣菜を平らげると、口も腹も満足した。少し早めに布団に入り、目を閉じると、たちまち意識が遠のいていく。

 

5月7日(金)晴れ

 自宅に戻り、早めの晩飯を作る。スパゲティを茹でて、作り置きのカレーを温めるだけなので簡単だった。今夜から二日間の外出なので、冷蔵庫に保存していた小松菜の胡麻和えも食べ切る。準備を整えるとテニスクラブに向かった。今夜は女性二人を含めて7名のレッスン生が集まる。一人あたりの運動量は少なめになった。相変わらず集中力も欠けていて、良い練習にならない。無駄な時間を重ねない為にも集中が必要だった。やり切っていない中途半端な思いを残したまま仕方なくコートを離れる。

 1時間半のレッスンが終っても、心は満たされなかった。もっと体を使う必要がある。30分ほどかけてスポーツジムに向かった。先ずエアロバイクを30分漕いで、汗と共に物足りない思いを押し流す。少し負荷を上げたので気持ち良く汗が滴り落ちた。さらに30分程使ってマシントレーニングをすると、やっと気分が晴れてくる。閉店の時間が近づいて来たので、サウナは短めで切り上げた。スッキリした気分でジムを後にする。

 自宅に戻り、荷物をまとめ、身支度を整えた。仲間が到着する。荷物を持って降りて行くと、迎えに来た新車の白いボディがまぶしかった。後部座席に乗り込むと皮シートの匂いがほのかに漂う。二人の仲間と共に西へ向かう週末だけの短い旅が始まった。白い車は近くのICから有料道路に入り、南に向かう。少し走った所のSAに入り、運転の順番を決めた。2番目に運転する事に決まり、後部座席に乗り込むと、目を閉じる。僅かな風切り音とロードノイズが次第に遠のいた。

 

5月8日(土)晴れ

 気が付くと日付も変わり、都心も抜けている。SAで短い休息をとり、キーを受け取った。運転席に座ると自照式のメータが鮮やかに光って迎える。走り出すとATの変速ショックがほとんど感じられない事に気付いた。エンジンパワーにも必要充分な余裕があり、軽いアクセル操作で、重い筈の車体が軽々と流れに乗る。2百数十キロを走り抜き、車のオーナーにキーを渡す頃には空が明るくなっていた。朝方、最初の目的地に到着する。早朝営業のスーパー銭湯に入り、赤錆色の源泉を楽しんだ。

 宿泊するホテルの駐車場に車を入れ、電車で移動する。米国からノウハウを輸入して作られたテーマパークの入口で相棒と待ち合わせ、ここで二手に分かれた。テーマパークに向かう相棒達を見送る。残った仲間と二人で渡し舟に乗り、対岸に渡った。ジンベイザメやマグロやマンタが泳ぐ巨大な水槽がメインの水族館に入る。2時間ほど掛けて魚や水棲動物の姿を楽しんだ。その後、小さなフードテーマパークを散歩してから、世界最大級の観覧車に乗って空中散歩と洒落込む。110メートルを越える高さに宙吊りになると360度の眺望が楽しめた。

 地下鉄に乗って街の中心街に出る。2軒のタコ焼き屋を回って食べ比べをした後、お好み焼き屋に入った。少し椅子で待った後、カウンター席に案内される。目の前の鉄板で店員が手際良く焼いたお好み焼きを食べた。冷えた生ビールと良く合って実に美味い。焼き蕎麦と日本酒で締めて店を後にした。腹ごなしも兼ねて、市場、道具屋街、電気街を探索する。関東では見かけない野菜や魚が目を引いた。呼び名が違うものもある。道具屋街では、名物のタコ焼きやお好み焼きの道具が色々揃っていて愉快だった。電気街では高級オーディオ専門店が興味深い。気が付くと日が落ちて来て、足も歩き疲れていた。

 在日韓国人が多いと言われる街で待ち合わせて、4名が合流する。異国ムードが漂う商店街を冷やかしてから予約してあった焼肉屋に向かった。小さな店でこじんまり食うつもりだったが、新店舗が完成していて、新しくて綺麗なテーブル席に案内されて拍子抜けする。テーブルの中央に埋め込まれたコンロもガスで、期待していた炭焼きではなかった。しかし、運ばれてきた肉は、柔らかく甘味があり、味付けも含めて実に美味い。生ビールを飲み、次から次へと肉を焼いて食らうと腹がはちきれそうになった。満足して店を出る。

 電車を乗り継いでホテルに戻った。シャワーを浴びるとベッドに潜り込む。昨夜からの移動の疲れと今日の疲れが重なり合って、瞬く間に意識が奪い去られていった。

 

5月9日(日)雨

 窓を開ければ、白く曇った空と鈍い鉛色の海、そして白いヨットが数十艘係留されたヨットハーバーが眼下に見えた。細かい雨が降っている。目が覚めたので、ホテルのすぐ近くにある魚市場に行くことにした。気持ち良さそうに眠り続ける一人を残して3人でホテルを出る。歩いて5分も掛からず魚市場に付いた。朝4時から開いているので、既に3時間ほど経過していることになる。ほとんどの店で並べられた商品は少なくなっていた。だが、生きたシャコ、蛸、エビ、カニなどが蠢き、澄んだ目の生きの良さそうな魚が並べられている。自宅から遠く離れてクーラーボックスもないので、欲しくても買えないが、見ているだけで愉快になった。

 建物の隅には市場で働く人達が腹を満たすための食堂が何軒か並んでいる。寿司、天婦羅、串揚げなど、大勢の男女が朝から旺盛な食欲で飲みかつ食らっていた。朝とは思えないほど、ビール瓶やジョッキが並んでいる。一通り見て回ってから寿司屋に入った。カウンターだけしかない。一皿300円均一と掛かれた札が掛かっていた。カンパチ、平目、穴子、中トロ、ボタン海老などを注文する。どれも実に美味く、口の中で甘く蕩けた。

 満腹になる前に切り上げ、串揚げ屋に向かう。串揚げを何本かと、どて焼きを注文してみた。串揚げは好みでソースか、ポン酢か、塩を付けて食べる。からりと揚げられたイカや牛肉はポン酢で食べると脂のしつこさが消えて幾らでも食べられそうだった。朝から充実した食事に満足して市場を後にする。

 二度寝を楽しんでから、ホテルの一階に入っているパン屋に向かい、一人1000円分のパンを選んだ。ホテルのサービスなので、支払いは要らない。荷物をまとめて、ホテルを出た。有料道路を使い、山に向かう。瀬戸内海に面するこの地域は、海と山が非常に近かった。急な山道を一気に上り詰める。山頂近くに車を停め、歩いて少し登った所にある展望台からの景色は、正に絶景だった。晴れていたらどんなに素晴らしいだろうか想像もつかない。尾根に沿ったドライブをしばらく楽しんでから、古くから3名湯の一つと称されている温泉地に向かった。

 駐車場に車を停め、古い温泉街を散策する。細い路地や坂道を歩いて、街並みを楽しんでから、目に止まった公共浴場で温泉を楽しむことにした。施設自体は新しいので、小綺麗で清潔だが、情緒は無い。それでも高い吹き抜けの天井は開放感があり、サウナで汗を流すと気分は上々だった。名物の炭酸煎餅や佃煮の試食を楽しみながら、温泉街を歩いて降り、再び車に収まる。

 二日間の短い旅は帰路に入った。相棒を自宅近くで下ろすと、有料道路に乗り、東に向かう。行程のほとんどは雨に降られた。景色の見えない退屈なドライブを続けて、首都圏に入る。表示上渋滞は無い筈だったが、前方でスリップ事故が2件発生して渋滞に捕まった。幸い、事故処理で渋滞が増長される前に通過する。車の運転に不慣れなドライバーが多い週末の設計が悪い有料道路に有りがちな事故だった。渋滞での遅れが数十分程度で済んだだけ運が良かったとも言える。

 深夜、日付が変わってから自宅に辿り着いた。部屋に入り、荷物を下ろすと、真っ先に冷蔵庫から冷たい缶ビールを取り出す。プルトップを引くと良い音が響いた。素焼きのグラスに注いで、まろやかな泡と共に冷えた液体を一気に喉に送り込む。思わず唸り声を上げてしまうほど美味かった。目を閉じる。二日間、1400キロほどの旅の想い出が頭の中を巡った。やはり旅は、良い。

 

5月10日(月)曇り時々小雨

 ホテルのパン屋で仕入れて来た菓子パンとヨーグルトで朝食にする。一日経過してしまったが、香りも良く、しっとりとして美味かった。ティーバッグで淹れた紅茶にミルクをたっぷりと加えて飲む。スポーツジム用に着替えやシューズを入れたデイバッグを背負って部屋を出た。雨が降っているので灰色の車で仕事場に向かう。

 PCの電源を落として、事務所の席を立った。細かい雨が一日中降り続く鬱陶しい天気だが、ひんやりと涼しくて、意外に悪くない。スポーツジムの駐車場にやっと空きスペースを見つけて灰色の車を停めた。ロッカーでTシャツと短パンに着替え、シューズを履き換えてジムのフロアに降りる。先ず背もたれ付きのエアロバイクを15分漕いでウォーミングアップした。ストレッチで体をほぐしてから、マシントレーニングを肩、胸、足、腹のバランス良く約30分掛けて行う。最後に座って漕ぐエアロバイクに跨り、雑誌を読みながら30分間運動すると滴るほど汗が流れた。ICキーに入力された運動データをサーバーに保存してから、風呂に向かう。洗い場で髪と体を洗ってから、サウナで汗を吹き出させると、週末の旅疲れ、食べ疲れも霧散し、すっきり爽快になった。

 

5月11日(火)霧後晴れ

 朝起きてカーテンを開けるとミルクのように白く濃い霧が景色を覆い隠していた。空もぼんやりと白い。久し振りの濃霧の朝だった。朝食をとると、灰色の車に乗って走り出す。周りは白い闇だった。ヘッドライトを点ける。対向車でヘッドライトを点けていない車は、かなり接近してから突然霧の中から姿を表すので注意が必要だった。信号機もかなり近付かないと見え難いので、慎重な走行にならざるを得ない。夜の闇以上に厄介な濃霧の朝だった。対向車が白い幕の中からぽんと飛び出し、また後方の白い幕の中に消えていく様は、まるで手品のようで、面白いと言えないこともない。

 仕事場を出ると、昨夜に引き続き、行き先はスポーツジムに決まっていた。先週末の不摂生で鈍った体に鞭を入れる必要がある。定められたメニューに従って有酸素運動と筋力トレーニングに汗を流した。スポーツジムで2時間ほど過すと、帰宅の途につく。少し遠回りしてガソリンスタンドに寄り、灰色の車のタンクを満たしてやった。かなり無給油で走り続けたので、45Lタンクに42Lほどのレギュラーガスを飲み込む。ざっと計算すると燃費は12km/L前後だった。効率の悪いATを搭載した車にしては、まずまずとも言えるし、1.5L、1tを切る車重にしてはイマイチという微妙なラインだろう。

 

5月12日(水)曇り後少雨

 どんよりと重そうな雲が空を覆い、今にも雨が降り出しそうだった。灰色の車で壁打ちコートに向かう。スマッシュとストロークを多めに練習し、打点を確認した。気温は低いが湿度が高いらしく、壁とラリーを続けていると汗が大量に流れる。一時間ほどで壁打ちを終え、車に戻ると、思わずエアコンを冷房側に切換えた。室温は20℃程度なのだが、爽やかさがない。湿度の違いでこれほどまでに体感が違うのかと少し驚いた。

 コンビニで車雑誌を立ち読みし、少し時間を潰す。カロリーメイトでエネルギーを補充し、クエン酸系スポーツドリンクで水分を摂ると準備は出来た。ナイター照明が眩しいコートに出る。ショートラリーのアップから、レッスンが始まった。ストロークラリー、アプローチからの平行陣対雁行陣、サービス練習、サービスからのゲーム形式と進んで行く。毎週少しづつメニューが変わるので、マンネリ化しないと言う点では悪くなかった。最後の方で少し雨がぱらつくが、支障が出るほどではない。レッスン後は仲間の一人と、ラリーで汗を流した。湿気が高いせいで、ぽたぽたと面白い様に汗が滴り落ちる。今夜のビールはさぞかし美味いに違いなかった。

 

5月13日(木)曇り

 TVのニュースを眺めながら、入念に歯を磨いた。午前中に検診があるので、朝は飲まず食わずでいなければならない。ぼさぼさに伸びた髪をワックスで適当に整えるとニットキャップをかぶって家を出た。灰色の車で静かな朝の街を走る。腹が何度も鳴って、空腹を訴えるが、無視した。仕事場の駐車場に車を停めると、天気予報に敬意を表し、傘を持って降りる。

 いつもより早めに仕事場を出ると、帰路についた。スポーツジムは休館だから運動も出来ない。帰り道の途中でスーパーに寄り、特売の朝食シリアル、ヨーグルト、卵などを買い込み、週末に備えた。自宅に戻り、フライパンを出す。ニンニクのスライス、豚肉、豆腐、キャベツ、ニラ、ピーマン、舞茸を炒めて大皿一杯の肉野菜炒めを作った。冷たいビールを飲みながら、熱々の炒め物の山を片付けていく。ビールを飲み終えると冷酒に切換えた。

 

5月14日(金)曇り一時雨

 夕方に急に強い雨が降った。仕事場を出る時は雨の最中だったが、自宅近くでは雨が止み、路面も半分乾いている。北関東の気まぐれな天気にも慣れたので驚きはなかった。自宅に戻り、惣菜パンと菓子パンで取り敢えず腹を落ち着かせる。準備を整えるとテニスクラブに向かった。今夜は5名のレッスン生が集まる。

 1時間半のレッスンが終っても、まだ充分体力は残っていた。まだ体を動かし足りない。30分ほどのドライブでスポーツジムに着いた。先ず筋力をアップすべく、30分ほどマシントレーニングを行う。次に雑誌を読みながらエアロバイクを30分漕いで、たっぷり汗を流した。閉館の時間が近づいて来たので、サウナは短めにしてあがる。程良い疲れから来る気だるさと、スッキリした爽快な気分でジムを出た。

 自宅に戻り、豆腐半丁に胡麻ドレッシングを掛けてつまみながら、冷たいビールを飲む。最高に気持ち良い週末の夜だった。布団に入るとスイッチを切り換えたように瞬時に眠りの世界に没入する。

 

5月15日(土)晴れ後曇り

 朝、いつもより遅目に目覚めて、のんびりと過す。たっぷりのシリアルにたっぷりのヨーグルトを掛け、スプーンですくって口に運んだ。適度な酸味と干しフルーツの甘味が溶け合い、しっかりとした噛み応えもあって組み合わせとして悪くない。

 電話が掛かり、車屋がうに色のクルマを引き取りに来ることが告げられた。数日前の朝、一時停止無視の軽トラに左側面から突っ込まれ、左前フェンダーと左前タイヤがやられている。修理は出来るだろうが、部品の入荷が遅くなって長期間の入院になるのが懸念された。積載車が到着し、うに色のクルマは荷台に引上げられる。走り去る積載車の後ろ姿を見守った。

 昼間のうちにジムに行くことにする。一時間半ほどを掛けて、プログラムされたメニューを全てこなした。ギリギリに設定された負荷を10回×3セットづつ体に掛けるが、それぞれのセットで最後は筋肉がきしむ。筋トレで脂肪が燃焼しやすくなった状態にしてから、有酸素運動のエアロバイクで仕上げた。床に汗が滴り落ちる。タオルやTシャツが絞れるほど汗を吸って重たくなった。付属の温浴施設に入り、陽射しを全身で浴びながら露天風呂で寛ぐ。青空を見上げながら浸かる露天風呂は最高だった。

 自宅に戻り、少し遅目の昼食を摂る。少し休んでからテニスクラブに向かった。すぐにゲームに入るが、最初は全く打てないまま終わってしまう。2試合目以降は、打点が合ってきて、打てるようになった。最後は壁打ちで入念に打点を確認する。日が落ちて会員達も帰り始め、暗くなりだしたコートで、ナイターレッスンに参加した。生徒は5名集まる。コーチの球出しからのダブルス形式のボレー&ボレーから始まった。次は球出しでストロークを打ち放つ。更にクロスのストロークをメインにした練習を続けた。サービスを打ち放してから、最後はサービスからのダブルスのゲーム形式で終える。湿度が高いので、再び汗だくになった。ロッカーで着替えてクラブを後にする。

 自宅に帰り、シャワーを浴びて汗を流すと晩飯の支度を始めた。小松菜を茹でて水を切り、市販のゴマダレで合えると簡単に小松菜の胡麻和えが出来る。ニンニクをたっぷりとスライスして、キャベツ、小松菜、ピーマンなどの野菜を一口大に切って準備した。中華鍋に油を引き、ニンニクと鷹の爪を炒めて香りを引き出す。豚肉、野菜、豆腐を手早く炒めて、塩、胡椒、醤油で味を整え、最後に卵を2個溶いて全体に絡めると、夏に合う、爽快な味の炒め物が完成した。相棒が帰って来たので一緒に晩飯を食べる。ビールと冷酒を飲むと一日の疲れが出て、思わずソファでまどろんでしまった。

 

5月16日(日)雨

 窓を開けると、薄墨を流した様に曇った空と、雨に濡れて黒ずんだ景色が見えた。北の町でのテニス練習会は中止になる。諦めて午前中はのんびり過すことにした。チーズトーストと、シリアルのヨーグルト掛け、ミルク入りのコーヒーで朝食を摂る。

 昼頃になって、相棒と共に外に出た。スポーツジムに向かう。雨で他にすることがないせいか、いつもの日曜日よりも人が多かった。ロッカーで着替えてフロアに降りると、プログラムに沿ってトレーニングをこなす。途中でスタジオに入って軽いエアロビクスのクラスに参加した。負荷は軽いが50分間動き続けるとかなりの汗が流れる。締めくくりはエアロバイクで、更に汗を絞り出した。風呂で体を洗い、サウナと水風呂と露天風呂の3点セットを2回ローテーションする。

 ジムを出ると、かなりの空腹を覚えた。街に出て、久し振りに餃子専門店に入り、焼餃子、揚餃子、水餃子を堪能する。焼餃子に酢を多めに入れたタレをたっぷりと染み込ませて食べるとさっぱりして実に美味かった。たまには餃子三昧も悪くない。店を出て近くの電気屋に入り、ランニングマシンで走りながら音楽を聴けるようにポータブルCDプレーヤーを買い込んだ。

 自宅に戻り、喉が待ち望んでいた冷たいビールを飲む。思わずため息が出るほど美味かった。間食のボリュームがあったので、晩飯は、冷麦で簡単に済ます。食後の紅茶を飲んでから、西に戻って行く相棒を駅まで送って行った。またしばらく独りの生活が始まる。

 

5月17日(月)雨後曇り

 仕事場を出るとロッカールームで着替えて門に向かって歩いた。雨は止んでいる。駐車場から灰色の車を出すと、暗い夜道を走り出した。ほんの5分も走るとスポーツジム明かりが見えてくる。広い駐車場に空きスペースを見つけて灰色の車を停めた。入口で会員カードを渡してロッカーキーを受け取る。ロッカーで短パンに着替え、シューズを履き換えた。ICキーを受付機に差して、チェックインする。先ず、背もたれ付きのエアロバイクを10分漕いでウォーミングアップした。ストレッチで体をほぐし、マシントレーニングをおよそ30分掛けて行う。最後にランニングマシンのベルトの上を30分走った。ICキーに記録されたデータをサーバーに保存してから、風呂に向かう。洗い場で髪と体を洗ってから、サウナで更に汗を絞った。

 自宅に戻り、豆腐、納豆、モズク酢などで簡単な晩飯にする。鍋で紅茶を煮出してから、牛乳を加え、軽く煮立てるとスリランカ風のミルクティーが出来た。香りを楽しみながら飲み干す。今夜は肝臓を休ませる為にアルコールは抜きだ。

 

5月18日(火)晴れ後曇り

 朝起きてTVを点けると、ちょうど天気予報をやっている。今日は久し振りに青空が広がります、とアナウンサーがにこやかに告げた。カーテンを開けるまでもなく、外が明るいのが判る。冷蔵庫からヨーグルトを出して、器にシリアルを盛った上からたっぷり掛けた。マグカップにスリランカ製のティーバッグを落として、熱湯を注ぐ。ミルクを加えてから、カップを口元に運ぶと、アール・グレイらしいベルガモットの香りが鼻をくすぐった。カップに鼻を埋めるようにして香りと共に紅茶の味を楽しむ。安物の電動歯ブラシで時間を掛けて歯を磨いた。黒いショルダーバッグとデイバッグを肩に引っ掛けて家を出る。

 仕事場を出ると、今日も行き先はスポーツジムに決まっていた。少し疲れが溜まっているようだが、構うことはない。定められたメニューに従って有酸素運動と筋力トレーニングに汗を流した。CDを聞きながらランニングマシンのベルトの上を走っていると、信じられないほどの汗が滴り、飛び散る。少し速度を上げたので、心肺機能アップが望めるレベルまで心拍数が上がった。30分で6kmほど走った計算になる。スポーツジムで2時間ほど過すと、帰宅の途についた。

 

5月19日(水)曇り後雨

 どんよりと重そうな雲に覆われた空から、ついに雨が降り出した。壁打ちのチャンスさえ奪われる。思わず罵りの声を上げそうになるが、諦めて灰色の車で家路を辿った。帰り道でスーパーに寄って生鮮食料品、ビール、泡盛などを買い込む。ただし、税法上のビールは買わず、ビール風発泡酒でもないビール風その他雑酒にした。えんどう豆タンパクを主原料にした、この酒は発泡酒より安い税金額を利用して更なる低価格を実現しているが、あっさりとした中にも、ほのかな香ばしさがあって、意外にいける。味わいは薄いが、それゆえ水代わりに飲むには悪くなかった。しかも水よりも遥かに効果的に喉の渇きが満たされる。

 冷蔵庫の余り物で簡単に晩飯を済ませると、古いカセットテープに録音された昔の音源をMacに取り込み、デジタル化する作業を始めた。音質は元々のカセットテープ以上にはならず、いわゆるHi−Fiとは程遠いものだが、懐かしさの方が優る音源だし、カーステかポータブルプレーヤーで聞く分には、さほど気にならない。デジタル化作業用のMacのCPUを高速化しておいたので、処理の待ち時間が大幅に減り、作業はスムーズに進行した。90分テープ一杯に編集したテープからCDにする際に、メディア容量の違いから十数分、すなわち数曲を落とさないとならないのが問題になる。しばらく聞き比べた末に3曲を落としてCDの容量である80分以内にまとめた。ブランクのCD−Rメディアをドライブに入れて焼くとオリジナルCDが出来上がる。

 

5月20日(木)曇り

 デスクトップPCとノートPCのOSを終了させ、電源を落としてから、ノートPCは畳んで袖机の引き出しに仕舞った。ショルダーバッグを担いで仕事場を出る。作業着から私服に着替え、門の外の駐車場に向かった。スポーツジムの休館日なので、昨日に引き続き今日も運動をしない。筋肉が、トレーニングの後、以前より太くなって再生する超回復を果たすのに丁度良い休息時間になった。帰り道の途中でスーパーに寄り、豆腐や野菜を買い込む。

 自宅に戻り、晩飯の用意を始めた。先ず冷蔵庫から豆腐を出し、1/3程度を冷奴で食べることにし、器に置いて、胡麻ドレッシングをかける。残りの2/3で炒め物を作ることにした。フライパンを出す。ニンニクのスライス、豆腐、もやし、キャベツ、ピーマンを炒めて大皿一杯の豆腐野菜炒めを作った。熱々の豆腐や野菜を頬張り、すかさず冷たいビールを放り込んで口中を冷やすと、これは美味い。ビールとグラス一杯のワインで全て平らげた。

 

5月21日(金)雨後晴れ後曇り

 朝から雨が降っていた。梅雨と言われても不思議に思わないような鬱陶しい天気が続いている。季節外れの台風が接近したせいだったが、台風の通過と共に、昼には嘘の様に雲が消え、一面の青空が広がった。夕方になって仕事場を出る時には、また魔法の様に青空はかき消され、一面雲に覆われている。壁打ちコートに向かい、30分だけ壁打ちを楽しんだ後で、自宅に戻った。

 ナイターレッスンの日だが、今夜は別の用事がある。クーラーバッグを持って家を出た。電車に一駅乗って街に向かう。駅ビルで缶ビールと小さな花束を買った。歩いて15分ほどのテニス仲間の家に向かう。約束の時間に少し遅れて着いたが、それでも一番のりだった。友人夫妻が出迎えてくれる。家庭の事情で引退したコーチを囲んでのホームパーティーに、スクール生が5名集まることになっていた。結局、20分程遅れて、ビールでの乾杯からパーティーが始まる。ホームパーティーを良く開くだけあって友人の妻が作る料理は、7〜8品にも及び、その辺の居酒屋の宴会メニューよりも遥かに美味かった。皆腹ペコだったらしく、速いペースで次々に胃袋に収めていく。特に中華風の春雨サラダ、カブの煮物、アスパラの牛肉巻きが良い味で、売れ行きが良かった。ビールも思わず進むようで、缶が次々と開けられていく。持参のロング缶6本もたちまち空になった。コーチを中心にテニス談議も白熱する。楽しい宴が3時間余り経過したところで、終電の時間が近づいて来た。宴はまだ続いているが、一足早く退席する。皆と別れて部屋の外に出ると駅への道を急いだ。こんな楽しい飲み会なら何度やっても良い。愉快な気分のまま最終電車に乗った。

 自宅に戻ると、シャワーを浴び、アミノ酸飲料を多めに飲んでおく。少し寒い夜だった。布団に潜り込むと、たちまち意識が暗闇に溶け込み、深い眠りが訪れる。

 

5月22日(土)曇り後雨

 いつもより遅目に目覚めた。窓の外は、もう既に見飽きた曇り空が広がっている。昨夜はビールだけだったので、目覚めの気分は悪くなかった。たっぷりのシリアルとヨーグルトの朝食を摂る。さらにトーストに蜂蜜を塗って齧った。熱いミルクティーで流し込む。意外に毎朝同じようなメニューでも食べ飽きなかった。

 天気予報では雨は降らないようだったので、午前中にジムに行くことにする。一時間半ほど掛けて、プログラムされた全メニューをこなした。最後はランニングマシンで5分ウォーキング、30分ランニング、5分ウォーキングというメニューで仕上げる。同じ有酸素運動でもエアロバイクよりもランニングの方が全身に負荷が掛かり、体重を支える為の骨も鍛えられるのでトレーニング効果が高いらしいが、なるほど、バイクよりもかなり充実感が感じられた。大量の汗が床に滴り落ちる。Tシャツが完全にびしょびしょになって体に貼り付いた。ジムのフロアを出ると、付属の温浴施設で、サウナに入る。ここでも面白い様に汗が流れ出した。風呂に入る前と後では平均して500gほど体重が変化する。スッキリした気分でスポーツジムを出た。

 自宅に戻り、少し遅目の昼食を摂る。少し休んでからテニスクラブに向かうつもりだったが、雨が降ってきた。テニスが出来ないほどではないが、家を出る気分を削がれたので、出掛けるのは止めにする。TVで北の隣国で行われた首脳会談のニュースを眺めた。眠気が襲ってきたので逆らわず、夕方まで午睡をとることにする。

 夕方、仮眠から醒めると、再び家を出た。昨夜と同じように電車に乗って街に向かう。繁華街で友人と待ち合わせ、飲むことになっていた。商店街の通りから一本路地に入ると、その店がある。カウンター席とテーブル席合わせて20人も入れば一杯になるような小さな店だった。名物のモツ煮込み、レバ刺し、豚足、串焼きなどを注文する。生ビールを2杯飲んでから、バナバハイに変えた。焼酎のバナバ茶割りなのだが、ほのかな甘味と苦味で口当たりが良く、幾らでも飲める。モツ煮のホルモンは蕩けるようだし、レバーも臭みが無く味は濃厚と、出される物はどれも美味かった。昨夜に引き続き、楽しく、美味い飲み会になる。また終電まで飲むことになった。

 

5月23日(日)曇り後雨

 窓を開けると、すっかりお馴染みになった曇り空が見えた。北の町でのテニス練習会に向かうことにする。ビールとチュウハイをしこたま飲んだが、気分は悪くなかった。楽しく、美味い酒は抜けも良いらしい。熱いミルクティーを飲んで家を出た。

 最近では珍しく多くの人が集まり、充実した練習になった。最後にゲームをする。細かいミスが出て、2−6で敗れるが、サービス&ボレーが比較的調子が良く、予想以上の出来だった。この感覚が続けば良いだろう。練習後は近くのレストランに集まり、来週に迫った大会のパンフレットを綴じたり、抽選の券を作成したりする作業を片付けてから、皆で昼食を取った。分厚い豚肉の切り身を使った生姜焼きが美味い。

 昼食を終えて外に出ると雨が降り始めていた。午後からのテニスは諦めて、スポーツジムに向かう。ロッカーで着替えてジムフロアに降りると、ICキーに記憶されたプログラムに沿ってトレーニングを進めた。締めくくりはランニングで、シャツがびしょ濡れになるまで汗を絞り出す。トレーニングを終えると、洗い場で体を洗い、サウナと水風呂と露天風呂の3点セットを楽しんだ。

 ジムを出ると、もう腹が減っている。自宅に戻ると、殻付きのピーナッツを少量割って食べながら冷たいビールを飲んだ。こいつは堪えられないほど美味い。少し腹を落ちつかせてから、晩飯の支度に掛かった。ニンニクと玉葱を刻んで、鍋でじっくりと炒めて香りと甘味を引き出す。骨付きの鶏肉を加えて炒めてから、水を注いで煮込んでいった。鷹の爪と生姜を刻んだものを加える。丁寧に灰汁をすくった後で、市販のカレールーを2種類混ぜて味をつけた。ハーブや香料を加えて更に煮込むと、スパイシーなチキンカレーが出来あがる。固めに茹でたスパゲッティ−にたっぷり掛けて食べると、実に美味かった。

 

5月24日(月)曇り後雨

 仕事場を出ようと重たい鉄のドアを開けると、外は雨が降っていた。外階段を降りて歩くのを止め、建物の中の通路を歩いてロッカーに向かう。雨に濡れずにロッカーまで辿り着いた。着替えて傘を差し、門に向かって歩く。雨はやや大粒だが、まばらに降っていた。駐車場から灰色の車を出すと、ワイパーを動かしながら暗い夜道を走り出す。

 坂道を下って5分ほど走るとスポーツジムの明かりが見えた。広い駐車場は建物の入口に近い方から埋っている。少し離れた場所に空きスペースを見つけて灰色の車を停めた。傘を差して入口まで歩く。ロッカーで着替え、ジムのフロアに降りた。いつもの様にヘッドホンを借りて、背もたれ付きのエアロバイクに向かう。TVを眺めながら10分間漕いでウォーミングアップした。ストレッチで体をほぐしてから、マシントレーニングをおよそ30分掛けて行う。最後に、持参のCDを聞きながら、ランニングマシンのベルトの上を40分走った。各マシンでICキーに記録された運動データを読取り機でサーバーに保存してから、ロッカーに戻る。ロッカーの横に立派な温浴施設が付属しているのが、このスポーツジムの特色だった。洗い場で髪と体を洗ってから、サウナで10分間汗を絞り、水シャワーで全て洗い流す。

 自宅に戻り、チキン手羽元カレーとスパゲティの簡単な晩飯をこさえた。冷たいビールを飲みたい所だが、肝臓を少しでも休めるために我慢する。冷蔵庫からアミノ酸飲料のペットボトルを取り出し、マグカップに氷と共に注いだ。ぐいぐいと喉に送り込んで乾きを癒す。食後には、スリランカ産の茶葉を使ったアールグレイのティーバッグで紅茶を淹れた。ミルクを多めに加えて、甘味と香りを楽しむ。これはこれで悪くなかった。

 

5月25日(火)晴れ

 朝、布団から抜け出すと、先ずTVを点ける。ちょうど天気予報をやっていた。今日は全国的に高気圧に覆われ、久し振りに夏空が広がります、とアナウンサーがにこやかに微笑んで告げている。カーテンを開けると、既に外は明るい陽射しに満ちていた。何ヶ月か前は、天気に関係無く真っ暗だったことを考えると、季節の移り変わりを感じずにいられない。ヨーグルトを、朝食シリアルの上にたっぷりと盛った。スプーンで掻き混ぜて口に運び、咀嚼する。シリアルを噛み潰す感触がザクザクと気持ち良かった。大きめのマグカップで熱いミルクティーを淹れる。香り高い茶色の液体を口に含むと、少しざらついた口中が洗い流され、さっぱりした。この作業を何度も繰り返す。

 仕事場を出て、スポーツジムに向かった。少し時間が遅くなったが、構うことはない。定められたメニューに従って、ウォームアップ、筋力トレーニング、ランニングと全てをこなした。自分で編集しMP3形式で100曲近くを詰め込んだCDを聞きながら、ベルトの上を淡々と走る。30分走ると大量の汗が滴り、飛び散った。サウナと水シャワーで体を引き締めると、スポーツジムを後にする。自宅に戻り、ダイニングテーブルに座って、殻付きの落花生を剥いて齧りながら、冷たいビールを喉に送り込むと、何とも心地良い気分が体中に、広がった。

 

5月26日(水)晴れ後曇り

 仕事場を出ると、久し振りにちょっとした蒸し暑さを感じた。雲が多いが、ところどころ青空も見えている。灰色の車で壁打ちコートに向かった。珍しく先客が3名居た。仕方なく後ろのベンチに座って眺める。3名の内訳は、中学生二人と50代ぐらいの男一人だった。男は、アルミフレームの古いラケットで、昔やっていたらしい無理のない打ち方をしていて好感が持てる。しばらく待って、中学生一人がボールを探しに行った隙に壁打ちを始めた。しばらくして女子高校生もやって来る。この壁打ちコートにしては大盛況だった。50代男が帰り、しばらくしてやっと中学生も帰る。コートにいるのが二人になったのでスマッシュの練習を始めた。

 ラケットバッグに常備しているカロリーメイトで空腹を抑え、コンビニでクエン酸入りのスポーツドリンクを買って喉の乾きをなだめる。灰色の車のガソリンタンクを満たしてやってからテニスクラブに向かった。定刻になって練習が始まる。今夜はレッスン生が3名しか居なかった。ストロークやボレーの練習をするが、どうも調子が悪い。出来の悪さにイライラさせられた。サービスも安定しない。最後はコーチが入ってダブルスのゲームをした。練習後に一人でコートに残り、サービス練習を繰り返すが、良い感触は長く続かず、フォルトが多い。20分ぐらい掛けて、ボール一カゴ全て打ち尽くすが、納得出来ないまま時間切れになった。満たされない思いを抱いてコートを離れる。

 冷たい陶器のビアマグを傾けると、先ず唇に柔かい泡の感触があり、さらに傾けると、その下から冷たい液体が堰を切って喉を流れ落ちた。思わず唸り声を上げるほど、美味い。殻付き落花生を剥いて齧りながら、たちまち一杯飲み干した。2杯目と共に熱々のカレースパを食べる。腹を満たすと、テニスプレーに対するフラストレーションも、やや和らいだ気がした。今週末の試合に向けて再び調子を上げて行く気持ちが湧いてくる。

 

5月27日(木)晴れ後曇り

 知り合いから古いアンプを譲りうけた。重厚長大が音の良さを象徴した時代の品物なので、入門機と言えども非常に重い。少しの距離を運んだだけでも、握力を使い切りそうになった。灰色の車のリアシートに押し込む。自宅に帰る途中でいつもの様に閉店間際のスーパーに寄った。この時間になると生鮮食料品は売り切れが出ていて、棚に空きが目立つ。それでも豆腐や卵や野菜を何点か買った。

 自宅のドアを開けると、今年初めての蒸し暑さを感じる。早速居間の窓を開けて風を通した。晩飯の用意を始める。カレーの鍋に人参を加えて火を点けた。冷蔵庫から豆腐を出し、半分に切って器に盛る。小松菜のお浸しを出して、ゴマダレを和えた。豆腐には胡麻ドレッシングを掛ける。胡麻風味の冷奴と小松菜の胡麻和えを食べながら、冷たいビールを飲んだ。カレーを少し煮込んで人参を馴染ませてから、鍋にお湯を沸かし、スパゲッティを茹でる。今夜もカレースパにするが、飽きることは無かった。実に美味い。

 食事を終えてから、貰って来たアンプをプラスドライバーで解体し始めた。フロントパネルを外し、コントロールノブなども取り外して、埃や汚れを柔らかい布で拭い取る。さらに多数のビスを外して、ぎっしり詰まった内部を露わしていくと、リアパネル近くに置かれた入力切替え用のモータとプーリーに掛けられたベルトが見当たらなかった。入力切換えが作動しないのは、これが原因だろう。適当な大きさのOリングを買ってくれば、直せることが判った。修理の目処が立ったので、満足して布団に潜り込む。

 

5月28日(金)晴れ後曇り

 夕方になって仕事場を出る。急いで自宅に向かった。日光金谷ホテルの菓子パンを腹に入れてから、ラケットバッグやジム用のデイバッグを持って、すぐに家を出る。ナイターレッスンには6名のメンバーが集まった。いつもの様に練習が始まる。少し蒸し暑い夜で、じっとりと纏わり付くような汗が鬱陶しく感じられた。1時間半のレッスンが終る。

 灰色の車で、そのままスポーツジムに移動した。比較的空いている。もうアップは充分に済んでいるので、筋トレから始めた。メニュー通りのトレーニングを全てこなした後、最後の有酸素運動はランニングでは無く、エアロバイクにする。負荷にもよるが、ランニングに比べて大分楽に感じた。雑誌を読みながら、ぐいぐい足を回転させる。あっという間に30分が過ぎた。サウナも短めに切り上げて、外に出る。ようやく少し涼しくなっていた。

 自宅に戻ると、豆腐半丁に胡麻ドレッシングをかけた冷奴を肴に、冷たいビールを喉に放り込む。休前日の夜という気分の高揚も手伝って、堪えられない美味さだった。週末に向けて早めに体を休めることにする。布団に潜り込むと、何も考える間もなく、暗闇が押し寄せて来て、意識が暗転した。

 

5月29日(土)晴れ後曇り

 目覚めてTVを点け、天気予報をやっているチャンネルを探す。どうやら今日のところは雨が降らない様子だった。安心して朝飯を食べる。こんがり焼けたトーストにマーガリンと少しの蜂蜜を塗った。一口齧ると、香ばしい匂い、バターの香り、甘い匂いが絶妙にブレンドされて鼻をくすぐる。ミルクティーを口に含むと、すっきり洗い流されてリフレッシュされた。

 北の町に灰色の車を走らせる。コートに着いて、アップを始めた。しばらくすると、三々五々メンバーが集まり始め、珍しく十数名という多人数での充実した練習になる。陽射しが強くて、肌がじりじりと音を立てそうなほどだった。いつもの様にストローク&ボレーとサービス&リターンをたっぷりと練習すると、暑さも手伝って、皆の顔に疲労の色が滲む。約3時間の練習の後、コートを離れた。

 仲間たち6名で、顔馴染みの蕎麦屋に向かい、昼食を摂る。暑い日には冷たいソバが実に良く合っている。ニラのお浸しが美味くて、ついお代りを頼んでしまった。練習が終わった後、大勢でテーブルを囲む食事会も、サークルテニスの楽しみの一つと言える。ソバと豚角煮丼のセットを食べたので良い具合に満腹になった。一時間程蕎麦屋で過してから店を出る。

 自宅に戻る途中でスポーツジムに寄ってトレーニングした。バイクでアップした後、ストレッチで筋肉をほぐしてから筋トレ、最後にランニングと言うメニューは変わらない。汗が面白いように流れ出して、こまめにタオルで拭っても追い付かず、ベルトの上に点々と滴り落ちた。暑い。1時間半ほどのメニューを終えてから、濡れて肌に貼りつくTシャツを脱ぎ捨て、風呂場に飛び込んだ。真水で体を洗い流すとすっきりする。サウナで更に汗を絞ってから、露天風呂の外に置いてある椅子に体を投げ出した。自然の風が肌に心地良い。最高の気分だった。

 少し家で仮眠してから、テニスクラブに向かい、ナイターレッスンを受ける。蒸し暑い夜で、また汗が出てきた。疲労が溜まったせいか、最後の方はミスが多くなる。自宅に戻ってまたシャワーを浴びた。風呂上がりの冷たいビールが堪らなく、美味い。

 

5月30日(日)晴れ後曇り

 窓を開けると、天気予報に反して青空が見えた。所属するサークルで主催するテニス大会は無事に開催出来るだろう。朝食を摂って、準備を整えると家を出た。集合時間に遅れて会場に着くと、ネット張りなどの準備を手伝った。定刻に最初の試合が始められる。雨天中止を心配していたのが嘘のように、陽射しが強く降り注ぎ、暑さや眩しさとの闘いになりそうだった。参加者のサポートとして用意したスポーツドリンクと麦茶も、何時もは余るのに、今日は消費が激しい。

 最初の相手は見慣れない顔だった。最初のサービスゲームは、腕の緊張が取れず、リズムも悪く、落としてしまう。嫌な滑りだしだが、その後は相手の弱点に攻撃を集中してペースを掴み、6ー1で緒戦を勝ち上がった。次の相手は、前回の大会でコンソレ優勝している親子ペアになる。相手は1回戦がDEFだったので、これが緒戦になる。少し有利な状況から試合に入った。まだ固さが取れないのか、相手のショットが少しアウトしたり、ネットに掛かったりして、4ー0とリードを広げる。ここからは、むしろ相手に押され始めるが、何とか息子の方を狙って連携を崩した。相手が2ゲーム取る間に1ゲームを着実に取ることに集中する。最初の貯金が効いて、6ー4で逃げ切って勝利した。この勝利でベスト16入りし、前回の成績に並ぶ。弁当を食べて、少し休息を取った。陽射しと暑さが確実に体力を奪っていくのを感じる。

 3回戦の相手は、何度か対戦したことが有る老練なペアだった。数年前は良いように走らされて負けた相手だが、今度はそうはさせないという決意で挑む。ペアのサービスの調子も良く、簡単にゲームが取れていった。白い帽子の男の方がミスが多い。攻撃をそちらに集中すると、相手がいらつくのが判った。焦り始めた相手にトップスピンロブが面白いように決まる。相手のロブ攻撃もしのぎ切り、6ー1で勝利した。念願の3回戦突破で、ベスト8入りを果たす。

 準々決勝の相手は、そこそこ出来るクラブプレーヤーだった。どちらも大きな穴は無い。狙いどころが絞れないまま、ゲームは進んでいった。キープキープでの1ー2で、40ー15とリードしながら、後1ポイントが取れず、ノーアドの一本をダブルフォルトで落とす。最悪の取られ方で、1ー3と差を付けられると、流れは戻ってこなかった。ストロークの打ち合いでは負けていないどころか、押していけるのだが、どうしてもゲームが奪えず、ずるずると差を広げられ、1ー6で敗退する。結局、ベスト8で春の大会を終えた。攻撃のパターンを、もっと明確に形作る必要がある。

 片付けを終えて自宅に戻った。汗と埃でベタベタになった体をシャワーで洗い流す。着替えてすぐに電車に飛び乗った。街に出て、打ち上げの会場に向かう。いつもの居酒屋に、仲間が集まった。冷たい生ビールのジョッキをぶつけて乾杯し、お互いの健闘を称え合う。サラダやつまみを色々と注文し、空腹を満たした。テニス談議に話は盛りあがる。大いに飲み、食らい、語り合う楽しい宴の時間は、瞬く間に過ぎた。3時間ほどで腹が一杯になると、心地良い酔いと共に、疲労と眠気が襲ってくる。解散して再び電車に乗った。うっかり眠り掛けてしまうが、ちょうど駅に着いた所で目が覚め、乗り過さずに済む。自宅に戻ると、すぐに強い睡魔にしっかりと体を拘束された。酷く蒸し暑い。扇風機を弱く動かしながら眠りに落ちた。

 

5月31日(月)曇り後雨

 重たい鉄のドアを開けると、外の雨は上がっていた。外階段はまだ濡れているが、路面は水溜りを残して乾いている。雨は完全に上がっているわけではなく、微妙にポツリポツリと気まぐれに空から落ちて来た。ロッカールームで着替えて傘を持ち、門に向かって歩く。駐車場から灰色の車を出してスポーツジムを目指した。

 スポーツジムの広い駐車場に車を停め、傘を持って入口まで歩く。ロッカーで着替え、ジムのフロアに降りた。いつものように最初は背もたれ付きのエアロバイクに向かう。一寸変わった料理を紹介するTVを眺めながら10分間漕いでウォーミングアップを済ませた。ストレッチで筋肉を軽くほぐしてから、マシンで筋トレを行う。最後に、持参のCDを聞きながら、ランニングマシンのベルトの上を40分走った。Tシャツと下着が汗でずぶ濡れになる。タオルで顔や手の汗を拭いながら読み取り機に向かった。ICキーに記録されたデータをサーバーに保存してから、ロッカーに戻る。サウナで甘いドラマを見ながら10分間汗を絞り、水シャワーで洗い流すと爽快な気分になった。

 自宅に戻り、ニンニク、キャベツ、ピーマン、ニンニクの芽で野菜炒めを作る。氷をたっぷり入れたマグカップの冷たいアミノ酸飲料を飲みながら、山盛りの野菜を胃袋に収めた。腹が満ちると眠気が襲ってくる。電動歯ブラシで念入りに歯を磨くと、布団に倒れ込んだ。今夜も部屋の中は少し蒸し暑い。扇風機を最弱で運転し、そよ風を感じながら眠りに落ちた。


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