11月01日(火)晴れ今日から11月に入る。今年も後2ヶ月で終りだと思うと、随分時間が早く流れている気がした。もう、北関東の地方都市に来てから丸7年以上が過ぎたことになる。これまで、同じ場所に最も長く住んだのが、約8年だった。来年の終わりまで居続けるとすれば、ここが、人生で最も長い時間を過ごした土地になる。不思議なめぐり合わせだが、人生なんて、そんなものかも知れなかった。願わくば、冬に暖かく、もう少し海に近いところに住まいたいものだが、それは、まだ先の夢に取っておくことにしよう。
トレーニングを終えて外に出ると、もう冬の冷たい大気に包み込まれた。手がかじかむ、じんと冷たい、シベリア生まれの空気だろう。黄色のクルマに乗り、スイッチ一つで幌を降ろすと、たちまち、車内が外と一緒になった。ヒーターのスイッチを入れ、冷たい風を切り裂いて、暗闇の中を走り抜けていく。やがて、車室内に温風が行き渡り、まるで露天風呂に浸かっているように快適なドライブになった。まだ手袋は必要ない。山を駆け下りると街の灯りが近づいてきた。
11月02日(水)晴れ
今日は、ジムに行くことも、テニスをすることも、出来ない。仕事場を出ると、まっすぐ自宅に戻った。物置から自転車を持ち出して、暮れなずむ街に向けて漕ぎ出す。ジムでトレーニングできない分、せめて、電車ではなく自転車で行くことで、少しでも運動効果を得ようという苦肉の策だった。社内の友人の送別会が行われる会場までは40分ほどで到着する。定刻の数分前だが、先客は3名だけだった。しばらく待っていると徐々に参加者が集まってくる。主賓が来たので宴会をスタートした。
生ビールのピッチャーと冷えたジョッキが届けられる。酒の肴は、コースメニューになっていて、最初に掬い豆腐、次にシーザーサラダが出てきた。その後、刺身盛り合わせ、揚げ物盛り合わせ、きりたんぽ鍋、鮟鱇鍋などが続く。出された料理を、次々に平らげていき、生ビールをしこたま飲み干した。友人は、英国に旅立つ。短くて2年、長くて5年程度の海外駐在を言い渡されていた。妻子を連れて行くので、家や車の処遇も決める必要がある。かなり面倒な作業になる筈だった。しばし種々雑多な気に掛かることを忘れて、飲んで楽しんでもらう。
11月03日(木)晴れ後曇り後一時雨
仕事場を出ると、灰色の空から雨粒が一粒、二粒と落ちてきた。辺りの景色に溶け込みそうな灰色の車で走りだす。たまにワイパースイッチを操作して、雨滴を振り払う必要があった。自宅の近所にあるカー用品店の駐車場に灰色の車を滑り込ませる。オイル交換を頼んでから店内を物色した。店内放送で呼び出されたので車をピットに入れる。最近ではトラブル防止の為か、ピットへの車の出し入れを、オーナーにやらせることになっていた。
オイル交換を済ませると、スーパーに寄って買い物をする。今週は特売の卵とヨーグルトを買い込むことが出来た。今夜はジムは休館だし、スクールも無い。おまけに雨まで降っていた。おとなしく自宅に戻る。駐車場に車を停めて、iPod用の車載ホルダーからオーディオのハイダウェイユニットにオーディオ配線を接続した。FMで音声を飛ばした場合と、実配線の場合とで、音質を比較してみる。聞き比べてみると、明らかに有線の方が情報量が多かった。FM経由だとモコモコした甘い音で、聴き疲れはしなさそうだが、物足りない。これで明日のロングドライブでは、音楽がたっぷりと楽しめそうだった。
11月04日(金)曇り
ジムで筋トレだけをしてから、急いでテニスクラブにナイターテニスをやりに行く。帰宅渋滞の車列の中に灰色の車を割り込ませ、田舎道を走らせた。テニスクラブに着いてコートに入ると、今日は生徒数が4名で、男女2名づつとバランスが良い。コーチの球出しからのボレーとストローク練習の後、サービスを軽く打ちっ放しで練習してから、ダブルスの試合形式での練習に入った。最後は男ダブ対女ダブでタイブレークで試合をする。途中リードされたが、辛うじて、逆転勝ちで終った。久しぶりのテニスだが、ロブの処理が甘いのは変わらない。
自宅に帰ってシャワーを浴びてから晩飯を食べた。これから夜通し運転することになる。ビールは目的地に到着するまでお預けだった。荷物をまとめ、食料と水も用意する。灰色の車に荷物を積み込み、カーナビに目的地をセットすると走り出した。最初に、近くのガソリンスタンドによって、タンクを満タンにして、掃除機で室内の掃除をしておく。近くのICから有料道路に入ると、先ずは南に進路を取った。暗く寂しい景色の中を走っていく。
やがて街明かりが増えてきて、都心に近づいたことが判った。車も増えてきて、深夜だというのに、渋滞している箇所まである。遅い車が追い越し車線を占有して流れを悪くさせていた。トラックの群れが3車線の有料道路を埋め尽くしている。3車線の内は、まだ良かったが、やがて2車線になると、他車が近づいていようが、お構いもなしに遅い速度のまま、追い越し車線に入ってくるトラックが目障りになった。邪魔なだけでなく危険なのだが、当人達はまるで意に介さずらしい。
11月05日(土)晴れ
日付が変わっても走り続けていた。目的地まで半分走ったあたりで大きな湖の辺にあるSAに灰色の車を滑り込ませる。端末で自分がカードを持っている石油会社のGSが、どこのSAにあるか調べた。そこまでの残り距離と残ガスを計算して、ここのGSで入れるガス量を決める。トイレを済ませ、ガソリンを10Lだけ入れて再び走り出した。特に渋滞も無く、京都、大阪を通り抜け、目的地に辿り着く。相棒の家に車を停めると、シャワーを浴び、ビールを飲み、ベッドに潜り込んだ。
夜は大阪の街に出て、韓国家庭料理の店を目指す。土曜の晩だったが、少し遅い時間だった所為か、客は他に一組しか居なかった。ナムル、キムチ、チヂミ、鉄板焼きなどを注文する。出されたものを、ビールを飲みながら、旺盛な食欲で全て平らげた。どれも良い味で美味いが、もんじゃ焼きのように柔らかいチヂミは、初めて食べる食感で楽しい。鉄板焼肉も、甘辛いタレが肉と野菜にしみ込んでいて、美味かった。満足して帰宅する。狭いユニットバスでシャワーを浴び、歯を磨くと、寝酒のビールを飲んでから、またベッドに潜り込んだ。眠れない、なんてことは無く、直ぐに安らかな眠りに落ちる。
11月06日(日)雨
朝目覚めて、のんびり朝食を食べてから、10時頃になって灰色の車で家を出た。相棒の運転で、焼き物の里に向かう。カーナビが教える道は、今ひとつ納得できないが、道を知らないので、取り敢えず言いなりに走っていった。峠を一つ越え、忍者の伝説で有名な町に下りていくと、紅葉が始まっている。木々が赤や黄色に燃え立つように染まっていて美しかった。雨が止んで日が差せば、更に美しいのだろうが仕方ない。左右に茶畑が広がる田舎道をのんびり走り、昼過ぎにやっと「陶芸の村」に辿り着いた。駐車場に灰色の車を止め、用意してきた握り飯の弁当を広げて食べる。手作りのハンバーグや、玉子焼きが素朴な味で、実に美味かった。昼食を終えると人心地着く。
ぱらぱらと雨が降ったり止んだりする中、登り窯や様々な窯元を散策しながら見学した。天気が悪い所為か、日曜日だというのに町全体が寂れていて、観光客の人影も少ない。一軒の窯元で、冷酒でも焼酎にでも使えそうな片口の器を買った。相棒は、白い粉引きの皿を購入する。次は、「陶芸の森」という観光施設に向かった。小高い丘を利用して作られた施設に登っていくと町並みが見渡せて気持ちが良い。駐車場に車を停め、展示場に入ると、地元の作家の作品を、色々と展示していた。その中に、非常に目を引く美しい作品を見つける。メタリックに輝く塗りが施された焼き物だった。鉄分を含んだ釉薬を使って、特殊な焼き処理を施したらしく、その作家しか出せない色だという。陶芸の森を出ると、その作家の窯元を目指した。
途中で、別の窯元の前を通って、立ち寄ってみる。話し好きのおっさんが色々と説明してくれた。粉引きの白い器が、数多く揃えられている。出されたお茶を飲んで、飴をなめながら寛いでいると、相棒が、皿を2枚買って来た。次に、展示場で心を惹かれた作品の窯元を訪ねる。小洒落た構えの店舗に作業場も付いていた。金属的に光る器が少ないので、聞いてみると、展示会で評判になって、全部売れてしまったという。何点か残った中に、冷酒や焼酎に使える、片口の器があったが、先ほど1個買ったばかりなので、買い足すのは止めておいた。そう遠くないので、また近い内に来れば良い。主人は気さくな人で、仕事場と窯を案内
して見せてくれた。特殊な金属色の誕生秘話まで簡単
に聞かせてくれる。
帰りがけに地元の銘菓を食わせる喫茶店に寄った。お菓子をサービスで出してくれる。相棒はコーヒーを注文した。地酒の冷酒があったので、注文してみる。焼き物の里らしく、冷酒の小瓶から片口の器に移してぐい飲みで飲む趣向になっていた。これは思っていた通り、良い雰囲気が出る。コーヒーカップも、当然のように地元の焼き物で良い感じだった。店の中のここかしこに置かれた地元の焼き物を眺めながら、この上ない愉悦を楽しみつつ、甘口の地酒をすする。幸せな気分のままに銘菓を二つ、今夜のデザートに買った。
片道60km程度の軽いドライブを終えて帰ると、昨夜の内に相棒が作っておいたカレーで晩飯にする。ココナツミルクと香料で、スパイシーに仕上げられたカレーは一晩寝かせたことで一層美味くなっていた。ゴーヤのほろ苦さも大分マイルドになって、これなら誰でも食べられそうに思える。むしろ、滋味に一層の深みを与えていた。ビールとワインを楽しみながら、大根のサラダと、カレーを平らげる。食後にはハーブティーを入れ、喫茶店で買ってきた焼き物の町の銘菓を食べた。充実した休日の夜が、静かに更けていく。明日も休みなのが、実に嬉しかった。
11月07日(月)晴れ
昨日とは打って変わって、抜けるような秋の青空が広がっている。ゆっくり朝食を終えると、今日は西に向かってミニドライブをすることにした。神戸までは片道3〜5車線もある広い道が続く。神戸を過ぎると2車線に減り、更にしばらく走ると、ついには1車線になった。瀬戸内の海沿いを、左右を線路に挟まれて走っていく。晴れた空の下、海が青く輝いて、とても美しい風景だった。山が近くに迫り、源平合戦の歴史に彩られた風光明媚な土地である。ここに住むという考えは悪くなかった。仕事さえあれば、の話だが。
昼前に、目的にしていた海岸沿いのスーパー銭湯に着いた。平日の昼間なので、広大な駐車場は、1割も埋まっていない。想像していた以上に海の間近に建物が建っていて、景色が期待出来そうだった。脱衣所で服を脱いで風呂場に入っていく。先ず、サウナで汗を絞って毛穴を開いておいてから水風呂に入った。髪と体を備え付けのシャンプーで洗い流す。いよいよ待望の露天風呂へ出て行った。扉を開けると、想像以上の素晴らしい景色が開けていた。柵の向こうは遮るものも無く、瀬戸内海が広がり、淡路島と、そこに掛かる明石海峡大橋が眼前に見える。目の前の海を貨物船がゆっくりと走っていった。しばし展望風呂の岩の上に立ち、心地良い潮風を受けながら、美しい景色に魅入られたように呆けたままになる。
我に返って、近くを見ると、直ぐ横には誰も居ない白い砂浜が広がり、穏やかに、波が打ち寄せていた。風の音と、湯口から熱い湯が注ぐ音しか聞こえない。展望岩風呂にゆっくりと浸かった。次に一人用の石壺風呂に浸かる。空を見上げると、雲一つ無いコバルトブルー一色が網膜を焼いた。目を閉じても頭の中まで青く染まる。石のベンチに寝転がった。最高に気持ちが良い。このまま時間が止まってしまっても良い、と真剣に思えた。1時間ほど掛けて、風呂を堪能し尽くしてから上がる。軽食が取れるレストランに、ウッドデッキが付いていた。生ビールのジョッキを一杯注文して、デッキに出る。直ぐ目の前は白い砂浜で、その向こうには美しい海、そして淡路島という雄大な自然と、巨大な人工物である吊り橋が共演していた。椅子に座って、冷えた生ビールを喉元に送り込むと、実に美味い。至福の時を五感の全てで楽しんだ。太陽の光がきらきらと目を射る。風の音が、永遠に終わらない音楽を奏でていた。
相棒も風呂から上がって出てきたので、テラスから見えていたイタリアレストランに向かう。砂浜の堤防の上に立つ小さな店だが、ここにもテラスがあって、海と空と島と橋と光と風を感じながらのランチが食べられた。ランチメニューから、今日のパスタと今日のリゾットを注文する。パンとサラダとコーヒーなどのワンドリンクが付いて千円ぽっきりと、ロケーションを考えると、リーズナブルな値段が付いていた。最初に出てきたパンとサラダは、これも期待以上に良い。サービスの赤ワインを飲みながら、昼食を楽しんだ。メインのカボチャのリゾット、ツナとトマトソースのスパゲッティも悪くない。片道一時間ほどのショートドライブで、これだけの風景と露天風呂とランチまでを楽しめるとは思わなかった。
相棒の運転で自宅に戻ると、帰りの支度を始める。荷物を背負って駅に向かった。電車を2回乗り継いで新大阪から新幹線に乗り込む。缶ビールを1本飲んで目を閉じると意識が飛んで、次に気が付いた時には、東京に後少しで着くという辺りまで戻ってきていた。更に電車を乗り継いで、缶ビールを2本空けて、菓子パンを2個腹に収め、小さな地方都市の駅に、やっと辿り着いたのは22時近い。Macを起こし、メールをチェックし、録画しておいたビデオを見ると、布団に入った。愉しい旅行の思い出を反芻する間もなく、静かに眠りに落ちていく。
11月08日(火)晴れ
朝、自宅を出ようとする時、ふと黄色のクルマか、灰色の車か、どちらで行くかと考えて、もう灰色の車が、ここに置いてないことに気付く。一抹の寂しさが無いでもなかった。中古で購入してから、10年以上経過して、共に走った距離も10万キロ以上になる。すなわち、いわゆる10年10万キロを越えていた。手放したり配車にしたわけではないので、それほどの感慨はない。ただ、そこに無い、というだけだった。次の瞬間には、そんなことなど忘れて黄色のクルマで走り始める。
久しぶりのジムだった。しかし、中三日のブランクが丁度良い休養になったようで、体を重く感じることはない。実際に体重と体脂肪率も増えていなかった。風呂から上がって、ジムの外に出ると、冷えた空気が全身をじんわりと押し包むのが感じられる。体の中で燃えさかる熱が、それに対抗していた。黄色のクルマに乗って、スタートボタンでエンジンを始動させる。一瞬身震いして2000ccの高回転型エンジンが、目を覚ました。スイッチを押して幌を降ろす。数秒で満天の星空が頭上に広がった。白い冷たい光と共に、たちまち、車内と外界が一つになる。静かにクラッチをつないで走り始めた。ヒーターのスイッチを入れ、サイドウィンドウを上げると、車室内は暖かい空気に満たされて快適な空間になる。本格的なオープンカーの季節になった。
11月09日(水)晴れ
ジムに行って、筋トレとランニングとストレッチのトレーニングを済ませてから、対向車線の帰宅渋滞の車列とは反対方向に走り、テニスコートに向かった。薄暗い照明のテニスコートでボールを打ち始めると、最初は暗くて見難い感じだが、直ぐに慣れて気にならなくなる。ボールの縫い目や文字を見るぐらいに集中してボールを見ながら打ってみた。ラケットがどこにあるのか、ボールをヒットしたときの感触、音、全てを感じることを心掛ける。ミニラリーやボレーボレーの時間が濃密なものになった。そうだ、もっとボールを打つことを、テニスを、大事に楽しみたい。だが、その集中力は長く続かなかった。どうしても別の考えが頭の中に湧いてきて、ボールへの集中を奪う。
アップが終わり、ダブルスの試合を始めた。ボールを見続けることで、動き出しが良くなり、少しコートカバーリングを向上させられる。頑張らないサービスも、なかなか調子が良かった。イメージを作ってからサービスをすると、ほぼイメージ通りの軌道でボールが飛んでいくことが増える。しかし、トスの乱れや、邪念によるミスも無くならなかった。ロブへの反応もまだまだ遅い。だが、もっとテニスを楽しむ方法が、少しづつ判りかけてきた。その意味では、大満足してコートを後にする。
ジムの風呂で汗を流してから帰宅した。もずく酢と納豆という定番メニューの他に、今日は相棒が作ったカレーと冷凍ライスを暖めて食べる。様々な香辛料の複雑な奥深い味わいとゴーヤのほろ苦さがマッチして美味かった。思わずワインが進んでしまう。今夜は、調子に乗って、少し食べ過ぎ、飲み過ぎてしまった。暖かい布団に潜り込み、少しだけ読みかけの本の続きを読んでから、静かに眠りにつく。
11月10日(木)晴れ
駐車場で黄色のクルマの幌を降ろした。フロントのAピラーが立っている割には、風のマネージメントが優秀なので、サイドウィンドウを上げると、ほとんど風が巻き込んでこないのが有難い。真冬でも、強力な効きのヒーターと合わせて、オープン走行が楽しめる車に仕上がっていた。暗い田舎道をのんびりと流す。これで、中速域での微振動が取れると、最高だった。だが、これぐらいは高性能の証として受け入れるべきと主張しているらしい。8年ほど前まで所有していた赤いクルマは、バランサーが付いていたので、4気筒でも驚くほど滑らかだった。るるるるるーとハミングするような、柔らかな感触が時々思い出される。
スーパーで食料品を買い込んでからテニスクラブに向かった。今日は7人と少し人数が多い。ダブルスの練習を主に行った。ボールに興味を持って見続ける。相変わらず上手い人が多くて面白かった。少し運動量が少なかったが、体の錆落しに丁度良い。1時間半の練習が終ると、自宅に戻った。簡単な晩飯を作って、ビデオに録画した旅番組を見ながら食べる。落花生の殻を剥いて食べ始めると、なかなか止まらなかった。生え際の白髪を自分で染めてからシャワーを浴びる。布団に入って、読みかけの本の続きを数節読んでから枕元の灯りを消した。たちまち意識もブラックアウトする。
11月11日(金)曇り
スポーツジムで、筋トレとランニングをしてから、近くのテニスコートに練習に行く。アップと球出しの練習をしてからゲームに入った。ゲームには6名しか残らなかったので、ダブルスとシングルスに分かれてそれぞれ1試合することになる。じゃんけんに負けてシングルスに回った。サービスの調子が今ひとつで、サービスゲームを二つ落としたが、それ以外は取って6ー2で勝つ。相手が自滅しただけだった。自分からポイントする手段を持っていない。何かポイントするパターンを持ちたかった。サービスが調子良ければ、サーブ&ボレーを決めたいのだが、サービスが悪いと前に出てもパッシングされるだけだろう。それでも、勝ったので気分良く帰ることが出来た。
ジムで風呂に入ってから帰宅する。明日から一泊でテニス合宿に出掛ける予定だった。着替えなどの準備を手早く済ませる。一泊分だから大した量ではなく、ドラムバッグ一つで充分納まった。今回は、夜に飲み過ぎないよう注意しよう。シングルスの練習だから、体力が大事だった。準備を終えると、早速布団に潜り込む。冷たい布団が体温で温まる頃、静かなる眠りに落ちていった。
11月12日(土)雨後晴れ
黄色のクルマで朝方の田舎道を走っていく。時々、遅い車が居て流れが滞ることもあるが、大体、普通のペースで流れていた。カーナビが検索したルートを、少し変えてみるが、どちらが良いかは結局判らない。太平洋に面したテニスの町に着いたのは、集合時間の1時間以上前だった。早速部屋に入り、荷物を置き、途中のコンビニで買ってきたサンドイッチやサラダを食べる。集合時間まで横になって体を休めた。
午前中に大分雨が降っていたので、予定を変更して午後2時からインドアコートで練習することになる。時間が空いてしまったが、ミーティングを1時間ほどやって、時間を潰した。それでも空いた時間で、更に30分ほど横になって休む。時間になって、インドアコートに向かうと、やっと練習が始まった。今回は、シングルス講座なので、ストロークがメインになる。ボールの打球音が気持ち良く響くので、何時もの感覚とはちょっと違った。ネットに目隠しの幕を張って、自分が打った球が、コートのどの辺に落ちたか、言う練習をしたが、思ったより手前に落ちているようで、自分が「マイナス1(エンドラインより1m以内)」と言うと、コートの向こう側で落下点を見る人から、「マイナス2」という声が返ってくる。大体、自分の感覚よりも、1〜2m手前に落ちているようだった。回転の掛け過ぎで、思ったよりもボールが短くなっていることを思い知らされる。今回来ている人の中で、ストロークの安定度に関してだけは、自分が一番良いようで、タイブレのチャンピオンゲームでは、一度も負けなかった。
練習が終って慌しく風呂に入ると、すかさず晩飯になる。料理は特に凄くは無いが、色々な小鉢があってそれなりに楽しめた。中では海老と野菜の酢の物が、気に入って食べない人の分ももらって食べる。疲れた体に甘酢が効くような気がした。晩飯後は、少し休憩してからミーティングに入る。練習で撮ったビデオを見ながらコーチと少し話し合うのだが、バックハンドのスライスでは、ビデオで見ると、いかにも無理して打っているように見えるのが判った。バックハンドを普通に打てるときは良いが、厳しい時にはスライスで凌げるようにならないと苦しい。練習が必要なのは、明白だった。飲みながら話し、12時頃に就寝する。
11月13日(日)晴れ時々曇り
朝目覚めて、練習に向かう。結構冷え込んでいて、上下長袖のアップを着て練習を始めた。ストロークを打ち合っていると、段々温まってきて上着を脱いでも大丈夫になる。約1時間の練習の後、朝食を食べた。運動した後の飯は美味い。食べ終えて、余り休む間もなく、午前の練習に入った。しばらくサービスを練習してから、ゲーム形式の練習を開始する。ここでは、自分が何のショットでポイント取るか、コーチに宣言してから、フォアサイドとバックサイドを1ポイントづつ、合計2ポイントやって、計5ポイント貯めるとチャンピオン(リターン側)になれるというゲームを行った。自分が宣言したショットでポイントを取ると2ポイント加わる。リーチでミスすると、1ポイント減点されるので、そこでプレッシャーが掛かるようになっていた。じゃんけんで勝ってリターン側に回る。なかなか難しいようで、チャンピオン側が、かなりの時間続く。サービス側に回ったので、サーブ&ボレーの練習をした。思ったように上手くいかない。ボレーミスが多かった。
昼食は、先々週と同じメニューで、カレーとサラダとチョコレートケーキが並んでいる。食べ終わると、横になって体を休める。階段を上がると、足がかなり疲れているのが判った。少しでも休める時は、出来るだけ休んだ方が良いだろう。残り2時間の練習に集中する体力が必要だった。
最後は、午前中と同じゲームドリルを2面で行い、残りの2面は、10分間のタイムマッチで、コーチと対戦する。コーチとの対戦は最後の組になったので、1時間以上、休みなくゲーム練習をした後での対戦になった。疲れたせいか、サービスの入りが悪くなっているのと、余計なことを考えたせいもあるのだろう。大学生のコーチの球を、余りまともに打ち返すことが出来なかった。左利きから繰り出される伸びるトップスピンは、打ち辛い。ダブルフォルトを何回も出しては、いかんともし難かった。最後に、レッスン生同士での10分間のタイムマッチをやる。ポイントでは、何とか勝ったものの、内容的には良くなかった。何か最後で気が滅入る結果になる。まだ自分の心の制御が上手く行っていない証拠を突きつけられて、がっかりした。
練習を終えて相棒に電話すると、今日のテニス練習で、突然足首がおかしくなったので病院に行ったら、アキレス腱が切れていたと言う。驚いたが、何にせよ起きてしまったことは、どうしようもなかった。手術と入院が必要らしい。可哀想なことになった。やはり入念な準備体操とストレッチが必要不可欠のようだ。自分も肝に銘じることにする。風呂に入ってから宿を出た。近くの海鮮料理店に入って、名物の鰯コースを注文する。鰯の天ぷら、塩焼き、刺身、南蛮漬けが、特に美味かった。更に駐車場で30分ほど仮眠して、時間を潰してから出発すると、ほとんど渋滞も無く、自宅まで4時間掛からずに帰り着ける。シングルスの練習がメインだっただけに、前回の合宿よりも疲れたような気がした。布団に入ったが疲れすぎたせいか、一人で手術に向かう相棒が不憫で胸が締め付けられるせいか、珍しく,しばらく眠れない。
11月14日(月)晴れ
仕事中に相棒から電話が入った。アキレス腱断裂の手術が明日になったと言う。急遽、休みを取って相棒の元に向かうことにした。明日の有休申請を、端末に入力して済ませると仕事場を後にする。ジムに行って普通に筋トレマシンとバイクでトレーニングをした。黄色のクルマの幌を降ろして自宅に戻る。一応、宿泊と日帰りの両方を想定した準備を済ませてから、早々に布団に入った。何となく落ち着かず、眠りが訪れるまで、しばらく掛かる。相棒も手術を控えて不安な夜を過ごしている筈だった。先週の今頃は、こんな用事で相棒を再訪しなければならない羽目になるなどと、露ほども考えていなかったのに、人生は摩訶不思議な出来事に満ちている。
11月15日(火)晴れ
朝、何時もより早く目覚めて朝食を摂ると、自宅を出た。まだ暗い道を歩いて駅に向かう。電車で一駅の新幹線が停まる駅まで乗って、緑の窓口に向かった。既に窓口には人が並んでいて、それぞれの客の対応に時間が掛かっている。時間が無いので諦めて自販機でチケットを買うことにした。東京駅で乗り換える便の車番号を控えて来なかったことを後悔しつつ、東京駅までの券だけを購入する。早朝の新幹線は、全席自由だがガラガラだった。
東京駅で乗り換えの新幹線の乗車券を購入しようとするが、案の定、一番早い便の指定席券は売り切れている。仕方なく、一本遅らせた。気が急くが、ここで焦っても仕方が無い。更に4時間ほど掛けて、電車を乗り継ぎ、やっと病院に到着した。小さな整形外科の専門病院だが、院長は腰(ヘルニア)の名医で、有名らしく外来患者は多い。看護婦に聞いて部屋に上がると、本来は患者用の部屋でないところに簡易ベッドを置いた部屋だった。相棒の顔色はやや白っぽい。
院長から手術の説明を受けた。アキレス腱が完全に切れているので、手術しないと直らない。他の患者の患部を開いた写真を見せられた。皮膚を切開すると、こんなことになっているのかとちょっと驚く。手術の承諾書に二人でサインをした。時間が近づき、相棒はストレッチャーに乗せられて、手術室の中に消える。一人取り残されたので、取り敢えず、荷物をまとめて部屋の移動の準備をした。病院の外に、昼飯を食べに出掛ける。病院から出て外の空気を吸うと、少しだけ気持ちが安らぐ気がした。近くの中華料理店で肉野菜炒め定食を食べ、ショッピングモールをぶらついて、雑誌を買い、病院に戻る。手術が始まって約1時間半経過していたが、まだ手術中のランプは点いていた。
更に一時間ほど待って、やっと手術が終る。相棒に付いて部屋に戻ろうとすると、職員に呼び止められ、院長室に連れて行かれた。今撮影した写真を見せられながら、手術の説明を受ける。相棒のアキレス腱は、ものの見事に断裂していた。縫い合わせた後の画像を見ると、元通りになっている。後は、人体の回復力に頼むしかなかった。院長に礼を言って部屋に上がる。相棒は、まだ麻酔が効いていて腰下の感覚は無いが、取り敢えず表情に明るさが戻っていた。喉の渇きと、空腹を訴えるが、まだ4時間は飲まず食わずで居ないとならない。日帰りは止めて、泊まることにする。
やっと水を飲む許可が下りた。夕飯が届いたので、食べさせてやる。喉の渇きと空腹は収まった。だが、しばらくして麻酔が切れると、酷い痛みが襲ってきたらしい。看護士に痛み止めの座薬を入れてもらうが、それだけでは足りないようだった。「痛い。」と涙を流して苦しむが、どうすることも出来ない。看護士に飲み薬ももらって飲ませた。「最近では痛がり度1番だね」を看護士にからかわれる。2時間経って、薬が効いて来たようで、やっと眠れそうになった。病室を出て電車に乗って、相棒の部屋に向かう。スーパーで遅い晩飯用の惣菜とビールを買って、誰も居ない部屋に入った。電子レンジで惣菜を温めると、缶ビールを飲みながら平らげる。長かった一日がやっと終った。ベッドに潜り込むと、直ぐに眠り込む。
11月16日(水)晴れ
朝、ゆっくり目に起きると、朝食を食べる。相棒に頼まれた荷物を持って、部屋を出た。途中のスーパーで買い物をして病院に向かう。昼飯の時間になると、近くのコンビニで弁当を買って来て、相棒と一緒に、病室で食べた。午後になって相棒の母親が到着する。しばらく3人で話をして過ごしてから、後を任せて、自宅に帰ることにした。ずっと仕事を休んでこちらに居たい所だが、そうもいかない。電車と新幹線を乗り継いで5時間ほどで自宅に戻った。
ジムに行って、ストレッチングから始める。何時もより少し時間を掛けて丁寧に行った。筋トレマシンとバイクでトレーニングを済ませる。ジムの風呂で汗を流してから帰宅した。新幹線で大き目の弁当を食べたので、缶ビールとピーナッツだけを口にする。北関東の夜は寒かった。今日は、ことさら寒さが体に堪える気がする。部分掛けの電気毛布を布団の足元に入れて寝ることにした。明日は石油ストーブも必要だろう。本格的な冬の訪れだった。
11月17日(木)晴れ
スーパーで納豆などの食料品と、安売りの胡麻煎餅などのお菓子を買い込む。駐車場で、買ったばかりのいなり寿司を食べて、小腹を落ち着かせてからテニスクラブに向かった。今夜は、7人と少し人数が多い。始めはダブルスの練習を主に行った。サービスからのゲーム形式なのだが、リターンが最初から前に居て、サービスをボレーで受けるところが面白い。ボールに興味を持って見続けるようにした。相変わらず上手い人が多くて面白い。その後は、同じくサービスから、シングルスのチャンピオンゲームをやった。ボールが弾まないので、フラット系やスライス系の球が、打ち辛い。最後にサーブ&ボレーが決まって終ったので、気持ち良く帰ることが出来た。かなり寒くなり、汗を余りかけないのが寂しい。1時間半の練習が終ると、自宅に戻った。
超簡単な晩飯を作って、ビデオで録画した旅番組を見ながら食べる。ビールと殻付落花生が良く合って、つい食べ過ぎてしまった。室温が15℃を下回ると、流石に寒い。寒さに耐え切れず、ついに石油ストーブに火を入れた。室温が20℃になったので、安心してシャワーを浴びる。湯冷めしないで済みそうだった。布団には、電気毛布も仕込んである。温まった布団に入り、読みかけの本の続きを数節読んでから、枕元の灯りを消した。たちまち意識が飛んでいく。
11月18日(金)晴れ
スポーツジムで、筋トレとランニングをしてから、近くのテニスコートに練習に行く。軽くアップをしてからゲームに入った。今夜は4名しか居なかったので2面を使ってシングルスをすることになる。8ゲームマッチのシングルスを2試合やると、9時になった。最初の試合はサービスの確率が悪く、2ー8で簡単に敗れる。相手のアドバイスで、サービスの時にひじが曲がっていることが判った。トスが低く、打点も低くなっているらしい。2試合目は、トスを修正しながらサービスを打ったところ、確率が上かって、8ー3で勝つことが出来た。自分で気付けないという問題と、結局攻める技が無いという問題が残る。
ジムで風呂に入ってから帰宅した。何時もより帰り時間が遅くなり、結果として晩飯の時間が遅くなり、布団に入る時間も遅くなる。やはり金曜の夜の練習は8時半までに終えたいものだった。簡単な食事の後、Macを起動して、メールチェックやWebブラウズという日課を、少しの時間で片付ける。帰って直ぐに廻し始めた洗濯機が停まった。洗濯物を室内の物干しハンガーに吊るして除湿機をかける。仕事を終えると布団に潜り込んだ。除湿機の微かなうなり音が、遠くに消えていく。
11月19日(土)晴れ
黄色のクルマで、近くのテニスコートに向かった。2面もコートが取ってあるのに、来たメンバーは5名しかいない。一人を電話で呼び出して、やっと6名になった。練習とゲームで遊んでから解散する。近くのタイレストランで昼飯を食べた。タイレストランだが普通の定食もある。今日は、お勧めメニューにあったカキフライを注文してみた。冬場は牡蠣の旬だから、何となく美味そうな気がする。運ばれて来た皿には、熱々でさくさくの大粒カキフライが4個載っていた。しかし、5〜6個あっても良いような気がする。少し量的に物足りない気持ちも残ったが、まぁこれが適量ということで自分を納得させた。
ジムで筋トレと短いランニングをして風呂に入る。さっぱりしてから自宅に戻った。急いで着替えて駅に向かう。電車に乗って街に出た。友人が、車で迎えに来ている。先ず、友人の家に行って奥さんと下の娘を乗せると、少し離れたところにある酒屋に向かった。ボジョレーヌーボーの試飲会があるというので来たのだが、なるほど狭い店内に7〜8本のワインが置いてあって、試飲出来るようになっている。チーズも試食出来るように用意されていた。しかし、メインの筈のボジョレーヌーボーは1本だけで、後は普通のワインが並んでいる。勿論、構うことではないので、全てを試飲し、チーズも7〜8種類の全てを試食した。芋の焼酎を一本買って店を出る。
友人宅に戻ると、上の息子が帰っていて一人でPCでゲームをやっていた。友人が買って来たヌーボーを空けて飲み始める。刺身こんにゃくと、さつま揚げがつまみだった。しっかりした味わいの赤ワインが好みだが、フレッシュなヌーボーもまた愉しい。ワインに合わせたのだろう、メインの料理はチーズフォンデュが用意された。海老、ホタテの貝柱、ブロッコリー、ニンジン、ソーセージ、ガーリックブレッドなどを、フォークで刺してチーズに付けて食べる。良い加減に酒も入っていたので奥さんへの気遣いも無く、好きに食べてしまった。ワインが空いたので焼酎のロックに変える。散々食べ散らかした後、奥さんの運転で駅に送ってもらい、自宅に帰った。久しぶりに家庭の味を楽しんだ気がする。友人の気遣いに感謝して、布団に潜り込んだ。
11月20日(日)晴れ
黄色のクルマの幌を降ろして北の町に向かう。随分と久しぶりに通る道だった。紅葉の色付きは今ひとつ冴えない。コートサイドで、充分にストレッチングをしてからアップを始めた。最初は7〜8名だったが、次第に人数が増えてきて、最終的には14名集まる。何時ものように、ショートラリー、ボレー&ボレー、ロングラリーで十分にアップしてから、ボレ&スト、サービス&リターンを練習して、最後に残った時間でダブルスのゲームをやった。正午にコートを離れる。
街に戻る途中の道中で、中華、蕎麦、カレーの何れにするかを散々悩んだ末に、カレーに決めた。カレー屋の店先の駐車スペースに車を停める。食べ終わって新聞を読んでいる客が一人居るだけだった。ランチの野菜カレーを辛い目、ナン付きで注文する。サラダ、スープ、ナン食べ放題が付いていて、780円だからお得感があった。石釜で焼きたてのナンが、そのままでも非常に美味い。単に小麦粉を練って焼いただけで何故これほど旨味が出るのか不思議だった。腹一杯になって店を出る。
午後は、久しぶりにテニスクラブに行き、何時もの会員達とゲームをして遊んだ。日が落ちるのが早い。テニスの調子は良くなかった。集中力が高まらない。気持ちが逸れてしまい、ボールが良く見えなかった。しかも、またサービスが入らない。しかも、どうしたことか、一昨日、不調の場合は打点が低くなっていることを指摘されたばかりなのに、不思議とそのことに思い当たらなかった。今日は、相方から指摘されて、やっと気付く。それにしてもサービスの軌道と着地点を見て、トスが低いのでは?と指摘出来る相方の目の確かさにも驚かされた。
日が暮れてからテニスクラブを出ると、急いでジムに向かう。筋トレをするとランニングする時間が無くなった。朝から着替えずに運動しているので、体中が汗臭い。風呂に入って汗を流すと、普段に増して爽快感が強かった。すっかりリフレッシュしてジムを出ると、帰り道で黄色のクルマに給油をして、50L入りのタンクを一杯にしてやる。スーパーでかつおの刺身を買って自宅に戻った。かつおの刺身を肴にビールを飲むと、これは美味い。テニス三昧の週末が終った。電気毛布で足元が充分に温まった布団に潜り込むと、深い眠りに落ちていく。
11月21日(月)晴れ
ジムは今日も盛況だった。顔馴染みの面々以外に、記憶に無い顔ぶれも多い。ジムの新会員勧誘作戦は、上手く機能しているようだった。先ずストレッチングを充分にやってから、マシンで腹筋と背筋を鍛える。次はランニングの予定だった。トレッドミルは13台あるのだが、生憎と全部埋まっている。どうやら8時前後が、何時も一番混んでいるようだった。仕方ないので、エアロバイクを40分間漕ぐ。走れないのは、もちろん残念だが、一方で、どこか嬉しい気もした。何故なら、バイクだと雑誌が読めるし、TVも見れるので、走るよりも楽しめるからだ。ストレッチングをして、体重と体脂肪率を計測してから、ジムフロアを後にした。風呂から上がると外に出る。
黄色のクルマの幌を降ろす前から、車室内には冷え切った寒気が満ちていた。皮張りのシートも冷たい。シートヒーターが付けてあれば具合良いのだろうが、スパルタンな、この車に、そんな装備など用意されていなかった。なに、エンジンの発熱で、すぐに温風が吹き出すので問題ない。足元が暖かいので、露天風呂気分だった。
自宅に帰り着くと簡単な晩飯を作って食べる。TVニュースでは、今夜もふざけた建築士の起こした問題を取り上げていた。恐ろしく迷惑な話だが、どうしてそんなことが出来るのか不思議でしょうがない。人は誰かにチェックされていないと、不正を働いてしまう業を備えた生き物、と思わざるを得なかった。モラルの低下が危惧されているが、自分の中にいわゆる上位自我がきちんと形成されていないのだろう。どこか、心が壊れている人が増えている気がした。
11月22日(火)晴れ
スポーツジムに入ると、暖房が効いていて暖かい。熱を閉じ込める耐寒ジャケットを着ているので、逆に暑過ぎるぐらいだった。ロッカールームで上着を脱ぐと楽になる。真冬でもTシャツと短パンで運動出来るのが嬉しかった。空のペットボトルに冷水機の冷水を汲み、アミノ酸とカフェインが入った低浸透圧の粉末ドリンクを溶かし込む。脂肪燃焼効果がある、というふれこみだった。ペットボトルとiPodとシューズとタオルを持ってフロアに下りていく。棚にシューズ以外を置くと、ストレッチングから始めた。その次は腹筋と背筋を鍛える。トレッドミルで40分走ると、Tシャツとタオルが大量の汗を吸って重たくなった。最後にストレッチをして、体重・体脂肪率を計測するとジムフロアを出る。風呂を浴びてさっぱりしてから外に出ると、たちまち冬の寒気に包まれた。構わずに黄色のクルマの幌を降ろして走り始める。見上げると暗い空に無数の星が輝いていた。今夜も、地上の星は輝いているのだろうか。降り注ぐ光のシャワーを浴びながら暗い夜道を走って帰った。
11月23日(水)晴れ後曇り
ジムに行って、ストレッチングから始める。筋トレマシンと、エアロバイクでトレーニングを済ませた。今日は祝日のせいか人が少ない。ジムの風呂でさっと汗を流してから、近くのテニスコートに移った。今日は、メンバーが2名しかいない。時間を掛けてアップした後、サービスとリターンの練習を多めにやった。最後に4ゲームだけゲームをする。試合になると安定せず、1ー3だった。どうも余計な雑念が多すぎて、ボールに集中出来ていない。この欠点を修正しないと簡単には勝てないのが明白だった。祝日はジムが早く閉館するので帰りは風呂に入れない。
コンビニで明後日の晩に乗る夜行バスのチケットを受け取ってから帰宅した。簡単な晩飯を作って食べるが、ついでに食べる殻付きピーナッツを、またしても食べ過ぎてしまう。大きな袋から手で一掴み分を取り出して、これで止めておこうと思うのだが、気が付くと、つい、もう一掴み取り出していた。ビールや焼酎の肴に合うのは良いのだが、どちらもすすんでしまうのがむしろ問題になる。それでも簡単に幸せになれるビールと落花生の組合せは止められそうもなかった。洗濯機が停まったので、洗い上がった洗濯物を室内に干す。室内が乾燥しているので、洗濯物を吊るして、丁度良いぐらいだった。
11月24日(木)晴れ
仕事場を出ると何時もとは違う道を辿り、大手カー用品店に向かう。会員セールの葉書が来ていたので、距離も頃合だし、この機会にオイル交換をすることに決めていた。通常価格から5%引かれるだけだから、それほどの割安感は無いが、それでもちょっとお得なことに変わりは無い。デフオイルは、純正を用意してなくて交換出来ないと断られたが、エンジンオイルとトランスミッションオイルの交換を依頼した。店内をぶらぶら見て回りながら作業終了を待つ。待合室からピットを覗くと、黄色のクルマがリフトに上げられていた。作業終了後、オイルの量を確認する時、元々のオイル量はレベルゲージのHとLの中間ぐらいだったことを作業者から知らされた。前回のオイル交換から5千キロほどだが、1L程度減っていたことになる。その程度なら、オイル消費が悪い方ではなかった。
閉店間際のスーパーで、モズク酢や低脂肪乳などの食料品と、缶ビールなどを買い込む。自宅に戻ると、簡単な晩飯を作って、TV映画を眺めながら食べた。今夜も殻付き落花生を少し食べ過ぎたらしい。薬缶に湯を沸かしてマグカップに芋焼酎のお湯割を作った。芋焼酎の割りに癖が強くないので、やや物足りないがそれゆえにすいすい喉を滑り落ちていく。今日もまた飲み過ぎた。映画の途中でシャワーを浴びる。Macを起動してメールチェックを済ませると布団に入り、目を閉じた。意識があるのはそこまでで、次に意識を取り戻すのは、翌朝目覚ましが鳴る時だろう。
11月25日(金)晴れ
スポーツジムで筋トレをしてバイクを漕いでから、自宅近くのテニスクラブに行く。久しぶりに金曜日のナイターレッスンを受けた。高校生ぐらいの若いのが二人来ている。後はクラブ員が4名で計6名だった。ボレーでアップをしてから、レッスンに入る。コーチの球出しでボレーとストロークを練習した。その後はサービスを打ち放してからサービス&リターンの練習に入る。最後は3対3でゲームをやった。サービスが調子良く入ったので気分は悪くない。
急いで帰宅するとシャワーを浴びて着替え、手早く準備を整えた。荷物を持って家を出る。駅まで歩いて南行きの電車に乗った。約20分かけて走り、新幹線の停まる駅に着く。ちょっとした食べ物と、ビールを買って高速バスを待った。時間通りに到着したバスに乗り込み、座席を目一杯倒す。サンドイッチとビールの晩飯を食べ、耳栓をすると目を閉じた。有料道路を走る単調な振動が何時の間にか眠りに誘い込む。
11月26日(土)晴れ
早朝、まだ暗い内に西の古都に着いた。電車で一駅乗って降りると、寺巡りを始める。最初に訪れた寺は源義経の家来だった那須与一が葬られていた。まだ鍵が閉まっていて、墓を詣でることは出来ない。紅葉が美しく参道を飾っていた。次の寺も紅葉が美しいが、掃除のおじさんが小型エンジン付きの送風機で落ち葉を集めていて、煩い。朝の静かな古刹を期待して来たのに、とんだ興醒めだった。唸りを上げるエンジン音に追い立てられるようにして山を降りる。
次は、今日のメインイベントの東福寺に向かった。小川に架けられた橋から木造の橋と山を望む風景が、まるで一幅の絵のように美しい。特に朝日が差し込み始めた一瞬に紅葉が一気に燃え上がるように輝いて、この世のものとは思えない荘厳な一大絵巻に見えた。しばらく、その場に立ち竦み、見惚れていたが、我に返って何枚か写真を撮る。寺の中に入ろうと、門の前まで来ると8時半に開門とあり、まだ30分ほどあるのに門の前には既に10名程度並んでいた。更に団体がガイドの先導でやってくる。8時少し過ぎに、門が開けられた。中に入ると紅葉の時期専用に行列用の柵が作られている。もう数時間経つと、大変な賑わいになるのは間違いなかった。今はまだ静かな境内を歩き回り、古の時代に思いを馳せながら、紅葉をデジカメに収める。次々に観光客が押し寄せ始めた寺を離れて外に出た。
更にいくつかの寺を見て歩きながら伏見稲荷神社に辿り着く。延々と続く朱塗りの鳥居をくぐりながら、山を登っていった。奥社まで踏破したいところだったが、相棒と昼飯を一緒に食べる約束をしていたので、途中の展望台で古都の町並みを見下ろして下山する。ここでは、参道を埋め尽くす鳥居の数に驚かされた。人の信仰心の力にも畏怖の念を抱く。大鳥居の直ぐ前の駅から電車を乗り継いで病院に向かった。
弁当を買って病院に近づくと、2階のラウンジの窓から相棒が手を振っている。調子は良さそうだった。一緒に昼食を食べる。病院食は秋刀魚塩焼きだった。午後は相棒の友人が遊びに来てくれる。しばらく外でぶらぶらしてから、また病院に戻った。晩飯も一緒に食べてから病院を出る。相棒の社宅に入ると、部屋を少し片付け、メールをチェックし、ビールを飲んで、シャワーを浴びた。ベッドに潜り込むと直ぐに眠りが訪れる。
11月27日(日)晴れ
朝、目覚めて朝食を摂ると、荷物をまとめて相棒の部屋を出た。駅に向かい相棒の定期を解約する作業を始める。色々手違いや勘違いが有って作業を終えるのに1時間ほど掛かった。やはりJRのシステムは完全には顧客志向になっていない。客の都合よりも会社の都合が優先されていた。思いの外時間が掛かったが、昼飯前に何とか病院に辿り着ける。唐揚弁当を買って行き、相棒と共に昼食を食べた。病院食のおかずは、なんと、ソース味の焼きうどんである。焼きうどんでご飯を食べさせる辺りが、関西感覚だなと感心した。デザートに頂き物のプリンを食べる。
夕方までのんびりと本を読んだりして過ごし、病院を後にした。黄昏時の街を駅まで一人で歩く。電車を乗り継いで新幹線の駅まで着いたのは出発の15分前ぐらいだった。ビールを買って車両に乗り込む。日曜の新幹線指定席は、満員だった。見舞いの菓子を肴にビールを飲む。本を読んだり眠ったりしている間に、500km余りを移動した。更に乗り換えて北関東の地方都市まで戻ってくる。簡単な晩飯を食べ、洗濯を済ませると、布団に入った。少し本を読むが、直ぐに本を閉じて、目も閉じる。たちまち意識が暗闇の彼方に飛んでいった。
11月28日(月)晴れ後曇り
久しぶりに、と言っても土日空けただけだが、ジムのフロアで、ストレッチングを始めた。充分に筋肉をほぐしてから、マシンで筋トレを行う。もう少しだけ筋肉の肥大化を狙って、速度を落としてやってみた。次はトレッドミルでランニングをする。30分走るとTシャツとタオルが汗でじっとり濡れていた。最後にストレッチングをして、体重と体脂肪率を計測して、サーバーに記録してからから、ジムを後にする。風呂から上がって外に出ると風が冷たく、ほんの少しだけ雨粒が落ちたが、路面を濡らすほどでもなかった。
今夜も、議員の弁護士法違反問題、建築構造計算の偽造問題、児童殺害問題などがTVを賑わしている。仕事場の掲示板にも、金の使い込みで懲戒解雇された男の名前が掲示されていた。そんな必ずばれる犯罪に自ら手を染めてしまう、人間の心理の不思議さを考えさせられる。とは言え、これぐらいなら良いだろう、という軽い考えで日常的に違法行為をしている人も、多い筈だった。車を運転していると、ごく普通に流れに乗って走っていて、速度違反していることがある。その延長線上に、TVを賑わす犯罪も存在しているのかもしれなかった。そう考えると、慣れというものは非常に恐ろしい。
11月29日(火)曇り後晴れ
夜に抜けられない会議が入って帰りが遅くなった。スポーツジムに入ると、人が減り始めている。暖房が効いていてTシャツと短パンでも充分に暖かかった。ストレッチングの後で、腹筋と背筋を鍛える。時間が無いので、エアロバイクを10分だけ漕いだ。丁度、汗が噴き出し始めたあたりで時間終了になる。最後にストレッチで全身の筋肉をほぐし、体重・体脂肪率を計測してからジムフロアを出た。時間が無くても風呂は外せない。サウナに10分間入って汗を搾り出す。温まってから外に出ると、冬の寒気が体を包んでも、体内から湧き出すエネルギーで、苦にならなかった。黄色のクルマの幌を降ろして走り始める。見上げた空に光る無数の星が見下ろす中、暗い田舎道を走った。途中2箇所ほどある広い直線路で、ハイカムゾーンを試してみる。吸い込まれるように、レッドゾーンまで伸びていく4気筒エンジンの気持ち良さは、何者にも代え難かった。
11月30日(水)晴れ
ジムで、ストレッチング、筋トレ、トレッドミルとフルコースのトレーニングを終える。早い時間なのでフロアは空いていた。どのマシンも、少しも待つことなくスムーズに進んで気持ちが良い。ジムの風呂場で汗を流してから、近くのテニスコートに行った。今日は8名いるのでダブルスのゲームを楽しむ。サービスがイマイチで2試合連続で3ー6、4ー6と負けた。ペアと相手を変えて、さらに一試合やったが、それも4ー6で負けて、今夜は0勝3敗と分が悪い。時間になったのでコートを後にして、ジムに戻った。今度はゆっくりと風呂に入る。運動の後の風呂とサウナは、堪らなく気持ちが良かった。
運動よりももっと気持ちが良いのが、自宅に戻ってから飲み干すビールだろう。録画しておいたVTRを眺めながら、簡単な晩飯を食べた。旅番組では、3名で北陸方面を旅した映像が流れている。越前がにや、とらふぐが、実に美味そうだった。新鮮なカニが一人当たり2杯弱出されるという旅館に行ってみたいが、3万近い宿泊料は苦しい。こうして映像で眺めながら想像して楽しむのが適当だった。今夜こそは、早く布団に入ろう、入ろうと思うのだが、ついMacの前に座ると作業が長くなる。メールをチェックし終わると直ぐに布団に潜り込んで眠った。