01月01日(日)晴れ目覚めると、既に日が昇っているが、いずれにせよ曇りで初日の出など拝めそうもなかった。起きて先ず最初に風呂に入る。熱い湯のシャワーを浴びてから、ゆったりした湯船に体を横たえ、ジェットバスを作動させた。風呂から上がると、早速、冷蔵庫から冷たい缶ビールを出して飲む。少し休んでから早めの昼食を食べ始めた。様々なおせち料理が、これでもかと言うぐらい並んでいる。燗をつけた日本酒を飲みながら、片っ端から平らげていった。1時間ほど飲み食いしているうちに、弟夫婦が来たので、更に昼食会が続く。さながらイタリアかスペインの昼食のように、2時間以上、飲んで食べ続けた。流石に腹一杯になる。飽食続きの年の瀬と年明けになった。
午後になると再び電車に乗って相棒の実家に戻る。ここでも相棒の妹夫婦が来ていて、にぎやかだった。引き続き、ワインや日本酒を飲む。妹夫婦が帰る時に一緒に、近くの駅まで車に乗せてもらった。相棒は、まだ松葉杖をついているので長距離を歩くのは辛い。運良く一回の乗り継ぎで北関東の小都市まで帰った。駅から家まで10分掛からない道程を、相棒の松葉杖に合わせて、のんびり歩いて自宅に帰り着く。実家でもらってきたおせち料理の残りなどで、簡単な晩飯を作って食べた。長距離の移動と食べ続けで疲れていたのか、布団に潜り込むと、たちまち意識が失われる。
01月02日(月)晴れ
今日も、のんびりと目覚めて休日の朝を満喫する。気温は低いが、灯油ストーブとエアコンのお陰で直ぐに寒くなくなった。TVを眺めながら、ゆっくり朝食を摂り、その後はお茶を飲んで過ごす。午後になってやっと重い腰を上げて外に出た。近くのテニスクラブに行って新年の挨拶をする。立派なイチゴの差し入れをもらって食べた。会員が作って持ってきたという、イチゴ大福が美味い。10分ほどで、その場を辞して更に黄色のクルマを走らせた。
アウトレットモールの近所の道路は、大分混雑している。松葉杖の相棒を連れているので、近くて便利な駐車場の身障者エリアに停めた。更にモール内にあるインフォメーションセンターで車椅子を借りて、店内を回ることにする。そこまでして買い物をする根性があるのは驚きだった。ぶらぶらと時計屋を冷やかして歩く。人が多くて鬱陶しいほどだった。閉店時間まで買い物を楽しむと、自宅に戻る。
今夜も、もちを焼いて、おせち料理の残りと一緒に食べた。昼間TVでまとめて放映していた「電車男」をビデオに撮っておいたので、それを見ながら晩飯を食べ終わる。「電車男」は意外に面白くて、ついつい見続けてしまった。眠くなってきたので風呂に入り、布団の上に倒れ込む。目を閉じると、たちまち意識が失われた。寝つきの良さは何時もどおりらしい。
01月03日(火)晴れ
今日も酷く冷え込んでいる。久し振りに目覚ましを掛けて早目に起きた。簡単に朝食を食べて、身支度を整えると自宅を出る。近くのテニスクラブに行って、今年の打ち初めを楽しんだ。一週間ラケットを持っていなかった割には普通の調子で、それほど悪くない。今年最初のゲームは4ー6で敗れた。初試合が負け戦では先が思いやられる。昼までテニスを楽しむと自宅に戻った。
餅を焼いて簡単に昼食を摂りながら、昨日の続きで「電車男」を見てしまう。その後は、買い物に行き、部屋の片付け・掃除などの家事に精を出した。夕方に以前から懸案だったPC周りの整理に取り掛かるが、全く終りそうもなかった。中途半端な状態で、晩飯を食べ、風呂に入る。久し振りにテニスをしたお陰か、妙に眠い。何時もより少し早目に布団に潜り込んで、目を閉じた。すうっと火が消えるように意識がどこか遠くに消えてしまう。
01月04日(水)晴れ
朝起きて身支度を整えると、相棒を近くの警察署に連れて行き、免許の更新を終える。簡単に30分ほどで終った。次は郵便局に行って荷物を出す。それから一度自宅に戻って、少し休憩した。昼少し前に、再び家を出て街中に向かい、カレー屋に入る。外観からは想像できないが、まずまず本格的なカレーを食わせてくれるので気に入っていた。焼肉とカレーという妙な取り合わせで営業しているが、まだ焼肉は食べたことがない。今年は今日から開店して、まだ準備が整っておらず、セットは出来ないと言われた。カレーと飯とナンだけが出来るらしい。ランチ一つと3種類カレーを注文した。ランチはキーマカレーで、3種類の中身は、野菜、ビーフ、えびと書いてあったので、4種類のカレーが食べられる。ところが、手を抜いたのか、3種類の一つがキーマカレーになり、結局3種類しか味わえなかった。ナンをお代わりして食べると、腹は一杯になる。満足して店を出た。
家に帰る途中で、たまには喫茶店に寄って、コーヒーを飲むのも良いだろう。ロブノールという喫茶店にクルマを停めた。コーヒーも料理も少し高い値付けで流行りそうではない。しかし、何時も客が沢山入っているので、それが実に不思議だった。ウエイトレスにグアテマラ、マンデリンを注文する。しばらく待って運ばれて来たコーヒーは、威張るだけあって薫り高く良い味だった。ファミレスのコーヒーとは段違いだ。次はブラジルとブレンドを注文した。これも美味い。美味しいコーヒーと席が全て区切られたプライベートな雰囲気で、確かに悪くなかった。多少高くても流行るだけのことはありそうだ。
自宅に戻って少し休むと相棒が帰る時間になった。駅まで黄色のクルマで送っていく。電車が出て行き、一人取り残された。ジムに行って一週間ぶりの筋トレに励む。まだ膝の調子が良くないのでトレッドミルを止めてエアロバイクを漕いだ。久し振りに汗をかくと気持ちが良い。トレーニング後のサウナ風呂も最高に良かった。すっかりリフレッシュして自宅に戻る。
01月05日(木)曇り一時晴れ
午前中一杯を使って、宮部みゆきの「龍は眠る」を読み終えた。雑誌ライターといわゆるサイキック能力を持った少年を巻き込んで起きる事件の顛末を、雑誌ライターの一人称で書いたミステリー小説だが、その方面の文学賞を取っただけあって、非常に面白くて、一気に読まされてしまう。緻密な構成に加えて、登場人物が魅力的で、比較的簡単に作品世界に没入できるのが素晴らしかった。
午後からは、風が非常に強かったのでテニスを止めにして、中古車を見ようと近くの中古車屋に行くが、まだ休んでいる。代わりにユニクロで冬物をちょっと購入した。スーパーに寄って食料品を少々買い込み、自宅に戻る。2回目のガット張りを試してみた。早くも電動巻き上げ機の7セグメントLEDインジケータが消灯してしまう故障が発生する。接触不良のようで点いたり消えたりするので、使えることは使えるが、いささか頼りなかった。カバーを開ければ自分で直せそうな気がする。送り返すのも面倒だった。週末に、開けてみようと思う。
01月06日(金)晴れ
久しぶりに仕事場に出ると、妙に疲れた。とっとと仕事場を後にしてスポーツジムに向かう。比較的早い時間なので、まだ空いていた。ストレッチングをして準備を整えると、筋トレを行う。膝に違和感が残っていたので、トレッドミルを止めてエアロバイクを漕ぐことにした。30分間バイクを漕ぐと汗が床まで滴り落ちる。備え付けのタオルでグリップと床を拭うと、マシンを離れた。再度ストレッチングで筋肉をほぐしながら呼吸も整える。風呂ですっきりしてからジムを後にした。
自宅に戻ると、納豆キムチ鍋を作って食べる。ピリ辛味と、冷えたビールが良く合って実に美味かった。更に信州の美味いリンゴを剥いて食べる。部屋干しの洗濯物を取り込み、代わりに今日の洗濯物を干した。作業を終えると、一日の仕事を終わりにする。布団に潜り込むと、電気毛布が体を温めてくれた。心地良い温もりに包まれて、たちまち意識が遠のいていく。
01月07日(土)曇り一時晴れ
朝目覚めると、何となく体がだるい。飲み過ぎたかと一瞬舌打ちしかけるが、飲み過ぎた筈は無かった。単に年末から続く不摂生な生活のツケが溜まっているだけだろう。しかし、体からの訴えを馬鹿にしない方が良いのは明らかだった。一時間ほど二度寝をすると気分が良い。予定より遅くなったが、テニスクラブに向かうことにした。休み疲れからか、クラブにも会員の姿は少ない。コートが空いているので、1時間ほど連続で練習をすると、かなり汗をかいた。良い運動をした充実感に包まれる。日が傾くまでテニスを楽しむと、クラブハウスで熱いコーヒーを飲んで寛いだ。
ジムに着くころには、辺りに夜の帳が降りている。短パンに着替えてフロアに降りると、ストレッチングから始めた。腹筋と背筋を鍛えてからエアロバイクを漕ぐ。サッカー日本代表の特集が組まれたナンバーを読みながら30分間バイクを漕いで汗を絞り出した。シャワーで汗を流し、サウナでもう一度汗を絞り出すと最高に気分が良い。今日も心から楽しめる良い一日だった。ビールが美味い。
01月08日(日)晴れ
朝目覚めると、朝食を摂り、実家から送られた林檎を2個むいてタッパーに入れた。ラケットバッグや、着替えなどを持って家を出る。黄色のクルマで近くのテニスコートに向かった。少し遅れたので、既に多くの仲間がアップの最終段階に入っている。同じように遅れて来た仲間達とアップに入った。もちろん、準備体操を入念に行ってからなのは言うまでもない。怪我だけは避けないとならなかった。いつものような練習の後、ゲームを少しやると、終了時間になる。
仲間達と少し離れたレストランに向かった。ランチタイムは840円から食べられる気楽なイタリアン系のレストランだが、味は悪くなく、地元では結構人気の店らしい。オムライスにも惹かれたが、ステーキ丼を選んでみた。やや厚切りの牛肉をピリ甘辛のソースで味付けて、焼いて、ご飯の上に乗せている。炒めたもやしが付け合わせになっていた。個人的にはもっとガーリックを効かせるのが好みだが、まぁ悪くない。満足して店を出た。
ジムに行ってトレーニングをする。満腹だったのでジムの駐車場に停めたクルマの中で30分ほど仮眠をむさぼった。すっきりした気分でジムに入り、短パンに着替える。筋トレをフルメニューで行い、その後はエアロバイクを30分漕いだ。年末から続いた比較的長い休暇の最終日に相応しい、充実した一日になった気がする。サウナで汗を流し、さっぱりしてからジムを後にした。自宅に戻り、のんびりTVを眺めながら晩飯にする。京都を旅する映像が、自分の体験と重ねながら楽しめた。名残惜しい休暇の夜が更けていく。
01月09日(月)晴れ
今日は、ハッピーマンデーというキャッチフレーズで元々は1月15日だった成人の日を移動して出来た祝日だった。しかし、多くの人と同じように、祝日と関係なく普通に仕事場に向かう。気温が氷点下を示す寒い朝だった。正月明け早々に重い仕事を振られて、ますます気が滅入る。会議が終わり次第、仕事場から逃げ出すが、祝日のせいでジムが早く閉館していて、トレーニングすることも出来なかった。全く冴えない一日の終わりに、黄色のクルマで自宅に戻る。駐車場にクルマを停めて部屋に上がる。部屋の前の氷柱は、溶けずに残っていた。日中は気温が上がったらしく、成長してはいない。部屋のドアを開けると冷たい部屋に迎えられた。明日の朝氷柱を見ると、きっと今より成長しているだろう。そっとドアを閉めた。
01月10日(火)晴れ
一日中、会議室に缶詰にされた。大昔と違って一切煙草の煙が無いので、気分が悪くなることは無いが、座ってインスタントコーヒーを飲み、と冷たい弁当を食べただけであり、体には良くなかった。開放されると、心底ほっとする。ロッカーで着替えると、直ぐにジムに向かった。昨日運動していないだけで、随分と運動していない気がする。Tシャツと短パン姿になるとストレッチングから始めた。腹筋と背筋を鍛えた後は、iPodを持ってトレッドミルに向かう。ここのところエアロバイクを漕ぐことが多かったので、走るのは久し振りだった。時間が遅いので、25分間だけ走って終わりにする。しばらくサボっていたせいか、普段よりも、やや呼吸が苦しく思えた。サウナ風呂で汗を流してさっぱりすると自宅に戻る。約30分強で日付が変わってしまった。これほどまでに遅い時間に帰宅すると、何も出来ない。布団に潜り込むと一瞬で意識が飛んでいった。
01月11日(水)晴れ
仕事場を出てジムに急いだ。年末年始トレーニングをさぼっていたせいで、再開したトレーニングで腿に疲労が溜まっている。それでも、ここで更に筋トレを続ければ体が慣れるのを知っていた。今日も何時ものようにトレーニングを始める。筋トレの後は、当り前のようにトレッドミルに乗った。iPodからの音楽を聴きながら速いペースで走る。時間は30分に短縮したが、気持ちの良い汗をかくとこが出来た。ジムのフロアを出て、着替えるとすぐに近くのテニスコートに向かう。
先ず二人でアップをした。隣のコートでシングルスをしていた二人にダブルスをお願いする。二人とも、疲れていたようでゲームを始めたら6−0で勝った。隣のコートの二人が帰っていく。もう一人やって来て3名でサービス&リターンの練習をした。サービスの調子は悪くない。練習を終えると、解散した。ジムに戻って風呂に入る。やはり足に疲労が溜まっていた。黄色のクルマで自宅に戻る。冷たいビールが堪らなく美味かった。
01月12日(木)晴れ
仕事場を出て自宅に戻る。今日はジムが休みなのでトレーニングも休むことにした。帰る途中で何時もの行きつけのスーパーに寄って買い物をする。モズク酢に納豆に缶ビールにヨーグルトなど日常的に消費する食料品をカートに入れた。レジで会員カードを出して清算する。現金で支払うとカードにポイントが貯まる仕組みだった。買い物を全て終えると黄色のクルマの小さなトランクにレジ袋に入れた食料品を突っ込む。自宅までは、もうすぐだった。
部屋に入ると、先ず灯りを点け、次に石油ストーブのスイッチを入れる。そして、TVの電源を入れた。TVを眺めながら晩飯を作る。今夜は味噌煮込うどんにした。湯が沸く間にビールを飲みながらアジの造りをつまむ。鍋の湯が沸いたので、生うどんを入れた。うどんが煮える間にしめじを洗い、ネギを刻む。鍋にスープの素を絞り、しめじとネギを放り込む。最後に茹で上がった鍋の中身を丼に移すと、納豆とキムチと生卵をトッピングした。軽く七味唐辛子を振りかけて出来上がる。熱々の味噌キムチ煮込うどんを食べると体の芯から暖まった。更に芋焼酎の湯割りで追い打ちをかける。こんな寒い夜も悪くなかった。
01月13日(金)曇り一時雨
仕事場を出るとジムに向かう。細かい雨がそぼ降る夕暮れだった。寒さはそれほど厳しくない。が、天気予報から予想したような緩みではなかった。それでも今の時期に雨だから贅沢は言うまい。着替えて筋トレを始めた。筋トレを終えると、もうテニススクールの時間が一時間後に近づいている。テニスクラブに電話して、レッスンがあることを確認してから、着替えてジムを後にした。開始まで後45分足らずしかない。黄色のクルマでやや渋滞する道を走り出した。幹線を外れて、空いた田舎道に入る。少し油断していたら、一部路面が凍結していた。見通しが利く交差点で、車が来ていないのが判ったから良かったが、ブレーキを踏んだ瞬間につーッと前輪が滑って驚く。よく見るとヘッドライトの光で白くキラキラ光っていた。その後はかなり慎重に走るが、凍結していたのは、そこだけらしい。
テニスクラブに着いた。レッスン生は自分一人しかいなかった。コーチとプライベートレッスンになる。ボレーとバックハンドストロークの練習を依頼した。肘を伸ばさないで曲げたまま、ボールをブロックするフォアボレーと、ラケットを高い位置に引いて構えるバックボレーと、同じく左肘を高い位置に引くバックハンドストロークを練習する。確かに、この形は悪くなかった。いかに速く引けるかが出来不出来の別れ目になるのだが、鋭いショットが打てるには違いない。これは勿論取得する価値がある型だった。しばらく、無心に練習する。自分でストリンギングしたラケットは、実に信頼できた。これなら悪くない。たっぷりと汗を流した一時間は実に有意義だった。
ジムに戻って、エアロバイクを30分間漕いで更に汗を絞り出す。有酸素運動をするのは非常に気持ちが良かった。それにしても、体重が多めのままでキープされている。正月後に運動を再開してからというもの良い感じでトレーニングしているはずだったのだが、実際は違うようだった。もう少しは体重を絞らないと
いけない。サウナで大汗を流して更なるダイエットの足しにした。すっきりして自宅に戻る。
01月14日(土)曇り後雨
朝起きると、一度少し降った雨が上がったようで、路面は乾き始めていた。空は、どんよりと鉛色の雲に覆われて、日本海側の空を思わせている。ずっと晴間が続いていただけに、ずいぶんと気分が滅入るように思えた。人は相対的な生き物だと言われる。のんびりと旅番組を眺めながら朝食を摂った。画面の中では、冬の味覚の寒ブリやカニを、美味そうに食べている。一方、シリアルのプレーンヨーグルト掛けとチーズを食べている自分がいた。世の中は不公平なものだ。
自宅を出ると黄色のクルマで街に向かった。駅前に新しくオープンした、元カメラ屋系の大型安売り店の立体駐車場に入る。そのまま店内に接続されていた。本屋と楽器屋を少し冷やかしてから目当ての安売り店に入る。キャスター付きのコンパクトな旅行鞄を購入する気で行ったのだが、実際に幾つか置いてあった。しかし選択肢は二つしか無い。しばらく悩んだ末に、結局は買うことにした。ついでに勢いでコンパクトなデジカメを購入する。小さくて軽くて持ち運びに便利だが、ワイドから望遠までズームが利いて手ぶれ補正も付いていた。これなら悪くない。
店を出ると腹が減っていた。久しぶりに美味い餃子を食べようと郊外の店を目指したが、着いた時には、昼の営業が終わっている。仕方なく少し戻って、以前から気になっていたインド料理屋に入った。こちらもランチメニューは終わっている。カレーを注文するとナンとライスとサラダがセットになっていた。辛さが最高の「カシミールチキン」を注文してみる。最初に大皿の上にサラダとナンを乗せて持って来た。ライスは何処?と思ってナンをめくってみると、下にライスがちょこんと盛ってある。次にカレーを持って来た。ナンは比較的軽めの食感でさらりとしている。カレーに漬けて食べてみると爽やかな辛さが口に広がった。サラダにもインド風の香辛料が利かせてある。チキンはタンドーリされていた。辛さの方も少し口中に痛みを感じる程度で、その刺激が気持ち良い。店の雰囲気も含めて悪くはなかった。しかし、たまに行く店の方が安くて美味い。多分、もう来ないだろうという印象が残った。
次は、BMWディーラーで中古車に試乗してみる。生憎の雨だったが、E46コンパクトは、良く出来ていた。財布に余裕があれば、間違いなく欲しい一台と言える。落ち着いたワインレッドのメタリックカラーも良い雰囲気だった。惜しむらくは高い。
01月15日(日)晴れ時々曇り
朝起きるとカーテン越しに日差しが見える。なぜか嬉しくなった。まだ眠い目をこすりながら、布団から抜け出す。朝食は、いつもと同じで代わり映えのないシリアルとヨーグルトにした。「命の実」という商品名の木の実類を加えている。クコの実やブルーベリーやヒマワリの種子など、様々なナッツが入っていて、意外に美味かった。命の実を食べてエネルギーを注入したところで、家を出る。
テニスコートにサークル仲間が集まっていた。今日は全員で16名もいる。2時間ほどの練習を終えると残りの1時間でゲームをやった。各自が6ゲーム先取で1試合やるとちょうど昼になる。5−5のノーアドと、まさにどちらにとってもマッチポイントを取って接戦を制した。サービスゲームを1ゲーム落としたが気分は悪くない。
郵便局で荷物を受け取る用事を済ませると、近くの餃子専門店で焼き2人前、水2人前を食べた。テニスクラブに向かう。今日は、久しぶりに友人と対戦する約束をしていた。その友人は昨年指を怪我して、今日が今年の初打ちになる。晴れて風も無く暖かい絶好のテニス日和だけあって、テニスクラブは混んでいた。それでも3試合ほど楽しむ。
この日の締めくくりに、ジムで筋トレをした。閉館の時間が迫っているので、有酸素運動が出来ないが、仕方が無い。サウナで、じっくり汗を絞ってからジムを後にした。正月に増えた体重がなかなか落ちない。食生活に気を付けないといけないのは、判っていた。特に元凶は酒に決まっている。そう思いながら今日も帰りに芋焼酎の1.8Lパックを買ってきた。意思の弱さを嘆きながら一杯飲む。休日の夜は、今週も同じように酔いの中で更けていった。
01月16日(月)曇り後雨
仕事場を出てジムに向かった。日課のトレーニングだけは欠かせない。もうすっかり平日の習慣になっていた。だからといって、やらないと気持ち悪いというほどのこともない。だが、やった方が遥かに良い気分になれるのは確かだった。だから、今日も、何時ものようにジムに入る。そして、いつも通りにTシャツと短パンに着替えてストレッチングから始めた。腹筋と背筋を鍛えてからエアロバイクを漕ぐ。TVで見たいドラマをやっていたので、トレッドミルからバイクに種目変更するという体たらくだった。まぁ構わない。こんな日があっても良いと思うことにした。バイクを30分漕ぎ終えると、再度ストレッチングをやって、体重、体脂肪率の計測を済ませる。体重が、まだ休み前の状態に戻らなかった。このところ、少し怠け癖が抜けないらしい。明日からは、気合いを入れることに決めてジムを後にした。
01月17日(火)曇り
何時もよりかなり遅い時間に仕事場を出るとジムに向かう。一日中デスクワークで、パソコンに向かって過ごしてしまった。こんな日は、たとえ少しでも体を動かさないと気分が晴れない。急いで着替えてフロアに降りた。人はそれほど多くないが、見慣れない顔が増えている気がする。ストレッチングの後で、腹筋と背筋を鍛えた。久しぶりにトレッドミルに乗る。時間が遅いので、約25分しか走れなかった。それでも、大量に汗をかくと気持ちがいい。体重、体脂肪率共に昨日よりも大分下がっていた。少しづつ節制の効果が
現れているらしい。体重を増やすのは簡単だが、減らすのは本当に難しかった。だが、それを少しづつ克服していくのが楽しみになる。閉館近くの空いた駐車場から黄色のクルマで走り出した。闇を切り裂くヘッドライトの向こうに突き抜けたい。アクセルを踏む足に力を加えると、景色が手元にたぐり寄せるように流れて後ろに消えていった。
01月18日(水)曇り後晴れ
今日は定時退社日の予定だったが、会議が長引いたので残業した。仕事場を出ると、直接テニスコートに向かう。まだ1時間程度は出来る筈だった。コートがある事業所に着くと、受付で所属や名前を記入する。ふと見ると、少し前に名前を記した仲間が、もう出門したことになっていた。テニスコートを覗くと、もう誰もいない。到着が遅くなったので、他に行ったようだった。諦めてジムに向かう。
ストレッチング、筋トレ、トレッドミルと、全ての種目をこなした。最後のストレッチングを終え、体重と体脂肪率を測ると、減少傾向が現れている。今年に入ってから、頑固に高止まりしていた体重が、やっと下がり始めた。これでトレーニングと節制に力が入るというものだろう。サウナでたっぷりと汗を流した。考え事をしながら髪を洗うと、トリートメントをしたのか判らなくなった。外に出る。黄色のクルマに乗り込むと、外気温計はなんと零下を刺していた。今夜も冷え込んでいるらしい。それでも走り始めてしばらくすると室内が暖まって来たので、信号で停まった機会に幌を降ろした。ヒーターが効いているので、さほど寒さは感じない。むしろ、気持ち良いぐらいだった。冬の夜のオープンも悪くない。
01月19日(木)晴れ
今日はジムが休館日なのでサウナ風呂に入れない。トレーニングが出来ないよりも大きな風呂に入れない方が寂しい気がした。自宅はユニットバスよりは少し広いが、ジムの温浴施設とは比べるべくも無い。遅い時間に仕事場を出て、帰宅の途に着いた。空には星が無数に輝いている。冬の冷たい澄んだ空気が星を近くに見せていた。これで、寒さが無ければ良いのだが、などと詮無いことを考える。
自宅に戻ると、簡単な晩飯を作って食べた。食後の芋焼酎のお湯割りが無性に美味い。ほのかに甘い芋の香りと舌に感じるアルコールの刺激、柔らかな喉越しと、病み付きになりそうだった。昨日録画しておいた旅番組を見る。東北の雪景色の中の露天風呂が次々に紹介された。雪見の露天風呂が最高なのは知っているだけに、見ていて辛くなる。これで日本酒でも飲めば至福の時は約束されたようなものだった。
01月20日(金)晴れ
定時で仕事場を出ると、先ずジムに入った。今日は特に寒くて、外を歩いていると指先に寒さを感じる。しかし、ジムの建物中は何時もと変わらない心地良さだった。躊躇無く短パンに着替えてフロアに降りる。ストレッチングの後は筋トレだった。テニスの時間が近づいている。何時もより少し時間を気にしながら、急ぎめで筋トレを終えた。もう走っている時間がないどころか、すぐに出ないと間に合わない。慌ただしく着替えてジムを出た。黄色のクルマに鞭を入れて夜の田舎道を走り出す。
先週は一人きりだった。しかし、今週は二人いる。若くて生きが良さそうだった。良く動いて決まったと思う球が返ってくる。これは楽しめそうだった。二人で1時間半はあっという間に過ぎて行く。スクールが終わると、再び黄色のクルマを駆ってジムに戻った。ちょっと走ろうかと思うが、帰る時間が遅くなるのは嫌なので、すぐに風呂に入る。サウナ風呂でのんびりリラックスすると、一週間の疲れが霧散していった。それにしても眠い。昨夜の睡眠不足がたたっていた。今夜は早く寝よう。そう思うと自然に笑みがこぼれてくる週末の夜だった。
01月21日(土)雪
目覚めてカーテンを開けると、そこは雪国だった。などと書きたくなるほどの、あまりもの景色の変化に少し驚く。目覚ましを二時間後にセットして二度寝を楽しむことにした。次に目を覚ますと、もう気の早い雪は止んでいて、白い景色が何時もの雑多な色に戻りつつある。のんびりと普段より遅めの朝食を摂った。外では雪がひらひらと舞っている。
電車に乗って都心に向かった。南に向かうに連れてむしろ雪が多くなっていく。今年の天気は本当に良く判らなかった。幸い、電車に遅れが出るほどでない。予定通り、都心の駅に着いた。草レース仲間とここで待ち合わせて新年会をやる予定にしている。珍しく、予定通りに全員が集まった。駅構内のレストラン街を少し歩いて、最初は中華料理店に入る。先ずは、少し遅い昼飯にした。ラーメンと麻婆豆腐ご飯のセットを選ぶ。辛くないのでラー油を大分足してみた。辛さは物足りないが、味はまあまあ悪くない。
次はお茶にした。甘味処で、皆はあんみつを食べるが、焼酎の黒豆茶割りを注文してみる。意外に香りが良くて美味かった。全員が一品で4時間近く、お茶を飲んで語り合う。やがて昼飯が良い具合にこなれて、腹が減って来た。次は居酒屋に移る。ビールの後は、日本酒を飲んだ。今年のレース参戦計画などについて語り合う。午後にスタートして、なんと既に8時間が経過していた。お開きにする。電車を乗り継いで家に戻った時には日付が変わって1時間以上経っていた。着替えて布団に入ると、瞬く間もないほどすぐさま、睡魔に引き摺り込まれる。
01月22日(日)晴れ
昨日と打って変わって冬の太陽が大地に惜しみなく降り注いでいた。気温は低いが、陽光が当たっている限りは光を吸収して暖かい。ゆっくりと朝食を食べると、テニスクラブに向かった。黄色のクルマに乗って幌を降ろして走り出す。クラブに着くと、早速仲間とゲームを楽しんだ。午前中に2試合、そば屋での昼食を挟んで、午後からは3試合やる。どれも楽しい試合だった。しかし、戦績は2勝3敗と負け越しになる。サービスが調子悪くて、キープ率が低かった。良い時と悪い時の差が大きい。なんとかして、速くサービスを安定させたいものだった。
テニスクラブの支払いを終えると、ジムに向かう。時間があまりないので、ストレッチングと筋トレだけを行った。一日テニスをやったせいか、疲れが残っている。特に足は大分力が弱っていた。トレーニングを終えるとフロアを後にする。風呂で髪と体をじっくり洗い流した。サウナ風呂で汗を絞り出す。閉館時間に近くなってからジムを出た。自宅に戻る途中で寄り道をして、スーパーで晩飯を買う。マグロの刺身が安くなっていたので、1パック取った。家に戻ると、焼酎のお湯割りを飲みながら、刺身を食べる。中トロだけだと途中で飽きてしまった。やはり赤身の方が、口に合う気がする。明日からの出張の準備を整え、布団に入った。
01月23日(月)晴れ
チェックインが済んだので、廻る皿越しに滑走路が見える回転寿司のカウンターに座って、一人のんびりと生ビールを飲んでいた。空港内の飲食店にしては、それほど高価でない値札に安心しながら、旬の白子や牡蠣を握ってもらう。日本を離れる前に寿司を食べておくのは、飛行機の旅が当り前の昨今にあっても多分大事なことに思えた。うにが望外に美味かったので、何となく幸先が良く、旅自体が上手くいくような気になる。幼い頃に食べた味の記憶を求めて、機会がある毎に「しゃこ」を頼むが、また期待外れに終わった
ビジネスクラスに乗るのは十数年振りだろう。海外出張自体も同じぐらいご無沙汰していた。出発ロビーのラウンジで飲んだ生ビールが下腹を押していたが、シャンパンを逃す訳にはいかない。ほのかな甘さと、炭酸の刺激が相まって、なぜか、とても簡単に幸せな気分になれるのが不思議な飲み物だった。やっとこさで離陸したかと思うと、早速食事が出て来る。飲み物は、まだシャンパンにした。いささか浅ましいと思うが、いくら飲んでも只だと思うと余計に美味い。
メインの鶏肉のトマトソース煮を口に運びながら、赤ワインを飲んだ。少し軽めだが、それも悪くない。各椅子に備え付けの小型液晶画面で映画を見ながら、食事を終えるとデザートのチーズと甘口のシェリーの豊かなコクを楽しみ、最後にブラックコーヒーで口中を洗い流した。座席を目一杯リクライニングさせると急速に眠気が襲って来る。別段逆らう理由も無いし、そんな気もなかった。たまにはこんな自堕落な生活も悪くない。目を閉じると、常に潮騒のように聞こえていたジェットノイズが遠くなっていった。
01月24日(火)曇り
良く冷えたクアーズライトのドラフトで満たされたジョッキを傾けると、芳醇で冷たい刺激に満ちた液体が喉の奥に流れ込む。今日の延長で、テーブル上には半分以上が脳の中で全く意味を結ばない音節が溢れていた。聞く努力は放棄していないが、だからといって努力が成功する気配もない。結果的に、多くの言葉がシャボン玉のように区別も出来ないまま、浮かんでは消えていった。適当に相づちを打っていると、大きな皿の上に、これまた無用に大きな肉の塊が乗せられて運ばれてくる。メニューの中で一番小さい12オンスのプライムリブは、それでも十二分に存在を主張していた。付け合わせはベイクドポテトのサワークリーム添えと人参が、これでもかと皿の上で肉と群雄割拠を繰り広げている。
座視するのを止め、フォークとナイフを手に取って事態を鎮圧に向かった。肉は、美味い。焼き加減を、レアにしたので、充分に柔らかいまま、ストレートに口中に肉の味が広がった。塩気は控えてある。途中で塩を足したり、ホースラディッシュのソースに浸けてみたりして、味を変化させた。味蕾が油で麻痺するとビールで洗い流す。この国で過去に様々な牛肉を食べた結果、行き着いたのがプライムリブだった。これに少しガーリックを利かせたら、さぞ美味かろうと思うのだが、この国では、ただ焼いて出すのを流儀にしているらしい。肉を食べ尽くした。皿の上に残って領土を得たポテトと人参は、どこか物足りなさ気で、勝利者というより敗残者に見える。
01月25日(水)曇り
仕事が終わった。今夜は中華のビュッフェにする。自分で量を調節出来る幸せを満喫した。ただし、なぜかアルコールが置いていない。アイスドティーを飲みながら、中華風に味付けられた、えび、かに、豚肉、鶏肉、牛肉、野菜を好きなだけ取って食べた。朝は、ホテルのコンチネンタル、昼はハンバーガー、昨夜は牛肉の塊というアメリカンな食事が続いていたので、中華風の味が、懐かしく、ジグゾーパズルのピースが次々に嵌まっていくように胃袋の中に優しく納まっていくのを心から楽しむ。これでビールがあれば、他に言うことはないのだが、無いものは仕方がなかった。ジグゾーパズルの最後の1ピースが、どこかにいってしまったような喪失感を残しながら店を出る。
01月26日(木)曇り
国内線の小さなジェット機で、2時間半ほど飛んでから、国際線に乗り継ぐ予定になっていた。乗り継ぎの空港のラウンジは、アルコール類が有料とケチ臭いが、仕方が無い。バドワイザーのドラフトを頼んで、3ドル50セント払った。日本で缶のバドワイザーを飲んでもさほど美味く感じないが、地元でドラフトを飲むと、これは美味い。搭乗までのひとときを豊かに演出してくれた。
ビジネスクラスの広い座席に体を埋め、シャンパンを飲むのは悪くない。これからおよそ12時間に及ぶフライトでも、それほどは苦痛に感じない筈だった。これで当分食べ納めになるだろうアメリカンビーフのステーキを、赤ワインと共に胃袋に流し込む。さて、映画を楽しもうとチャンネルを合わせると、そこから少し歯車が狂い始めた。どうも音声が途切れ、画像が乱れる。しかも、目当ての映画に限ってだから、正直むかついた。接触不良の古いTVのように、乱れたり正常になったりをランダムな間隔で繰り返す画面を、しばらく我慢して見ていたが、ついに限界が訪れた。仕方なくふて寝する。
01月27日(金)曇り
夕方にやっと着陸態勢に入った。予定よりも30分ほど早く着いたので、映画の不始末は許してやることにする。機内を出ると、入国審査までの遠い道のりをキャスター付きバッグを転がしながら早足で歩いた。税関を抜けると第二ターミナルへの連絡バスに乗る。国内線への乗り換えが待っていた。昨日の朝から連続で3機目への乗り換えというのは過去に経験が無い。もういい加減頭の活動が低下していて、どうでも良い状態になっているので、かえって都合が良かった。
飛行機から、バス、最後は電車と乗り物を乗り継いで、最後は駅から暗い夜道を歩く。どのくらいの距離を一日で移動したのだろうか、考えるのは当然ながら面倒なので、実際のところ、全く考えなかった。ただ途中でスーパーに寄って、ビールを買うのだけは忘れない。相棒のアパートに辿り着くと、簡単な、だが、久しぶりに心安らぐ晩飯を食べた。シャワーを浴びると、少し生き返った気分になる。ベッドに潜り込んでたちまちのうちに眠りに落ちた。
01月28日(土)曇り
目覚めて喉が渇いている時に飲むビールは美味い。休みだし、車を運転する必要も無かった。心が緩やかに、ほぐれていく。電車で都心に向かい、デパートの酒売り場で日本酒の300ml瓶と720ml瓶を、買い込んだ。更にお茶と缶ビールを買って、準備万端整う。基本的に蟹、を食べることだけが目的のバスに乗った。狭苦しい座席で缶ビールを飲み、次に日本酒を飲みながら、3時間ほどの道程を楽しむ。
去年と同じ宿の主人が迎えにきていた。ミニバンに乗り込み、宿へ向かう。小さな民宿だが、その分安い価格で蟹三昧が出来るのが魅力だった。荷物を解くと歩いて直ぐの浜に出る。鳴き砂の浜として有名だが、砂が湿っている冬は残念ながら鳴かなかった。日本海の荒波が打ち寄せる白い砂浜に様々なゴミに混ざってハリセンボンが一尾打ち上げられている。デジカメに記録してやった。日が傾き、風が強くなる中を歩いて宿に戻る。宿の風呂は循環式だが、一応温泉で、結構気持ちが良い。風呂上がりのビールを飲んで、潮騒のように繰り返し押し寄せる空腹を押さえながら夕食を心待ちに待った。
茹で蟹が2杯、どん、どんと皿の上に乗っている。カセットコンロに火を点けると、土鍋の中で1杯分の蟹が焼かれ始めた。蟹刺し、甘エビ刺しを食べながら蟹が焼けるのを待つ。自然に日本酒が進んでいった。舟盛りにされた、サザエや鯛やブリの刺身も美味い。やがて香ばしい匂いが立ちこめた。土鍋の蓋を開けると、一気に湯気が上る。夢中で殻をむいて深い旨味をたたえた身を平らげた。蟹を食べ始めると酒が疎かになる。たまに思い出したように、香り高い純米吟醸酒で口中を洗ってから、すぐに次の足に取りかかった。
焼き蟹をやっつけると土鍋の上は蟹すきに変わる。刺身で食べられる鮮度の蟹なので、しゃぶしゃぶ程度に、さっと湯をくぐらせるだけで良かった。茹で具合で味が変わっていくのを楽しむ。甲羅の中で焼かれた蟹味噌も出された。酒の肴にもってこいで、まったりとした旨味が堪らない。蟹の天ぷらも出された。これまた、実に美味い。流石にいい加減食べ疲れてきた。だが、まだ茹で蟹には、手をつけていない。蟹すきの土鍋が空くと、雑炊にした。蟹の身をほぐしたものと卵を加えて軽く煮立て、最後に浅葱を散らして蟹雑炊が出来上がる。腹一杯だと思ったが、茶碗3杯近く、簡単に胃袋に納まった。蟹三昧で大満足の夜が静かに更けていく。
01月29日(日)晴れ
宿を出ると、食べきれなかった茹で蟹を2杯、土産に持ってバスに乗り込む。ちょっと走ると、天橋立に到着した。ここで1時間半の自由時間がある。青い空に白い砂、緑の松と、絵に描いたように美しい景色が広がっていた。水も綺麗だし、観光地に付き物のゴミもほとんどない。関東の観光地なら、こうはいかない筈だった。やはり、最も自然を汚しているのは、人間そのものだと言うことが良く判る。
ごみごみした都心に帰って来た。高くそびえるビルの上にあるメキシコ料理のレストランに入る。タコスやビーンズやブリトーなど、メキシコの代表的な総菜が色とりどりに載せられ、様々な味が楽しめる一皿を注文した。国産の生ビールを飲みながら、平らげる。ここで、メキシコのビールを飲んでも、さほど美味くないのは経験的に判っていた。ビールは新鮮な地元のドラフトが美味い。
相棒と共にアパートに戻ると、少しのんびりと体を休めた。夜になると、発泡スチロールの箱に氷詰めにされた茹で蟹を取り出す。今夜も一人一杯の茹で蟹を楽しむことになった。甲羅を剥ぎ取ると、中には味噌がたっぷりと詰まっている。えらを取り去ってから、殻の中の空間を満たす旨味の塊のような身を、こそげ取って黙々と口に運んだ。酢醤油を少し付けて食べると、これは美味い。天橋立で買ってきた地酒を冷やで飲みながら、次々に殻を壊して中身を取り出し、口に運ぶという作業に没頭した。簡単に幸せになることが出来る方法の中の一つであるのは間違いない。それもかなり有力な一つだった。
01月30日(月)曇り
国内線のエコノミーも昔に比べると改善された気がする。足を投げ出すほどの空間は望むべくもないが、前の背もたれに膝が当たるほど、窮屈でもなかった。搭乗前に売店で買った缶ビールを飲みながら過ごす。飛行機を降りると、モノレール、電車、新幹線と3度も乗り継いで、やっとのことで、北関東の小都市まで辿り着いた。思えば、先週の月曜日に自宅を出てから一週間で、一体どれだけ移動したのか計算する気にもならない。しかし、恐らく、8日間で移動した距離としては、過去最高を記録したに違いなかった。長旅の余韻に浸りながら、布団に潜り込む。
01月31日(火)曇り後雨
目の回るような長い一日を終えて、ジムに向かう。筋トレとエアロバイクをこなすと、長い旅が終わり、日常に戻ったのを実感した。その小さな代償として、体脂肪が2kgほど増えているのが、計測して判る。それさえも今後のトレーニングへの励みに変わった。久しぶりのサウナ風呂で爽快な気分を味わう。旅は、旅で、それ自体楽しく、発見と感動に満ちていたが、こうしていると、日常も悪くなかった。今日は、少し過ごしやすい気候になっている。黄色のクルマの幌を降ろして、ほのかな風を感じながら、薄暗い田舎道を味わうように流して、走ってみた。冷たい月の寂光の下を、心地良く乾いた排気音を響かせながら、軽快な音楽に合わせてステアリングに添えた指で軽くリズムを取る。