第45話 「あけましてアバレルンバ」 01.04.2004 OA (東京ローカル記録)
テレビ情報誌によればこの日のオンエアは仮題「魔人、月に映える」こと「祈って!アバレヴィジュアル系」だったようですが、だとすればアバレンスタッフはあれだけ緊迫した本編を2週間置きっぱなしにしてでも、無理やりスキマをこじあけてでも「アバレ」たかったようです(^_^;
しかし今回はその情熱にたがわぬみごとなアバレっぷりでありました。おそらくはこれがアバレンジャーにおける浦沢義雄氏最後の脚本となるでしょうが・・・まごうかたなき名作誕生です。前々週の脚本家の會川昇さんといい、前週の田中さんといい、今週の浦沢さんといい、アバレンジャーはアバレアバレアバレまくっております。
しかし浦沢さんはボケたセリフや笑かす展開ばかりを得意とするおバカ一辺倒の脚本家さんではありません! バカッ調子のルンバや3分クッキングもどき(どちらも恐ろしく耳にこびりついてたまに鼻唄出ちゃってアブないんですけど(^_^;)、果ては雅楽まで飛び出して「鳴り物入り」だった全編でしたが、それを最後の最後にきて「静寂」でビシッ!と締めました。それまでの大騒ぎが一転、わずかなクラクションの遠鳴と、壬琴の靴音だけの響く静かなシーンで幕を下ろすなんて、凡庸な脚本家にはとてもできない職人技ではないでしょうか。見る側の気分をギュッ!と締めたあの静寂があればこそ、それまでの大騒ぎも光るというもので、同時にそれまでの大騒ぎあってこそ、あの静寂も光るのです。それまで大笑いしていた私はここで心臓わしづかみにされた気分でした。
もっとも巨大ナナクサルンバのステップで街中が揺れたとき、しっかり壬琴も映し出されていたのは、それもものすごい感じに睨み上げてみせたのは、笑い騒ぐばかりがギャグではないという上級ギャグとしてこれまたさすがでした。
実は浦沢さんは仲代壬琴初登場の第17話「戦場のアバレかっぽれ」、リジェとのデートシーンが仰天だった第29話「わがまま使徒、アバレ争奪戦」と、壬琴をカッコよく書き続けてくれた作家様でもあります(*^^*) 今回もあれだけ笑える物語の中に、壬琴の憔悴しきった姿を群集の中の孤独として哀しくも美しく!表現してくださいました。戦隊シリーズ屈指の爆笑脚本家として名を馳せるあの浦沢さんでさえ!仲代壬琴はカッコよく書いてくれたのだと、後の伝説になること間違いありますまい。ありがとう〜浦沢さん♪
ところでこのシーン、ゲリラ撮影でしょうか(^_^;
「フツーのひとびと」の間に埋もれるように描かれた戦隊キャラというのはなんだか新鮮な眺めでした。
そして、「デズモゾーリャ…復活したか」のシーンのロケ地はさいたまスーパーアリーナ。くしくもアバレキラーがアバレンジャーの目の前に初めて現れた場所でしたが、さんざん巡り巡った物語が、ここに戻ることで彼らの関係も再スタートするのでしょうか。期待が高まります。
壬琴の出番は3ヵ所と少なかったものの、寿司におけるワサビのごとく、あるいはカレーにおけるガラムマサラのごとく、その演技がビシッ!と光るいい脚本に恵まれて楽しむことができました。こういうものを見ると、俳優を生かすも殺すも脚本だよなあと思い至ります。そして今回は壬琴がみごとに「生きた」と思います。
特にラストシーンの切なさは、私の心をきゅんと鳴らさせた素晴らしいシーンと、素晴らしい演技でした。
いつも思うのですが、田中さんの歩き去る姿は姿勢が良くて美しいですね。歪みのない体の軸と体の流れ方はいつ見ても惚れます。
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