ホーム講話(メッセージ)

終りの日の徴

       黒 田 浩 史 牧師

21世紀は始まったばかりというのに、世紀末にも似て、この世界はだんだん悪くなっているように見えます。

主キリストに時代にも、ローマ帝国の支配がいっそう強くなり、決して良い時代ではありませんでした。事実、主の十字架と復活から約40年後、首都エルサレ ムはローマによって陥落し、神殿は破壊されてしまいます(紀元70年)。
主キリストは目前に迫っていた戦争や国の崩壊を預言されただけでなく、その後も絶えず繰り返されることになる悲惨な出来事のことを仰せになっていました (ルカ21:5-11)。戦争、暴動、自身、飢饉、疫病などは、人類の歴史が始まって以来、止むことなく繰り返されてきました。
そういう意味では昔も今も全く変わっていないともいえます。けれども、見方によっては世の中はどんどん悪くなっているとも言えます。20世紀の戦死者数は 過去最大であったとも言われます。

戦争はいわば人災であり、人間の罪が原因です。飢饉や疫病も、戦争によって畑が荒らされたりして起こることもあります。一方、地震などの天災は、人間が直 接の原因ではないように思われるかもしれません。異常気象などは環境破壊と関係があります。
人々は普通、自分の個々の罪深い言動が直接の原因で、例えば遠いアフリカで飢饉が起きたとは考えません。確かに、直接の因果関係はないかもしれません。
しかし、聖書は、私たちの罪と世界で起きている悲惨とは関係があると語っています。私たち一人一人が心から悔い改めて神の御旨に適う生活をしない限り、世 界の人々が安全に暮らせるようにはなりません。この私が神に罪の赦しを求め、神と和解して心に真の平安を得ない限り、世界に平和が訪れることはないので す。

主キリストはこれから起こる迫害のことも預言されました。しかし、同時に、主を信じる者には「どんな反対者でも、対抗も反論もできないような言葉と知恵を 授ける」と約束されました(ルカ21:12-19)。
使徒言行録には、弟子のペトロとヨハネがユダヤの指導者たちに捕らえられた時、キリスト教信仰を大胆に説明した姿を見て、人々は「二人が無学な普通の人で あることを知って驚いた」とあります(使徒言行録4:13)。知識や勉強が役に立たないという意味ではなく、キリスト教信仰の根源は、御父から聖霊をいた だき、神の力に満たされることだというのです。

たとえどんなに悪い時代であっても、神を信じ、神の御旨に適う生き方をすることができます。主キリストは「放縦や深酒や生活の思い煩いで、心が鈍くならな いように注意しなさい」と仰せになりました。
絶えず神のことに心を向けつつ、悪い時代を乗り越えて、やがて完成する神の国に向って歩んで行きたいものです。

(「教会だより No. 149」(2004年11月発行)より)