VDSL導入

2004年2月10日(火)

VDSLモデム

我が家がADSLを導入して、2年が経ちました(導入時の記事は こちら 参照)。この間、接続業者の新規参入とパソコン販売の好調とで、国内のADSL利用者の数は6.7倍、FTTH(光ファイバー)利用者は72.5倍に増加しています(「 インターネット接続サービスの利用者数等の推移【平成15年12月末現在】(総務省) 」参照)。インターネットの利用者は、電話料金の増加や話し中になって家族に迷惑をかけることよりも、常時接続によるWindowsの脆弱性やウィルス感染の被害を気にするようになりました(常時接続によってウィルス感染したパソコンからウィルス付きメールが大量に送信されるため)。ADSLの通信速度も、当初の1.5Mbpsから8Mbps、最近の45Mbpsへと高速化しています(いずれも電話局から近ければの話ですが)。

新規に販売されるマンションも、「インターネット対応」を謳ったものがあたりまえとなり、NTTの光ファイバー終端から各戸へLANネットワークを構築することで、100Mbpsの通信速度を実現することも可能です。

そんな中で、我が家の通信環境は、ADSLの契約こそ8Mbpsですが、実際の通信速度は0.6Mbps(!)でした。そこへ、年末に2つのニュースが入ってきました。

ひとつは、管理組合の発議と総会の決議を経て、我が家のマンションでも光ファイバーを導入して、インターネットマンション化を図ることになったことです。候補は、 長谷工インターネットマンション NTT東日本:Bフレッツ マンションタイプ でしたが、入居者全員が加入するわけではないことと家屋本体の工事には多額の費用がかかることから、LAN工事に実績があるもののプロバイダが特定されてしまう長谷工は選ばれませんでした。

もうひとつのニュースは、ニフティの接続料金が値下げになることです。パソコン通信の時代なら、それぞれの業者が閉じていましたから、業者ごとにどのようなサービスを行っているか、どのような利用者が参加しているかが業者選択に基準になりましたが、インターネットの時代になってプロバイダ選びは接続料が基準になりました。ニフティも、パソコン通信時代の資産(会員だけが参加できるフォーラム)を売り物にしばらく利用者拡大にがんばっていたようですが、ここへ来て格安料金で攻めてきました。

ADSL接続料金の値下げ では、通信速度を1Mbpsに制限したプランで、格安ブロードバンドの代名詞 Yahoo! BB (さすがに最近では「ヤホーBB」と読む人もいなくなったようですね)より安くなります。我が家のようにNTTの基地局から離れていて、契約上の速度が出ない世帯では、こちらの方がお得です。

一方、 Bフレッツスペシャルコース は、ダイヤルアップ接続を従量制にすることで、接続料を2,000円から1,250円に値下げしました。確かに、日本でノートブック型パソコンが売れているものの、旅行先や出張先でインターネット接続されるものはどれだけあるのかしら。一般家庭での利用を考えれば、ブロードバンドに加入した以上、ダイヤルアップの利用は考える必要はないのでしょうね(我が家もADSLモデムが故障した時に緊急措置で使っただけですから)。

ここで、各プロバイダとサービスの料金をまとめておきましょう。接続料金が安い ぷらら Bフレッツマンションセット も、比較のために加えておきます。さて、どのコースを選択すべきかですが、とりあえずメールやホームページのアドレスを変更する手間を考えると、ニフティの契約は続けることにしました。次に、ニフティADSLライト(1M)に変更することで月々1,000円の料金が節約できるのですが、ここは月々約650円の増資をして0.6Mbpsからのスピードアップを図ることにしました。

接続料 モデムレンタル料 NTT回線使用料
Bフレッツ利用料
合計
ニフティADSL 8M 旧料金 3,280円 500円 168円 3,948円
ニフティADSL スタンダード新料金 2,880円 780円 168円 3,828円
ニフティADSL ライト(1M)新料金 2,000円 780円 168円 2,948円
Yahoo! BB 8M 2,280円 690円 168円 3,138円
ニフティ Bフレッツスペシャルコース 1,250円 500円 2,850円 4,600円
ぷらら Bフレッツマンションセット 700円 880円 2,850円 4,430円

1月の土日に、NTTの地元営業所が、マンションの集会室に出張受付にやってきました。受付は順番待ちでしたから、申し込みは盛況の様子です。もっとも、この方法以外、本当のブロードバンド化は実現しないのですから、申し込みが多いのも当然です。また、Bフレッツは対応プロバイダが多いので、現在使用しているメールアドレス等を変更する必要がないことも、申し込みに当って抵抗が少ない理由なのでしょう。

1月末に、管理棟内への光ファイバーへの敷設が完了、申し込み世帯各戸の工事が始まりました。工事といっても、今回導入される光ファイバのシステムは、「VDSL(Very high-bit-rate Digital Subscriber Line)」といって管理棟にある光ファイバの終端機器から申し込み世帯までを既存の電話線で結ぶ方式です。これによって、追加の工事は必要なく、利用を希望する世帯だけの変更が可能で、従来の電話機もそもまま使用できます。最大通信速度は、電話線の距離が300mで下り52Mbps、上り2Mbpsです。いわば、光ファイバを利用することで、ADSLの基地局をマンション内に引き寄せたようなものです。

我が家の工事日には、夫が休暇を取って対応。正午までにオンラインでADSLの契約を解約して、午後の工事を待ちました。予定時間を1時間以上過ぎてやってきた工事担当の方は、部屋に入ってくるなり「いやあ、このマンションは大変ですわ」とおっしゃいます。工事というのは、各部屋の電話線の端子にモデムを接続して、管理棟にある光ファイバの終端機器と通信できるかどうか確認するのですが、これが部屋によってはなかなか通信できない(リンクが確立しない)のだそうです。

すぐ目の前にある管理棟となぜ通信できないのか不思議ですが、ADSLやVSDLのような電話線を使用したデータ通信では、高い周波数の信号を使うため信号線の状態の影響を受けやすく、ADSLが長距離になると急激に通信速度が低下するのもそのためです。また、ISDN(デジタル回線)が隣接していると、ADSLは通信に障害が出ると言われるように、信号線の周囲の状況にも影響されます。

ここでも、この全3棟、14階建て、世帯数567戸のマンションの問題のようです。管理棟を出た電話線は、それぞれに複雑な経路をたどって各戸にたどり着きます。工事担当の方は、ある部屋でリンクが確立できなかったため、その部屋の電話線をたどってエレベーターホールを階下へ下りて行き、別の世帯の電話線を調整しなければならないことを発見して困ってしまったそうです。また、他では調査のために申込者ではない世帯のメーターボックス内を調べていて、住居侵入で注意されたとか(エレベーターホールは共用部分なので住居侵入にはならないと思いますが)。

とにかく、電話はエジソンの頃(1877年、前年のベルの発明を改良、今日の電話機の基礎を築く)からの技術で、1994年にこのマンションが建設された当時も、今日のインターネット社会に配慮した配線などされるはずもありませんでした(ニフティが一般向けプロバイダサービスを始めたのは1996年)。要するに、人間の声が通ればよかったのです。

さて、我が家はというと、最初の通信実験は失敗。担当者の方の顔が曇りますが、もうかなり苦労されたようで、すぐに「別の部屋でも電話をお使いですね」と言われます。北側のオーディオコンポがある部屋にも電話端子があって、春から秋はそちらがパソコンルームになるのですが。すかさず、担当者の方はリビングの電話端子板を開けると、内部の分配器から北側の部屋へ向かう電話線を外してしまいました。「ほら、つながりましたよ。やはり、屋内分配がいけなかったんですね」でも、北側の部屋で使いたい場合は...?「残念ですけど諦めてもらうか、家庭内LANを組んでもらうしかないですね」はあ、そんなにデリケートなものですかね。

「通信速度を計っておきますね」と、持参のノートパソコンと計測ソフトで測定されます。「26Mbps出てます。このマンションの電話線の状態だとこんなものですね。えっ、今まで0.6Mbpsだったんですか、それなら十分でしょう」いえ、どうもありがとうございました。この間、10分ほど。我が家は運がいい方だったようです。

工事担当者は、電話線端子に接続したモデムを残して帰ってしまいました。ここからは利用者の責任でセットアップを行わなければなりません。あらかじめ送付されていた導入説明書は、Macユーザーのために多くのページ数を割いていて、Windowsユーザーは「付属のCD-ROMから専用接続ソフトをインストールするだけ」とのことです。

さっそくインストールを開始したところ、途中で表示される画面が導入説明書のものと違います。そのまま続けると、インストール終了時には接続可能になっているはずが、アカウントが作成されていません。手動でアカウントを作成して接続すると、つながるものの次回起動時に、シャットダウンを繰り返すようになってしまいました。

何度説明書を読んでも、というかWindowsについては読むところもないので、解決方法が判らず途方にくれたところで、「Windows95からXPまで対応」という題字の下の小さな文字に気が付きました。「Windows Server 2003の場合は付属ソフトをインストールせず別記の手順で接続してください」...もしかすると、WindowsXP Professionalも同じことではないでしょうか?

ネットワークウィザード1 ネットワークウィザード1

せっかく導入した接続ソフトをアンインストールして、ネットワークウィザードを立ち上げ設定を行います。後日、友人がWindowsXP Home Editionのパソコンを持って遊びに来たので確認したところ、このウィザードの画面がProfessionalとは異なっているようです。我が家でインターネットに接続するためには、友人のパソコンに接続ソフトインストールしなければなりませんでした。

ネットワークプロパティ 接続画面

こうして、セットアップが完了すれば、ソフトを立ち上げない分、接続はシンプルです。

これまで利用していたイー・アクセスのADSLでは、モデムの内部に自動的にインターネットに接続するための機能が備わっていた(モデムにプロバイダのアドレスやユーザーのID・パスワードを記憶させる)ので、モデムの電源を投入すればインターネットへの接続が開始・完了したのですが、今度はパソコン起動後に毎回接続しなければならず、ISDNの頃に戻ったようです。

さて、気になる接続速度ですが、 BB Speed Checker を利用して計測すると、15〜17Mbpsの速度が出ています。理論値は52Mbpsですから、やはり電話線の品質(配線状況)が良くないのでしょう。それでも、今までの25倍の通信速度になったわけで、導入した効果はありました。

ただし、実際の使い勝手はというと、高速のサーバーからファイルをダウンロードする場合などは速度を実感できるのですが、人気のサイトの場合は、結局先方のサーバーが混み合ってしまうので、思ったように表示速度が速くなるわけではありません。

NTTは、今年度の事業計画で光ファイバでのインターネット・サービスを拡充する方針を打ち出しています(「 NTT東日本 平成16年度事業計画の概要 」参照)。ADSLでは不利な立場に置かれている遠隔地の集合住宅を対象に、顧客を獲得していく戦略のようです。

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