遭難事故対策ノート

心構え
Timtamでは、優れた技術や強い体力を持つこと以上に、山の仲間作りをすることが遭難対策として最も重要だと考えています。
・山に行くために発生する雑務(仲間が増えれば雑務も増える)を積極的に分担しましょう。
・所属する山岳会(or
山のサークル)の集会とか行事などを休まないようにしましょう。
・自分の技術レベルあった自分の山に後輩をつれて行くのではなく、
後輩のレベルに下がって後輩の山に行きそれを盛り上げるようにしましょう。
・半分は自分の行きたい山のために、半分は仲間の行きたい山のために活動をしましょう。
・仲間どうしのコミュニケーションを豊かにしましょう(Communication
up、シーアップ)。
もし万が一、君が遭難事故にあった時、君の山での行動パターンや装備を知っていて、捜索救助の手順を効率的に考えてくれる仲間、…山の支度をして待機していてくれたり、対策本部に集まって来てくれる仲間、…リーダーシップを取ったり、記録係や会計係りになったりしてくれる仲間、…わずか200万円ほどの保険金を効率的に使ったり、それをおろすのに保険会社と交渉してくれる仲間、…地元の警察や山岳会などに何度も足を運んでいろいろ頼んでくれる仲間、…などなど、君はそんなふうに動いてくれるたくさんの山の仲間を持っていますか?。そんなたくさんの山の仲間を持っていることが、遭難対策基盤を持っているということなのです。
遭難対策基盤というと、登山届を出すこととか遭難救助保険や救助組織とかのことだと思う人がいるかも知れませんが、それは遭難対策基盤の一部でしかないと知っていなければなりません。
〜資金的な裏付け〜
自分の入ってる保険等の内容はよく研究しておきましょう。
@Timtamの講師が所属するガイド組合(NIAJ)の会長である天野博文氏が山岳保険を作っています。
⇒天野博文(千代田保険センター)のホームページに行く。
@日山協の山岳遭難救助保険
日山協加盟の山岳会に入り、その山岳会の所属する都道府県山岳連盟でまとめて保険に入れてもらいます。保険の適用は所属山岳団体に登山計画書を提出してあり、団体で承認したものに限られており、しかも海外における山行は除かれるます。(年一口7200円の掛金で、150万の救助料。)
@登山用品店で販売している保険
登山用品店がそれぞれ保険会社と契約しています。内容は様々なのでよく確認してください。
@労山の山岳遭難共済
国内だけでなく、海外における山行もカバーしています。労山加盟の山岳会に入ってそこでまとめて保険に入れてもらいます。
@ハイキング保険
ハイキング保険は低額の加入料で高い保証がついています(ほぼ旅行傷害保険と同等です)。ピッケル・アイゼン・ザイル・三っ道具を使用するような山登りには適用になりません。
@都岳連個人会員遭難救助保険
都岳連救助隊やレスキューリーダーをバックに保険と救助のシステム作ってくれています。詳しくは都岳連に問い合わせて下さい。
@旅行傷害保険、ボランティア保険
ハイキング向け、ザイル・ピッケルなどを使用する登山は免責条項に入っていることが多いです。
@保険会社の山岳保険
登山者用の生命保険を作っている保険代理店がいくつかあります(登山情報誌等に広告あり)。
@保険会社の生命保険
ザイル、ピッケルなどを使用する登山は免責条項に入っていることが多いです。
@郵便局の簡易保険
郵便局独特の仕組みは研究しておくと良いでしょう。
@山岳ガイドの賠償責任保険
ザイルを出すべき所で出さなかったなど、ガイドのミスが公式に認知された場合に降りる保険です。ガイド連盟に所属するガイドの人が入っていることが多いです。
@遭難対策基金
基金が200万円あったとしても、ヘリコプターを2回も飛ばせばなくなってしまいますし、人を要請すれば一人一日10万円が出て行きます。しかし、遭難救助の初動に直ちに使えるお金の存在は大きいのです。Timtamでは、山岳遭難対策基金(基金準備約120万円)があります
遭 難 対 策 基 金 運 用 規 定
制定:2003年3月7日
前 文・山岳遭難事故発生に際して、そのもたらす悲劇は最小限に止めなければならな
い。そのための一助として、登山教室Timtamは遭難対策基金を設立する。
山に行くにあたっては勇猛かつ果敢であってよいが、同時に遭難事故を防ぐた
めに細心かつ沈着でありたい。本基金の適用など皆無であることを祈念する。
第1条・遭難対策基金(以下基金とする)は「登山教室Timtamの会員およびその
会友で、基金への入金を呼び掛ける行事(救助訓練、サバイバル訓練、等)に
毎年継続して参加し基金の積立を行っている者」(「 」内を以下基金参加者
とする)の山岳活動における遭難事故の救助および捜索のために適用する。
第2条・基金の充実を計るための行事を年1回以上実施し一口1,000円の積立て金
の入金を基金参加者に依頼する。入金した積立て金は返金しない。
第3条・基金参加者が第2条の行事に1年以上参加しない場合は基金の適用から除くこ
とを原則とする。
第4条・基金の運営は登山教室Timtamの代表が行う。
・登山教室Timtamの代表は「松浦寿治」である。
第5条・基金の適用は登山教室Timtamの代表の指示により行い被適用者に貸出す
ものとする。
・貸出しは無利子にて行い2年以内に返済することを原則とする。
第6条・登山教室Timtamの終了時(有料講習会を1年以上開催しない時)には、
基金運用規定の制定(2003年3月7日)にあたって「松浦寿治」氏より提供さ
れた元本(\1,120,000)を同氏に無利息で返却する。元本を除いた残金は登山教
室Timtamの救助委員会委員長に使途を一任する。
・登山教室Timtamの救助委員会委員長は「染谷 意」である。
第7条・基金は登山教室Timtamが遭難対策基金専用の銀行口座に保管する。
・基金の残高は毎年1回程度基金参加者へ報告する。
・2003年3月7日現在の基金積み立て額は¥1,120,000である。
1、ツエルト必携
どんな山行にも絶対にツエルトをもっていきましょう。超低山のハイキングでも人口壁に
トレーニングに行く時でさえもザックを背負って行くなら、その中にツエルトが必ず入って
いるようにしましょう。
2、ツエルトビバークの三種の神器
ツエルト・・・底が割れているタイプのもの。ポールはいらない。パーティに一つといわず
いくつかあって良い。(個人装備と考えて各人がもっていてよい)
マッチ・・・・ザックの中、ポケットやポシェットの中など複数箇所に複数個持つこと。防水を
忘れずに。
メタ・・・・・・1人1箱20本
3、ツエルトビバークの用具
三種の神器・・・ツエルト、マッチ(スペアマッチも)、メタ
金属のコップ・・・火にかけられるもの
非常食・・・・・・・・チョコ、ガム、チーズ、コンデンスミルクなどコンパクトでカロリーの高いもの。
雨具・・・・・・・・・・ゴアテックスがコーティングしてあるものが良い。
非常衣類・・・・・下着がコンパクトで軽いのでおすすめ。(白でない方が良い。新素材でできた
ももひきと長袖シャツ)
懐中電灯・・・・・ヘッドランプ&超小型ペンシルライト(防水)の2種類を持っていると良い。
予備電池・・・・・懐中電灯と予備電池と予備電球はセットで持つ。
4、ビバークの方法
・ビバークを決定したら、すみやかに適地をみつけよう。座れればいい。上からの落石が
来ないところを選ぶ(もし来そうならばヘルメットをとらない)。風のこない所や水の取れ
る所はもっと良い。雨が降ってきたら雨水を集める工夫をしよう。ルンゼの中は水と落
石の通り道なので避ける。雪山の場合は雪崩の来そうな所を避ける(風下の吹き溜ま
りは危険!風を避けるとそこに引きずりこまれるので注意)。
・衣類を着込んで、トイレを済ませ、危ない所ならセルフビレーを取って、2〜3人なら横に
並んで4〜5人なら車座になってザクの上に腰を下ろし、ツエルトをかぶる。底の割れな
いツエルトはかぶれないので良くない。ベンチレーターが上になるように(ベンチレーター
はのぞき穴にもなる)してザックの下にツエルトの底を巻き込んで体重で固定してしまう。
風が強い時はツエルトを飛ばされないように注意する(ツエルトの予備があって良い)
・食料の残りを調査し食料を管理する計画を立てる。
・寒くなったら、石や金属(コップなど)の上にメタを置き火をつける。30分おきに一本燃やし
ても20本で10時間もつ。コンロを持ってればメタを使うのはコンロの燃料が無くなってから
になる。燃料の管理は食料の管理とともに重要だ。火をたいている時は寝ないで起きてい
る人の分担を決めておくこと。
・火がたけたらコップでお湯をわかそう。白湯でもいいし、チョコや生姜などを溶かして飲むと
とてもおいしいし気持ちもおちつく。
・厳冬期の高度の高い場所では、靴のひもをゆるめて足の指の凍傷をふせぐ。
・夜は長いけれど待っていれば必ず朝が来る。
・朝明るくなってからの行動も考えておく。
『ルンゼの懸垂になるから落石をよけた場所でピッチを切ろう』
『下からザイルを引いて動かなかったらセットをなおしてくれ』
『ホワイトアウトだから一列になって方向を確認しながら進もう』
などなど。考えすぎる時は楽しいおしゃべりをしよう。
〜事故発生の知らせをうけてからのフローチャート〜
1、落ち着いていますか?
Yes(以下Y)・・・・2に進む
No(以下N)・・・・深呼吸をしたり、指を組み合わせたり、
胸に手をあてたりして落ち着くようにしま
しょう。落ち着いたら2に進んで下さい。
2、ノートを一冊用意しましょう。
3、ノートに今聞いた連絡の内容を5W1H(What,Who,Where,Why,
How)の要領で整理して記入しましょう。
情報をありのままに記入して脚色しないようにして下さい。また
今後あなたが連絡を発信したり、受信したりした場合はその日
時と内容をすべてこのノートに記入していくようにして下さい。
4、あなたの受けた連絡は事故処理のリーダーシップを取れない
人(遠い現地にいる人、あるいは在京でも山を知らない人、他
の山岳会の人など)からのものですか?
Y・・・・リーダーシップの取れる人(信頼できるリーダー会
員)が現れるまでは事故の報を一番にうけたあなた
がリーダーシップを取って事故処理にあたらなけれ
ばなりません。今リーダーシップを取れるのはあな
たしかいないと認識しましょう。・・・・5に進む。
N・・・・連絡の打ち合わせに従って行動を開始しましょう。
5、「単に下山が遅れているのだろう。現地のパーティが自力で処
理できてしまうだろう」と予測できますか?
Y・・・・9に進む。一部の人(山がわかっている人)に連絡
を開始する。
N・・・・6に進む。
6、あなたのアドレス帳(所属の会の会員名簿など)の上から順番
に電話をかけていきます。いつ誰に連絡したか、2で用意した
ノートに記入するのはもちろんですが、電話の相手にも必ずメモ
を書いても らいましょう。連絡をしているうちに次にやるべき
行動がみえてきます。
7、救助隊を編成しなければならない状況ですか?
Y・・・・あなたが設置した本部(会の事務所やあなたの家な
ど)に集合(山に行ける装備、捜索救助の用具を持っ
て)するように連絡しましょう。人がある程度集まったら
救助隊を編成しましょう。
隊員の役割分担を決めたら(あるいは決めるように指
示したら)出発させましょう。
隊員の役割文担 @捜索本部 A記録係(隊員名簿、
スケッチ、撮影、状況記録) B雪崩の場合は見張り
役(二次災害を防ぐ) Cサポート隊(ツエルト設置、湯
沸かし) Dルート整備およびルート工作 E通信係
F会計係 Gその他
N・・・・9に進む。
8、関係機関に連絡しなければならないような事故ですか?
Y・・・・@警察 A所属山岳会 B会社 C家族
N・・・・9に進む。
9、連絡待ち
落ち着きましょう。ここは安全な場所なのかまず考えてみて下さい。
安全な場所に移動したら応急処置をします。それから次の行動を考えましょう。
〜事故発生時からのフローチャート〜
安全な場所か? → 安全な場所に避難
↓
待機、好天待ち ← 自力下山できるか? → 連絡ー救助活動
↓ ↓ ↓
現状の把握 装備、食料の点検 現地救助隊の編成ー救助本部設置
周囲の状況の観察 下山方法の検討
食料の管理 偵察 活動開始 ↓
↓ ↓ ↓ ←ーーーーー救助隊
ビバーク用意 下山 ↓
↓ 捜索打ち切りーーーーー発見できたか
連絡員がだせるか→→ ↓ ↓
| 長期捜索 応急処置ー本部・警察・家族へ連絡
,
↓
↓ | 救出方法決定→搬出・下山
連絡 |
↓ |
ビバーク ←←
↓
*自力下山できるか
はじめに
医学・医療は日進月歩でつねに変化を続けています。私達登山者は、日々新しい知識や技術の習得に努め、進歩に対応していかなければなりません。2000年の心肺蘇生法ガイドラインは、「心肺蘇生法ガイドライン2005」として変更されました。どのような変更点があったのかをガイドラインQ&Aとして記載します。
ガイドラインQ&A
Q1 どうしてガイドラインを変更したのでしょうか?
A1 2005年11月に国際蘇生連絡協議会が「心肺蘇生に関わる科学的根拠と治療勧告のコンセンサス」を発表しました。それを受けてアメリカ心臓協会とヨーロッパ蘇生協議会がそれぞれのガイドラインを作成、発表しました。両者はほぼ同じ内容です。日本では、これらのコンセンサスと両ガイドライン(以下「ガイドライン2005」という)をもとに「心肺蘇生法の指針」を作成しました。
Q2 心肺蘇生法の手順はどうなりましたか?
A2 心肺蘇生法の手順は可能なかぎり簡略化され、大切な手技を強力に行うよう変更されました。
@反応のない成人の事故者を発見したら、大声で周囲の人に助けを求め、119番への通報をする。また119番通報と同時に自動対外式除細動器(AED)を取ってくるように頼むことを忘れてはならない。
A気道を確保し、呼吸をしているかどうかを確認する。
B呼吸がなければすぐに人口呼吸を2回行う。さらに反応も呼吸もなければ心拍は停止したとみなす。
C胸骨圧迫心臓マッサージ(以下「胸骨圧迫」という)を30回と人口呼吸2回の組み合わせを5サイクル行う。
胸骨圧迫は1分間に100回のリズムで圧迫する。人口呼吸の経験がない、うまく行えない場合は、胸骨圧迫だけを実施する。
DAEDが到着したら、一般市民でも、救急隊員でもすぐにAEDの電源を入れる。1分1秒でも早くAEDによる除細動が実施できれば、救命の可能性は高くなる。
Q3 循環のサインの確認はしなくてもいいのですか?
A3 ガイドライン2005では、「循環のサイン」の確認は行わないことになった。
循環のサインとは、事故者に対して最初の2回の人工呼吸を行った後に、咳、自発呼吸、体動があるかどうかを確かめることである。実際は確認が困難であり、この時間がロスとなるので省略することになった。胸骨圧迫を数分続けた時点で行っていた循環のサインの確認も不要となった。
Q4 胸骨圧迫マッサージをする時、注意することは何ですか?
A4 胸骨圧迫を行う時は、「強く」「早く」確実に行い、中断する時間を短くする。
血流の中断の時間を短くするため「胸骨圧迫を30回と人口呼吸2回の組み合わせを5サイクル行う」として成人・小児どちらの場合も胸骨圧迫の回数が多くなった。
「強く」「早く」圧迫することが重要である。一人で圧迫を続けていると力が弱まってくるので、一般市民の場合は5サイクル(2分間)終えたら交代する。
確実な胸骨圧迫を行うことにより脳や心臓は血流を得ることができるが、圧迫の力が弱く回数が少ないと充分な血流は得られず、また圧迫を中断すると血流は止まってしまう。そのため、救助者が交代するときは圧迫の中断は最小限にする。
Q5 一般の人もAEDを使用しても大丈夫ですか?小児でも使用していいですか?
A5 2004年7月、行政の許可により一般市民がAEDを使用できるようになった。
2007年までで国内での導入が進み、一般市民が簡単に操作でき、確実に心室細動を停止してくれるのでAEDが胸骨圧迫の中に組み込まれるようになった。
小児(1〜8歳)にも、成人と同じようにAEDを実施してよいことになった。小児用パッドも国内では発売が許可になったが、手元になければ成人用パッドで代用する。成人用パッドでは小児の胸には大きいので、パッド同士が重ならないように張る。
心室細動という最も頻度の高い心臓の異常だけに働くという点から世界中に普及しつつある。ただし、すべての国で一般市民の使用が許可されているわけではない。
Q6 人口呼吸で吹き込む量はどれくらいですか?
A6 人口呼吸で息を吹き込む際は通常の量でよい。
人口呼吸をする前に救助者は深呼吸をしない。吹き込む量が普通より多いと胸が膨らみすぎ、これが抹消から心臓に還ってくる血液の流れを妨げる。そして次の胸骨圧迫で心臓が送り出す血液が減ってしまうためである。また、胃に空気が吹き込まれる危険も伴っている。
胸骨圧迫による心臓からの血液の拍出は正常拍出の1/3ぐらいなので、人口呼吸もそれに応じた少ない量でよい。
1回の吹き込み時間も1秒にする。この時間だと、胸が大きく膨らむことがない。また胸骨圧迫がすぐ実施でき、胸骨圧迫の中断時間が短縮できる。
小児では人口呼吸で胸が上がるのを目安にして吹き込む量を調節する。小児の場合は呼吸停止が起こってから心停止になる場合が多いので、特に最初の人工呼吸は重要である。
人口呼吸で胸が上がらないときは、頭部後屈−あご先挙上法で再度、気道を確保する。
Q7 胸骨圧迫心臓マッサージ時の手を置く位置は変わりましたか?
A7 胸骨圧迫の手(手のひらのつけ根)は、胸の真ん中、または乳頭と乳頭を結ぶ線の中央に置く。
簡単に手の位置を確保するようにする。片方の手をもう一方の手の甲に重ねて、手のひらのつけ根で胸骨を強く圧迫する。
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心肺蘇生法の手順
成人(8歳以上に適用)
| 実 施 事 項 | 用 語 | 実施要綱(着眼点) |
| @周囲の状況 大出血の有無 |
1.ここは安全です。 | 周囲の状況および大出血の有無を確認する。 |
| A反応の確認 | 1.反応の確認(意識) @大丈夫ですか? A大丈夫ですか? B大丈夫ですか? |
観察位置(傷病者の肩部)に至る。
両手で肩をたたきながら、耳元で3段階に区分して (視線は傷病者の顔) |
| B119番通報 AEDを依頼する。 |
1.「誰か来てください」
2.「あなた119番通報をお願いします」 3.「あなたAEDをもってきてください」 |
119番通報、及びAEDを持ってくるよう具体的に 指名して協力をもとめる。 |
| C気道確保 | 1.気道確保 (頭部後屈あご先挙上法による気道 確保) |
傷病者の頭側にある手を傷病者の前頭部に当て、 他方の手の人差指と中指を傷病者のあご先に当て て、これを持ち上げ気道を確保する。 |
| D呼吸の確認 | 1.呼吸の確認 @見て、聞いて、感じて、4、5、6、・・ ・・・10」 A呼吸なし |
呼吸は「正常かどうか」あるいは「普段どおりの息 か」を10秒以内で確認する。(胸部や上腹部の動き を見て傷病者の口、鼻に頬を近づけ空気の流れ又 は呼吸音や胸腹部の動きがあるかないか10秒以内 に判断する。) |
| E人口呼吸 (省 略 可) |
1.人口呼吸 (1回1秒かけて2回) |
呼吸がなければ、気道を確保したまま額に当てた 親指と人差指で鼻翼をつまむ。有効な人口呼吸を1 回1秒くらいかけて胸部が軽く膨らむ程度吹き込 む。吹き込み後に頭を胸部側に向け、胸の動きと呼 気を確認しさらに1回吹き込む。 |
| F胸骨圧迫 | 1.胸骨圧迫 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10 2.2.3.4.5.6.7.8.9.20 3.2.3.4.5.6.7.8.9.30 |
人口呼吸、呼吸がなければすぐに胸骨圧迫をする。 胸の真ん中(両乳頭を結ぶ線の真ん中) 胸骨圧迫30回、人口呼吸2回 (約100回/分) AEDの電源を入れたら、その後は音声メッセージと 本体に点滅するランプに従う。 |
| GAED到着 除 細 動 |
電源を入れる・電極パッド装着・解析・ 「私離れています、貴方離れて下さい、 みんな離れて下さい」 |
|
| H胸骨圧迫 | 1.胸骨圧迫 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10 2.2.3.4.5.6.7.8.9.20 3.2.3.4.5.6.7.8.9.30 |
胸骨圧迫を行った後、自動解析が行われる(5サ イクルで約2分間、機種によっては1分間) |
*明らかな反応(体動)があった場合は胸骨圧迫を中止する。
*反応がなければ胸骨圧迫30回、人口呼吸2回をくりかえし続ける。AEDを装着していればAEDの支持に従い続ける
備考
:呼吸の確認の方法@胸部の上下動を『見て』、A呼吸があるか音で『聞いて』、B頬で息を『感じて』
:AEDが到着次第、AEDを使用する@ふたを開ける(電源が自動的に入る),A服を脱がせ電極を張る(右の鎖骨の下と左の脇腹)、BAEDの音声ガイダンスに従う。
:AEDは山に持って行ける大きさ(2リットルポリタンぐらい))である。ふたを開けるとスイッチが入り、音声によるガイダンスが始まる。そのガイダンスに従って使用する。電極は使い捨てで、一度しか使えない。電極を貼り付けると自動的に心電図をとりはじめ、電気ショックが必要な場合は充電を開始して、電気ショックのボタンを押すように指示が出る。電気は八千ボルトなので、ショックを与える時は傷病者に触れない位置(一メートルぐらい離れる)に移動すること。以後AEDのガイダンスに従い続けること。電気ショックを1回行って反応がなければただちに胸骨圧迫30回、人口呼吸2回を行うサイクルに戻る。胸骨圧迫と人口呼吸の戻りそれを行っているとAEDの次のガイダンスがある。
:呼吸が回復したら傷病者を横向きに寝かせて、救急隊の到着を待つ。
:AEDのスイッチを切りたい時はふたを締める。
:日本では、年間三万人の人が自殺で、二万人の人が心室細動(心臓が痙攣して、ポンプの役割を果たせず、酸素を多く含んだ血液を体内に送り出せない状態)により、八千人が交通事故で、亡くなっています。三分以内に除細動をすれば四人に三人は助かると言われています。五分で50%、八分で16%です。超小型の除細動装置を持って山に行くようになる時代が遠からず来ると思われます。
:回復体位・・・まくらはしないこと。息をしている場合は首を横に曲げます。腹這いで首を横にしておけば窒息には安全である。
:Just Four Minutes (4分以内)、心臓停止後4分・・・大脳皮質不可逆、10分・・・脳幹部不可逆(脳死)
:原因疾患を問わない(頭部外傷、心筋梗塞、溺水、感電、異物窒息、急性薬物中毒etc)、医者を呼んでいるひまはない!
:相手がだれであれ”必ず助けるぞ!”という熱意をもつこと。
:だれでもできる(一般市民ができる)ABCF、A:Airway 気道確保、B:Breathinng 人工呼吸、C:Circulation 心臓マッサージ 、F:除細動 、ちなみに D:Drug 薬、E:心電図
:異物除去法・・・口腔、咽頭内から異物を指でかきだす←ガイドライン2000からは救命措置の手順に含まれなくなった。
:のど緊急切開・・・甲状軟骨と輪状軟骨の間の陥凹部(のど仏の下のくぼみの所)を開く(横にナイフをいれ、縦にひねる)←医師の行うこと。
:除細動・・・心臓の電気信号系がバランスを失って、平常のリズムを保てず、心臓を作る筋肉が個々バラバラに伸縮てしまう状態を細動という。←強い電気信号によってそのバランスを取り戻すのが除細動装置である。
:ガイドライン2000の旧の心肺蘇生法からの変更点・・・@口腔内確認をしない←異物があれば呼気が入らない。A、脈拍の確認をしない←心臓を押せば痛がる。B119番通報者を具体的に指名する。「あなた119番通報お願いします」←だれかに頼って、だれも通報していない事態を防ぐ。C循環のサインで確認する←実際には困難なのでガイドライン2005では行わないことになった。
:ガイドライン2005のガイドライン2000からの変更点・・・@胸骨圧迫心臓マッサージを30回と人口呼吸2回の組み合わせを5サイクル行う。A「循環のサイン(咳、自発呼吸、体動)」の確認は行わない。BAEDによる電気ショックが1回行われたらただちに胸骨圧迫にもどる。
非常通信
〜無線の使用〜
まず、非常通信周波数に合わせます。
この周波数は呼出用周波数と同じなので空くのを待っていると
何時までも通信できないのでスキをみて送信を開始します。
【通信例】
A:ヒジョウ ヒジョウ ヒジョウ CQ CQ CQ こちらは JE1AUZ JE1AUZ JE1AUZ どなたか応答願います。 (受信にして応答がない場合は繰り返す)
B:ヒジョウ ヒジョウ ヒジョウ JE1AUZ JE1AUZ
こちらは JZ9□□□ JZ9□□□ です。取れますか?
どうぞ。
A:ヒジョウ(ヒジョウ ヒジョウ) JZ9□□□
こちらは JE1AUZ 松浦です。
14時40分 北アルプス立山の剣岳にて遭難事故発生。現場は、三ノ窓雪渓上部 転落して出血多量 意識不明の模様 富山県警察本部山岳警備隊へ連絡願います。
繰り返します
14時40分 北アルプス立山の剣岳にて遭難事故発生。現場は三ノ窓雪渓上部 転落して出血多量 意識不明の模様 富山県警察本部山岳警備隊へ連絡願います。 JZ9□□□
こちら JE1AUZ どうぞ
B:ヒジョウ(ヒジョウ ヒジョウ) JE1AUZ
こちら JZ9□□□ 了解しました。
14時40分 北アルプス立山の剣岳にて遭難事故発生。現場は三ノ窓雪渓上部 転落して出血多量 意識不明の模様 ということですね。すぐに警察に連絡します。 JE1AUZ
こちら JZ9□□□
A:ヒジョウ(ヒジョウ ヒジョウ) JZ9□□□
こちらは JE1AUZ
宜しくお願いします。このまま待機しす。
JZ9BBC こちら JZ9BBC
B:ヒジョウ(ヒジョウ ヒジョウ) JE1AUZ こちら JZ9□□□ 了解しました。
注:沢の中など電波が届きにくい場所にいる場合は尾根に中継を置くようにします。
宮城県警機動隊救助小隊レンジャー分隊より
Date: Fri, 15 Feb 2002
@先週の連休最終日に、宮城県の北部、秋田県境にある栗駒山で遭難事案がありまし
た。 天候が回復した13日午前中にヘリコプターで3名を救助しました。
3名は雪洞の中で救助を待っていたもので、手足に軽い凍傷を負っていました。
救助中のことですが、3名は山スキーで、1人が40kgくらいのザックを背負っていたの
で、ホイスト救助のためにスキーと大型ザックを現場に放置して吊り上げました。
@状況によるということを前提としてですが、この事案のように、サーバイ
バースリングで吊り上げるときには背中のザックが障害になることから現場に放置す
ることを考えて、貴重品などを身に付けて待機することを勧めます。
できれば、放置したザックには持ち主を示す措置をお願いしたいのです。
@大型ザックでもヘリのダウンウォッシュにより吹き飛んでしまいます。救助位
置から遠ざけて、後日、回収に来てわかりやすい位置に埋めるなどではどうでしょう
か。
救助活動中、曇りで強風の状態でした。パイロットとしては現場活動は短時間にした
いものなのです。
ヘリコプターの特性
@ヘリコプターの活動は有視界飛行です。昼夜の別、天候、パイロットの技術・経験・知識によって大きく左右されます。速度が速いので見落とす可能性が大きいと考えるべきです。
要請の方法と条件(警察を窓口として依頼することが望ましい。)
@事故状況と負傷状況を的確にメモし、最寄りの山小屋などの通信手段を利用して「所轄警察署」を通してヘリコプター会社に連絡をとってもらうこと。事故者が己パーティで無い場合その氏名、住所を確認し連絡に努めること。
自衛隊ー県知事の要請が必要
条件・人命救助であること。
・自衛隊以外に方法がないこと。
・自衛隊法に違反しないこと。
警察ー依頼者が明確なこと(富山県警・長野県警など)
条件・生命の危険があり、緊急を要すること。
・遭難者に自力救助の能力がないとき。
民間ー仕事でないので丁寧な対応が必要。(東邦航空(調布)・旭航洋(北ア))など。
条件・救助、遺体搬送は原則として警察の許可が必要。
要請に必要な条件
・要請責任者の住所、氏名、連絡先 ・保険加入の有無 ・目的 ・経路
・現地の目標 ・地形 ・気象(視界、雲量、風速、天気の様子、積雪、雪質)
・ヘリポート設置の有無 ・標識の有無(吹き流し、焚き火)
飛来の条件
・昼間の「晴れ」の状態で、風速15.4m、突風8.2m以上の風が吹いていないこと。
・重傷者であること。搬送が人力で困難なこと。天候上、急を要すること。
ヘリポートの条件
・20m四方以上に近い平坦値で風向きが明確に判断出来るようにした場所なら着陸
できる可能性有り。
・ビニール、砂などの飛散物がないこと。(ビニールはローターに、砂はタービンに影響
を与えるため。)
・進入は向かい風、(十分な広さをとる)、斜面は平らに雪面の凹凸が分かるよう新雪
は踏み固める(ホワイトアウトを防ぐため)
ヘリコプターに近づく場合
・接近は前方左右45度方面から。頭上に注意すること。特に傾斜地の場合上方から
の接近は絶対しない。
・長い物をもって接近しないこと。
・テールローターには絶対近づかない(地上1m前後の高さで回転している)。
・ドアの開閉は自分たちでやる。・負傷者は担架のままは乗せられない。
ホイスト使用の注意
・ホイストは中型以上でなければ装着できない。(ベル212・214など)
・最大吊り上げ重量272g、全長78m。
・ホイストケーブルは帯電しているのでまず地面にアースをすること。(右足で立ち、右手
でフックを持つ。)
ヘリコプターに発見されるためのポイント
・視界の開けた尾根筋へ登る。
・樹林帯を避け障害物の無い所で待つ。
・生木を燃やし大量の煙をだす工夫をする。
・手や長い布きれなどを振る。
ヘリコプターへの合図
遭難した登山者はヘリコプターが接近したときに、下図のようなサインを送り、救助要請
の意志をヘリコプターに送る。@ヤッケ、雨具など色鮮やかで大きな目印になるものを片
手にもって上空にむかって大きく円を描く。Aヘリコプターの乗員が確認出来る位置まで
近づいたら体側に沿って上下に振る。
@ A
徒渉でのロープワーク
・ビレーヤーは川下にいる
・確保器は使わず両手でたぐりよせる
・ビレーヤーより川下に流される前に引き寄せる

・上流に支点が取れる場合

・一人渡れれば流星法が使える

肩組みの徒渉

・流れと人の進行方向の関係

・杖をついての徒渉

へつりのロープワーク

自己脱出
・ブルージック結びを使いザイルを登る

@トップを登るクライマーに見立てた、60kg程度の砂袋をハングした壁の中間支点の上まで持ち上げる(通常のビレーシステムに加えて動滑車1つと定滑車1つを使った引き上げシステムが必要)。
@砂袋を落下させ、ビレーヤ(セカンド)はトップの墜落を止める衝撃を体験する。
@衝撃を止めテンションのかかったロープを仮固定(エイト環仮固定)する。
@テンションのかかったロープにブルージック結びでスリングをかけ、そのスリングを支点に固定する。
@仮固定を解いてテンションを上記のスリングに移し、ビレーヤーはフリーになる。
@メンバーは数人必要、ビレーヤーと砂袋引き上げ係りを交代して全員が衝撃体験をする。


@平地にビニールシートをひき負傷者役があお向けに横たわる。
@救助者は負傷者の横に同じ向きに横たわる。
@負傷者の救助者から遠い側の足を近い側の足の上に交差させるように乗せる。
@救助者は一本背負いのようにして負傷者の腕を引きながら反転し負傷者を背中に乗せる。四つんばいになり、付近の石や立ち木などにつかまって立ち上がる。
@3メートル長30mm以上幅のテープで作ったスリングを負傷者の尻からとって救助者の両肩にかけ背負い紐とする(下の左側の図)。
@救助者は負傷者を背負って少し歩いてみる。その後、次ぎの人に交代
@負傷者がハーネスをつけている場合は直接ハーネスにスリングをかけて背負う方が楽なのでその方法も行ってみる。ハーネスの腰に回るメインベルトの右盲腸の位置と左盲腸(もちろん左に盲腸はない)に2本のスリングをタイオフして背負いひもとする。
@ザックの中身を出して背負いひもをゆるめ、上下を逆にして、ザックのハートの所が負傷者の尻の所に来るようにして背負う方法があるが、ザックの背負いベルトが切れる可能性があるので注意が必要である。
@60Cmくらいの長さの木の枝やストックなどに銀マットをまきつける。それをザックの背負いひもの下の所に横棒として通し入れておく、そこに両足をのせてもらい負傷者をザックで背負う(ザックを背負子にする)。ザックの上下を逆にするのことなく普通に背負えるし、背負う側も楽である。今の所、この方法がベストのようである。
イラスト作成依頼中
エイト環の仮固定
@2メートルほどの高さに打った支点にザイルをかけ、エイト環仮固定の練習を行う。
@垂直程度の壁を懸垂下降し途中で停止して、エイト環仮固定を行い両手をフリーにする。
@仮固定を解いて、さらに懸垂下降で下まで下る。
@負傷者を背負うと100kg以上の重さがかかるのでエイト環仮固定は簡易的なロープをクロスさせる方式ではなく(解除できなくなる)、ロープをグルグル巻きつけて固定する方法をとる。下図では巻きつけたロープにくぐらせているが、解除できないことの方が問題なので、2001年度よりくぐらせずに止めるようにしている。
@負傷者を背負っての懸垂は2年次生対象の救助訓練Aで行う。

Aの部分にカラビナをかけて止める。
2001年度よりAのロープをくぐらせることなくただ巻きつけてカラビナで
止めるだけの方式に改めた(200Kgかかってもたやすく解除出来る)。
@ハーフマスト結びによる、ビレーや懸垂下降はエイト環などの確保器具を落とした場合に頼もしい見方であると同時に、様々な用具の不足する救助の場面では有効である。
@2メートルほどの高さに打った支点にザイルをかけ、ハーフマスト仮固定の練習を行う。以下エイト環仮固定の時と同様に練習する。
@Aの部分にカラビナをかけテンションのかかったBのロープに止める。
2001年度よりAのロープを通すことなくただ巻きつけてカラビナで止
めるだけの方式に改めた(200Kgかかってもたやすく解除出来る)。
@川の対岸にザイルの一方を固定、川を越えてザイルを張る。ザイルを張る支点の3mほど手前の位置にブルージック結びでスリングをかけそのスリングにかけたカラビナを動滑車に、ザイルを張る支点にかけたカラビナを定滑車にしてザイルをピンと張る(トラックの荷のひもをかける方法と原理は同じ)。
@ザイルにハーネスのカラビナをかけ、ザイルを渡って対岸に渡る。
@張られたザイルの高い方から低い方に渡る方が簡単。
@チロリアンブリッジは荷の運搬(流星方と組み合わせる)にはスピードがあり輸送力もあって威力を発揮するので、時間があれば、ザックなどを運搬してみる。

90度回転すれば荷揚げシステム(左上の支点はガルーダヒッチにする方が良い)の図になる。
ハーケンの打ち込み方向に注意(図では抜ける方向)・・・人工の支点より立木の方が望ましい。
<雪崩による埋没の捜索>(スコップ・ビーコン・ソンデ棒を使って)
捜索場所:起こった場所と見失った場所を結ぶ線をのばした先のデブリ(末端堆積)の中、手袋や帽子などが見つかった時はその場所より下にいると判断するべきである。
避難場所の確保:二次雪崩が発生した場合見張りの指示する場所へ逃げる。
目印をつける:事故発生現場、捜索した(しない)場所には目印をつけておく。
スカッフ&コール:人は深さ2m以内に埋まっていることが多いので、意識がある場合は雪の上を歩き回る足音や声はよく聞こえている。捜索者は横一列に並び、間隔は肩と肩がふれあうくらいのせまいもので良い。リーダーの「スカッフ」の声で雪面をかくように捜索し、遺留物がないか調べる。「コール」の声で雪面に両手でメガホンを作り呼びかけ、耳をあてて反応を聴く。
雪崩ビーコンによる捜索:二班にわけ、一班が雪崩ビーコンをいれたザックを雪中に隠しもう一班がそれを捜索することを繰り返し練習する。

ゾンデ棒による捜索:横に長く溝を掘る。二班に分かれ一班は溝のどこかにザックを置き、雪をかけて溝全体を隠す。もう一班が横一列に並び、ゾンデ棒をリーダーの指示に従って右足の前、左足の前および一歩前の身体の中心の3点にさし捜索していく。(ゾンデ棒は差し込むのではなく重力に従って重力によって落ちていくような感じでトントンと下に沈めていく。そうでなければ雪の中に曲がって入っていってしまう)

<埋没体験>
埋没体験:深さ1mほどの人間が入るほどの穴を掘り、ヘルメット、ヤッケに身を固めた人間を埋め雪中に埋まった時の体験をする。恐いと思う場合は頭の入る部分に空洞を作ってさらに防水したトランシーバーをもって連絡を取れるようにして埋まるのが良い。ゾンデ棒を上からさして人間に接触した場合の感覚を試したり、スカッフ&コールをして雪のなかで声や足音が聞こえたりする実体験をする。

低体温症:雪の中に長く埋まっていると、身体の内部の熱は維持されているが両手足などの末端は非常に低い温度になっている。救出していきなり身体を動かし、末端の冷たい血液を内部のあたたかい生命維持のための重要な臓器(心臓など)に流すとショックにより死亡してしまうことがある。雪崩による埋没から救出したらいたずらに動かすことをさけツエルト内などで静かに加温するように努めなければならない。
<負傷者の搬出>
ツエルト担架:負傷者を想定し、ツエルトでくるむ。引き綱を出したり、ツエルトを閉じたりするのに雪玉を利用しインクノットで縛ってしまう方法が有効である。

<弱層テスト>



☆手首だけで引っ張って円盤がはなれたら危険、ひじならやや危険、肩ならほぼ安全
腰なら安全と思われる。
評価1、安定 →腰を入れて引いても崩れない
評価2、おおむね安定 →腕で抱えて引いたらはがれた
評価3、結合状態が悪い →手首だけで引いたらはがれた
評価4、非常に悪い →円柱を掘り出したら崩れた
評価5、非常に不安定 →テストの必要なくあきらかに危険
☆雪質の観察と危険の目安
雪質 | 硬さの判定(弱層となるか) |
|新雪 握りこぶしが入る(
なる)
|こしまり雪 1〜4本の指が入る(なることもある)
|しまり雪 1本指が第一関節まで入る(ならない)
|ざらめ雪
指は入らない(濡れざらめ雪になるとなる)
|こしもざらめ雪 強く押すと一本指が入る(なることもある)
|しもざらめ雪 ばらばらと崩れる 固まらない(なる)
|氷板 一本も指が入らない(ならない)
|表面霜
吹くと飛び散る(なる)
|クラスト
一本も指が入らない(ならない)
|あられ 簡単に指が入る(なる)
☆雪崩発生の危険あり
@雪崩発生と地形の特徴との関係
地形の特徴 カール状(凹丈)の場所(斜面)
狭く急な谷筋で丈夫に広い斜面あり
雪庇(吹き溜まり)の発達する場所
植生の特徴 細い樹木や灌木しかない
樹木がまばらである
草付やハイマツ帯、ガレ場
過去に雪崩れた痕跡(枝、幹の折れ)
A雪崩発生と傾斜
30度〜45度(ただし隣の沢から尾根を乗り越えて来ることもある)
B雪崩発生と降雪
標高2500m以上で、新雪の降雪約10cm
標高2000m前後で、新雪の降雪約30cm
標高に関係なく、新雪の降雪約40cm以上
C雪崩発生と風
風速10m以上
D雪崩と雪質(弱層)
あられが降った
表面霜が出来た
積雪内部にしもざらめ雪が出来た
濡れざらめ雪が出来た(融雪、雨などによる)
E登山者側の問題
雪崩に関する知識がないまたは不足
事前に気象や山域の調査をしていない
事前の非常時の態勢の打ち合わせ不足
体力がない(行動のスピードが遅い)
行動技術がない(雪崩回避の行動がとれない)
精神力が欠ける(雪崩回避の行動がとれない)
万一の場合に初動捜索をする能力がない
雪崩ビーコンを持たない
ゾンデを持たない
スコップを持たない
蘇生法を学んでない
仲間の命に対する責任の自覚が欠ける
<雪崩の救助>
@雪崩回避のために心がけること:
・間違った行動
「せっかく来たのだから」「日程に余裕が無い」・・・精神的誘惑
「吹雪がやんで天気になったから」・・・雪崩に関する無関心
「他のパーティが行動しているから・・・自主行動・自主判断の放棄
・雪崩を想定した準備
行動の原点に雪崩を想定する。
メンバー相互の安全確認
雪崩走路を想定したルートファインディング。
・身支度
防寒着をつける。
フードを被る。
ファスナーやボタンをきちんとしめる。
身につけている装備をはずしやすくする。(またははずす。)
・ルートの選択
事前に雪崩走路を予測し、退避方向を決定しておく。
なるべく尾根の直登、直下降をとる。
やむを得ずトラバースする場合は、少しでも安全と思われるポイント
(大岩、密生した木立、尾根)をつないでいく。
・行動上の注意
雪崩が予想される場所で立ち止まったり、大勢が集まってはならない。
スキーで滑れるような疎林では、雪崩を防止出来ない。
雪崩が予想されるような場所では、20m以上間隔をあける。
立ち止まらず、静かに速やかに行動する。
待機者は雪面に絶えず気を配り、行動中の仲間を監視する。
A雪崩に巻き込まれたら:
・大声で仲間に知らせる。
・事前に決めた退避方向へ逃げる。
・身につけている装備を捨てる。
・手足を動かし、浮上する努力をする。
・手、腕で顔面を覆い、口、耳、鼻に雪が進入するのを防ぎ、呼吸空間を確保する。
・埋まってしまったら、慌てず呼吸を落ち着ける。
・むやみに大声を出さない(雪の中から外への音は伝わりにくい)。
B雪崩が発生したら:
・巻き込まれた人の行方を見届け、捜索範囲の確定に役立てる。
・声を掛け合い、メンバーの確認をし、埋没者の手足が出ていないか
遺留物がないか探す。
・すみやかに安全な場所に移動し、再度メンバー確認を行う。
・雪崩ビーコンは受信レンジにする。OFFにしてはならない。
・生存者は二重遭難の危険がないならば、直ちに埋没者の捜索を開始する。
C雪崩現場でのパニックの克服:
下からの救助隊は生存処置にはならないので、自分たちでの捜索を忘れ、すぐ救助依頼に走らないこと。その上で状況・装備・人数などを考慮し、自分たちで救助捜索できるのかどうにかについて正しい判断が必要となる。また、呆然として動かないとか、ショックで動けないとか、人情に駆られてやみくもに現場に入って探すなど、二重遭難の危険性が大であり、発見できない場合が多い。事前の充分な知識と、組織的熟練度を高めておくこと。
D役割分担:
・事故の記録と雪崩の見張り
現場図面・時刻・捜索内容などの記録を、現場を見渡せる安全な場所で行う。
・埋没者の手当
安全地帯を整地し、ツエルト、テントを張り、ストーブを焚くなどして暖める。
・埋没者の捜索
二重遭難を避けるため、見張りと連絡を取り合うこと。
また、事前に退避方向を決めておくこと。
E捜索
・退避方向を決めておく。
・埋没地点の可能性
雪崩で見えなくなった地点の延長戦の下流
雪崩の向きが変わった外側のデブリ
遺留物の下流
・雪崩の幅が広い場合、約20m間隔で並びデブリの上を捜索する。
・信号をキャッチしたらレンジを変えながら追尾する。
・複数の埋没者がいる場合、信号が複雑になる。
複数の信号を受信したらすぐにレンジを変え、強い信号のみ受信する。
・2mレンジになったらビーコンを雪面につけて、
信号が強いと思われるところをただちにシャベルで掘る。
F埋没者発見後の処置:
・直ちに顔を掘り出して、呼吸を確保する。
・口、鼻につまった雪をかきだして、気道を確保する。
・ビーコンを発信レンジに戻す。安全地帯に搬送するまでOFFにしてはならない。
・搬出に充分な広い穴を掘る。
・掘り出す時は事故者を大きく揺すったり、ひきずり上げるようにしてはいけない。除々に体のまわりの雪を取り除き、事故者を外気(風)に直接さらさないように、顔以外の体からは、雪を全部取り除かない(雪で被って保護する)。事故者を完全に掘り出して外気にさらすと急激に体温を失ってしまうことになる。ツエルト類をかぶせてから、体についた雪を取り除き、体が直接外気にふれないようにしっかりと包みこむ。ツエルト類の包み方がいいかげんだと、ゆるんで隙間が出来、冷たい風が入ってしまう。
・事故者の移動は静かに丁寧に行い。事故者体の中心部に冷たい血液が流れるのを防ぐ。
・意識の有無に関係なく、外見からは負傷の程度はわからないので、慎重に扱う。
・心臓マッサージを行う場合は、ザック、スキー板など、固いものを下に敷く。
・速やかに安全地帯に移動し、ツエルト、テントに収容する。
・頭部、胴体の保温と、ゆっくりした加温を続ける。低対温症になった体はなかなかもとにもどらない、最低でも2時間はかかる。元気になって動き出したら冷たい血液が心臓に流れて、心停止した例もある、症状が緩和されたように見えてもすぐに対応をやめてはならない。
・濡れた衣類は出来れば脱がせて渇いたものと交換する。
<雪山アドバンス訓練>
ダイナミックビレー:雪上でのビレーは岸壁でのそれと異なり、ザ
イルの流れにゆっくりと制動をかけ、強いショックを与えないように
する。これにより雪で作った不安定な支点がこわれるのをふせごう
とする。
図又は写真を準備中です。
スタンディングアックスビレー:

コンティニアスクライミングの研究:

・デッドマン
ビレイポイントのない雪面で、雪に埋め込んで使用する支点用具。
主にセルフビレー用の支点として使われる。柔らかい雪でも効く。
図又は写真を準備中です。
・スノーバー
雪面に挿し、雪壁登攀のランニングビレイの支点として使用する。
複数を用いて、セルフビレーの支点にすることも考えられる。
かたい雪でないと効かない。
図又は写真を準備中です。
想定:2人パーティで岩登りのルート(W級程度の岩稜)に行った。ダブルロープで登攀する途中、ホールドが抜けてけトップが墜落、岩角にあたっって負傷し動けなくなった。ザイルにテンションがかかってはいるが、岩場の斜度は70度程度で宙吊りになっているわけではない。
動作1:セカンドはテンションのかかったザイルを固定し(夏山サバイバル訓練で練習した方法)、自由に動けるようになる。固定したザイルを登り、トップの所に行く。前後してテンションのかかっていない方のザイルを回収しておく。パートナーの応急処置を行い、、パートナーを背負い、回収したザイルで懸垂下降をする。出来ればテンションのかかていた方のザイルも回収する。
動作2:近くにいたパーティに協力を要請し、3人以上で救助活動に入る。安定した支点を作り、そこに確保器をセットして、上から下ろしてもらい負傷者に近づき、負傷者を背負って下に下る。途中でザイルをつないで作業の効率化(少ない確実な確保支点を有効に使う)をはかる場合が多くある。そのため通常の1本のザイルでは生じない「結び目の支点通過」が必要になる。
負傷者の背負い方(ハーネスを利用)。
負傷者の背負い方は夏山サバイバル訓練で練習したスリングを使う方法と、ハーネスを使う方法のうちハーネスを使う方法を行う。夏山サバイバル訓練ではスリングを使う方法に重点がおかれている。過去の山行での怪我人の搬出の事例を振り返ると、全てスリングを使う方法が使われている(スリングを使う方法は簡単で事故現場からの脱出がすばやく出来るし、ハーネスをつけない程度の場所で怪我することの方が多かったため)。
イラスト作成中
テンンションのかかったザイルを固定して自由に動けるようになる。

一人で懸垂下降して救助に向かう(一人しかいない場合)

補助者の操作で懸垂し救助に向かう(複数の救助者がいる場合)
イラスト作成中
ザイルの結び目通過
イラスト作成中
つり上げシステム
・図のようにすれば人をつり上げることは出来るが、時間がかかり非効率的である。

救助訓練A
様々な遭難救助の場合を想定し、人を背負った懸垂下降をしてみる。人の背負いかた、しっかりとした制動のかけ方がポイントとなる。
ヤブの斜面に懸垂用のロープを張る方法。
ザイルを投げるとヤブにかかるので、懸垂用のザイルをセットしてもそれを投げずに、懸垂者をエイト環で吊り下ろす方法で懸垂者にヤブこぎをさせながら下ろし、ザイルを下に到達させる。
イラスト作成中
人を背負って緩斜面を懸垂下降する方法。
@救助者、負傷者役とも危険なので、2mぐらいの高さの緩斜面の岩場で、上部の安定したテラスから懸垂をスタートさせることが出来るような場所で練習する。人を背負うとその重みで通常の懸垂下降の方法では制動力が不足するので、エイト環にセットした制動側のザイルをハーネスのカラビナ〜エイト環のカラビナとZ型にかけブレーキが大き出来るようにしたり、エイト環二回かけなどの方法で対応すること。下の懸垂下降の写真の角度でもエイト環だけでは制動力は不足していたので、もう少し長い懸垂であれば制動手を火傷していただろう。
@懸垂用にセットしたエイト環の小さい方の輪から2本スリングを出して1本はハーネスと連結し救助者を吊るすこと、もう1本は救助者のセルフビレーとすること(セルフビレーの長さをうまく調節すれば負傷者の体重をエイト環に逃がすことが出来る)。救助者と負傷者を直接連結しないこと(負傷者の体重に引かれて救助者はトラブルの際一人で自由に動けなくなる)。
@人の背負い方は夏山サバイバル訓練で練習した方法を使う。

イラスト作成中
90度近いあるいはそれ以上の岩場で負傷者が宙吊りになっている場合の救助の方法。
@負傷者役の者がトップロープにつながり岩場の途中まで登り手を離して、トップロープに宙吊りになる。トップロープの確保者はテンションのかかったザイルを仮固定し、その場に待機する。
@救助者役の者は負傷者の上部から懸垂下降する。
@懸垂下降の方法はエイト環2回がけの方法を使う。
@負傷者の上部で、負傷者のハーネスに手が届く位置でなるべく高い位置に停止しザイルを何回も巻きつけて仮固定する(ザイルをエイト環や巻いたザイルの下に通すような複雑な仮固定はしない)。仮固定しなくて制動手を握りしめもう一方の手で負傷者との連結作業などっを行った方が良い場合も多いと考えられる。
@負傷者と救助者のエイト環の小さい輪又はそこにかけたカラビナをスリングで連結する(ザイルのテンションがあるので、負傷者は軽く持ち上がり、救助者はその重みで下がるので連結は容易である)。負傷者と救助者のハーネスをスリングで連結した従来の方法は使わない(トラブルが発生した場合救助者の身動きがとれなくなるので)。
@負傷者の腹を救助者の足の間にはさむ感じの位置になり、スリング負傷者の背中からとって負傷者の頭を起こすようにする。頭を起こすことは省略しても早く下ろした方が良い場合もある。
@負傷者をささえていたザイルを切断する。この時救助者の懸垂用のロープを切ってしまわないように、ナイフの刃の向きなどに配慮が必要である。本訓練ではザイルを切断せずにトップロープの確保者が仮固定をといてザイルを流す。
@救助者は仮固定をといて負傷者を連結したまま懸垂下降を再開し、下まで降りる。
イラスト作成中
1,隊員の役割分担をきちんと決めておきましょう。
@捜索本隊
A記録係(隊員名簿、事故現場のスケッチ(含、撮影)、救助の進行状況(克明に))
B雪崩の見張り役(二次災害を防ぐため)
Cサポート隊(ツエルト設置、湯沸かし)
Dルート設備およびルート工作
E通信係
F会計係
Gその他
*救助を依頼された場合、リーダーか、隊員か、何係か、自分はどこにあてはまるのか考える。
*集まった集団にあって自分が会のリーダー会員でなくとも、リーダーシップをとれる第一順位が
あるとすればリーダーシップが委譲できる人がくるまでリーダーシップをとり続ける。
2,注意事項
@隊員の安全確保が第一
A多数か少数精鋭の救助隊か、リーダーは隊員の安全確保の視点から決定する。
B手を貸したら最後までめんどうを見る。役割の解除はきちんと確認する。
C死亡の判断は出来ない。生きているものとして扱う。
D救急車に乗せるときは生存者として申告する。(死体は物扱いです。)
Eあらゆる場面でできるだけメモを残す。
F連絡は必ずメモとともに。(5W1H)
G弁解や言い訳を連絡にいれない。
H電話の相手にもメモをしてもらう(メモが無いと伝言ゲームのようにいろいろと解釈が加わって
伝わってしまう)
3,連絡
第一報 警察
第二報 所属山岳会(又は会社)
第三報 家族には所属山岳会(又は会社)に頼む。
Timtam救助委員会←←担当リーダ←←←←事故発生
↓ ↑ ↓ ↓ ↓ ↓
登山教室Timtam 事故者自宅 現地警察署 現場処置
山小屋
消防防災・病院
マスメディア対応→対応によって救助活動が阻害される可能性があります。
現地もTimtam救助委員会もサブリーダーが対応にあたり、
リーダの指揮権を守るようにします。
登山教室Timtam 03−3600−3570 (優先順位1)
Ta 0901−691−6581 ( 〃 2)
Timtam救助委員会 03−5680−1078 ( 〃 3)
Ma 03−5699−2962 ( 〃 4)