失業中に頼りになるものは失業給付、つまり基本手当です
         
        早く手続きして早く貰いましょう。そして、あなたが希望する
                   仕事が早くみつかるような求職活動を行いましょう!


          失業給付の受給方法と    

              上手な再就職先の見つけ方


          
           1.失業給付を受けるには
               会社を辞めたからと言って、誰でも失業給付を受けられるわけではありません。失業給付を
             受けるには、一定の要件に該当することが必要です。その要件とは、
             (1)離職日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上あること

              (2)労働の意思及び能力があるにもかかわらず、職業に就けない状態にあること
               (病気等で働けない状態でないこと)
    
              (3)公共職業安定所(ハローワーク)に求職の申込みをしていること

               つまり、仕事をしたいという意思があり、病気やけがなど仕事に就けない状態でなく、会社
             を辞めた日以前1年間のうち6ヵ月以上は欠勤等が多くなく、正常に勤務していた人が、ハ
              ローワークに求職の申込みをし、決められた求職活動等を行って、初めて失業給付が貰え
             ます(勤務期間が6ヵ月に満たない方は、失業給付は受けられません。また、欠勤が多い方
             は、勤務期間が6ヵ月以上あっても受けられないことがあります)。
                また、パート社員の方は、被保険者期間のカウントが正社員の方と異なりますので、
職場
             のトラブル事例(パート社員編)の雇用保険
をご参照下さい。
              なお、一般に使われている失業給付とか失業手当は、正確には基本手当を指します。

                         ”職場のトラブル事例−パート社員編”へ

          
          2.基本手当の受給手続

           <事  例>
               Aさんは、B社に22年勤務している45才の会社員であるが、B社は業績不振により希望
             退職者を募集し、Aさんはそれに応募して平成16年3月末をもって退職することとなった。
               3月31日、AさんはB社総務担当者Cさんから
雇用保険被保険者離職証明書(1枚目が
             事業主控、2枚目が安定所提出用、3枚目が離職票2)を渡され、離職理由を確認するよう
             言われた。
               離職理由は、「事業主からの働きかけによるもの 希望退職の募集または退職勧奨」と
             なっており、間違いないので、離職理由に異議なしにマルをつけ、自署捺印し、Cさんへ返却
             した。
               また、AさんはCさんから
雇用保険被保険者証を渡された。
             (基本手当の受給とは関係ありませんが、厚生年金手帳、給与所得と退職金の源泉徴収票
             も忘れずに貰って下さいね。源泉徴収票は、確定申告手続の際、必要となります。)

               
                                    ↓      

              Cさんは、4月5日にB社管轄の××ハローワークへ行き、Aさんの雇用保険資格喪失届
             と離職証明書等を提出し、ハローワークから離職票1,2の交付を受けた。
              Cさんは、離職票1,2をAさんへ郵送した。

                          
                                    

               4月7日(水)。Aさんのもとへ離職票1,2が届いた。Aさんはあらかじめ揃えておいた書類
              を点検し、明日、ハローワークへ求職の申込みへ行くことにした。
              必要書類   @離職票1,2   A雇用保険被保険者証   B印鑑(三文判で可)
                       C住民票または運転免許証
                      D写真1枚(縦3cm×横2.5cm位の正面上半身のもの)
                      E預金通帳(基本手当が入金となることを希望する金融機関の通帳)

                            
                                    

                4月8日(木)。Aさんは上記必要書類を持参し、ハローワークへ出向いた。
               受付窓口で求職票を記入するように言われたので、求職票に、氏名、住所、生年月日、希望
             する仕事、就職希望地、希望月収、希望勤務時間、最終の職業等を記入し、提出した。
              Aさんは暫くして名前を呼ばれ、担当者と面接し、離職票記載の離職理由に間違いないか
            等を尋ねられた。そして、13日の説明会に出席するように言われた(求職の申込みにハロー
             ワークへ行った日から1週間後くらいに雇用保険受給説明会を行っている所が多い様です)。

                                  ↓

              4月13日(火)。Aさんは説明会出席のため、ハローワークへ再び出向いた。
              ビデオ等を使って、担当係の人から雇用保険のしくみや基本手当の受給の仕方等の説明を
             受けた後、
雇用保険受給資格者証と失業認定申告書が渡された。
               そして、最後に第1回目の失業認定日が失業認定申告書に記載してあるので、時間厳守で
             必ず来所するよう言われた。

              失業認定申告書には、認定日は5月6日(木)の午前9時15分〜45分と記載されていた。 
                雇用保険受給資格者証は、雇用保険の受給資格があることを証明する書類で、受給資格者の名前、住所、
                支給番号、所定給付日数、基本手当日額等が書いてあり、基本手当を貰い終わるまで必ず必要となる大事な
                書類です。
                  また、失業認定申告書は、失業認定日に提出するもので、認定日までにどんな求職活動をしたか、ハロー
                 ワークから自分に適した仕事が紹介されれば応じられるか否かといった事項につき、記入します。

          
                                    
    
              5月6日(木)。Aさんは失業認定申告書と受給資格者証を持参して9時にハローワークに着
             き、失業認定申告書と受給資格者証を提出した。そして暫くして名前を呼ばれ、受給資格者
             証と新しい失業認定申告書を受け取った。
              そして、第1回目の基本手当は、1週間以内に指定口座に入金されますとの説明と、次回
             の認定日は新しい失業認定申告書に記載されているので、忘れずに来所するようにと注意
            があった。

             新しい失業認定申告書を見ると、次回の失業認定日は、6月3日(木)となっていた。
               いよいよ、基本手当が受給されますね。ここで、今までの流れをまとめて見ます。
                 4月8日にAさんは初めてハローワークに行きましたね。これが
求職の申込みで、基本手当受給のスタート
                 になります。そして、この日から7日間は
待期期間といい、この間は基本手当は支給されません。第1回目の
                
基本手当の対象期間は、4月15日から5月5日までの21日間となり、この期間に失業の状態であり、かつ、
                
 求職活動を2回以上行うことが必要です。ハローワークで認められている求職活動とは、ハローワークの求人
                 検索機械を使って求人情報を検索したり、ハローワークや民間職業紹介機関を使って職業相談や職業紹介
                 を受けたりすること等で、新聞や雑誌等の求人情報を見たりしても求職活動の実績にはなりません。
                  Aさんは4月15日から5月5日までの21日間に、ハローワークが認めた2回以上の求職活動をし、その
               内容を失業認定申告書に記載してハローワークに提出し、ハローワークはこれを認めて21日間の基本手当
                の支給を決定したわけです。
                 なお、Aさんは離職してからすく゜にハローワークへ求職の申込に行っているので問題ないのですが、通常
                は、基本手当を受給できる期間は離職日の翌日から1年以内となっています。(所定給付日数が330日の場
               合は1年+30日なので、Aさんは、平成17年4月30日までに基本手当を貰い終わらないと、給付日数が
                残っていても基本手当は貰えません。) 離職したらすくにハローワークへ行って求職の申込みをすべきです。
                               
                                            

     
  
              5月12日(水)。Aさんは銀行にて通帳を記帳したところ、126,000円がハローワーク
            から振込みになっていた。
              Aさんの指定口座に振り込まれていた126,000円はどうやって算出したものでしょうか。
                  雇用保険で受給できる1日あたりの金額を
基本手当日額といい、これは、原則として離職した日の直前
                6ヵ月間に支払われた賃金(賞与等を除く)の合計を180で割って算出した金額(これを
賃金日額といいます)
                に50%から80%の給付率を掛けて算出します。
                  Aさんの基本手当日額を計算してみましょう。まず、Aさんの15年10月から16年3月まで6ヵ月間の賃金
                合計が180万円とします。賃金日額は、180万円÷180日=1万円となります。基本手当日額は、賃金日
                額に50%から80%(60才以上65才未満は45%から80%
の給付率を掛けて算出しますが賃金日額が
                多いほど給付率は低くなります。Aさんの給付率が60%としますと、1万円×60%=6,000円が基本手当
                日額となり、6,000円×21日=126,000円が第1回目の基本手当となります。

                そして、Aさんは第2回目の失業認定日の前日の6月2日までにハローワークが認める求職活動を2回以上
               行い、6月3日の所定時刻にハローワークへ行き、失業の認定を受ければ第2回目の基本手当が受給できる
               わけです。
                  それでは、Aさんは何日間基本手当を受給できるのでしょうか。下記の表のように、離職理由や被保険者
                であった期間により受給できる日数は異なります。
                  Aさんは、22年勤務して現在45才、そして事業主からの働きかけにより退職したので、特定受給資格者に
                該当し、給付日数は、330日となります。
                 なお、もしAさんの離職理由が自己都合によるものであるとすると、給付日数は150日となるばかりでなく、
                3ヵ月間の給付制限期間もあるため、受給開始が3ヵ月間遅くなります。

        
            ※事例は一般的な例であり、ハローワークによって、取扱が若干異なる場合もありますので、
              ご注意ください。

 

    
                      特定受給資格者(倒産、解雇等により退職した者)の基本手当日数    

                                    (被 保 険 者 で あ っ た 期 間)

   離職時の年齢 1年未満  1年以上 
 5年未満
5年以上 
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
 30歳未満    90日    90日    120日   180日   
 30歳以上35歳未満    90日    90日    180日   210日  
 35歳以上45歳未満    90日    90日    180日   240日  270日
 45歳以上60歳未満    90日   180日    240日   270日  330日
 60歳以上65歳未満    90日   150日    180日   210日  240日

  
                 一般の離職者(自己都合や契約期間満了により退職した者)の基本手当日数

                              (被 保 険 者 で あ っ た 期 間 )

   離職時の年齢  1年未満 1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
    全年齢共通    90日   90日    90日   120日  150日

      

           3.再就職手当とは  
               2の事例の場合、Aさんは最高330日間の基本手当を受給できますが、一生懸命に求職
            活動をし、基本手当受給中に再就職先が決まったら、残りの基本手当は受給できないので
             しょうか。そんな場合には、
再就職手当が受けられることがあります。
              再就職手当は、ハローワークに求職の申込みをした後、基本手当を貰える日数が、所定給
             付日数の3分の1以上かつ45日以上残っている間に、
安定した職業に就いた場合に支給さ
              れるもので、支給額は次の式で算出します。
                  支給額=支給残日数×30%×基本手当日額

          
               安定した職業に就いたとは、1年を超えて雇用されることが確実な先に雇用された場合等
             で、離職前に勤務していた事業主と密接な関係にある者に雇用された場合等は、含まれませ
            ん。

              また、支給残日数とは、新たに職業に就いた日の前日における基本手当の残日数です。
               なお、、自己都合退職した等により3ヵ月間の支給制限期間がある場合は、制限期間の最
             始の1ヵ月間は、ハローワークの紹介により再就職が決まった場合等でないと、再就職手当
             は受けられません。
              その他、基本手当の待期期間満了後に仕事に就く等の条件を満たす事が必要です。
              最後に手続きですが、再就職先が決まってから1ヶ月以内に、再就職手当支給申請書に受
             給資格者証を添えて、ハローワークに申請します。ハローワークは、再就職先へ電話等で、本
             人が間違いなく勤務しているか否かを調査、確認します。そして、その後、再就職手当が振り
            込まれます。

   
          4.求職活動は

            (1) 自分の得意分野は何か 
              「再就職先は雇ってくれるところがあればどこでもいいよ。」と思っている方もいらっしゃるで
             しょう。しかし、中途採用者に企業が求めているのは、
即戦力となる実務能力です。まず、自
             分の今までの職務経歴を洗い直し、自分はどんな仕事をやってきたのか、何が得意なのか、
             どんな仕事に就きたいのか、それにはどんな能力が必要で何が不足しているか等の点を整理
            しましょう。そして
自分のセールスポイントを明確にするのです。
              「自分はたいした仕事もしてないし、特にセールスポイントなんて・・・・・」と考えている遠慮深
             い方も良く考えてみてください。自分では気が付かなくてもセールスポイントは必ずあるはずで
             す。見落としがちなのが、今までに経験してきた仕事です。自分では大した仕事じゃないと考え
             ていても、その仕事を経験してない人からみれば、大した仕事です。自分はこんな仕事をした
             事があるというのは、大切なセールスポイントの一つです。今までの経験が生かされる仕事に
             就ければ、あなたにとっても、再就職先にとっても、プラスになるでしょうから。
       
            
             (2) いかに新しい情報を沢山集めるかがカギとなる
               離職した人の一番の不安は、自分が希望する再就職先が見つかるかと言うことでしょう。
               確かに失業率は5%を超え、雇用情勢が厳しいことは事実です。しかし、人材を募集してい
             る企業は沢山あります。まずは
情報をできるだけ多く収集することが大切です。新聞の求人
             広告や就職情報誌を見たり、友人や親戚のツテで紹介を受けるのも結構ですが、新しい豊富
             な求人情報を提供しているのがハローワークです。ハローワークは次の様な長所があります。
        
             @タッチパネル式のパソコンが数十台あり、簡単な操作で近隣の求人情報を検索できます。
                性別、年齢、希望する勤務地、希望収入、希望職種等、画面にタッチすれば、それに該当
                する求人情報が出てきます。プリントアウトも出来ます。また、遠方の都道府県の情報も
                見ることが出来ます。
             A一般社員用、パート社員用、中高年齢者用等の新しい求人情報が紙ベースで置いてあり、
               週単位で更新されています。持ち帰り自由ですし、詳しい内容を知りたい方は、相談窓口
               で問い合わせることが出来ます。
             B再就職活動の仕方、応募書類の書き方、面接の受け方、求人情報の入手方法等をビデ
                オで説明するビデオセミナーが開催されています。
             C労働局や雇用・能力開発機構等主催のセミナーや受講生募集等のリーフレットがあり、ス
               キルアップを目指す人にとっては有益な情報源となります。ハローワークから申込みでき
                るものもあります。
             D地元の企業の合同面接会の案内やこれから起業しようとする人達のためのセミナー案内
               のリーフレット等貴重な情報があります。
             E履歴書、職務経歴書の書き方、面接の受け方等のリーフレットもあります。
             F相談窓口があり、職業訓練を受けたい方の相談に応じてくれます。
               この他にも、ハローワークには新鮮な情報があります。有効に活用しましょう。
               なお、地域によっては上記のサービスを行っていない所もありますので、ご確認下さい。

     
                ハローワーク以外にも求職活動のための色々な関係機関があります。
             @人材銀行(管理職、技術職、専門職で仕事を探している方が対象となります)
             Aヤングハローワーク(30才以下の方が主な対象です)
             Bパートバンク、パートサテライト(パートで働く仕事を探している方が対象となります)
             C民間の人材紹介会社(登録料は無料です。複数社に登録することも出来ます)

                また、パソコンを持っておられる方は、Web上からも沢山の情報を収集して下さい。
      
            (3) フットワークを軽くしましょう
               自分のセールスポイントに自信のない方は、ハローワークで行っている職業訓練を受けて
              みては如何でしょう。色々な種類の職業訓練がありますが、人気の高いものはすぐに満員に
              なります。窓口で情報をいち早く入手できるよう、定期的にハローワークに通いましょう。
                また、良い就職先を見つけたときは、素早く行動しましょう。あなたが良い就職先と思ってい
              る先は、他の人にとっても良い就職先である可能性が高いからです。履歴書、職務経歴書は
               予め作成しておきましょう。また、面接が決まったら、会社の概要を再度調べておくべきです。
                そして、職務経歴、セールスポイント、志望動機、前の勤務先の退職理由等を聞かれても
              自信をもって答えられるように整理しておきましょう。前の勤務先の悪口を言うのは、絶対に
               やめましょう。明るく、前向きな姿勢を忘れずに頑張って下さいね。

                 

                                ”賢い退職の仕方”へ

                   
                             ”独立開業と会社設立ノウハウ”へ
  
                  
                             ”職場のトラブル解決室”にもどる
 

                           社会保険労務士・行政書士 
            八木労務行政事務所

                                
代表 八木 敏郎
 
                        
〒140-0014 東京都品川区大井7−26−22
                                E:mail:toshi-y@east.cts.ne.jp